「・・・・暇ね」
ある平日の昼
ルジュルンは部屋で寝転がりながらそう口に出す
日課の配信も最近は日中より深夜帯のほうが人の集まりがいいのでそうしているし、アンスルと吹上は働いているので勿論家にはいない
「うーん・・・テレビも似たような番組しかやってないし。向こうだったら暇なときは魔法を研究してたんだけど・・・それも使えないし」
手を空に向ける
当然何も起きない
「・・・はぁ。全く困ったものね」
意味もなくゴロゴロと転がるが、暇つぶしになるわけもない
「・・・・そういえば」
ルジュルンが立ち上がり、ベランダから外を見る
天気も良く、雲一つない青空が広がっている
「よし。外出るか」
ルジュルンはジャージ姿のまま、外に出た
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「とはいえ、目的もないのよねぇ」
ルジュルンは吹上からもらったお小遣いを手に、歩いていた
実質散歩なのだが、何分平日の昼間でしかも服装もジャージなので、なかなかに怪しい目で見られることもある
「・・・確かあの公園の近くに図書館があったわね。ってあら?」
図書館に向かいだしたルジュルンは通りかかった公園で奇妙なものを見つける
そこには膝を抱えてうずくまる子供がいた
「・・・・(うわぁ。あぁいうのってあれよね。関わったらめんどくさい奴・・・)」
ルジュルンは魔女である
魔女とは人とは違う感性であり、ルジュルンも例外ではない
人間が他人に向ける興味というものが、全て魔法の研究に向いているというだけだ
だから今回のように、見るからに面倒くさい案件には、首を突っ込まず、なるようになるとそう思っている
「・・・・ひぐっ・・・えぐっ・・・・」
少年は膝を抱えて嗚咽を繰り返している。
時々鼻をすする音もするため、恐らく泣いているのだろう
「・・・はぁ。これも乗りかかった船だしね・・・ホント、人間に戻った弊害かしら?」
ルジュルンはそう言うと、公園に入っていき、少年に声をかける
「あー・・・君?こんな場所で座ってると風邪ひくわよ?」
「・・あぐっ・・?・・・お姉さん誰?」
「いやその前にその鼻水と涙をどうにかしなさい・・・・ほら、これあげるから」
そういってルジュルンはジャージのポケットからさっきもらったポケットティッシュを渡す
「・・・・知らない人からものをもらうなって先生が言ってたけど?」
「知らないわよ。私がいやだからソレで何とかしろって言ってんの」
「・・・・チーン」
少年は怪しむようにルジュルンを見ながら鼻をかむ
「・・・・それで?なんでこんな平日に公園で一人泣いてんのよ?普通同級生とかと遊んでるもんじゃないの?」
「うるさいなぁ・・・・別になんだっていいじゃん。お姉さんだって働いてないでしょ?こういう平日の昼間から出歩いている人はニートだって聞いたよ」
「おう、中々いうじゃないの。どこでそういう知識つけてくんのよ」
「ネット」
「なるほど現代っ子ってやつね」
「・・・・別に今の子供はネットばかりやってるわけじゃないと思うけど」
「うるさいわねぇ・・・別にどっちでもいいじゃない。それより、何してたのかを聞いてるの!」
「うっ・・そんなの知らない人に言うわけないじゃん!」
「知ってるとか知らないとかどうでもいい。私が教えろって言ってんだから教えなさい!」
「・・・僕知ってる。こういうのをジャイアニズムっていうんだ」
「ガキ大将じゃないわよ?」
「言動がガキ大将だよ・・・・」
少年がそう言うと、ルジュルンはめんどくさくなったのか、ブランコに腰掛けて、こぎ始める
「別に言わないならもうそれでもいいわよ」
「じゃあどっか行ってよ・・・」
「ここはあんたの家じゃないでしょ?なら別にいいじゃない」
「・・・・もう何なのこの人」
「私はたまってることあるなら言ったほうがいいと思うけどね」
「・・・・」
「第一、ため込んでイライラするよりこんな素性もわからないお姉さんに言っちゃえばいいんじゃない?」
「・・・・・・」
少年は俯いて、そこからポツポツと話し出した
壁