「とりあえずお前さんが今日来ることは相手に話してあるから、そんなに不安になるこたぁないよ」
「・・・そういう問題ではないような気がするんですけど・・・」
アンスルと警察のおっさんは二人で病院内を歩く
先程話していた身元不明の女性と面会するのだが、やっぱりアンスルには色々と不安要素が浮かんでいる
「というかなに聞けばいいんですか?警察が聞いて答えなかった問いに答えるとは思えないいんですけど・・・」
「まぁまぁ。やってみなきゃわからんだろ?やる前から諦めるなんてくだらないこと言うんじゃないよ」
「諦める諦めないの問題じゃないでしょ・・・」
「細かいことは気にすんな!まぁ俺も重要な情報を聞き出せるとは思ってないからさ!」
「ならなおさら僕が行く意味あるんですか?」
アンスルがそう聞くと、おっさんは真面目な表情で「ある」と答える
雰囲気が急に変わったその様子を見てアンスルは思わず警戒する
「・・・直接的な情報は聞き出せなくていいんだ。少しでも身元が分かるような情報が聞き出せればそれで」
「・・・」
「もうホント日常会話をしてくれればそれでいいんだよ。ほら、こっちは警察だから向こうが警戒しちまってる可能性もあるだろ?」
「無意識にってことですか?」
「そうそう。・・・っと、ここだな」
[905]と書かれた部屋の前に来ると、おっさんが「ほれ」と言って機械をアンスルに渡す
「何ですかコレ」
「レコーダーだよ。会話の内容を記録するやつ。俺は下のロビーで待ってるから。じゃっ、あとよろしく」
「ちょっと!?」
おっさんは言うことだけ言って、そこから去っていく
一人残されたアンスルはとりあえず言われた通りにレコーダーのスイッチをオンにして、部屋に入る
「・・・・おじゃましまーす・・・・」
アンスルがそう言って入ると、そこには一人の女性がいた
その女性はアンスルに気づいたのか、一礼する
「えーと・・・どうも」
「・・・・あの時の男の人ですか?」
「!わかるんですか!?」
女性の問いかけに驚くアンスル
そんなアンスルを見て女性はクスリとほほ笑む
「えぇ。しっかり覚えてますよ」
「・・・・えーと、大丈夫ですか?結構ケガというかなんというか・・・いやもうそういう次元超えた感じでしたけど・・・」
「ふふ。心配してくれてありがとう。けどダイジョブよ。見てのとおり、すっかりケガも治ってるし・・・」
「は、はぁ。いや、ならいいんですけど・・・」
アンスルはそう答えるとしばらく硬直する
「・・・つかぬことをうかがうんですけど・・・」
「何かしら?」
「・・・・名前を教えてもらえませんか?ほら、呼ぶときになんていえば・・・」
アンスルが直球でそう聞くと、女性は窓の外を見ながら答える
「・・・好きによんでいいわよ?」
(そりゃそう簡単に答えるわけないよなぁ!!!!!)
アンスルは心の中でそう叫んだ
こんがらがる