「じゃあお母様は・・・空の言うことを全く信用していないのですか?」
ルジュルンは落ち着いた所作でお茶を淡々と飲む母親に
若干の怒りを隠しながら聞く
「うーん・・・全く信じていないわけじゃないわよ?」
「・・・え?」
母親のその言葉を聞いた空は俯いていた顔を上げる
「そりゃ自分の子供よ?信じるにきまってるじゃない。けれど・・・見ていない以上100%じゃあないわよね?」
「それは・・・そうですけど・・・」
ルジュルンは母親の言い分に唇を噛む
確かに、自分が向こうの世界にいた頃、未来の自分が目の前に現れて「あんたニホンに行くことになるわよ。魔法も使えなくなるけど」なんぞ言われても信用しないだろう
「それにね?」
母親が一呼吸おいて話し出す
「・・・・空ちゃんがそんな簡単に泣き寝入りするわけないじゃない」
「・・・」
はぁ。とため息を付きながらそう話す母親
「そもそもね?いじめなんて・・・やってくる奴は集団でまとまらないと何もできない矮小な存在でしょ?」
「・・・ん?」
「そんな奴らは個々の戦力はクソザコなんだから・・・全員ぶっ飛ばせばいいじゃない」
「・・・・・・んんんん?????」
「・・・はい???」
なんか流れがかわったぞ?
突然のパワー系発言に困惑の表情を浮かべるルジュルンと空
そんな二人を置いて、母親はノンストップで話す
「いい、空ちゃん。そういう奴にはね、一発思いっきり骨の2~3本折ってやればいいのよ」
「いや待て待て待て」
「・・・えーと?」
「人間の回復力は結構あるんだから。2~3本折れても生活に支障が少し出るレベルだからちょうどいいところを折るのよ」
「・・・・なぁ空」
「・・・はい」
「お前の母親・・・怖くね?」
「いや・・・僕もこんな母さん初めて見たので・・・」
ルジュルンと空がポカーンとしていると、一人の人物がリビングに入ってくる
茶色に染めた髪の毛を短く切り、眼鏡をかけた女性はくいっと眼鏡をずらすと語りだす
「久しぶりに見たわね・・・・母さんのviolenceモード・・・」
「姉さん!?」
「え、これあんたの姉?」
その女性は空曰く、天才の姉。
[高砂 月『たかさご るな』]だ
「そうか、空は見るの初めてだったわね」
「え?姉さんあの状態の母さん知ってるの?」
「知ってるも何も・・・あれが母さんの素よ?」
「あのやばいこと言ってる状態が!?」
「そう。母さんはその昔、孤独ながらこの区だけでなく、東京23区すべてを手中に収めた伝説のストリートファイター・・・[無慈悲なる宇宙]と呼ばれた人物なのよ」
「「・・・知らねぇ・・・・」」
ルジュルンと空は声をそろえる
「ちなみに母さんはドラム缶で目覚めて、幼き頃から闘争に明け暮れてたらしいわ」
「え、何?あんたらの母親野生児か何かなの????」
「そんな優しいものじゃないわ・・・母さんは昔、集団でいじめられそうになったけど、その主犯達の鼻を90度曲げて公園に埋めたらしい」
「・・・・人間???」
「一応人間よ」
次々と明かされる空の母親・・・[高砂 宇宙『こすも』]の正体に、ただただ唖然とするしかないルジュルンはこう思った
(そりゃいじめられてるとか信じないよねー!だって拳で何とかしちゃうタイプだもん!アレ!)
ある意味、化け物というルジュルンの予想は当たっていた
violence