ぜんぶ、あげました。 作:釘パンチ
なんか生えてきたやつを代わりに処方しておきますね。
「久しぶりだね、プラナ。学校は楽しい?」
「……楽しいかどうかは……分かりません。でも、寂しくはありません」
色々あって今はキヴォトスの学生をやっているプラナが先生を訪ねてシャーレのオフィスに遊びにきていた。
たまにモモトークでやり取りをするものの、先生には迷惑を掛けたくないという理由で直接会うことも少なくなっている。
「なら良かった。今日はどうしたの?」
他の生徒と変わらず、大切な生徒として接するためにいつもの先生としての表情を崩さずにいられるが、今はもう起動しなくなったシッテムの箱がスーツの内ポケットの中でいつも以上に重たく感じる。
「……保護者として、授業参観に出てください」
「……はい?」
生徒は守るべき存在であることは間違いないが、プラナの保護者。つまり、親になったつもりはない。
すっとんきょうな声で思わず聞き返してしまう。
「授業参観に出てください。保護者として」
「表現技法の問題ではなくてね!」
生徒のためならば、大体のことは何でもしてあげられる自負がある先生だが、親代わりとなると話が違ってくる。
そもそも彼女との関係性的に、誰が何をするかということも予想できているせいで、先生は頭を抱えた。
「……母親役の心配なら、無用です。連邦生徒会長に話したら快諾してくれました」
「ほらー! それが一番厄介なんだよ!」
ただでさえ、良からぬ噂が蔓延しているのに、会長がそれを利用して外堀を埋めるどころか、外堀に埋められている先生はどんどん息苦しくなっていく。
「それなら会長だけじゃダメだったのかい?」
「……両親同伴の方が良いと、連邦生徒会長が……」
既に会長によってカリキュラムにすら手が入れられている時点で先生にもう逃げ場などなかった。
色んな意味で先生は弱者だった。
そんなこんなで当日。
「ほら、先生! もうちょっと口角上げてください! 折角プラナちゃんが笑ってるんですよ!」
「お前の情緒どうなってんだよ……!」
プラナを可愛がってない。とは言わないが、朝一番から登校に付き添い、校門の前で三人で写真を撮るほどの思い入れはない。
通行人からは、生暖かい目を向けられてはいるものの、これが一部の生徒の脳をどれだけ焼くかわかったものではない。
「ふふー。プラナちゃん可愛いですよー」
「くすぐったい、です。ママ」
「本当に何仕込んでんだオメーはよぉ!?」
プラナにママと呼ばせている会長に割りと本気の先生のコブラツイストが炸裂する。
「あだだだだた!! 先生! 私が超人と言えど身体の作りは凡人なので、関節技はギブギブギブギブ!?」
会長のタップアウトを無視した先生の目が据わっている辺り、かなり頭に来ているようだ。
一時間で書いたからここまでで許してほしい。