バババババババン!
空崎ヒナから放たれる無数の銃弾が俺の足元を狙ってくる
俺はそれを避け続ける
この女は強い…
間合いに入ることが出来ない
彼女が俺の致命傷を狙ってこないにしても隙がない
最強というのはやはり伊達じゃない
だがまだここでもう一本の刀を頼りたくはない
親父や母さんの言葉を思い出せ…
(ヒナ委員長大丈夫ですか?!)
「大丈夫よ」
…彼は今まで私が戦った事がないタイプだった
さっきから私の弾丸をことごとく避けては弾丸を切って防いでいる
そして動きも凄く速い
「!!!!」
バババババババン!
「!!」
近づいては離れを繰り返して私の間合いに入ろうと考えている
銃を持たないだけでもキヴォトスではありえない事だが…私は今凄く苦戦している
バババン!……
!?
銃弾切れ…
私は弾丸をリロードするが既にその時には
チャキ!
「!……」
私の首元前に刀の刃があった
そのリロードの隙に彼は私の間合いに入り込んでいた
(ヒナ委員長!!)
「悪いな、これをリロードさせるわけにはいかない」
彼はリロードする私のマガジンを抜き取り後方に下がる
そして首元から刀も離れる
そして彼はマガジンを地面に置いた
「じゃあすまないがこれで見逃してもらうからな」
と言って彼は荷物を持ってそのまま姿を消した
私たちの目には止まらないスピードで
『!!』
「何処に行ったの?!」
「探せ!まだ遠くまではいってないはずだ!」
部下達は彼を探しに行くが私は置かれたマガジンを拾った
(ヒナ委員長……)
「………」
負けたというよりは…私は見逃されたというべきだ
「私以上に彼は何かを秘めているわ…そしてそれが強さに繋がっている」
あの時避けて銃弾を捌く彼の瞳はそんな冷酷な目をしていた
「風紀委員会全員不知火颯の追跡を断念して、彼の今回の事は不問にするわ見逃してあげて」
『!!?』
(ヒナ委員長何故!?)
「手を出してはいけない、彼の力は本物よ」
あの刀…刃が当たっていたら、例えヘイローがあっても
俺は風紀委員会から逃げてなんとかゲヘナ学園に到着する
「でもこれから先も追われるってのもな…」
溜め息が出てくる
まぁいい早くこの封筒の中身と編入書類を事務局に提出してここでの拠点に帰るか
そう思い門を潜り抜けゲヘナ学園に入っていく
歩いていくと
ヘイローを付けた女子生徒ばかりだ…
男が全然見当たらない
もしかして女学院なのか?
「ねぇ…ねぇ…あれって」
「そうよね…しかもヘイローもない」
「銃も持ってないよ」
周りから色々とヒソヒソ話される
そんなに珍しいか?
早く行こ…
学園の案内板を確認して無事事務局に書類を提出した俺はそのまま今日から家となる場所に向かおうとしたその途中
「待て!そこの男よ!」
遠いところから何か俺に言ってくる声が聞こえるが…
まぁ男なんて俺以外にもいるし俺じゃな…
「ええい!止まらんか!そこのヘイローがない男よ!」
………俺でした
諦めて振り替えると
「ようやく止まったか…クックック」
なんかやけに威張りながら俺を見下す奴と傍付きなのかは分からないが4人程後方にいた
「貴様か…明日から我がゲヘナ学園に編入する男子生徒とは」
「そうだけど、誰?」
「な…!私を知らないだと?!き…貴様!この学園のトップの顔を知らないとはどういう事だ!?」
「そりぁ知らないでしょマコト先輩…私達の学園ホームページとかありませんから」
「は!…そうだった!ごほん、我はゲヘナ学園パンデモニウムソサエティトップの議長!羽沼マコトだ!」
なるほど…
つまり権力的にはあの風紀委員長より偉いって事か…
なんかアホそう
「なるほど…」
「そして私以外にもここにパンデモニウムソサエティのメンバーは全員いる!私の頼れる存在達だ」
「紹介してくださいよ…」
するとその後ろから
金髪の…幼女が現れた
歳凄く若そうだけど…もしかして飛び級なのか?
その幼女が言ってきた
「よろしくねえっと…お名前は?」
元気は凄くいいみたいだな
減るもんじゃないしいいか
「不知火颯だよ、えっと…君は?」
「イブキはイブキだよ!丹花イブキ!よろしくね颯先輩」
「偉いですねイブキ、私は戦車長をしています棗イロハです」
「私は京極サツキよ」
「そして私は元宮チアキです!良ければ写真撮ってもいいですか?」
「うんいいよ」
そう言って丁寧に挨拶をしてくれる
何故か写真も撮られてるけどな
「さて、不知火颯よ貴様はヘイローも無い上に見た所銃も持ってないように見えるが?」
マコトは俺にそう言ってきた
「銃とかいるのか?生憎俺は銃を持つつもりはないんだが」
すると
「そうか…なら我がゲヘナには不要だな」
すると後方から部隊が現れて俺を狙ってくる
「ちょっと!マコト先輩なにやってるんですか!?」
「そうだよ!マコト先輩駄目だよ!」
「悪いが強さや権力を持たぬ者はゲヘナには要らないのだよ」
……ほぉ
「その為にもイブキの目に止まらない間に処理しなくてはな」
マコトは手を上げそれを振り下ろすと同時に部隊が一斉に俺に発砲を始めた
……めんどくせぇ、まだ風紀委員会の方がマシだったみたいだな
「マコト先輩駄目だよ!早くやめさせて!颯先輩死んじゃうよ!」
「そうよマコトちゃん、これは流石にまずいわよ」
「くくく…だからバレる前に処分しないとな、ここに来たのが運の尽きというやつだ」
だが銃弾が止むとそこにいたのは
『!!!?』
「なんだこれ?全然狙い定まってねぇじゃねぇか、これで俺を処分とか片腹痛いんだが?」
私達を見下しながら不気味に嘲笑う不知火颯の姿があった
そしてその手には刀が握られていた
「な…なんだと?…」
「銃弾が当たってない…」
その光景に私達は驚いていた
そして彼は言葉を続けた
「あの風紀委員会の委員長の方がよっぽど苦戦したが…どうやらそれ以外は対したことなさそうだな」
そう言ってこっちに歩いてきていた
「くく…私があの風紀委員会の空崎ヒナより劣るだと?手を…手加減するな!撃て!撃ちまくれ!!」
銃弾がまた一斉に彼の方に行くが
その止んだ後
彼は何も変わらない様子で立っていた
「もう終わりか?ならこっちから行くぞ」
そう言葉を放した瞬間彼は目の前から消えた
「な!…ど…何処に行った?」
その言葉の間に
「ぐは!」
「うっ!…」
「!!?…」
パンデモニウムの部隊が一人一人とやられていく
そして私達を除いて前衛や後方にいた部隊があっという間に全滅していた
「……う、嘘でしょ?…」
「そ…そんなことが…」
「く……貴様……」
マコト先輩は不知火颯を見て睨んでいた
「安心しろ…峰打ちだ、殺すつもりはさらさらない」
だが不知火颯から不気味な笑いや威圧はずっと私達を見ていた
「さて、トップにしては随分なおもてなしをしてくれた事だ…俺からも一つお返しをさせてもらおうか」
そう言って不知火颯は刀を鞘に戻してこっちを見た
瞬きの一瞬そこには不知火颯自身や持ち物が無かった
だが…
「え……?うわぁぁぁぁぁ!!!!??」
隣でマコト先輩は首に両手を添えて座り込んでしまった
悲鳴に私達も焦ってマコト先輩を心配する
「私の首が!…首がぁぁぁ!!!」
「マコト先輩!首ありますから!何を言ってるんですか?!」
マコト先輩が何を言っているか分からない
もしかして彼が何かをしたのだろう
「え……?本当だ…」
すると後方の方にチャキという音が聞こえる
そこには刀を鞘に戻す不知火颯の姿があった
「き…貴様…こ…これは……!」
「どうやら刺激が強すぎたみたいだな、まぁこれに懲りたら」
鞘に納めた刀を引き抜いて私達に向けた
「二度とこんな馬鹿な事をしないことだな、次はもうないからな?」
「………」
その言葉に恐怖するマコト先輩
ブルブルと震えていた
そして彼はまた刀を鞘に戻して持ち物を持ってこの場を後にした
姿が見えなくなってマコト先輩に話を聞くと
「あいつが近付いてきて私の首に刀を当てて首を飛ばしたんだ……その感覚も覚えているんだ……」
と震えながら言っていた
私達はその後もマコト先輩を励まし続けたのだった
不知火颯先輩……一体マコト先輩に何をしたんですか?