焼肉開始から数分後
ぼちぼち皆のお腹が膨れてきたタイミングでいよいよ本命が現れる
「さてと。そろそろコイツを焼こうか」
江北がそう言いながら高級肉を冷蔵庫から取り出す
江北が平然と吹上の家の冷蔵庫を開けているがあんまり気にしてはいけない
「来たか」
「来たわね」
「来ましたね」
「・・・あの、その視線怖いのでやめてくれません?なんかそんな意図はないだろうけど私を狙うように見えるから。いやもしかして今日はそういう意図もあるのか・・・?確かにこれだけの高級肉をたかがお隣さんに分けるか・・・・?」
「江北さん!今はソレにならないでください!というか早くその肉を焼きましょう!」
「おっと、私としたことがイケないイケナイ」
江北がそう言い、肉をホットプレートに並べる
「・・・」
ジューという音を立てながら香ばしい香りを建てる
それを無言で、獲物を見つめるように待つ四人
「・・・僕思うんですよ」
「・・・どうした?」
「こうやって肉を食べるのって何気にこっち来てからなんですよね」
「向こうにはこういう食べ方なかったのか?」
突然語りだしたアンスルに聞く吹上
「向こうでは基本的に肉っていうのは保存食だったんですよ」
「保存食?」
「えぇ。所謂干し肉ですね。向こうでは保存食ってそんなに発達してなかったので」
「まぁ缶詰とかクラッカーとかなさそうだしな」
「当然ですけど無いですよ」
「だろうな」
「まぁですから缶詰とか結構感動したんですよ?まぁあんまり表には出さなかったですけど」
「フーン」
「心底どうでもよさそうに反応するのやめてくれません???悲しくなってくるんですけど」
「自分語りするなら他人の反応をいちいち気にすんな」
「そうは言われても気になるもんなんですよ」
「仮に興味津々に聞いてくる奴がいても大体の確率で「コイツまた話し始めたよ・・・まぁここで聴かないと後々めんどくさくなりそうだし・・・しょうがない。聞いてやるか」って思われてるぞ」
「生々しいのやめてくれません???」
アンスルがそう言っていると肉がいい感じに焼けたのか、江北が全員の皿に肉を取り分ける
「まぁその話は置いといて。冷めないうちに食べましょう」
「そうよ。アンスルの自分語りなんて長くなるんだから」
「ルジュルンまで・・・」
「だとよ。先に食うぞ」
吹上はそういうと、焼き立ての肉を口に運ぶ
それと同時に江北、ルジュルンも食べる
「・・・うん」
「おいしいですねぇ・・・」
「おいしいわねぇ・・・」
ルジュルンと江北は溶けたような表情になり、その味をかみしめている
一方で、吹上は特に表情も変えず、黙々と肉を食べる
「・・・何ですかその反応」
「いや・・・うまいにはうまいんだが・・・」
「だが?」
「なんかこう・・こんなもんかっておもって」
「・・・あーなんとなくわかりますよ。普段食べなれている安いもののほうがたまに食べる高級品よりうまく感じるアレですね」
「なんか悲しいな」
「そういうもんですよ。・・・・うん!おいしいですね!」
三人が笑顔になるのを
なんかむなしい気持ちで見つめる吹上であった
モーモーおいしい