舞わせ!シャリタツブレード!   作:十二の子

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 闇スシ

 邪道のシャリタツブレードに堕ちたシャリタツたちの派閥。ヘイラッシャ以外のポケモンに回されて戦う。自分たちが逸脱者であることを自覚しているので、邪道とされる寿司ネタの名を名乗り、「寿司に擬態するという生き方」を寿司の範囲の拡張によって変革しようとしている。

 邪道寿司なりきりごっこと言えばそのとおりなので、イタい闇スシもいる。ただし本シャリタツたちはいたって真面目に擬態し、邪道寿司に学んで戦おうとしている。



越えろ!闇スシ四板前!

ー*-

 

 ”「それから、ぬしシャリタツさんは闇スシ四板前に次々と挑んだのです。」”

 

 -「くっくっく、アボカドは四板前の中でも最弱...

 

 ...オレが右腕に宿るチカラに恐れおののくがイイー!」

 

 ”「『馴れ寿司のオレンジそり』は、サニゴーンを供にして、何故か片目を米粒の眼帯で覆った強敵でした。」”

 

 ー「えっ何この発酵臭…」「芳醇な香りですね。」「ハネ、これすき…」「好みが別れそうやなぁ。」

 

 ー「オヌシ、クサッてる!」

 

 ー「オレ、クサッてない!オレ、ナレズシー!」

 

 ー「ヌシ、身体が臭い!」

 

 「馴れ寿司シャリタツって体臭が馴れ寿司なのかよ!/なのですわね!?」

 

 「馴れ寿司の姿のシャリタツなんていないから何かと思ったけど、必死になりきってたんだね…」

 

 ”「アボカド寿司のベニのびも、アボカドを乗っけていたりはしませんでしたよ。イッシュっぽい喋り方をしていましたが…」”

 

 「ルー語は訛でもなんでもないから、言葉すらカリフォルニアロールになりきれてないんだよなぁ…/一周回って健気ですわね…」

 

 ー「美しい心は美しい身体から!オヌシ、その匂いではスシの風上にもオケヌ!」

 

 ー「グヌ、オヌシの好みの問題ではないカー!」

 

 ー馴れ寿司のオレンジそりは ほろびのうた状態に なった!

 

 ーサニゴーンは ほろびのうた状態に なった!

 

 ーぬしシャリタツは ほろびのうた状態に なった!

 

 ”「サニゴーンの『ほろびのボディ』特性により、ヌシさんはピンチになりました。」”

 

 「発酵食品は時間が経つとドンドン発酵するもんね…馴れ寿司を食べるタイミングは大事ってことだね…」

 

 ー馴れ寿司のオレンジそりの こうそくスピン!

 

 ーぬしシャリタツの こうそくスピン!

 

 ー「な、ナゼこのオレがマケタ…」

 

 ー「オレ、『かたくなる』した。」

 

 ー「あー…やわらかい発酵食品には負けないってことか。洒落が効いてるねえ。」

 

 ー「馴れ寿司は…ヤハリ邪道のスシナノカ…?」

 

 ー「ムム、オヌシの考え、悪くない。好みが別れるスシの路、心を清めてから鍛え直せ。

 

 馴れ寿司もまたスシー!」

 

 「…今度別荘の管理人さんに馴れ寿司届けたほうがいいかしら…」

 

ー*-

 

 ”「続く3回戦は『レバ刺しユッケタタキ寿司のアカたれ』とニャイキングさんでした。」”

 

 「「「待って待って待って」」」

 

 ディアンシーが告げた対戦相手の名前に、一斉にツッコミが入った。再び蒼玻/アオバが冷や汗を垂らす。

 

 「レバ刺しの?」「ユッケの、タタキの/お寿司、ですわよね…?ナマ…?」

 

 ”「あくまで擬態なのに、シャリタツだとわかっているのに、見ているだけでよだれが出ますしお腹が痛くなりました…」”

 

 生食品の誘惑は恐ろしいものである。

 

 ーニャイキングの なげつける!

 

 ーレバ刺しユッケタタキ寿司のアカたれの げきりん!

 

 ”「ぬしシャリタツは、ビクビクとお腹を抱えて跳ねたのです。」”

 

 「え、本当にアタりましたの?」

 

 「違うよお姉ちゃん、『げきりん』は効果抜群だから…」

 

 ”「そしてレバ刺しユッケタタキ寿司のアカたれさんも、お腹を抱えて震え出したのです。」”

 

 「ああ、げきりんの反動か…

 

 ...湖で腹抱えたシャリタツがのたうちながらぐるぐる回ってるの、シリアスなんだけど想像するとなんかこう...」

 

 

 ギャグにしか思えなかった。

 

 「それで、どうなったの?」

 

 ”「どうにもなりませんよ。

 

 『そんな危険なことをするんじゃない!』って、ヌシさんが一喝して。」

 

 -ぬしシャリタツは テラスタルした!

 

 -ぬしシャリタツの テラバースト!

 

 「寿司に擬態するポケモンとして、食品衛生法違反の寿司に擬態しているのは許せなかったのですわね。」

 

ー*-

 

 闇スシ四板前の4スシ(?)目は、もう名乗りを聞く前から、見ただけで、イーブイには嫌な予感がしていた。

 

 のびたすがたフォルムであるはずの身体を必死に縮め、黄色い身体を膨らませた喉袋の上に収めて、身体の側面全体を黒い布か何かで覆っている、それはまるで... 

 

 「ワガハイ、マヨコーンのキのび!

 

 いざ尋常に、ショウブ!」

 

 -マヨコーンのキのびの こうそくスピン!

 

 ーバリコオルの スキルスワップ!

 

 ーぬしシャリタツの こうそくスピン!

 

 ーバリコオルの あられ!

 

 「こ、これって…!」

 

 グレイシアが感嘆混じりの声を漏らす。…ヘイラッシャなくしては役に立たない特性「しれいとう」を、スキルスワップでバリコオルの「アイスボディ」と入れ替え、あられ状態にすることで、マヨコーンのキのびは回復(鮮度の維持)ができるようになったのだ。こおりタイプの彼女にとってなるほど感動に値した。

 

 「オヌシ、ドラゴンのはずでは!?そもそも掛け声は!?」

 

 「そうだよね…僕ならあんな寒そうな中戦いたくないよ…」

 

 「オレ、スシ!鮮度は大事!

 

 マヨコーンでへいらっしゃい、シマラヌ!」

 

 「いやそれはそう…なのか?」「なんでやねん、どう見ても冷やす寿司ちゃうやろ。」

 

 あまりに勢いのある言い切りにブロスターが説得されかかっている。

 

 2体のシャリタツがぶつかり、しかしマヨコーンのキのびのほうはなかなか回転が弱くならない。あられの天候で体力だけでなく回転力も回復しているのだ。

 

 「トドメ!」「ナラバ…!」

 

 ーマヨコーンのキのびの こうそくスピン!

 

 ーぬしシャリタツの カウンター!

 

 かなり回転が弱まってきたぬしシャリタツへ、マヨコーンのキのびが衝突…した瞬間、マヨコーンのキのびはあらぬ方向へと弾き飛ばされた。

 

 水面を石切りのように跳ね、マヨコーンのキのびが横倒しに着水する。したはいいが、回転が全然弱まっていない。横倒しにすらされたのに。

 

 「オヌシ、ナゼ、タエラレル…!?」

 

 「…

 

 …マヨコーンが…真横ーン!www」

 

 「「「「「は~~!?」」」」」

 

 ーマヨコーンののキのびの こうそくスピン!

 

 マヨコーンのキのびが、ジェットコースターのループのごとく縦に回転を繰り返し、斜め上から叩きつけるようにぬしシャリタツに迫る!

 

 「マヨコーンスシは軍艦スシ!オレの攻撃力は世界一ィ!」

 

 そんなわけあるか...全員の心が再び一致する。

 

 ーぬしシャリタツの ハイドロポンプ!

 

 マヨコーンのキのびは、真下からしたたかに水で叩かれ、それでもハイドロポンプの中を突っ込んでぬしシャリタツもろとも水に沈んだ。

 

 「浮かび上がってきたときに回っていた方が勝ち、ですよね?」「ディアンシー、たぶんきっとこれ...」

 

 ...果たして...

 

 ...2体のシャリタツが、ゆっくり回転しながら浮かび上がった。

 

 -マヨコーンのキのびの こうそくスピン!

 

 -ぬしシャリタツの こうそくスピン!

 

 「オレはマヨコーン!主食!オヌシ、タダノスシ!持久力ナシ!」

 

 マヨラーなのかコーン主食民族なのかわからないようなことをほざきながら、あられで回転速度を徐々に回復するマヨコーンのキのびが迫る。

 

 ーぬしシャリタツの カウンター!

 

 「オヌシの攻撃など、耐え...

 

 ...ナ、ナゼェェェ!?」

 

 「オヌシ、マヨコーン軍艦にこだわりスギ!

 

 オヌシのノリ、剥がれた!」

 

 空高く飛ばされていくマヨコーンのキのびから、黒く巻かれた布らしきものが剥がれ落ち、縮こまらせていた黄色い胴体がのびる。

 

 「な、なにが...」「ハネ、わかった!水で海苔を弱らせたんだ!」

 

 「オヌシの視点と、スシの強さに学ぶ戦い方、悪くナイ!

 

 弱さも学んで、モット精進するスシ!」

 

 ぬしシャリタツは、マヨコーンのキのびではなくバリコオルを睨んだ。

 

 バチバチ、視線で火花が散り...バリコオルは、ふっと笑って去っていった。

 

ー*-

 

 ”「闇スシ4板前の5番目は」”

 

 「「「待って待って待って」」」

 

 ディアンシーの語りは、ここにきてまさかの出オチとなった。

 

 「あの、4板前ですわよね?5番目...?

 

 /5貫そろって四天王...ってコト!?」

 

 ”「なんでも『1つ増えたほうがお得なスシっぽい』ということだそうです。」”

 

 「いや、スシに擬態してるだけでスシじゃないでしょ...あーもういちいち突っ込んでたらキリがないから続けてよ。」

 

 ”「はい。5番目はタチフサグマをブレーダーにしたシャリタツさんで、名乗りを『ハンバーグ寿司のチャそり』と...」”

 

 「…ごめんねディアンシー、やっぱり突っ込ませて?」

 

 -ハンバーグは、さすがに寿司じゃないだろ...

 

 ”「…でも、常に胴体を自転させて、残像が丸くハンバーグっぽく見えていましたよ…?『”回転”が生み出す”円”それに常に慣れておくことが”シャリタツブレード”の極意...すなわち”黄金の回転”を教えてくれるスシ、ハンバーグこそ至高のスシ...!』と言っていました。」

 

 「うん、うん...?わたくしがおかしいのかしら...?/アオバちゃんしっかりして~~!」

 

 -「オヌシも感じているはず、シャリタツという種族の、限界を...」

 

 -「オレたちの、限界?」

 

 -「オレたちシャリタツはしょせんスシに擬態するポケモン、だが、スシ一辺倒では敵も獲物もだんだんと学び、見破るようになりつつある...もはやスシに擬態することは狡知ではなく滑稽...!

 

 だから、オレたちは、スシに学び直さなければならない!」

 

 「あー、だからマヨコーンやらハンバーグやら...ハンバーグ?」

 

 「スシに限界?

 

 オレ、オヌシとタチフサグマを超えて、スシの可能性、ミセル!」

 

 -ぬしシャリタツの こうそくスピン!

 

 -タチフサグマの ブロッキング!

 

 ーハンバーグ寿司のチャそりの りゅうのはどう!

 

 ”「回転に慣れているハンバーグ寿司のチャそりさんは、こうそくスピンを一切使わずりゅうのはどうの回転力だけで回転を維持し続けていました。さらにヌシさんの攻撃にタチフサグマさんが手を出してくるため、非常に熾烈な戦いとなりました。

 

 そして戦いの中、ヌシさんは新たな力をものにしたのです。」”

 

 「…と、言いますと?」

 

 ー「スシは、学び、学ばれるモノ!

 

 スシの可能性、コエル!」

 

 ーぬしシャリタツの ハイドロポンプ!

 

 ”「私とイーブイさんはそれを『カウンターシールド』と呼ぶことにしました。」”

 

 -「オレ、スシ回しの極意、メザメタ!」

 

 -「オヌシ、もう、回転をマスターしたのカ!?」

 

 身体を回す、攻撃も回す、そうして、自分を取り巻くハイドロポンプで自らを守りながら回転を高速化する...もとはと言えばアボカド寿司のベニのび戦で思いついた戦法を、ぬしシャリタツはみごと、ハンバーグ寿司のチャそりの回転を見て学ぶことでマスターしたのだ。

 

 ”「そして、2つの回転スシがぶつかり...」”

 

 ー「オヌシ、重い...!?」

 

 ー「オレ、ハンバーグ!重量感と満足感がジマン!」

 

 ーハンバーグ寿司のチャそりの とびかかる!

 

 -タチフサグマの すなかけ!

 

 胡椒のごとく降りかかる砂、そしてその中を飛び掛かってくる回転円。それに対して、ぬしシャリタツは...

 

 ”「ヌシさんは、ハイドロポンプを逆噴射して、減速したのです。ギリギリまで。」”

 

 「減速?加速ではなくって?」

 

 ーぬしシャリタツの ハイドロポンプ!

 

 ー「オヌシの回転寿司が見せてくれた可能性、スバラシイ!

 

 オヌシの失敗は、オヌシがハンバーグ以外の寿司の可能性から、目を背けスギタコト!」

 

 ”「鍛えた真円の回転と重量によるアタック、それを制したのは、回転し続けていることで見えなくなり、重さによる勢いで容易には避けきれないその隙への狙撃でした。」”

 

 ー「オヌシのスシは、回るスシだけではない、回らないスシもまたスシ…ということか…ガクッ」




Q:パルデアではむしろシャリタツから寿司が生まれたという話では?

A:ヘッドカノンって便利な言葉ですね()
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