日曜日
アンスルは警察のおっさんに指定された病院に来ていた
勿論指定時間の数十分前にだが
「・・・話ってなんだろ」
ちなみにここに来る前に吹上になんで自分の電話番号を教えたのか聞いてみると「だって絶対めんどくさいし。だからお前に丸投げした」と何を当り前のことを聞いてくるんだとでもいうような表情で言ってきたので、とりあえず腹を下す魔法をかけておいた
※この後吹上は三時間ほどトイレを行き来しました
「吹上さんもああいうところあるからなぁ・・・なんというかああいうのをナチュラルクズっていうんでしょうね。いや別に居候させてもらえてるのはすごい感謝なんですけど・・・」
一人缶コーヒーを飲みながらベンチに腰かけていると、おーいとあの時の警察のおっさんがやってくる
「おー、流石若いのだねぇ。指定時間の結構前から来てるなんてなぁ」
「結構って・・・言うても来たばっかりですよ?」
アンスルがそう言うと、おっさんが隣に座りながらまぁまぁと話す
「こういう誉め言葉は素直に受け取っときな?歳とってくると褒められることなんか減ってくるんだから。年齢に甘えとけ!」
「うぅん・・・。それより、今日は何ですか?こんな病院に来てくれって・・・」
「おっ、そうだったな。いや実はさぁ・・・ちょっとめんどいことなんだけどな」
「めんどいこと?」
「あぁ。あの時保護した女性のことなんだが・・・・」
「あの女性?なんかあったんですか?」
アンスルが聞くと、おっさんはぁとため息を付いてそうそうと話す
「あぁ、実はな・・・・身元が分からないんだ」
「身元が?それってどういう・・・」
アンスルが聞くとおっさんはそのまんまの意味だよと続ける
「目を覚ましてから色々と聞いてるんだが・・・まともに答える気がねぇ。」
「えぇと・・・でもあれですよね?自分たちの無実は話してくれたって・・・」
「あぁ。確かにあんたらが無実だってことは心底丁寧に話してくれたよ。・・・あんたらについてはな」
「あー・・・・というと・・・」
「まぁ察しただろうと思うけど、こと自分のことについては一切話さない」
「そのパターンですか・・・」
「どのパターン????いやまぁそれは置いといて。これがうまくかわしやがる」
「・・・あれ?でもあれですよね。身分証明書とかってなかったんですか?」
アンスルが聞くとおっさんは力なく首を横に振る
「それがなぁ・・・そういう類のものが一切出てこないんだ」
「そんなことあるんですか?」
「たまにある。いやホントにたまになんだが・・・。恐らく、あの女性は浮浪者・・・所謂ホームレスって奴だな」
「いやホームレスでも身元は分かるもんじゃないんですか???」
「だー俺もそう思ったよ?指紋とかそういうところから何とかわかんねぇかなぁって。そしたらどうよ!指紋が無いと来た!」
「指紋が無い???」
「そう。ご丁寧に薬品で焼いてやがった!」
「Oh・・・んで、なんで僕を?」
アンスルが自分を呼び出した理由をおっさんに聞く
「そうそう。そこで俺ら警察じゃなくて、あんたなら話をうまく聞き出せんじゃねぇかって思ってさ!」
「・・・・(無理じゃないかなぁ)」
口には出さなかったが、だいぶ滅茶苦茶いうなぁと思ったアンスルだった
じゅうっ