楽園に雷光は走る   作:時空未知

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……遅くなってすいません。
テストでくたばってました……


ゆうしゃがあらわれた!(1)

 

「さあ、まずは英雄神話とファイナル・ファンタジアとアイズ・エターナルと……」

「何を言ってるの、アリスちゃんはゲーム初心者だよ!?ゼルナの伝説:夢見るアイランドから始めるのが一番だって」

「これだけは譲れない、次にやるべきはロマンシング物語だよ。

あ、でも3弾だけは個人的にはやらなくてもいいかなって……」

 

イオが回想から戻った頃には、ある程度自己紹介などが済んだのか、それぞれが思い思いのゲームを布教しているところだった。

当のアリスはその熱量に少し押され気味だが、何だかんだ楽しそうだ。その様子に苦笑しながらイオは話しかける。

 

「程々にしとけよ、あんまり押しすぎるのもあれだからな。

どうせ最終的に決めるのはアリスだ」

「む、そうだけど……そういえば、そう言うイオ先輩は何かオススメしたいゲームは無いの?」

「ん、俺か?」

 

モモイから話題を振られたイオは少しだけ考え込んだ。

 

「……それこそ初心者には向かないと思うぞ。ダース・ハートにエルドリンク……あとうちのもう片方の自作ゲーム」

「……あ、そっか。イオ先輩高難易度アクションゲーム大好きだもんね……」

 

イオが好き好んでやるゲームと言えばもっぱら格闘ゲームや高難易度のアクションゲームばかりである。

……テイルズ・サガ・クロニクルはどちらかと言うと初見殺し多めの理不尽ゲーな側面が強いのでシンプルな高難易度ゲームは初心者のアリスにオススメできるかはかなり怪しいだろう。

そんな中、アリスはキョロキョロと当たりを見回すと、ケースの山から1つのゲームを取り出した。

 

「……所望、アリスはこのゲームをします!」

「あっ!ゼルナの伝説:精霊達のドライフォースのリメイクか……そっか、その選択肢もあった……!」

「いいセンスだね……アリス」

「で、でも欲を言うならリメイク前をプレイしてからやってほしい、かな?」

 

アリスの取り出したゲームを見て、モモイとミドリがそれぞれ全く違う反応を見せる中、

ユズが恐る恐るそう言う。それに対して、イオが一言。

 

「いや、こう言うのはどっちから入っても同じじゃないのか……?」

「「「ぜんっぜん違うよっ!!」」」

「ぬおっ!!?」

 

いつもは物静かでオドオドしているユズを含めてゲーム開発部全員からの総口撃を食らってイオは

思わず仰け反った。

 

「やっぱりイオ先輩はこういう古き良きRPGについて何もわかってない!!」

「うん、モモイの言う通り……ゲーム開発部の部長として見過ごせない」

「……確か、リメイク版は通信プレイができたはず……!」

 

ミドリがそう言うが早いか、3人はC&Cもかくやという連携力で行動を開始、

瞬く間にイオとアリスは携帯ゲーム端末を手に持たされていた。

ゲーム画面には件のゲームがすでに起動されている。

 

「え、俺もやんのか?」

「当たり前でしょ!!これはゲーム開発部に所属する上で大切なことなんだから!」

「……というか話の根本って俺がリメイクを先にやるか

リメイク元を先にやるかで何が違うんだって言ったのが原因じゃ」

「口答えしないの!」

 

イオの反論もバッサリと退けられる。

どうも彼女達はこの場からイオを逃がすつもりはないらしい。

イオは「どうしてこうなった……」と心の中で天を仰いだ。

……と言っても彼女自身にここの場から逃げるという選択肢は一切存在しなかったが。

 

「へいへい、部長殿のご命令とあらば何なりと……よし、アリス。よろしくな」

 

軽い口調で応答しながら、アリスに声をかける。

アリスは一瞬きょとんとしたものの、直ぐににぱっと笑って、

自分が先程覚えたばかりの言葉を使った。

 

「イオが仲間になりました!パンパカパーン!!」

「……やっぱ言語教育にゲームはやめた方がよかったんじゃないか?」

 

アリスのゲームからそのまま取り出してきたような擬音語混じりの言葉に、

イオは小さくそう呟いた。

 

______________________________

 

その後、イオとアリスはユズとモモイ、ミドリを観客としてずっとゲームをしていた。元々アンドロイドである為かアリスは物語を読み進める速度が非常に早い。イオもその速度に合わせていた為、必然的に攻略速度は速くなる。

3時間足らずでゲームを制覇すると、アリスは次のゲームへと手を伸ばす。

……結局、その手は、次の日の朝まで止まることはなかった。

その為、アリスが一段落ついたとゲームのコントローラーを置いた頃には、1年生3人衆はすっかり寝てしまっていた。

イオの方はと言うとアリスが起きている間ずっと横から冷やかしを入れたり、2人プレイが可能なものでは一緒にプレイしたりしていた。

その時、朝日が顔に当たった為か、ミドリとモモイがもそもそと動き始めた。

 

「うーーん……」

「うむむ……後10分……」

「おっと、眠り姫がお目覚めみたいだな」

 

イオがそういうが早いか、僅かな呻き声を漏らしてまずミドリが起き上がった。しばらく目をしょぼしょぼさせていたが、すぐに辺りが明るいことに気がついたようだ。

 

「えっ、もう朝!?しまった、準備しなきゃ!」

「よ、ミドリ。そんなに慌てなくてもまだ時間はあるぞ」

 

そのことに気がついて一気に目が覚めたのか、ミドリが慌てるが、それを軽くイオがおさめる。

そのやり取りが耳に入ったせいか二度寝に入ったモモイがもう一度動いた。

 

「……後20分……」

「……こりゃダメそうだな」

 

当分起きるつもりのないらしいモモイの様子に、イオは呆れ声を漏らした。ミドリも自分の姉のその有り様に溜息をついていたが、その時、自分のことをアリスがじっと見ていることに気がついた。

 

「……えと?」

「……ようやく気がついたか。無事に目を覚ましたようで何よりだ、君は運がいいな」

「えっ!?」

「……アリスの言語教育の成果についてはご覧のとおりだ。その、まあ……なんだ、大丈夫……なんじゃないのか?」

 

イオは若干目をそらし気味にそう答える。

……少しはまともな言語を学ばせるつもりだったのがいつの間にか自分もゲームに夢中になっていたせいですっかり抜け落ちてしまったイオであった。

 

「な、なんか偏った言葉ばっかり覚えてない…?本当に大丈夫なのかな…?」

「アリスなら大丈夫です、問題ありません!」

「……やっぱりだめかも知れない……」

 

ひまわりが咲いたようないい笑顔でそう答えるアリスに、ミドリは頭を抱えた。その時、ゲームケースの山から2人の人影が起き上がった。

 

「ふぁ……みんな、おはよう」

「うぅ、うるさいな……もう少し寝かせてよ」

 

ユズとモモイである。大きく伸びをするユズに対して、若干不機嫌そうなモモイにイオはため息をついた。

 

「お前はさすがに寝ようとし過ぎなんだよ。いい加減に……」

「"みんな、おはよー!"」

 

その時、部室の入口の扉がガチャリと音を立てて開いた。

そこにいたのは先生だった。片方の手には書類の入ったファイルが握られている。

 

「よっ、先生。元気そうで何よりだ」

「あ、おはようございます先生」

「おはよー、先生!!」

「はうっ!!??はわ、はわわ」

 

イオ達が普通に挨拶する中、直接先生と顔を合わせた経験がなかったユズが、突然現れた彼女に驚いてガクガクと震え始める。

そんな彼女の反応に先生の方も驚く。

 

「"え、え??あ、ユズ……なの?だ、大丈夫!?"」

「ユズがバグってしまいました。逆さにすれば復活するでしょうか?」

「"へ??"」

 

しかし、アリスが逆さにする前に緊張が限界に達して倒れ込んでしまったユズもだが、先生はアリスの違和感のある話し方にも驚いた様子だった。

 

「"え、そ、そんなゲームみたいな……ってそれより先にユズを助けなきゃ!?"」

「アリス知ってます!こういう時は世界華の花びらを食べさせればいいんですよね?」

「おいちょっと待てアリス、だからといって花形のクッキーを無理矢理詰め込もうとするんじゃねえっ……て、力強っ!?」

 

……今日も、ゲーム開発部は平和である。

 

________________

 

さて、少し時間は経ち、次々にユズの口にクッキーを詰め込もうとするアリスを4人がかりで止めて、アリスに「ユズは寝てるだけで死んでないから大丈夫」と教え込んで、ようやく状況は落ち着いた。

……すでに詰め込まれたクッキーのせいでユズが寝苦しそうだが大丈夫だろう。多分。

 

「"こほん、じゃあ改めて……アリス、よろしくね?"」

「はい!よろしくお願いします!

パンパカパーン!先生がパーティーに合流しました!」

 

嬉しそうにそう告げるアリスに、

先生は嬉しいやら困惑するやらでなんとも言えない表情になる。

 

「"……さっきから聞きたかったんだけどこの口調は……"」

「触れてくれるな」

 

先生の言葉をイオが遮る。

……先生は「えぇ……」と困惑こそしたものの、

まあいいか、かわいいし。と思い直すことにした。

 

「"えっと、今日来たのはアリスに転入用の書類を渡す為でね……はい、これ"」

 

そう前置きすると、先生は懐のファイルをアリスに手渡した。

アリスはそれを受け取りはしたものの、キョトンとした様子で首を傾げる。

 

「……?アリスは正体不明の書類を獲得した」

「"あはは……まあ、アリスにはまだわかんないよね。ということで細かい手続きはみんなが手伝ってあげて"」

「先生……細かい手続きとは言うが、まだアリスには戸籍も身分証明書もないだろ」

 

イオがそう指摘すると先生はえっへんと胸を張った。

 

「"大丈夫大丈夫、連邦生徒会に伝があるし、私は先生だから色々融通も効くから、昨日こっちでちゃちゃっと手続き済ませちゃったよ。そのファイルにその辺の書類も入ってるからよろしく"」

「おいコラ公務員」

「え、それやって大丈夫なんですか……?」

 

流れるように権力と立場の悪用を宣言した先生に、

イオは完全に呆れた表情になり、ミドリはドン引きする。

2人の反応と言葉に、先生の表情が引き攣った。

 

「"だ、大丈夫だよ……?リンちゃん一応、一応許してくれたから……うん、ぜんっぜん大丈夫だよ……?"」

「……そうか」

 

因みに実際はどうなったかとと言うと本当に一応許してくれはしたもののリンに、

 

「……そういえば、先生。誰かさんのせいで急に面倒な案件が増えたせいで、もしかすると皺寄せで次の日から1週間程、書類が5倍程になるかもしれませんね……?」

 

とニッコニコ(目は一切全く笑っていない)で言われたので辛うじて致命傷を負うだけで済んだ(?)。

帰ったら書類に冗談抜きで殺されるだろう自分の身を思い、顔色があからさまに悪くなる先生に対してモモイが一言。

 

「そんなことなら家の学校のヴェリタスにお願いすればよかったのに……あそこなら戸籍も学生証もちょちょいのちあババババババ」

 

そんなモモイの言葉は素早く彼女の背後に周りバイブレーション攻撃を開始したイオに強制停止させられる羽目になった。

 

「テメェ、(治安部隊)の目の前で堂々とハッキングとデータ改竄宣言とはいい度胸だな……?」

「うえエエエゆゆゆるるるしししててえええええ」

「"……えぇ"」

 

どうもモモイの言葉から察するにハッカー集団にハッキングを依頼しようとしていたらしい事に、先生はドン引きする。

一通りモモイに制裁を下したイオは、そんな先生の表情を見て迷うように頭をかいた。

 

「あー、一応時々俺らに厄介になってるが悪い奴らじゃないんだよ。副部長はまともだしな」

「"そ、そっか……"」

 

イオ達に厄介になっている時点で結構な問題児の集まりなのでは……?と一瞬思ったものの口には出さないでおく。

 

「"……まあ、ともかく。転入の書類の方は流石にアリスに書いてもらわないとダメみたいだから。

書け次第ユウカに渡しに行くからね"」

「……なるほど、これは冒険者ギルドに加盟するための申請書類なのですね!」

「"う、うん?多分?そうだよ"」

 

アリスのゲーム遵守の口調故に絶妙に意味が伝わっているのかわからず、

先生は曖昧に頷いた。まあ、イオとミドリが一緒なら大丈夫だろう。

目の前ではゲーム開発部の面々に口々にアドバイスされながら、

アリスが楽しそうに書類を書いている。

十数分ほど経ち、アリスが嬉しそうに書類を取り上げた。

 

「テッテレー!アリスはクエスト、[ギルドの加入申請書を書く]をクリアしました!」

「やったねアリス!」

「ようやく終わった……正に、船頭多くして船山に上るってところか」

「だね……先輩」

「ま、まあきちんと終わったからいいんじゃないかな……?」

 

……かなりぐだっているように見えたがやはりそうだったらしい。

モモイとアリスとは対称的に、他の三人はどこか疲れているように見える。

 

「"あはは……まあ、みんなお疲れ様"」

 

先生は彼女たちにねぎらいの言葉をかけながら。

アリスに手渡された書類を受け取ると、サッと書類の内容に目を通す。

 

「"……よし、不備もなさそうだしこれで大丈夫だよ」

「そうか、それは良かった」

 

そう言ったところで、イオはあることをしようとしていたのを思い出した。

 

「……そう言えば先生、昨日ユウカの奴が

あんたを何かに誘おうか誘わないかで迷って悶々としてたぞ」

「"え、そうなの?"」

 

嘘である。

……ユウカ本人も似たようなことを考えているためあながち間違いでもないがでまかせである。

普段散々迷惑をかけているユウカに向けたイオからのささやかなお礼(?)というやつである。

 

「どうせ書類を届ける時に顔を合わせるんだ、

あいつらのことはいったん俺に任せて、ちょっとぐらい付き合ってやったらどうだ?」

「"そうだったんだ……じゃあ、お言葉に甘えてそうさせてもらうよ"」

 

そう言うと、先生は立ち上がると、彼女たちに軽く手を振ってから部室を後にした。

その姿を見送ったのちイオは息をついて振り返った。

 

「それで、どうするんだ?言っておくが廃墟の探索は先生が返ってくるまで認めんぞ」

「そんなことわかってるって!それよりももっと重要なことがあるし……」

 

モモイはそう言うと、アリスの方をちらりと見て言った。

 

「あの子にピッタリの武器を見つけなきゃね」

 

________________________

 

「……だからと言ってここに来る必要はあったか…?」

「失礼だね、イオ。大体、誰が君の装備を開発して整備してると思ってるんだ」

「そうそう!きっと凄い武器が眠ってるに決まってるよ!」

 

少し時間が経ち、イオ達はとある場所に来ていた。

ミレニアム随一の技術を誇るマイスター集団……エンジニア部の部室である。

モモイ曰く、日々様々なものが開発されるこの場所なら、使っていない高性能な武器が眠っているのではないかとの事だった。

そんな中、明らかに気乗りしていないイオに対して、部長である白石ウタハはそう言って肩を竦める。

それに対してイオは何か思い出したのか頭を押さえた。

 

「それを差し引いてもお前ら普段は変なもんばっかり作ってるじゃないかよ……それに、アーマーに緊急自爆装置を勝手に載せやがった件は忘れてねえからな?」

「え、なにそれ」

「???」

 

……これがイオが気乗りしていない原因である。

確かに技術力は最高峰の域に達しているとも言える彼女たちだが、如何せんその技術力が暴走して珍妙な発明品を作ったり、普通のものに変な機能をつけて、それが原因でトラブルが起こったりすることも少なくない。

自爆装置、などという明らかに物騒な単語にモモイとミドリが驚く中、ウタハは、イオの言葉に冷や汗をかいて目をそらした。

 

「そ、それは反省してるさ。

だから自動作動機能は廃止して手動でのみ起動するようにしたし、背面に指向性を持って爆発するように改良したから……」 「まだついてたのかよ!?妙なレバーがあるかと思ったらそういうことかっ……!!」

 

小さく舌打ちするとイオはウタハに詰め寄る。

 

「い、ま、す、ぐ取り外せっ!!戦場で唐突に背中が爆ぜる羽目になるのは二度とごめんだ!!」

「ま、待つんだイオ。だから改造したと言っただろ!?今度は誤作動で君が敵もろとも黒焦げになることはないし、万一の時には背後から奇襲してきた敵を……」

「役立つ場面が想像もつかんわ!!」

「うぐっ……でも、そういうものこそロマンがあるじゃないか!!」

「あ、開き直った」

 

イオの詰問に最終的に堂々と開き直ったウタハを見てミドリがそう呟く。

……本当に来て大丈夫だったかな、とその様子を見て思ったミドリであったが、当のモモイとアリスが未だ乗り気なので何も言わないでおく。

イオはウタハのことをなんとも言えない表情で見ていたが、最終的に溜息をついた。

 

「……まあ、誤作動しないって確約できるなら今は何も言わないでおいてやる」

 

語外に、「誤作動したらただじゃおかない」と、とてつもない圧力を伴って言うイオに、ウタハは頷くしかなかった。

彼女は改めてモモイ達に向き直ると、コホンと咳払いをした。

 

「さ、さて。君たちの友人の武器の話だったね。

そっちの方に私達がこれまで作ってきた試作品が色々置いてある。そこにあるものなら好きな物を持っていってくれて構わないよ」

「やった!ありがとう、先輩!」

 

そういうと、モモイはミドリとアリスの手を引いてウタハが示した方へうれしそうに走っていった。

その様子を少し苦笑いしながら、しかし微笑ましそうに見るイオに、ウタハが話しかけた。

 

「……ゲーム開発部としてここに来るのは初めてのことだけど、あっちに入ってからとても楽しんでるみたいだね」

「まあな。と言ってもそれ以上に振り回されてばかりだがな」

「……でも、よかったよ。入学初日に初めてあった時の君は、正直今以上に恐ろしかったし」

「……そうかい」

 

ウタハの言葉に、イオは短くそう呟くと、ふと、何か思い出したのか、「あ」と声を漏らした。

 

「そういえば、俺の新型アーマーの話はどうなってる?」

「む、あー……そのことか」

 

イオの言葉に、ウタハが難しい表情になった。

彼女は、しばらくイオにその件をどう伝えたものかと言葉を選んだ末に、こう言った。

 

「……そのことなんだが、君の望むものを完全に作り上げることは無理だ」

「……おいおいマジかよ」

 

ウタハの言葉に、イオまでも難しい表情になる。

ウタハは、イオにその旨を伝えた。

 

「今の君のアーマー並みの重装備と、大気中での3次元的な高機動の実現……できる目処は立っていたけど、両立させようと思ったら生徒会に事前に提示された予算をどうしてもオーバーしてしまってね。それに、ユウカから君が弾薬を使いすぎないように機動力確保に注力してくれと懇願されて……」

「あー……なるほどな」

 

その言葉に、イオは納得した様子だった。

 

「ユウカには散々迷惑かけてきたしな……俺が交渉しても多分折れてくれないだろうし、参ったな……」

 

イオの好きな戦闘スタイルは、重装備による圧倒的な継戦能力と対応能力、そして火力を活かした強襲による圧殺である。

しかし代償として、戦闘時、辺りに被害を出しまくる同僚や先輩と同じぐらい予算に負担をかけている。

そしてその自覚もあるため、ユウカに大してイオは強く出られないのである。

どうしたものかとイオが考え込んでいたその時……

 

「……おや?」

 

ちらりとモモイ達のいる方を見たウタハが、何かに気がついたようだ。

……イオから見ると機材の裏なので様子がわからないが、

発明品の位置を知っているウタハは何か察したようだ。

一旦会話を中断してそちらの方へ向かう。

 

「ん?おい、どうした?」

 

その姿を、イオは慌てて追いかける。

そして、たくさんの機材が置かれた棚を曲がった先には……

 

「……なんだ、こいつは……」

 

銃と呼ぶことすらおこがましい巨大な長方形の箱のような物体が、

大きな電源ケーブルに接続されていた。

 

 




どもー、時空未知です。
ということで今回はいかがでだったでしょうか?
まだまだ長々続きますパヴァーヌ1章、
しばらくイオに目立った活躍も曇らせもさせてあげられないのが辛い……
待っててね、2章に入ったら必ず生き地獄に突き落としてあげるから。

さて、次回は光の剣が火を噴きます。
……そう言えば、レールガンってアトラスガンダムの主兵装でしたね。
それはさておき……ではでは~。

どのダリルメインの短編を先に読みたい?(上位2作)

  • 便利屋68との絡み
  • 風紀委員会とイロハイブキ
  • ユメ先輩と黒服との絡み
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