「じゃあ今期の風紀委員会の合宿は俺達で決めさせてもらうからな?」
「クク…貴様らにそんな権利があるとでも?それにその分の経費はどこにも…」
「横領」
「!!?…」
「まさか…知らないとでも思っているのか?マコト、随分と好き勝手に使っているみたいだな」
「ぐ…!なぜそれを?…」
「駄目だな、ゲヘナ学園のトップであろう者がそんなことしたら…果たしてどうなるのやら?」
「……この私を脅しているのか?」
「もう少し考えろって意味だ、それに全てを支配したいのなら権力だけの圧政でどうにかなるかと思わないことだな」
「……貴様にそのような事を言われる筋合いはない!」
カチャ!
「マコト先輩やめてください」
「マコト先輩やめて、喧嘩しちゃ駄目だよ!」
「………」
「イブキやイロハをあんまり心配させんなよ」
「ぐぎぎ……」
「とにかく経費はお前達からの分を引かせて使わせてもらう、まぁ元々うちで使う分だからな」
「何を勝手に…」
「異論はあるか?」
ギロリ!
「ひぃ……あ…ありません…」
「ふぅ…」
コトコト
「あ…あの…颯先輩?」
「うん?どうしたイブキ?」
「その…マコト先輩と仲良くしてね?」
「あぁ、分かってるよ」
イブキの頭を優しく撫でる
「えへへ♪」
「その…私も他のメンバーからも言って聞かせますので」
「悪いな、いつも面倒事を任せちまって」
「本当に風紀委員長さんとは正反対ですね…颯先輩は」
「誉め言葉として受け取っておくよ、じゃあまたな」
ガチャ
「ぐぬぬぬ…あのような男に私が何度も何度も…いつか、この恨みを…」
「マコト先輩、余計なこと考えない方がいいですよ」
「クククク…私を脅して好き放題言ったこと、後悔させてやるからなぁ!!」
「駄目だこりゃ」
どうして毎回パンデモニウム行くと喧嘩になるんだか…
穏便に済ませたいのに…毎回アイツとぶつかってしまうな
まぁ、いいやこれで来週の合宿の経費の獲得には成功したし…後はどこで合宿をするかどうかをこれから風紀委員会で話し合うだろうしな
まぁ俺の希望は海だな
海であれ!と期待するのだが…
「風紀委員会、今年の夏季合宿は山よ」
到着してその話になるとヒナは俺の求めている答えと真逆を言ってきた
それに対してアコやイオリ、チナツ、風紀委員達もまじかみたいな顔をしている
「ヒナ委員長…山ですか?」
「えぇ、トレーニングや実践経験を積むのにも山程適している場所はないわ」
「で…ですが今期はパンデモニウムソサエティから経費が降りていますから、海というのも…」
「それは颯が交渉してくれたからでしょ?その経費もトレーニングや委員達のサポートに使うから問題ないわ、颯今回も感謝してるわ」
「あ…あぁ…」
よほど海が良かったのか少しがっくりきているアコ
何か考えがあって海と思ってるならそれに乗るのが一番かもな
それに俺も山は苦手だし
「というわけで以上で会議を…」
「ヒナちょっといいか?」
「どうしたの颯?」
ヒナが俺の顔を見てくる
さて…どう言っていこうか
「確かに山は戦闘訓練や状況下の対策訓練としては向いている、そして体力作りにはいいところだろうな」
「えぇ、それを今回私は夏季合宿でメインに置いているわ」
「だが、それよりも俺は体力の中でもスタミナ作り、そして柔軟性を視野に入れてもいいんじゃないかって思ってる」
「……つまり颯は何が言いたいの?」
「俺もアコと同様に海がいいんじゃないかって思ってる」
「……もう少し理由を聞かせてもらおうかしら、そのトレーニングの意味や訓練内容も」
ヒナの顔が少し険しくなった
ヒナはヒナでこの計画を頑張って練ったはずだ
それをこんな形で否定されると思わなかったんだろう
俺も否定した訳じゃない、ただ確かに山は嫌なのは事実だしな
アコに視線をチラッとしたが…どうするですか?ここから?
と言ってるように見えた
まぁ伝えるしかないか
俺は前回の訓練の時の話をした
俺が思ったのは風紀委員メンバーの中でアクロバティックに動き回れるのはイオリだと言った
銃弾を受けても立ち上がるではなく、銃弾を受けないように立ち回る、それを心掛けたらより一人一人強くなれるのではないかと
キヴォトス人の力の強さに神秘というものが関わってきているらしい
だがそれ自体は俺も全然分からない
火力や何がすごいのかもさっぱりだ
そもそも俺は一撃も喰らえないけどな
話を戻すがイオリのように多彩な動き等が出来ればより強くなれるというのが今必要ではないのかと俺はヒナに話した
この話をしてるとき何故かイオリは顔を真っ赤にしていた
どうしたんだ?
「なるほど…颯の言いたいことは分かったわ、つまり颯の動きもそこからきてるっていうことなの?」
「毎日やってるよ、むしろ1日も欠かせられないって感じだな」
『!!?』
このキヴォトスに来てからより実感したのは銃弾の軌道先を読むのに精一杯でどこにどう避けたり動いたりしたらいいのか分からない事だ
その為頭を軌道先を読むことだけを考え身体の動きは感覚で動かすしかない
脳で考えるよりも先に既に身体が動いているという状態にするためスタミナ作りも柔軟性も大事だ
それがないと身体は感覚についてこれないからだ
「……颯のいうことも一理あるわね、分かったわ今回は颯の意見を尊重するわ、よろしく頼むわね」
「え?なに?どういうこと?」
「海で決める以上私達の訓練内容は颯に考えてもらうことにするわ 」
……まじか
まさかこんな結末になるなんて
合宿でダラダラすることが出来なくなりました
その後
アコからよく海に変えてくれました!と誉められ、アコが海に行きたかった理由を話した
アコらしいと思いつつ俺はアコと一緒に夏季合宿の計画を練ることにした(もちろん俺はそういうのが苦手な為である)
あ…そういえば俺水着持ってないから買いに行かないと