「断片だけぇ?そんなわけないじゃないの。記憶を読み取る魔法なら、完璧に読み取れるはずよ?」
「そうなんか?」
「えぇ。練度にもよるけど、私レベルだったら完璧に読み取れるわよ?まぁ使えないけど」
「・・・だそうだが?」
吹上がルジュルンの説明を聞いて、アンスルに問いかける
アンスルは少し気まずそうに、俯いて答える
「・・・ルジュルンレベルならそうなんですけど」
「ん?」
「・・・僕、そこまで魔法に特化してないんですよ」
「・・・・・は?何よそれ。聞いてないわよ?」
「言ってないですからね」
「というか別に女神から没収もされてないんでしょ?なんでできないのよ?」
「いやですから・・・そもそもそんなに練度無いんですよ。僕の魔法」
アンスルがそう言うとルジュルンが信じられない物を見るような目で、アンスルを見つめる
「でもお前って勇者なんだろ?なんかそういう縛りでもあるんか?」
「いえそういうわけじゃなくてですね。もうシンプルにそんなに練度無いだけですよ」
「・・・・・・・(あんぐり」
「おいルジュルンが呆然としてるぞ。何とかしろ」
「いやなんとかって言われても・・・・。勇者と言ったってなんでもできるわけじゃないですからね・・・・」
「なんでもできないなら何が勇者よ!?」
「なんでもできたら仲間なんて作りませんよ!?」
「む・・・・!それは確かに・・・」
「でも一通りは使えるんだろ?」
「それはもちろん。けどそうですね・・・満遍なく使えるってだけなんですよ。全ての種類の魔法や技を使えるけど、特化したものは使えない。って感じです」
アンスルの説明を聞いた吹上はほーんと一呼吸おいて答える
「・・・つまり器用貧乏って奴か」
「万能って言ってくれません???」
「じゃあそれぞれの専門家には敵わないってことか」
「・・・・そうなりますね」
「・・・・勇者なのにそんな不器用なのね・・・」
「逆に器用だろ」
「じゃあやっぱり私が最強の魔法使い・・・魔女だったってことね」
「今は無職のクソ女だがな」
「向こうの世界基準だとホントにそうだと思いますよ?」
「・・・なんかなおさら女神が憎くなってきたわ・・・なんで魔法を奪うのよ・・・!」
ルジュルンが憎そうに拳を握りしめる
「あー・・・なんとなくわかってきたぞ?」
「え?」
吹上が一人、納得したように手をポンと叩く
「要するにアレだ。アンスルの能力で使える魔法とかはそんなにコッチ・・まぁ現実世界ってことにするか。だとそんなに影響がないから没収しなかったんじゃないか?」
「・・・・なるほど」
「ぐぅ・・・つまり私は脅威になるってこと!?ならコッチに送るんじゃないわよ!!!!!」
「落ち着けって。ここ一応病院だぞ?・・・だいぶ話がそれたな。それで?何が読み取れたんだ?」
別にそういうわけではない