ある雷元素使いの青年の話   作:濃霧/Nolm

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第一章 璃月編
第1話 出会い ★


私は、最高の非常食───いや、最高の相棒、パイモンと一緒に璃月港へ向かっていた。

 

「ねぇ、パイモン。今って大体どこ辺り?」

「そうだな……今は、望舒旅館と璃月港の間にある、帰離原っていうところだぜ。今の璃月港が出来る前までは栄えてたんだけど、2000年前の魔神戦争で滅んじゃったんだ」

「そうなんだ。……それにしても、遺跡守衛多くない?ほとんどは動かないみたいだけど……」

「そうだな。目の前の道にも3体ぐらい座ってるし───」

 

パイモンが停止している遺跡守衛たちを指さした時、それらが動き始めた。

 

「うわぁっ!こいつら、動くのかよ!」

 

パイモンは叫びながら私の後ろに隠れる。

私は普段から愛用している片手剣を取り出して構えた。

そして、遺跡守衛たちが上半身を180度回転させ、ミサイルを発射する準備を始めたその時──────

 

 

彼らの背後から、紫色の雷が、槍のような形で遺跡守衛を貫く。

身体の真ん中に大穴が開いた守衛たちは同時に崩れ落ちてゆく。

その残骸の後ろから一人の男性が歩いて来るのが見えた。

彼は紫色の羽織に、黒を基調とした着物を着ている。

腰には雷の神の目が見受けられた。

 

「やあ、栄誉騎士サマ」

「……」

 

その男性は私とパイモンにニコッと人のよさそうに笑顔を作る。

……が、正直胡散臭かったので無視することにした。

彼のすぐ横を通り過ぎようとすると、

 

「いや、ちょっとぉ?!さすがに無視するのはひどくないかなぁ?!」

 

と言いながら私たちのことを呼び止める。

 

「いや、そんなに胡散臭そうに話しかけたら無視されるだろ……」

「……やっぱり胡散臭そうに見えるか……チッ、ガイアの野郎め……

 

パイモンにジト目でそうツッコまれると、彼は気まずそうに頭を掻いた。

 

「それで、お前は誰なんだ?見たところ稲妻人っぽいけど……」

「そういえば名乗るのを忘れていたな。俺は影継(かげつぐ)。白いのの言う通り、稲妻人だ」

「白いのってなんだ!まあ、マスコットとか非常食とかよりはマシか……」

「さっきの雷って、あなたがやったの?」

「ん?ああ、あれか。そうだぞ」

 

私がそう質問すると、影継と名乗った彼はけろっと答えた。

もし私が風元素や岩元素で同じことをしようとしても出来ないのに……

 

「なんか私たちに用がありそうだったけど。どうかしたの?」

「よかった、覚えてくれてたんだな。そうだな──────」

 

彼は私の目をまっすぐ見て、言った。

 

 

「俺を、君たちの旅に同行させてくれないか?」

 

 

「それって……オイラたちと一緒に七国を回るってことか?」

「その通り。俺の聞いた情報が間違っていなければ、君たちは七神に会おうとしているんだろう?」

「そうだけど……」

「俺も諸事情で七神と話したいんだ。大丈夫かな?」

「オイラはいいと思うけど……蛍はどう思う?」

 

私は手を口元に持って行って考えを巡らせた。

彼が同行することは賛成できる。

恐らく戦力としては申し分ない、というより過剰になるぐらいだ。

しかし、初対面の影継を信じ切ってもいいのだろうか……。

チラリと彼の顔を見ると、影継はニコリと笑いかけてきた。

その笑顔は、先程の物とは打って変わって胡散臭さが綺麗さっぱり消え、むしろとても信頼できるようなものだ。

そして、私は何の疑いもなく、彼を信じることにしたのだった。

 

「うん。いいと思うよ」

「そうか。ありがとう」

 

そういうと、影継は右手を差し出してきた。

私もそれに応えるように左手を出して握手を交わした。

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