こちら葛飾区亀有公園前派出所 未来からの訪問者 作:雛月 加代
「ワシは結婚は、恋愛結婚と決めてるんです!」
「プッ。お前みたいな男と恋愛結婚したい物好きがいると思ってるのか?」
「もちろんです!部長全然分かってないな。こう見えてもワシはモテるんですよ。」
「ワハハハハ!お前がモテるの!?ワハハハ!冗談は寄せ!お前が女性とデートした、とか、付き合ってる、だなんて話・・・・・未だかって、これぽっちも聞いた事ないぞ!ハハハハハハハ!」
「ったく、部長め・・・ふぅ〜あちぃぃ・・・・」
警察官の象徴であるブルーの制服をたくし上げ、手足を投げ出しだらしなく椅子に寄りかかるつながり眉毛の男。照りつける太陽を恨めしそうに見つめながら、企業の名前入りのチープな団扇を武器に暑さと格闘していた。
「くそ、こう暑くちゃ仕事もやる気にならねぇなぁ・・・・」
「よく言うわ。暑くても寒くてもまともに仕事なんかしないくせに。」
「そんな事はないぞ。こうして派出所に来て机に向かう。これを働いていると言わずになんと言うんだ」
もっともらしい事を言ってはいるが、彼の机の上には作りかけのプラモ、ゲーム、ラジコンに娯楽雑誌と、仕事の"し"の字も無い有様だった。
「みんな、おはよう!」
「『「おはようございます、部長!!」』」
大原部長が派出所に入った瞬間、両津を除く全員が整列し、頭を下げる。
「おはよう。両津、お前にお客さんだぞ!」
「え?ワシにですか?」
顔を上げる両津。それと同時に部長の背後から人影が現れた。
「パパー!」
「は、はあっ!?」
そこにいたのは、小さな少女。色白でちびっこい女の子がそこにいた。誰かに似てるような気がする・・・・・。少女は両津の姿を見つけると、急いで彼に飛びつく。
「ちょ、ちょっと、誰だ?」
「パァパ?」
「だ、誰がパパだ!」
両津の頭、ただいま大混乱!
「冗談じゃねえ!お前なんか知らねぇつうの!」
両津は、小さな少女を引きはがそうとする。
「あーん、やめてよう、パパぁ。」
「くっ付くなって!ほら、離れろ!」
「両ちゃん、折角訪ねて来た我が子になんてことしてるのよ!?」
「そんな事言われても!」
「あっ、ママだぁ!ママー!」
少女は、両津を離れ、今度は麗子に飛びつく。
「えっ?マ、ママって、ママ!?」
麗子は固まり、目をぐるぐるとさせ、未だそう呼ばれたことのない単語に、言葉がしどろもどろになる。
「パパ、ママ、ようやく会えたねー!!」
女の子は、麗子の手を引っ張り、両津の側まで連れてくる。
「バッカモーンッッッ!!」
怒号が派出所中に響き渡る。
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