レミール転生   作:久保田紅葉

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大変遅くなりました。そして色々と飛ばし気味になりすいません。


バルス・プランと銀翼の翼

「お久しぶりですレミール様。いつ以来ですかね」

 

「遠路はるばる我が皇国に訪れていただきありがとうございますマイラスさん。フィルアデス大陸統一戦争の前ですから……パーパルディアが竣工した時以来ですね」

 

 

 

 ムー国の技術士官マイラスがパーパルディア皇国に来日……違う来国してくれた。彼とは長い付き合いになりそうなので良好な関係を保っていきたいものである。

 

 

 

 「それにしてもパーパルディア皇国の発展は目まぐるしいものですね。パーパルディア型の竣工からたった数年で自国での建造が出来るまで発展するとは」

 

「ムー国の協力あってのものです。パーパルディアを代表してお礼申し上げます」

 

 

 

 深々と頭を下げればマイラスがたじたじと慌てる。

 

 

 

「ち、ちょっとレミール様、頭を上げてください我々こそ頭を下げなければなりません。パーパルディアの建造があったからこそ我が国の造船技術が大幅に向上できたのですから」

 

 

 

 今、私とマイラスが居るのはエストシラント港の一角にある海軍の軍港そこに併設されているエストシラント海軍工廠、その巨大なドックではパーパルディア型巡洋戦艦、その姉妹艦たちの建造が進んでいた。

 

 二番艦パーネリウスは竣工済、三番艦パーハルアと四番艦パーキリアは今現在、竣工間近であった。

 

 

 

「そしてこの艦が……皇国独自で設計・製造を行っているパ・カーガ型戦艦です」

 

 

 

 新設された真新しい巨大なドックにこれまた巨大な戦艦が建造されていた。

 

 

 

 ――パ・カーガ型戦艦

 

 パーパルディア皇帝ルディアスの許可の元、海軍主導で計画された大海軍整備計画『バルズ・プラン』に基づく計画艦の一隻でパーパルディア型と全長は変わらないもののより強力な砲、45口径41cm連装砲を5基10門、副砲に50口径14cm単装砲20門を搭載し、対ワイバーンや対航空機用の高角砲や機銃を針鼠のように搭載する予定となっていた。

 

エストシラント海軍工廠で2隻、西方の都、エドリン海軍工廠で2隻の建造が進められている。

 

 

 

「やはり戦艦は浪漫としかいいようがありませんね。すべてを弾き返す重装甲にすべてを薙ぎ払う巨大な砲、海戦の主役ですね。我が国でも新造戦艦の建造が進められていますよ。いずれはムーパで観艦式等を執り行いたいものですね」

 

「ええ、確かに主役となり得ることでしょうね。それでは、今回お見せしたかった艦はデュロ海軍基地にて停泊しております。早速移動しましょうか」

 

 

 

 デュロまでの移動は国鉄の列車か最近開設された空路があるがマイラスは陸路……つまるところ鉄道を選択した。空の旅を楽しむ人間はあまり居ないのかもしれない。エストシラント中央駅へ移動し急行に揺られること7時間半、デュロの町にたどり着く。この日はホテルで一泊し翌日、デュロ駅から目と鼻の先にあるデュロの海軍基地と海軍工廠、そこに停泊している艦の甲板上にマイラスと私の姿があった。

 

 

 

「こちらがパーパルディア皇国初となる正規空母、パ・リューヒとなります。本日は新型艦載機の発艦と飛行試験を行います」

 

 

 

 ――パ・リューヒ型航空母艦

 

『バルズ・プラン』に基づく整備艦でありパーパルディア初の飛行機械のみを運用する航空母艦、常用で57機の飛行機械を運用可能であった。計画では4隻となっているが場合によっては増産が掛かる可能性がある。

 

 

 

「ほぉ……これがパーパルディアの航空母艦。ぜひともムーでも生産したいものですな」

 

「ルディアスに掛け合ってみましょう。パーパルディア級の謝礼として貸出等を検討してみましょう」

 

「感謝致します」

 

 

 

 二人が乗り込んだところでパ・リューヒは護衛艦を伴ってデュロ海軍基地から出港、デュロ沖合での発艦試験である。私やマイラスの他にも技研の同乗者が数人乗艦していたようであった。

 

 

 

「……レミール所長?パ・リューヒに乗艦していたのですね」

 

「ええっと、貴女は……」

 

「航空科のホーロウです。今日はどういったご要件で?」

 

「彼を案内していたのよ。ムー国統合軍、技術士官のマイラスさんよ」

 

「どうも。ご紹介に預かりましたマイラスです。航空科ということは……」

 

「はい。私の設計した試作機が飛びます」

 

 

 

 エレベーターから上昇してきたホーロウが設計した銀翼の翼を持った単座型の試作機、確かあれは私がマイラスに見せた九試単座戦闘機の落書きを参考にとホーロウへ渡したものだったはず。まさか本当に設計して製造するとは思わなかった。

 

 

 

 テストパイロットが乗り込むと発動機(エンジン)が回りプロペラが勢いよく回転し発艦可能を知らせるブザーが鳴り響く。

 

 

 

『発っ艦はじめー!』

 

 

 

 回転数があがり逆ガル翼の試作機は飛行甲板走り出す。先端へとたどり着いた試作機は、ぐん、と沈み込んで姿を消す。墜落……と関係者が最悪の事態を想定したがエンジン音を高らかに鳴り響かせて浮上してきた。

 

 これには参加者一同大喜びであり設計者のホーロウに至っては海軍関係者からもみくちゃにされて大変なことになっていた。

 

 

 

「ほらほら、ウチ(技研)の技術者を大切に扱って。今回一番の功労者なんだから」

 

 

 

 無事に離陸した後、試作機は最大速度や上昇率、下降や上昇率等を計測していく。中でも最高速度試験は見ごたえがあった。

 

 

 

「最高速度、350!……400!……430!……455キロです!」

 

「455キロ!?ブルドック改よりも100キロ以上早いじゃないですか!」

 

「マイラスさん。時代は単葉機の時代へと移り変わっています。いくらブルドック型が優秀でも複葉機、どうしても時代の波には勝てません」

 

 

 

 驚くマイラスを他所に空へ輝く銀翼の翼はひとしきり大空を飛び回った後、飛び立ったパ・リューヒへと戻ってきた。着陸し制動索にフックを引っ掛けて停止する。

 

 

 

 すべての試験が無事に終了しパ・リューヒの海兵や整備兵たちによってテストパイロットは手荒い歓迎をひとしきり受けた後に私やホーロウを見つけて近寄ってくる。

 

 

 

「レミール所長、ホーロウさん。この機体は大変すばらしいです。制式化されたらぜひとも乗りたいものです」

 

 

 

 テストパイロットからこれほどの高評価をうけるとは思っていなかったようでホーロウは泣きそうになっていた。

 

 

 

 大成功に終わった試験飛行の後、パーパルディア陸海軍はこの機体を制式採用、『ベルーナ』と命名され艦載機型と陸上配備型がそれぞれ生産されることとなる。

 

 旧式化した複葉機やワイバーンは偵察機としての運用や友好国であるクワトイネ、クイラ等に輸出されて次の活躍場所へと移っていった。




バルス・プランの詳細を後日追記するかもしれませんが……見る人はいるんでしょうかね?
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