不屈のエース~甦るレジェンド~   作:フリュード

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書き直しです!一話が短いのでくっつけています。長くなってしまい申し訳ありません・・・


第1話 運命の出会い

「ヤバイ。どうしよう・・・」

 

大会が終わってから月日が経ち、みんなは進学に向けて勉強を始めたところだが、武藤はどうしようか頭を悩ましていた。

 

「あれ?どうした翔也。」

 

「あっ、二村。」

 

頭を抱えている武藤に二村が寄ってきた。

 

「何か相談したいことがあったら教えて!」

 

「くっ、良いな良いな進学先が決まっているやつは。」

 

「何言ってるんだよ。まだ決まった訳じゃないぞ。」

 

「はぁ~?そうだとしてもお前確かスポーツ推薦で行くんだろ?入る可能性高いじゃん。」

 

「はは・・・そうだけどね。」

 

武藤の発言に二村は苦笑をした。

 

捕手・主将としてチームを引っ張った二村は全国屈指の肩の強さを誇り、かつての武藤と同じくたくさんの高校から誘いの話はあった。その中で神奈川の名門・流星高校に入ることに決めたらしい。

 

「しかし流星か・・・確かケンがいる中学の上の高校じゃないか?」

 

「そうだね。聞いたところ中田くんもそのまま流星に入学するらしいよ。」

 

「ふーん・・・皆もう決まっているんだな。」

 

武藤はそう呟いた。因みにさっき言ったケンや中田くんと言うのはかつて武藤も呼ばれていた全中二年ビッグ3と呼ばれた3人のうちの一人、中田(なかた) 健太(けんた)のことだ。

 

中田はノビのあるストレートと鋭いフォークが武器のかつての武藤と同じ本格派右腕だ。因みに中田ともう一人とは仲が良く、メールやラインでやり取りをしている。

 

「・・・んで?翔也の悩みは何なの?」

 

ここでようやく二村が聞こうとしていたことを武藤に聞いた。

 

「あぁ、実は俺が肩をやったのを噂で聞いたらしくて監督への問い合わせが昨日から殺到しているんだ。監督は本当の事を話すと言ってるから多分推薦の話が全部無くなるかもしれないんだ。」

 

「マジか!?大丈夫なのそれ?」

 

武藤の話を聞いて二村は驚きの表情をして心配そうに聞いてきた。

 

「う~ん・・・大丈夫じゃないかな?俺、頭悪いし・・・愛知県内の県立高校って結構頭いい高校が多いし。」

 

武藤は二村に言った。愛知県内の高校は私立が多く県立といったら頭がいい高校が多い事で有名なのだ。

 

「どこからその言葉が出てくる。お前って学年2・3位の頭のよさじゃないか。」

 

「あは♪ばれた?」

 

「冗談言ってる場合じゃないよ!?」

 

二村が流石に怒ったので武藤は「すまん」と謝った。

 

武藤は二村の言う通り学年で頭の良い高校に行ってもいいと言う判定をもらっていたのだ。だが、ピッチングスタイルは・・・

 

「けど中2の翔也って言ったら頭のよさとはかけ離れたノーコン速球派投手だったんだから意味が分からないよな。」

 

二村はそう言いため息を一つ吐いて当時のことを思い出す。

 

中二の時の武藤は、頭脳派らしく針の穴を通す・・・ではなく、球威でガンガン攻め立てるノーコン左腕であった。とは言え、その分相手に的を絞らせず5死四球ながら1試合17奪三振で完封という意味分からない事をやってのけたとか。

 

「うるせぇ。男ってのは自分に本能でないといけないときがあるんだよ。」

 

二村のため息はきながらの発言に武藤は瞳に炎を燃やしながらそう熱弁をした。

 

「それが頭のいい奴のいうことか?ホントなんでオレはこいつに勉強で負けているのかなぁ・・・」

 

そんな武藤の言動に二村は頭を抱えそう思わずにはいられなかった。

 

 

「でもさ、翔也の頭のよさだったら県立高校行けるから大丈夫だろ。」

 

「佐伯か。」

 

すると二村では無い声が聞こえたので武藤は振り向くと佐伯がいた。

 

「そうだな。県立に行く気だったらそこから大学、社会人でやってからのプロってのもありだからな。」

 

「それもありだな。しかし佐伯は進学先決まったの?」

 

「ん・・・まだ。」

 

「俺と一緒じゃん!」

 

「聞いた?こいつ親から私立は無理って言われてるんだぜ!」

 

「あっ!それ言うなよ!」

 

二村は佐伯が秘密にしていた情報を暴露した。二村が暴露すると佐伯は顔を真っ赤にしながら叫ぶ。

 

「そうなん?なら俺が勉強教えてやろうか?」

 

「えっ!?ありがとう!!!神だ」

 

「大袈裟すぎだろ・・・」

 

武藤の一言に感動しながらすがる佐伯に武藤は苦笑しながらもながらも楽しい時間を過ごした。しかしこのとき武藤はまだ気づいていなかった。運命の瞬間がそこまできていることに。

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま~」

 

武藤が学校から帰宅すると母が慌てたような感じで武藤のところに来た。因みに父は会社に出勤している。

 

「翔也!あんたにお客さんだよ!」

 

「へっ?俺に?誰だよまったく・・・」

 

武藤は誰が来たのか疑問に思いつつ荷物をおいてからリビングに入ると、眼鏡をかけたきれいなお姉さんがいた。

 

「こんにちわ武藤くん。」

 

「はぁ、こんにちわ。」

 

武藤は挨拶をしてからお姉さんとは反対側の椅子に座った。

 

「改めて初めまして武藤くん。私は青道高校野球部副部長をしている高島と言います。」

 

「へっ?青道高校って東京の名門じゃないですか。」

 

武藤は女性、高島の自己紹介を聞いて驚いた。

 

青道高校はここ最近甲子園には出場していないが、西東京地区の名門で打撃力は全国屈指を誇ると雑誌で載っていた。

 

「そうね。それで武藤くんには是非青道高校に来てもらいたいの。」

 

武藤はそれを聞いて一瞬耳を疑った。母も「えっ?でも・・・」と言っていた。

 

「ちょっと待ってください!ちなみに俺が肩を壊したってのは・・・」

 

「はい。存じ上げてますよ。かつては中学野球界最強の左腕と言われ、将来を期待されながらも肩を壊してしまい、右投げに転向したことも。」

 

高島さんはそう言った。全部当たっている。しかし・・・

 

「ならなぜ俺を・・・」

 

「あなたの将来性と経験にエースになれると確信を持てたの。」

 

武藤は疑問を投げ掛けると高島さんは表情を変えずに言った。

 

「将来性?」

 

母が高島さんに聞く。

 

「えぇ。右投げに転向しても左と変わらないフォームから繰り出されるストレートはまだ左には届きませんが魅力のあるストレートだと思いました。後明王中で培った技術・経験もおなじです。・・・どう?一緒に青道で野球をしてみない武藤くん?」

 

高島さんに言われ武藤は考え始めた。実際後で聞いたら推薦の話が全部無くなってしまったと言っていたのでそう考えるといい話だった。・・・けど親に迷惑は掛けられないという思いが武藤の中にはあった。

 

「行きたいんでしょ?翔也。」

 

すると母は武藤の気持ちを察してかそう言った。

 

「母さん・・・」

 

「伊達にあんたの母やってる訳じゃないよ!・・・お金はなんとかしてあげるから行ってきなさい!」

 

「・・・母さんにはかなわねぇな。分かりました高島さん。青道を受けたいと思います!」

 

「ふふ。そういってくれると思ったわ。取り敢えず今度の日曜日に青道高校の見学に来てみない?」

 

「日曜日ですね。分かりました!」

 

武藤がそう言い、日曜日に見学をすることが決まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すごいな・・・」

 

日曜日、武藤は高島と一緒に東京にある青道高校の野球グラウンドに見学に来たのだが、設備の多さや球場の広さ、さらにはAグラウンド・Bグラウンドと2つのグラウンドが完備されていると言うことに感嘆の声を上げた。

 

「ふふっ、驚いているようね武藤君。」

 

「高島さん。あれ?その人は。」

 

高島の声がしたので武藤は振り向くと高島は高島同様眼鏡をかけた男の子と一緒に来ていた。

 

「言って無かったわね。自己紹介してあげて御幸君。」

 

高島は眼鏡の子に言うと「分かりました!」と元気良く笑顔で返事をした。

 

「俺は御幸一也!よろしくな!」

 

眼鏡をかけた少年、御幸(みゆき) 一也(かずや)はそう言い、握手を求めてきた。

 

「俺は武藤翔也。よろしくな御幸君。」

 

武藤も自己紹介をしてから御幸と握手をした。

 

「俺のことは御幸か一也で良いぜ。」

 

「そうか。なら俺も呼び捨てでかまわない。」

 

2人はそう言った。その間高島さんは早速2人が仲良くなったことに嬉しそうだった。

 

「それでは2人とも案内していくわ。」

 

高島さんがそう言い歩き始めたので武藤と御幸も歩き始めた。

 

 

 

 

 

 

「・・・・しっかし、シニアまでにうわさは聞いてるぜ~レジェンドと呼ばれながら肩を壊した不運のエースって。」

 

グラウンド内を見学しているうちに御幸はニヤニヤしながら武藤にそう言ってきた。

 

「まぁ、仕方が無かったのさ。そっちこそリトルシニア界№1捕手って言われてるらしいじゃないか。」

 

ニヤニヤしているのは放っておき、武藤もそう言い返した。野球雑誌でシニアリーグの特集を見ると決まって御幸か知り合いの捕手が写っているので知っていたのだ。

 

「いや~それほどでも。」

 

「・・・・・(程よく鍛えられた身体。流石リトルシニア界注目の捕手だな。)」

 

御幸はそう謙遜していたが纏っているオーラは既に15歳というのを超えていた。武藤はいち早く気付き感心していた。

 

「・・・しかし、武藤も肩壊してから何もしてなかったわけじゃないんだろ?」

 

「まぁな。今は右投げに挑戦しているところだ(しかしズケズケと言って来るやつだな。そう言うのは嫌いじゃないがな)。」

 

御幸は少し笑みを浮かべながらそう言ってくるので若干ずけずけと武藤の領域に踏み込んでくる御幸に武藤は若干顔を引きつらせるが何も無かったかのように返す。

 

「へぇ・・・こりゃ期待できそうだ。」

 

「何が期待できそうって?」

 

「いーや別に。」

 

御幸はそう言い顔をそらした。武藤にとっては何を言っていたのか聞きたかったが、気にしない事にした。

 

「ここがブルペンよ。」

 

ちょうど目的地、ブルペンに着いたらしく高島がそう言った。

 

「おお!こりゃすげーな!!」

 

「あぁ、すごいな。」

 

ブルペンは3,4人ブルペンできるほどの広さで二人はその広さに感動していた。

 

「ふふ。気に入ってくれたのね。」

 

2人のはしゃぎように高島さんは微笑みながらそう言っていた。

 

「ほう・・・お前らが今日の見学者か。」

 

「あっ!監督。」

 

すると声がしたので振り向くと、サングラスをした怖い人が立っていた。

 

(うわ。怖いな。)

 

武藤は怖いサングラスの人を見て正直びくびくしていた。

 

「この方が監督の片岡鉄心さんよ。」

 

「「よろしくお願いします!」」

 

二人は元気よく挨拶をした。

 

「返事は良いな・・・それでこの2人が?」

 

「そうです。この2人がこの前おっしゃった№1捕手の御幸一也君と明王の投手の武藤翔也君です。」

 

「ほう。お前が武藤か。」

 

武藤の名前を聞いた瞬間投手出身でもある片岡が興味を持ったらしく武藤に話しかけてきた。

 

「はい。俺が武藤です。」

 

「ふん・・・肩を壊したと聞いたが大丈夫なのか。」

 

片岡はそう聞いてきた。やはり武藤が肩を壊したと言うのは皆の耳に届いているようだ。

 

「はい!でも自分には野球しかないと思い右投げに転向し、頑張っています!」

 

武藤は片岡の問いに力強く返事をする。

 

「野手に転向というのは無かったのか?」

 

「いえ、投手に強いこだわりがあったので考えてなかったです。」

 

武藤はきっぱりの言い切る。武藤は小学校で野球を始めてから数年間投手を務めてきた。それ故に投手としてのプライドが転向を許さなかったのだ。

 

「・・・ふん。なら良い。2人ともしっかりと見ておけよ。」

 

「「はい!」」

 

武藤の言葉を聞いた片岡は若干微笑みながらも二人にそう言うと球場のほうへと去っていった。

 

(ふふっ、少なからず武藤君に興味がありそうね。)

 

高島は少し笑みを浮かべながらそう思っていた。

 

その後も見学をし、あっという間に時間が過ぎていった。

 

 

 

 

「今日はありがとうね2人とも。」

 

見学も終わり、校門前にて高島は武藤と御幸に対してそう言った。

 

「いや~こちらこそありがとうございます!」

 

「こちらこそありがとうございました。おかげでこの高校に行きたいという気持ちが強くなりました。」

 

「俺もおなじくです!」

 

2人はそう言ったので高島は嬉しそうだった。

 

「ふふふっ。期待しているわよ。未来の“黄金バッテリー”。」

 

「!!!・・・はい!」

 

「はははっ・・・こりゃ責任重大だな。」

 

二人はそう言っていた。こうして何事も無く見学は終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日は本当にありがとうね武藤君。」

 

青道高校から近くの最寄り駅のホームにて高島は武藤に対してそう言った。御幸は家は近くというのでそのまま自力で帰っていった。

 

「ははは。こちらこそありがとうございます。あそこなら今試したいスタイルもモノに出来そうだなと思いました。」

 

「新しいスタイル?」

 

武藤の発言に高島は興味を持ったのか聞いて来た。

 

「それはお楽しみです。ちょうど電車も着てしまったですし。」

 

しかし、ちょうど電車が来てしまったので武藤はお楽しみだと高島に言った。

 

「ふふ。そこまで言うならしっかりとこの数ヶ月の間にその新しいスタイルとやらを完成してきなさい。」

 

「頑張ってみます。それではサヨナラ!」

 

電車に乗った後、高島にそう言い武藤は故郷、愛知県へと帰っていった。

 

 

 

「新しいスタイル・・・ね。どういうものか見せてもらいましょう。」

 

高島は武藤が言った後、そう呟いていた。

 

 

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