ある日
アンスルは休みの日にふと思い立ち海に向かっていた
吹上からは「海なんか行って・・・なにすんの?」
と言われたが、特に目的もない
ただ行きたいから行くのだ
電車に揺られて数時間
アンスルは吹上の家から一番近い砂浜に来ていた
「おぉ・・・やっぱり景色はいいですね・・・」
アンスルは一人、砂浜のベンチに腰掛け、ただ波を見つめる
「最近仕事仕事で心を休ませる時間とかなかったですからね・・・たまにはこういう休日も悪くない・・・」
アンスルは持ってきたお茶を飲みながらただぼーっと波を見る
(思えばこっちに来てからもそんなに忙しさは変わってないな・・・勇者として向こうにいた頃は誰かのため誰かのためで自分のやりたいこともできてなかったし・・・・)
目を瞑り、過去に思いをはせる
(あの頃はお酒もまともに飲めなかったからですね・・・第一酔っぱらってそのタイミングでなんか起きたら・・・とか考えてましたし・・・というか冷静に考えてみればあっちって勇者に頼りすぎじゃありません???なんか僕の負担やっぱりおかしいですよね???)
アンスルはそんなことを思いながら歩きだす
当然目的は無い
「さて、次は・・・」
アンスルは近くの公園で、来る前にコンビニで買った朝食代わりのパンを食べ始める
(この食事にも慣れましたねぇ。はじめは戸惑ってたんですけど。うーんでも向こうでも異国に行ったら食文化が違うなんてことなんてよくありましたし。エルフの国なんて食事が花の蜜とか草でしたからね・・・しかもレタスとかみたいなやつじゃなくてホントに名前すら知らない謎の植物・・・よくお腹下さなかったね。自分)
ちょっと瞳に潤いを感じながらアンスルは次の場所に向かって移動を始める
¥¥¥
「しゃいませー」
(そういえばずっと気になってたんですよね・・・)
アンスルが入ったのはリサイクルショップ
いつも通勤途中に目にしていたが、まだ入ったことのない店だった
(いつもなら早く帰ることを優先するところですけど・・・今日はオフですし。色々見て回りましょう)
アンスルは中古本売り場に向かう
(なんだかんだ電子書籍ばかり見てましたからね・・・こういう本もいいですよね。まぁ荷物になるんですけど・・・お?これは・・この世界の歴史書ですか。こういう形式のものを漫画というんですよね。・・・あっちにもこういうのあれば子供たちが興味を持つと思うんですけど・・・これはこれで印刷とかの技術が必要ですしね。あっちではしばらくは無理かな)
@@@
「・・・お前さぁ」
「・・・言わないでください。正直自分でも反省してるんですよ」
帰宅後、アンスルは吹上に怒られていた
理由は明白
「置き場所ないって・・・コレ」
中古本の漫画三〇志を全巻まとめ買いしてきたからだ
ちなみに全60巻
「まぁまぁ吹上。そう怒んないであげて」
「ん?お前がかばうなんて珍しいな・・・怪しい」
そう吹上がルジュルンをにらむと部屋のチャイムが鳴らされる
「宅配でーす」
「あ、僕出ますよ。はーい」
「何だ?なんも頼んでないと思うが・・・」
アンスルが荷物を受け取り、戻ってくる
その手には漫画の束が抱えられていた
「・・・・んんん???」
「あっ、それ私が頼んだやつ」
「・・・だから庇ったのか」
「そうよ?これ押し入れに入れるから」
「・・・入んねぇよ!!!!」
荷物サンクチュアリ