僕は可愛い女子とデートしながら過ごしたい   作:Mr.♟️

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今までの話も見やすくしてます。

お久しぶりです。


プロヒーローとデート

 

イレイザーからお願いされて、イレイザーの子どもとデート?という名のランチをしてるんだけど──思ったよりもデートデートしてる。

 

「どうしました、マンダレイさん?」

 

ふと、目の前に座る少年──相澤藍くんが、小首を傾げて私を覗き込んできた。

 

「ううん、なんでもないわ。ただ、高校生の男の子と休日にこうして向かい合ってパンケーキを食べてる状況が、なんだか不思議だなって思って」

 

誤魔化すようにアイスティーのストローに口をつける。

 

正直に『エスコートが完璧すぎて戸惑っている』なんて言えるわけがない。

 

待ち合わせ場所に現れた時のハキハキとした爽やかな挨拶。私の私服を自然に褒める言葉のチョイス。

 

そして、わざわざ予約してくれていたこの隠れ家的な人気カフェ。

 

どれをとっても、女慣れしているプロの犯行としか思えない手際の良さなのだ。

 

「不思議ですか?僕はすっごく幸せですよ。休日にこんな綺麗な方と、美味しいスイーツを食べながらおしゃべりできるなんて」

 

ふわりと無防備な笑みを浮かべながら、ストレートな褒め言葉を投げてくる。本当に慣れてるのね。

 

「......口が上手いわね。イレイザーから『女好きのバカ息子』とは聞いてたけど、まさかここまでとはね。学校でもそうやって女の子を口説いてるの?」

 

「それは人聞きが悪い。僕はただ、可愛い女の子や綺麗な女性に素直な気持ちを伝えているだけですよ。もちろん、マンダレイさんに対しても」

 

悪びれる様子もなく、ナイフとフォークを器用に動かしてパンケーキを1口サイズにカットしている。

 

「はい、あーん」

 

「え?」

 

唐突に差し出されたフォークの先には、綺麗に切り分けられたパンケーキとたっぷりのベリーソースが乗っていた。

 

「僕の頼んだベリーベリーパンケーキ、すごく美味しいので一口食べてみてください。マンダレイさんの抹茶パンケーキと交換ってことで」

 

「ちょ、ちょっと待って。流石にそれは......」

 

「ダメですか?」

 

個室とはいえ、流石にこの年齢差で『あーん』は気恥ずかしすぎる。うっ、でも全然引く気配がない。

 

いや、子どもからもらうご飯を食べるだけ。それだけ。変に意識しすぎたらダメ。

 

 

 

 

 

「......美味しいわ」

 

「でしょ?じゃあ、抹茶の方も一口もらっていいですか?」

 

「えぇ、どうぞ」

 

「では──あーん」

 

皿を差し出した私に対し、催促するように口を開けている。この子、成長したら絶対に女泣かせになるわね。自分の容姿の良さと、天性のコミュニケーション能力をわかってるもの。

 

 

 

 

 

 

──結局、根負けしてしまった。年上としての威厳を全く見せることができていない気がする。

 

「んー!こっちも美味しいですね。マンダレイさんみたいな美人と一緒だと尚更」

 

「......っ!あんた、本当にイレイザーに言いつけるわよ!」

 

「お父さんには内緒でお願いします。ほら、2人だけの秘密ってやつですよ」

 

悪戯っぽくウインクまで飛び出す始末。でも、その後コロッと表情がいってんした。

 

「もしかして、本当に嫌でしたか.....?」

 

──ず、ずるいっ。こういうギャップで女の子を落としてきたに違いないわ。

 

「別に嫌ではないけど、慣れてないだけよ。こういうことに」

 

「じゃあ、嬉しかったってことで。お父さんに言いつけるのはなしでお願いしますね」

 

......どこまで計算して話してるんだろうか。またコロッと表情が変わって、少し悪戯っぽい笑みを浮かべている。

 

「お父さんからランチが終わったら迷惑をかける前にすぐに帰ってこいって言われてるんで、今日はここまでですけど──連絡先だけ交換してくれませんか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「.......イレイザー。あなたの子育て方針はどうなっているの?」

 

彼が選んだお店が個室でよかった。そうじゃなかったら、間違いなく週刊誌にすっぱ抜かれてたわよ。

 

連絡先がひとつ増えた端末を見ると、『また会いましょうね』というメッセージが届いているのが見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「久しぶりにデートができて、楽しかったぁ!お父さん、これからも美人なヒーロー紹介してよねっ!」

 

マンダレイさんはグイグイ行き過ぎるとダメだけど、ある程度積極的にならないと子ども扱いされそうだったなぁ。今日のデートの仕方は間違ってなかったはず。

 

「お前が体育祭で1位になれたら考えてやる」

 

「考えるじゃなくて、絶対だよ!絶対っ!」

 

ふふん、俄然やる気が出てきたよっ!

 


 

今日は雄英体育祭当日。僕たちは割り当てられた控え室で入場の呼び出しをされるのを待っているんだけど──ピリついてるねぇ。

 

発端は、普段はクール系の轟が緑谷に宣戦布告したことだ。それに対し緑谷も引くことなく受け、それを見ていた爆豪がモブ扱いされたことに怒りを露わに、ってのがここまでの流れだ。

 

当然、優勝するのは僕だ。優勝したらお父さんから美人のプロヒーローを紹介してもらえるんだから、僕が誰よりも燃えている。

 

活躍すればクラスの女子にもいい所を見せれるしね。

 

まあでも、僕が3人の争いに加わる前に飯田と拳藤の仲介があって、そのまま入場まで済んじゃったんだよね。仲間に入れてもらうタイミングを逃した。

 

ま、別にいっか。警戒されてもいいことないしさー。

 

『それでは、選手宣誓──1-A、相澤藍くん、お願いします』

 

「はい」

 

あ、ミッドナイト先生から呼ばれた。そっか、そういうば僕が選手宣誓だった。

 

『──以上を選手宣誓とさせていただきます』

 

え?他の選手を挑発?やらないよ。そんなめんどくさいこと。それをやったら、誰かデートしてくれるなら話は別だけどさー。

 


 

マンダレイ

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 

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