PokeLive SuperStar   作:EX@ED

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まだ名もないキモチ Ⅰ

『ポケットモンスター』、縮めて『ポケモン』。

この星の、不思議な不思議な生き物。

その種類は、100、200、300、いや・・・それ以上かもしれない。

 

ここは『トウキョウ地方』 『ユイガオカアカデミー』

今まさに、ここから五人の少女達の物語が始まろうとしていた。

 

 

 

〜ポケモンリーグ トウキョウ会場〜

 

芝生のコートの周りには数万人を超える程人が集まり席に座っている。

 

『会場お集まりのみんな〜!それと配信のみんなもにっこにっこに〜!』

 

「「「「「にっこにっこに〜!!!」」」」」

 

そこに黒髪をツインテールに結んでいる少女?が現れた。

 

『ありがとう〜!今日の司会のにこにーだよ〜、そんな事よりもみんな盛り上がってる〜?』

 

「「「「「わぁあああ!!!」」」」」

 

にこにーと名乗る少女?の問い掛けに会場は盛大な盛り上がりを見せる。

 

『そうだよね!なんと言ったって今日のエキシビジョンは全世界の誰もが待ちに待った組み合わせだもんね〜!』

 

するとコートに向かって歩いて来る二人の女性の姿があった。

片方の女性はアホ毛があり、もう片方はサイドテールで髪を結んでいる。

 

『来たみたいね、知らない人なんて居ないかもだけど一応紹介するわね!』

『ウラノホシ地方のウチウラタウンが産んだ天才トレーナー、憧れと輝きを求めて進んだ先はウラノホシリーグのチャンピオン・・・『チカ』!!!』

 

「今日は全力で行きます!無敗記録もここまでですよ!」

 

『続いてここトウキョウ地方、いや!全世界の絶対王者!無敗の太陽とは彼女の事!オトノキリーグチャンピオン・・・『ホノカ』!!!』

 

「ホノカだって負けないよ!」

 

二人の登場で会場のボルテージが最高潮に達した。

 

『ワールドチャンピオンシップスでランクの一位と二位のバトル、もうみんな待ちきれないわよね?さあ二人共!ボールを構えて・・・』

 

二人は上が赤、下が白のボール『モンスターボール』を取り出し強く握りしめる。

チカは憧れでもあり自身の原点とも言えるホノカに勝つ為。

ホノカは目の前の向かって来る挑戦者に喜びを感じながから。

両者の強い想いがボールへと込められる。

 

『バトル・・・スタート!!!』

 

「輝こう、エースバーン!」

 

「リザードン、ファイトだよ!」

 

お互い相棒とも呼べるポケモンを出す。

チカの方は人型の白い毛並みをした兎のポケモン、エースバーン。

対するホノカは大きな翼と尻尾の先に炎が灯っているトカゲのポケモン、リザードン。

 

「飛ばして行くよリザードン!」

 

「グォオン!」

 

「エースバーン!私達も!」

 

「ラビッ!」

 

二人は相棒をボールに戻す。

同時に彼女達の右手首に付けられた白いリストバンドがボールに赤い光を宿し、そのままボールは巨大化する。

 

「「『キョダイマックス!!!』」」

 

ボールを上空に向かって投げると、二体は先程の姿とは全く異なる姿へと変貌を遂げる。

それどころか、まるで会場から溢れ出るかの如く巨大化していく。

 

「『キョダイレンゴク!』」

「『キョダイカキュウ!』」

 

二体の技がぶつかり合うと会場内に凄まじい衝撃が走る。

 

「きゃあ!?いっいきなりキョダイマックスって・・・あのアホノカとバカチカ!飛ばし過ぎよ!」

 

にこにーは司会も忘れて目の前の二人に文句を垂れ流す。

 

 

 

そして舞台はとあるポケモンスクールへと移る。

 

「私はカノン!家族は父と母と妹とホーホーのマンマルと、それから相棒のモクローとカジッチュです!」

 

カノンの目の前に茶色い梟と林檎の姿をしたポケモンが居る。

 

「クルゥ!」

「ジッチュ!」

 

「夢はこの子達といつか、ワールドチャンピオンシップスに出場して無敗の太陽ホノカさんとバトルする事です!」

 

 

 

それから一年の月日が経つ。

カノンは見事ユイガオカアカデミーに入学を果たした。

 

だが・・・。

 

『モクロー戦闘不能!』

 

「モクロー!?」

 

「ゥ、クゥ・・・」

 

「嘘でしょ・・・」

 

「カノンちゃんが負けるなんて・・・」

 

カノンはポケモンスクールにいた頃は、例え相手が上級生や教師であれど負ける事は一切無かった。

そんな彼女の実力を知っている者達からすれば、信じ難い光景であるのは間違い無い。

 

「話にならない・・・」

 

そんな中、カノンに近付く姿があった。

先程までカノンとバトルをしていた相手であった。

 

「よくそんな実力でホノカ様に挑もうなんて思ったわね?身の程を弁えなさい」

 

相手はカノンにそう告げる。

 

「そもそもモクローでバトルって、舐めているとしか言えないわ・・・よく勝とうなんて思えたわね・・・はっきり言って才能無いわ」

 

カノンは間違い無く全力で勝ちに行った。

そんなカノンにとってそれは、とても耐え難い言葉となった。

 

「分かったら、ホノカ様との勝負は諦めるのね」

 

その言葉を最後にカノンの目の前は真っ暗になった。

 

 

 

 

 

〜数ヶ月後〜

 

カノン宅

 

「バァ〜〜カ、勝てたら苦労しないっつ〜の!」

 

あの一件以来、カノンは少し・・・いやかなり荒れていた。

 

「お姉ちゃん!今日入学式でしょ!」

 

「分かってまぁ〜す・・・」

 

「遅刻するよ!急いで!」

 

妹のアリアとの会話ですらもこんな風に面倒に話す。

アカデミーに行く準備をしたカノンは下の階に降りる。

そこはカノンの実家が経営している喫茶店となっている。

 

「行ってきまぁす・・・」

 

「おはようは?朝御飯は良いの?」

 

「・・・おはよ、別にいらない」

 

カノンは逃げる様に外へ出て行く。

途中入口にいるモクローとはまた違う梟のポケモン『ホーホー』のマンマルの目の前で止まる。

 

「マンマル、行ってくるね」

 

「ホー」

 

「カノン!制服似合ってるわよ!」

 

「っ・・・似合ってない!」

 

そう言ってカノンは外へ出て行った。

 

「まだあの事気にしてるの?」

 

「繊細だから・・・」

 

 

 

カノンはアカデミーに向い歩いていた。

とある公園の横を通ると小さな子供達がキャッチボールをしているのが目に入る。

 

「行くぞ〜・・・おりゃあ!」

 

少年が投げたボールが明後日の方向へと飛んで行く。

 

「どこ投げてるの!?」

 

「いっけね!」

 

そしてそのボールは木の枝に引っかかる。

 

「「あぁ・・・」」

 

子供達はボールを見て佇んでいた。

 

「あらら・・・モクロー」

 

カノンは背負っているリュックの中で寝て居るモクローを起こす。

 

「クロォ・・・?」

 

「寝てるのにごめんね?あの子達のボールを取ってあげて」

 

モクローは目を羽で擦るとやる気に満ちた顔をして飛び立つ。

そしてそのままボールを掴み、子供達に渡す。

 

「「ありがとう!」」

 

「クロォ!」

 

モクローにお礼を言う子供達にカノンが歩み寄る。

 

「ありがとモクロー、君達も気をつけて遊ぶんだよ?」

 

「「は〜い!」」

 

するとさっきの木から大きな二つ針を持った蜂のポケモン『スピアー』が現れて子供達に飛び掛かる。

 

「スピィ!」

 

「っ!モクロー!このは!」

 

「クロォ!」

 

「続けてフェザーダンス!」

 

カノンは素早くモクローに指示を出してスピアーを牽制する。

モクローの技によって視界を葉と羽で埋め尽くされたスピアーは戸惑って動きを止める。

 

「今だ!ブレイブバード!」

 

「クルゥ・・・クゥ!」

 

渾身の一撃がスピアーに決まりスピアーは堪らず逃げ出した。

モクローは疲れたのかカノンのリュックへと入って行く。

 

「クルゥ・・・」

 

「フフッ、お疲れ様モクロー」

 

すると周りから拍手が送られる。

いつの間にかギャラリーが集まっていた様だ。

 

「あっ!いやぁ〜アハハ・・・」

 

カノンは気不味そうにその場を立ち去る。

 

「ホワァ・・・」

 

その姿を見つめている少女に気付かずに・・・

 

 

 

カノンは歩きながらさっきのスピアーとのバトルを振り返っていた。

 

「あの時も、こんな風に勝つ事が出来たら良かったんだけどな・・・」

 

するとカノンの目の前にグレージュ色の髪の少女が現れた。

 

[素晴らしいバトルですぅ!!!]

 

「うえぇ!?」

 

[素晴らしいバトルでした!まるでエリートトレーナーの方みたいです!]

 

「ちゅ、チュウゴク地方の言葉!?」

 

[先程のバトル見ました!もう貴方しか居ません!ぜひ私に協力してください!]

 

少女はカノンに詰め寄る。

 

「ちょっ近い近い!?え〜と、ニーハオ!シェイシェイ!ショウロンポウ!ザイジエン!」

 

「あ!?」

 

カノンは逃げ出した!

 

「怖い!怖い!」

 

「待ってくださぁ〜い!!!」

 

少女は追って来る。

カノンはそのまま角を曲がって物陰に身を隠す。

 

「あっ、ありぇ・・・」

 

少女は息を切らしながら辺りを見回す。

どうやらカノンを見失ったようだ。

 

「今の留学生?いきなりなんだったんだろう・・・」

 

カノンも息を切らしながら立ち上がる。

そんな彼女に近付く影が・・・

 

「何してるの?」

 

「うわあ!?・・・ってちぃちゃん!」

 

「うぃっす〜♪」

 

カノンが振り返るとそこには彼女の幼馴染のチサトが居た。

 

「今変な子が居て・・・」

 

チサトは双眼鏡で見るかの様に辺りを見る。

 

「ん〜・・・誰も居ないよ?」

 

「良かった〜・・・あっちぃちゃん、『育成科』の制服似合ってるね」

 

「えへへ〜ありがとっ♪」

 

カノンとチサトは同じユイガオカアカデミーの生徒だが違う制服を着用している。

アカデミーには『バトル科』『パフォーマンス科』『レンジャー科』『育成科』『研究科』『調理科』などと言った様々な科が存在する。

カノンは『バトル科』に、チサトは『育成科』に在籍している。

 

 

 

カノンとチサトは無事にアカデミーに到着した。

 

「そうだ!私今日からたこ焼き屋でバイト始めたんだ!」

 

「あっもしかしてオクタン印の?」

 

「そうそう!今度遊びに来てよ!」

 

そう言ってチサトは育成科の教室に向かう。

カノンも自分が通うバトル科の教室へ向かい、HRで自己紹介をしていた。

 

「えっと、カノンって言います・・・相棒はモクローとカジッチュで・・・ひっ!」

 

するとカノンの目に先程の少女が移る。

どうやら同じクラスの様だ。

 

「スバラシイバトルノヒト〜・・・」

 

何やらカノンを見て目を輝かせている。

 

「よっ、宜しくお願いします・・・」

 

そして紹介が進み、先程の少女の番になる。

 

「初めまして、クゥクゥと言います!チュウゴク地方のシャンハイシティから来ました」

 

(あっやっぱりチュウゴク地方の子だったんだ・・・)

 

HRが終わった瞬間、カノンは何かを察して教室から素早く抜け出した。

 

「あれ?スバラシイバトルノヒト!どこですかぁ〜!?」

 

(よりによって同じクラスか・・・大変そう・・・)

 

 

 

カノンは食堂に来ていた。

 

「やっぱ朝御飯食べとくんだったな・・・」

 

「クル・・・」

 

「ジチュ・・・」

 

「ごめんね、二人もお腹空いたよね?」

 

カノンは二体の前にポケモンフーズの入った器を置き、自分も食事を始める。

 

「ん!結構美味しい!」

 

「あ!!!」

 

「んぐっ!?」

 

突然の叫び声に驚いてカノンは喉を詰まらせてしまう。

 

「あぁ!?スミマセン!お水飲んでください!」

 

カノンは差し出されたコップの水を飲み干した。

 

「はぁ・・・ありがとうございま・・・あ」

 

水をくれた人物にお礼を言おうとしたら、そこにはクゥクゥが居た。

逃げねばと思ったカノンだが、クゥクゥに両手を掴まれてしまった。

 

「カノンさん!クゥクゥは貴方にお願いしたい事があります!」

 

「うぇっ!?」

 

「実はクゥクゥ、このアカデミーで『リーグ部』を結成しようと思ってるんです!」

 

「リーグ部?って何?」

 

「知りませんか?複数のトレーナー達がチームを組んで最強を目指す、『ポケライブ』と言う大会を!」

 

「あっそれは知ってる・・・」

 

 

『ポケライブ』とは・・・

ポケモンバトルは勿論、コンテストやパフォーマンス、ポケモンレンジャーや知識クイズやポロックにポフィン等の調理対決などと言った様々分野をチームで競い合う大会の事。

ワールドチャンピオンシップスに並ぶイベントとして世界中で認知されている。

 

 

「クゥクゥはそのポケライブに出場する為にこのアカデミーに来ました!向こうだと家族に反対されてしまいましたので・・・」

 

「えっと、それで何で私に?」

 

クゥクゥはその言葉に目を輝かせた。

 

「今朝の公園でのバトルを見ました!あれを見て感動しました!なので、是非カノンさんにはバトル部門を担当してもらいたいのです!」

 

「わっ私が!?無理無理!今朝のは偶々で私そこまで強くないし・・・」

 

「いえ!クゥクゥ人を見る目はある方です!カノンさんには才能があります(・・・・・・・)!」

 

「っ!?」

 

『はっきり言って才能無いわ』

 

カノンの頭にあの出来事(トラウマ)が過ぎる。

 

「スピアー相手にあれ程のバトルが出来るんです、絶対カノンさんは凄腕のトレーナーに・・・」

 

「やめてよ!!!」

 

「っ!?」

 

「スピアーは虫タイプ!モクローのブレイブバードはひこうタイプで効果抜群が狙えただけ!ただ相性が良かっただけのバトルで才能があるとか軽々しく言わないで!」

 

「ぁ・・・ぇっ、と・・・」

 

「あっ・・・」

 

やってしまった。

そんな感情がカノンの頭の中を支配した。

食堂内に居た他の生徒達も何事かとカノン達を見る。

 

「っ・・・モクロー、カジッチュ、帰るよ」

 

カノンは二体をボールに戻す。

その時に見えた二体の心配する顔にカノンは胸を締め付けられる様な感覚に襲われた。

 

「悪いけど私、バトル科に入って後悔してるの・・・来週には転科届けが出せる様になるから、別の科に行くつもりなの・・・だからごめん」

 

「あ・・・」

 

カノンはその場から走り去って行く。

 

「カノンさん・・・」

 

「ねぇ、今の子ってまさかあのカノンじゃない?」

 

「だよね!ガイエンスクールの『無敗のカノン』!」

 

クゥクゥの耳にそんな生徒達の会話が入って来た。

クゥクゥは思わずその生徒達の下に向かった。

 

「あの!その話詳しく聞かせてください!」

 

「え?あっうん、良いけど・・・」

 

クゥクゥは一通りの話を聞いた後、話してくれた生徒達にお礼を言ってその場を去った。

 

これが心に傷を負った少女の物語の序章。

ここからカノンの、いや・・・。

彼女達の夢を叶えていく物語が、始まるのであった。

 

 

To Be Continued




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