勇者と魔女
アンスルがこの世界、ニホンに来てから数か月
すっかり日本の暮らしにも慣れ、一人で街中を出歩くようになっていた
ちなみに吹上は「早く出ていけ。一人暮らししろ」と毎日のように言っていたが、一向に出ていく気配が無いどころか、自分用の家具まで買い始めたので、もう諦めている。
そんなアンスルが今何をしているかというと・・・
「いやー今日も豊作ですねぇ・・・さすが日本が誇る文化!これを嗜まないで何が日本ですか!」
「真昼間から俺のパソコンで何をやってるかと思えば・・・まーたエロサイト見てんのか」
吹上があきれながら言う
吹上の言う通り、アンスルはエロサイトをサーフィンしていた。
というのもアンスル。来て数日のうちにすっかりハマってしまい、毎日見ているのだ。
「別に俺も男だからわからなくもないが・・・」
「何ですか?」
「そんなに見るんだったら自分のパソコン買えよ・・・」
「・・・・・・・だって高いじゃないですか」
「ンなもんわかってんだよ!今!お前が!操作してるそれも!高かったの!」
「知ってますよ?」
「いやだからさぁ・・・俺も買ったんだよ?お前が高いって言ってるソレを」
「それはそうですけど・・・。でも考えてもみてくださいよ」
「ん?」
「僕はアルバイトですよ?収入が違うじゃないですか」
「・・・・」
「それに毎月数万入れてるんですよ?お金がたまるわけないじゃないですか」
「・・・俺も!お金が!少ない状態で!それを買ったの!!!!」
「いやだからですね?」
「うるせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
吹上がそう叫んだ瞬間
ドスン!!
と鈍い音が押し入れのほうから聞こえた
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
無言で向き合う二人
「・・・・(お前なんかやったか?)」
「ブンブン!(首を横に振る)」
アイコンタクトで会話する二人
「・・・・何よここ。」
「「!?」」
二人が硬直していると押し入れのふすまが開けられ、中から女性が出てくる
その恰好はまさに魔女
黒いロープを羽織り、頭には黒い帽子を被っている
その女性・・魔女は気づいたように二人を見る
「・・・・アンスル!?」
「お前・・・ルジュルン!?なんでここに・・・」
「それはこっちのセリフよ!というかその姿は!?なんで若返ってるの!?それにここはどこ!?あぁんもう!聞きたいことが多すぎるわ!!」
「それはこっちもだけど・・・」
「待て待て待て!俺抜きで話をするな!?」
二人の世界に入りそうなタイミングで、すかさず吹上がストップをかける
「何よ!というかあなた誰!?」
「おま、それはこっちのセリフだわ!?というかこの流れどっかで見たぞ!?」
「あぁ、彼女はですね・・・」
アンスルが女性を紹介しようとすると女性のほうから名乗る
「私はルジュルン。見てのとおり魔女よ」
それを聞いた吹上は「なるほどね・・・」と小声でつぶやき、一言
「・・・なんで俺の家にくるんだよぉ!!!!!!」
そういう運命ですもの