アニメも見てるけど理解するのに時間かかりそうだなぁ。
息抜きで書くので不定期更新ですがよろしくお願いします。
とある列車の中に男が座っていた。
古代ギリシャのような服を着ていて美しい青い髪を持ち、整った容姿をした男だ。
「…フム…なにか厄介事に巻き込まれたようだな。僕はついさっきまで自室で入浴していたはずだが…ダメだな。それ以降の記憶が全くない」
男は冷静に現在自分が置かれている状況を理解し、フゥとため息をついた。
「…私のミスでした」
突如前方から発せられた声に男は気づき、前を見るとスラリとした女性が座っている。
だが窓から入り込んでくる日光により姿は上手く視認できない。
「(誰だ…?少なくとも知り合いにはいない。幻覚にしては異様な現実味がある…)」
「結局この結果になってからあなたが正しかったと悟るだなんて…」
男は目の前の女性に疑問を抱く。
だが女性は男のことはお構い無しに言葉を続けて発する。
「今更図々しいですが……先生、お願いします」
「……」
「きっと私との会話は忘れてしまうでしょうが…それでも構いません。何も思い出せなくとも、あなたなら同じ状況で同じ選択をくだせます」
「……」
いつしか男は目の前の謎の女性の話に聞き入っていた。
無論のこと、なんの事だかは男は全く分からない。
だが彼女の言葉を聞かずにはいられなかったのだ。
「ですから……大切なのは経験ではなく選択」
「……選択だと?」
「責任を負う者について、話したことがありましたね」
無論のこと、男はそんなことを話されたことは無い。
目の前の女性とは初対面なのだから。
「あの時の私には分かりませんでしたが…今なら理解できます。大人としての責任と責務…そしてその延長線上にあった、あなたの選択。そしてそれが…意味する答えも」
「……」
「ですから先生…私が信じられる大人であるあなたになら、この捻れて歪んだ先の終着点とは別の結果を……そしてそこに繋がる選択肢は…きっと見つかるはずですだからどうか……お願いします」
その言葉を皮切りに、男の視界は真っ白の光で埋めつくされた。
「………」
気がつくと男は列車とは違い、どこかの建物の中にいた。
前方にある窓ガラスの前まで歩き、右の掌を当てながら景色を見る。
男の目に入ってきたのは…都市だ。
数多くの建造物が並んでおり多くの機械や動物が歩いている。
空を見ると天気は快晴。
ニュースを垂れ流している報道用の飛行船まで飛んでいる。
「高度な文明、数多の種族…少なくとも僕の知る惑星にこんな所は存在しないな」
そう呟いた男はどこからか石の本を取り出し、開く。
「(状況を整理しよう。僕は自室で入浴中…そのはずだった。だが気がつけばいつの間にか列車の中にいて…そして今は名も知らぬ惑星のどこかにいる…とんだトラブルだな。しかし問題はなぜ僕がここにいるのか、だ。何らかの奇物か?ありえない話では無いがあまりにも唐突すぎる。もしくは
それから男は少しの間思考を働かせた後、窓ガラスから離れて部屋の中央に来た男は今度は石膏頭を取りだして被り、
「……」
一人で黙々とチェスを始めた。
一方その頃、一人の女性が真剣な表情で廊下を歩いていた。
歩く度にコツコツと音がする。
その足音からは不安、焦り、決意、様々な感情が読み取れる。
「会長……あなたは今どこに……」
そう言いかけたところで女性は首を横に振り雑念を払う。
「……今はとにかく先生に状況を伝えなければ…」
女性は部屋の前に立ち、フーッと深呼吸をして決心を固める。
そして、ドアノブに手をかけ、開いた。
「先生、お待たせしまし……「見よ!天才的な一手を!」……え?」
部屋に入った女性の視界に飛び込んできたのは、チェスをしている謎の石膏頭を付けた男だった。
「どう破るべきか?」
男は問いかける。
しかし、女性に、ではない。
「そう聞くのはアホだけだ」
いつの間にか男は位置を変え、黒い駒を動かす。
そう。男は一人チェスを行っていた。
その後、すぐに再び位置を変えて白い駒を動かそうと……したがここで女性の存在に気がついた。
「ム?」
「え……えっと……先生…?でよろしいんですよね…?」
「……フム」
石膏の仮面をつけた男は立ち上がり、女性の方へと歩き出す。
「……トラブルか?」
「ッ!……はい。その通りです…」
「……なるほど」
男の醸し出す謎のオーラに女性は思わず身構える。
すると男は女性の目の前で止まり、
「だったら…………」
「自分で何とかしろ」
「……え?」
厳しめの口調でそう言い放った。
「え……?え?ちょっ!ちょっと待ってください!助けてくれないんですか!?」
「いつ僕がそんなことを言った?なぜ名も事情も知らぬ君を助けなければならない?」
「えぇ……!?」
「…とりあえず僕から質問をさせてもらおう。まず君は誰だ?」
その男からの問いに女性は深呼吸をしてから答える。
「…失礼しました。私は
「……キヴォトス……(やはり知らない名だな)」
「いきなりの事で戸惑いがあるかとは思われますが先生…貴方にはこれから連邦生徒会長が設立した特務機関……連邦捜査部
「……ホウ」
先生、この単語が男の耳に入った時、途端に空気が変化した。
「まだ解明しきれていない部分もあるが…大方は把握した」
「恐縮です…所で先生のお名前を教えて頂けませんか?」
「…そうだな。自分から聞いた以上、僕も名乗るというのが礼儀だな」
男は先程被った石膏頭を外し、女性に己の名を言い放った。
「僕はべリタス・レイシオ…学者であり、教師でもある……」
「そして…一介の凡人だ」
主人公紹介
Dr.レイシオ
本名は『べリタス・レイシオ』
『博識学会』という組織に所属している学者であり、教師。
率直的かつ自意識が高い。
とてつもなく人に厳しいが、根は優しく悪人ではない。
公共の場以外では基本的に石膏頭をつけて過ごしている。
幼い頃から人並外れた才知を発揮しているが自身を『凡人』と評している。
知恵と想像力とは天才だけのものでは無いと強く信じており『愚鈍』という名の病を世界から根絶するべく全宇宙に知識を広めることに尽力している。
このことから彼は『真理の医者』という二つ名がついている。
好きなもの…風呂、本
嫌いなもの…バカ、アホ、マヌケ