カチャ
「何しに来たの?もう貴方の思い通りになんてならない」
ホシノはショットガンを構えて黒服を睨んでいた
「いえいえ、これ以上ホシノさんに付き纏う気はありませんよ、これ以上貴方達を傷付けると先生に嫌われてしまいますからね」
「先生?」
俺達の知らない所で先生もこいつらと大人のやり取りでもやってるんだろうな
そこはもう深掘りはしない方がいいな
てかそういうのは先生に任せた方がいいだろうしな
「今日私は貴方をお誘いに来たのです」
そう言って俺の方に手を伸ばす黒服
「!!?」
「不知火颯さん、先生同様に私達は貴方をゲマトリアに是非お迎えしたいと思っております」
「……」
一体この大人は何を言っているのか分からない
だが俺の事を利用してやろうと魂胆は見えてくる
これはもちろん俺の予想だ
だが銃弾一発でも致命傷な俺に一体何を求めているのか少しも分からない
俺は少し話を聞こうと口を開くが
「ふざけるな!!」
「!?ホシノ…」
「………」
「私だけじゃなく次は颯君を利用するつもり!?これ以上ふざけたこと言うなら私がここで!…」
「ホシノ」
俺は今にも発砲しようとするホシノのショットガンに手を置き落ち着かせる
「颯君…」
「落ち着け、顔が怖いぞ」
「!…ご、ごめん…」
俺は謝るホシノに微笑む
そして落ち着いたホシノを確認してホシノより前に出る
「中々面白い事言うんだな」
「クククク私達は本気ですよ、それに安心してください、私達は貴方を利用したり実験のモルモット等にするつもりはありません、我がゲマトリアの更なる野望の実現の為に貴方の力が必要なのです」
「野望ね…」
さて…どこまで欺けるのか
そしてどこまで真意を聞けるか…
「なら俺もお前に幾つも質問がある」
「ほほう、随分と図太い人なんですね貴方は」
「会社に入ってくれって言うんなら仮に就活生としての立場位置にある俺が企業に質問があってもおかしくないだろ?」
「クククク…いいでしょう聞きましょう」
そうか…なら遠慮なく聞くか
「まずお前達の目的はなんだ?、先生や俺の役割はどうしようと考えている?俺がこのゲマトリアに入るメリットはなんだ?」
「………」
「そしてその役割の中にキヴォトスの生徒達と敵対するというのは含まれているのか?」
「!!?」
俺がそう聞くとホシノが黒服を睨んだ
そしてその質問に黒服は黙り込む
「さぁ答えてくれよ黒服、何も難しい事は聞いてないと思うんだか?」
俺がそう言うと
「クククク、やはり貴方は侮れませんね、流石先生同様にキヴォトスの外から来た人だ」
「そんなの関係あるか、それよりさっさと質問に答えてもらおうか」
と言うと黒服は言った
「残念ですが4つの内3つは答える事は出来ませんね」
「ふーん」
俺は刀を取り出して刃を黒服に向ける
「質問に答えられないなら話は終わりだな、やはりあんたは敵って事でこれから認識させてもらうよ」
俺がそう軽く睨みつけて言う
「はぁ…残念です、もし入ってくださるなら貴方のご両親に何があったのか…などもお教えできるんですが…」
『!!?』
親父の事を……知ってる!?
ホシノも反応した
そうだよなこの話はキヴォトスに来てから誰にも話してないからな
「ちなみに…その刀の一本は真剣疾風(はやて)、そしてもう一本は妖刀叢雲(ムラクモ)…何れもご両親の形見ですよね?」
「…………」
俺は刀を下ろした
どうしてその事を知っているのか分からない
こんなキヴォトスの外から来た俺の情報を何故…
「あぁ、合ってるよ…気持ち悪いぐらい合ってる」
「ならば今一度判断を改めてみませんか?大丈夫です、我々は貴方も先生も歓迎致します」
「………」
正直このキヴォトスに来た理由はそれを知るため
その理由が大きい
俺を実家に残して旅先で死んでしまった親父達の目的を知れる、この機会はとてもチャンスな事だ
「貴方がこのキヴォトスに来たのもそれが理由の筈です、なのでこれは大人の取引、ギブアンドテイクということにしましょう」
「………」
考える俺にホシノは俺の制服の裾をギュッと握っている
ホシノはその出来事を体験した張本人だ
当然怖いだろう
本当に大人ってのはずるい存在だ
「そうだな…俺の知りたい情報も知れる、そして俺はその力をお前達の為に発揮させる…筋は通ってるな」
「クククク…やはりわか…」
スッ!
俺は刀を再度黒服に突き向ける
「だが…お前はまだ俺の質問に答えていない、それを答えてからしか返事はしないと…さぁ答えてくれよ」
「………」
そう言うと黒服の表情が変わる
こんな風に言われると思わなかったって顔だな
それとも筋書き通りって思われてるって事か?
「お前達がどこでどうやってその情報を知ったのかは知らないが…どうやらこのキヴォトスに来たのは間違いではなかったということが分かった、ありがとな黒服」
威圧に笑顔を添えて黒服に応える
それを見てホシノはホッとしたみたいだ
悪いな…心配させてしまって
さて…終わらせるか
「さて質問に答えない以上この取引は不成立だ、お引き取りを願おう」
再度黒服にそう言うと黒服は
「クククク…クフフフ!流石だ!流石です、それでこそ私達ゲマトリアが見込んだ人です!こんな話で乗られては我々もどうしようか悩んでしまいますよ」
「誰でもそう言うだろうが、それで見込むとかお前達の求めてる存在低すぎだろ」
「クククク…まぁ今日はこれぐらいにしておきますよ、ですが我々は諦めませんよ…貴方も先生も我々ゲマトリアの一員となってくれるその時を楽しみにしていますからね」
そう言って黒服は俺達に背を向けて帰っていった
俺は刀を鞘に戻してホシノを見る
「大丈夫か?」
「んんん!うへぇ…本当に心配したんだから、その…あいつらの仲間になるんじゃないかって思って…」
「ふふ、そうだなあんなホシノの怒りを見たら敵になるなんて怖いな~って思ったからね」
「!!も…もぉ!忘れてよ!おじさん柄にもなく怒鳴って恥ずかしい…」
「ホシノの新たな一面見れて俺は良かったけどな」
「もう!おじさんをからかって楽しいか!?」
ギュッ
「うへぇ?///…」
俺はホシノを抱き締めた
突然の事でホシノは驚いているみたいだけど気持ちを伝えるならこれが一番いいだろうし
「俺の居場所はここだよ、ホシノやアビトスの皆…ゲヘナの皆が俺の事を仲間だと思ってくれている内は俺はどこにもいかないよ」
「……//」
「それに最初から断るつもりだったしな」
「うん…え?…えぇ!?」
顔を離して見るとなんで?みたいな顔をしていた
俺はそれをごまかす様にホシノのほっぺを両手で掴む
「まったく~ホシノは心配性だな~♪」
「うへぇ~?!こ、こにょ~!おひはんをからかうにゃ~!!///」
この後帰り道ホシノは口を聞いてくれなかった為ラーメンを奢り機嫌を直してもらった