TS時魔術師のエロゲー奇譚   作:カス

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第2話

 霧の街。

 

 大陸内最大の国家ブリュンヒルデの北に存在する、常に霧に覆われた魔族が支配する魔の都。

 

 かつて人族の手によって築かれた街だが、翡翠王と呼ばれる魔族率いる軍団によって攻め落とされ、以来魔族の跋扈する魔都と化している。

 

 陥落した際に逃げ遅れた人族は、現在も霧に覆われた街でよくて奴隷、悪くて食糧として扱われる

 

 今から二十年ほど前、近隣国家ブリュンヒルデが大規模な軍を派遣してこの街を魔族の手から開放させようとしたことがあった。

 

 だが遠征は大失敗。しかもブリュンヒルデの将軍の一人、英雄とまで呼ばれたニュークリア・イエイツまで戦死するという大敗北であったという。

 

 以来、ブリュンヒルデはこの霧の街攻略のため、幾人もの冒険者を派遣して街の情報を集めようとしたが、その冒険者のほとんどは帰らぬ者となるか、運良く生きて帰って来たとしても、なんら情報を得ることもできずに逃げ帰って来るだけだった。

 

 そしてそこに派遣された冒険者の一人、それこそが主人公、ジーク=フリードだ。

 

 それに対して今の俺、フィリアはろくにストーリーに関わって来ないサブヒロインだ。はっきり言っていてもいなくてもストーリーには関係ない、そもそも加入させずクリア可能。しかしこいつの持つ固有スキル【時魔術】がゲームの攻略に便利過ぎるためかなり印象の強いヒロインだ。

 

 おっと固有スキルの話をしていなかったな。

 キャラには一種を複数人が持つ汎用スキル、そしてごく一部のキャラのみに許された一種につきたった一人だけが持つ固有スキルがある。

 

 攻撃を一定確率で防ぐ【空蝉】とかノーコスト範囲攻撃の【剣気放出】、解除条件を満たすまで行動不能になるが凄まじい能力上昇効果を得る【修羅】等が汎用スキルだ。

 そして固有スキルは数こそ少ないが粒ぞろいだ。

 フィリア……というか俺の【時魔術】や主人公、大英雄ジーク=フリードの固有スキル【色欲の王】など凶悪なものが揃う。

 

 そして時魔術、これは本当に便利だ。弾丸を発射し食らった対象の時間を加速させる、巻き戻すといった魔術だが何よりもありがたいのはこれを習得することで戦闘コンティニュー機能が解禁される事。基本【アヘ死】はゲームオーバーになると以前セーブしたところまで問答無用で巻き戻される令和のゲームとは思えぬ不親切使用なんだがこれを習得することで負けても直前からやり直せるようになる。

 

 全体的に不親切なUIをしているアヘ死だが特定キャラを入れることでどんどんUIが改善していき最終的には令和基準のゲームになる。そしてその中でもフィリアのコンティニュー解禁が最優先とされるのは全体的に敵の火力が高く一度でも食らったらアウトなタイプの特殊能力持ちが多いので雑魚戦でも先手取られたら結構な確率で終わるからだ。

 

 ちょっと伝わるか分からんがゲームバランスはウィザードリィと一緒だ。コンティニュー込みなら絶妙な難易度だがコンティニューなしだとゲロカス簡悔ゴミクズゲーと化す。それ故俺の時魔術は最優先で取るべきものとされていたのだった。

 

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