王様戦隊キングオージャー × ブルーアーカイブ   作:ガッチャ!ヘリオスキング

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第7話② アビドス砂漠の謎 後編

 

僕らはそこらに蔓延る不良たちを掻き分けながら、砂漠地帯を進んでいく。

砂漠地帯と言っても、頻発する砂嵐によってそうならざるを得なかっただけで、今の僕たちが目指しているアビドス砂漠という地は、元より砂漠だったらしい。

 

そうして、砂の大地を進んでいると、ついにそのアビドス砂漠へ到達した。

 

「ここから先が、捨てられた砂漠……。」

 

「凄いな……今まで見てきたアビドスの砂漠は、普通の街が侵食されているような感じだったけど……ここは元より砂漠だっただけあって、ケタが違う。」

 

「砂だらけの住宅街に行ったことはありましたが、ここから先は私も初めてです……。」

 

ノノミがそう、唖然とした表情で呟く。

 

その一方、ホシノは

「いや〜、久しぶりだねえこの景色も。」

と過去にここへ来たことがあるかのように言う。

まあ、『生徒会に所属していた頃はあちこち行っていた』って言ってたから、その時に行ったのだろう。

 

「そうそう、ここからもう少し進めば、かつてのアビドスで開かれたお祭りの地、オアシスがあるんだ!」

 

「え、オアシス!?なんでこんなところに?」

 

「うん、今では完全に干上がっちゃったんだけどね〜。

元はそんじょそこらの湖よりも広くって、船を浮かべられるくらいだったとか。

とは言っても、私の目で見た事がある訳では無いんだけど~。」

 

「砂祭り……私も聞いた事がある、アビドスでは有名なお祭りで、凄い数の人が集まるって。」

 

「その通りで、別の自治区からもそのお祭り見たさに人が来る位だったからね、まぁ、砂漠化が進みはじめるより何十年も前の事だけどさ。」

 

砂祭り……どういうお祭りかは分からないけど、ホシノの話を聞く限り、今のアビドスからは考えられないほど賑やかな話だ。

きっと、当時のアビドス生たちは、皆思い思いに楽しく過ごし、笑顔で満ち溢れていたのだろう。

 

「……そんな賑やかなお祭りも、砂に呑まれて見る影すら無くなっちゃったって訳さ。」

 

その事を話したホシノはどこか悲しげに、切ない顔をしていた。

……ここに来る前までに、もっとホシノに追求する事もあった、しかし、今のホシノのそんな顔を見ると、これ以上追求出来ない気がする。

 

「……ところでアヤネちゃん、まだ目的地は遠そう?」

 

『ゲヘナの風紀委員長が言っていたセクターまでは、もう少し時間がかかりそうです。

見たところ、この辺りには特に何も無さそうですが……。

とりあえず、引き続き警戒しつつ前進してください。』

 

アヤネのナビゲートで、僕たちは砂漠地帯を進んでいく。

……と、その時。

 

『……っ!?皆さん、前方に何かあります!』

 

アヤネがそう叫び、皆は前方を見る。

 

『砂埃で、まだはっきりと姿が見えないのですが……!

巨大な町…いえ工場、或いは駐屯地……?と、とにかく、物凄い大きな施設の様な物が…?』

 

「……こんなところに施設?何かの見間違いとかじゃなく?」

 

ホシノは信じられないと言った表情で、そう言う。

 

「一応、あそこまで行って確認してみない?なにかわかるかもしれないでしょ?」

 

セリカの提案で、僕たちはその『物凄い大きな施設』が何なのかを確認しに向かう事にした。

 

─────

 

「…!?何これ……。」

 

その施設と思われる場所に着くと、そこにはこの無限にも思える規模の砂漠には、とても似つかわしくない程に開拓されていて、広大な軍事基地のような建物があった。

 

「工場……?石油ボーリング施設、ではなさそうな……

一体、何なのでしょう、この建物は……?」

 

「……こんなの、昔は無かった………。」

 

──と、その時。

 

「侵入者だ!」

「捕らえろ、逃すな!」

 

そう、声が聞こえて来ると同時にこちら目掛けて銃弾が飛んでくる。

その射撃を行っているのは、これまたこの地には似つかわしくない、機械の兵士たちだった。

 

「よく分からないけど、歓迎の挨拶なら返してあげた方が良さそうだね?」

 

「まあ、あっちも敵意剥き出しで、だから……良いか。」

 

「よ〜し、じゃ、派手に行こっか〜!」

 

ホシノのその掛け声とともに、皆は兵士たちに攻撃を開始する。

 

─────

 

「うへ〜、一体何なの?こいつら。強さ自体は大したこと無いけど……。」

 

だが、皆は今、苦戦を強いられていた。

 

「こう、なんというか……邪魔っていうか、めんどくさいっていうか………

なんか、今まで戦ってきたやつらよりも一際『厄介』って感じ。」

 

一行に兵士たちの数は減らず、それどころか増えているようにも見える。

それだけでなく、まるで軍隊のように統率が取れていて、兵士1人では大したことは無いが、それが何10人もいるものだから、セリカの言う通り敵としては『厄介』そのものだ。

 

『…!皆さん、施設に何らかのマークを発見しました!』

 

その時だ、アヤネからの通信が入る。

その、アヤネが指しているマークとは……

 

「……カイザーPMC。」

 

そう、ホシノが今言ったように、『カイザーPMC』というマークがついていた。

つまり、ここが例のカイザーが『宝探し』をしている場所ということになる。

 

「こいつらもカイザーコーポレーションってこと!?

もうどこへ行っても、カイザー、カイザー、カイザー!一体何なの!?」

 

セリカはそう、怒りを顕に叫ぶ。

……本当にその通りだ。アビドスを悩ませていたヘルメット団もカイザー、それ以上に悩ませていたであろう悪徳金融もカイザー……

アビドスの壊滅寸前まで追い込まれた要因の殆どがカイザーコーポレーション絡みなのだから。

 

「それに、『PMC』ということは……。」

 

「何か、問題のある言葉なのか?」

 

ノノミの言葉に僕が問うと、彼女はコクリと頷き、口を開く。

 

「はい。『PMC』……正式名称は、『Private Military Company』といいまして、一般的には『民間軍事会社』のことを指します。」

 

『ヘルメット団の様なチンピラとはレベルが違います、言うなれば軍隊のようなものです!』

 

「……!」

 

「軍隊ぃ!?」

 

「どおりで、ここまで強い訳か……」

 

「…退学した生徒や不良の生徒達を集めて、企業が私兵として雇っているという噂がありましたが、まさか………。」

 

ノノミはそう、恐ろしい推測を呟く。言い切る前に、語るのをやめたが。

 

……そう、考えていた時だった。

 

(ヴイイィィィーーーン!)

 

突如、警報音が鳴り響く。

それだけではなく、空からはヘリコプター、地上からは戦車がドカドカと飛び出してくる。

 

『これは……大規模な兵力が接近中!戦闘ヘリに戦車……物凄い数です!

包囲が完成する前に離脱してください!急いでその場から脱出を……!

先生!指示をお願いします!』

 

「こんな時に限って……!……くっ、かなり気に入らないけど……

みんな!ここから離脱するよ!」

 

皆は僕の指示を聞き入れ、すぐさま撤退にうつる。

兵士たちの包囲網をこじ開けながら、なんとか脱出できたものの……

 

─────

 

「…ふ、ふぅ、キリが無いなあ、これは……。』

 

そう、息を切らしながら呟くホシノを始めに、僕たちは疲弊の色を隠せてない。

 

『……せい、聞こえますか?包囲網を抜け……また……が……不安定…が……接近………』

 

「アヤネ?途切れ途切れだけど、どうし………何が接近してるって!?」

 

アヤネからの通信が入るが、砂漠のかなり奥地へ進んだからか、途切れ途切れで上手く聞き取れない。

それだけじゃない、耳を凝らしてみると多くの足音が聞こえてきて、ますます大きくなっていく。

そして、それはすぐに姿を現した。

周囲には見渡す限りの兵士たち。

その兵士たちは、こちら目掛けて押し寄せてくる……!

 

「……これ、絶体絶命?」

 

「……包囲されたか………。」

 

僕らは、当然逃げ場も無く、兵士たちに包囲され、銃を向けられる。

……2日連続でこんな状況になるなんて、本当に災難だ。

 

いっそのこと強引に突破する、という作戦もあるが、それだと仮に僕が変身したとしてもこっちが圧倒的に不利だし、相手はカイザー。何をされるか分からない。

少なくともこの状況はまだ様子見に徹するしか無いだろう。

そうして、そのまま包囲されたまま30秒程経過し……

 

(…?あの形に、この音は…砂埃とかでよく見えないけど……車?)

 

突如、ここに向かって来ているのか、車の姿と、その走行音が聞こえてくる。

普通、砂漠の中からそんな音が聞こえるなんてありえない。

だが、ここらへんは悔しいことにカイザーの土地である。

そんなカイザーの土地なら、何が起きたっておかしくないはずだ。

 

そして、車は兵士たちの後ろで停車。

その中から、1人の大柄な男と思われる者が下車し、こっちへ歩いてくる。

 

「!貴様ら!理事がおらっしゃったぞ!道を開けろ!」

 

兵士のうちの1人、おそらくリーダー格だろうか?

そいつが叫ぶと、他の兵士たちもそれに応じて、理事と呼ばれた男の通る道を開く。

その男の格好は、他の兵士たちとは少し見た目が違う、スーツを着たロボットだ。

男は僕らの元に歩み寄り、僕らを見据えて口を開く。

 

「ふむ……。貴様らが侵入者か。

……しかし、それがアビドスだったのか、わざわざここまで来るとはな。まあ、良い。」

 

「……!!!」

 

男が口を開く、ただそれだけのことで、周囲は緊迫した空気に包まれる。

 

特にホシノは、男に対して今まで感じたことのない、深い怒りに近い殺気を向けていた。

それはまるで、親の仇に相対したかの様な……

 

「勝手に人の所有地に入り、暴れた事によるこれらの被害額。

君たちの学校の借金に加えても良いのだが、大して額は変わらないな……。」

 

男が口を開く度、ホシノは後ろにいる僕たちも怯えるほどの殺気を放つ。

 

「あんたは、あの時の……!」

 

ホシノは僕の前に出て、今までで見た事ないような顔を男に向けて、怒りを顕にする。

 

「……ああ、貴様は確か、例のゲマトリアが狙っていた生徒会長、いや副会長だったか?」

 

(ゲマトリア?)

 

その聞き慣れない単語に僕は首を傾げる。

一方ホシノは、男の口からその単語が出るや否や、更に殺気を濃くした。

 

「……ふむ、面白いアイディアが浮かんだ。

便利屋やヘルメット団を雇うよりも良さそうだ。」

 

男はそんなことお構い無しに、続ける。

便利屋がカイザーコーポレーションと関係しているのは何となく分かってはいたが……カイザーは便利屋を雇って何をしようとしていたのだろう?

 

「……あなたは、誰ですか。見たところ、カイザーの偉い人なんですよね?」

 

僕はまず、そんな当たり前とも言える疑問をぶつけてみる。

 

「そう言う君は…連邦生徒会のシャーレ、とやらの先生だったかな?

……ふむ、なるほど。最近になってどうもアビドスが我々を嗅ぎつけていると思ったが……君が来たからか。」

 

「!!!」

 

「しかし、そんな先生は兎も角、アビドス生たちが私の事を知らないとはな。

君たちなら、よく知る相手だと思うがね。」

 

男はそう言い、僕らに対して鼻を鳴らす。

 

「それで、誰なんだあなたは一体……。」

 

「……私は、カイザーコーポレーションの理事を務めている者だ。

そして君たち、アビドス高等学校が借金をしている相手でもある。」

 

「!?」「嘘ッ!?」

 

理事と名乗る男の言葉に僕らは驚愕する。

シロコとセリカはそう、信じられない、信じたくないという風に。

ノノミも、ただでさえ驚愕の表情だった顔が、より一層、青ざめている。

だがホシノは、それほど驚いていない様子だ。やはり、あいつの事を知っていたんだな……

 

「アビドスが、借金をしている相手……。」

 

『か、カイザーコーポレーションの理事……。』

 

「正確に言えば、カイザーコーポレーション、カイザーローン、そしてカイザーコンストラクションの3社が、だがな。

今は、カイザーPMCの代表取締役も務めている。」

 

「……要するに、あなたがアビドス高校を騙して、搾取した張本人ってこと?」

 

「そうよ!ヘルメット団と便利屋を仕向けて、ここまで私たちをずっと苦しませてきた犯人があんたってことなんでしょ!?」

 

「……ほう。良いのか、そんな口を利いて?

君たちは借金で苦しんで、被害者気取りかもしれないがね。

だが、ここは我々の私有地だ。ここへ不法侵入しただけでなく、善良なる我がPMC職員たちを攻撃、挙句の果てには施設を破壊した……

このような勝手が許されるとでも? 君たちは犯罪者なのだよ。」

 

「くっ………」

 

僕は理事のその言葉を聞き、唇を噛み締める。

悔しいが、奴の言っている事は至極真っ当だ。

いくら相手がカイザーとはいえ、僕たちはカイザーコーポレーションの私有地に不法侵入。

更には兵士や戦車とも戦闘を繰り広げた。おまけに施設にも損害……

普通に考えれば、許されるハズがない。

 

「さて、話を戻そうか。アビドス自治区の土地だったか?ああ、確かに買ったとも。

だからどうした?全ては合法的な取引、記録も全てしっかりと存在している。」

 

「あんた、ふざけたこと言ってんじゃ──」

「まるで、私たちが不正でもしているような言い方は止めてもらおうか。

わざわざ挑発をしに来た訳では無いのだろう?」

 

セリカが理事に食ってかかるが、それに被せるように理事は続ける。

 

「ここに来たのは、私たちがここで何をしているのか気になったからか?

どうしてアビドスの土地を買ったのか、その理由が知りたいのか?」

 

「……あなたたちが、ここで『宝探し』をしていると聞いたからだ。」

 

「……何?何故貴様がその情報を……まさか、奴が一枚噛んでいたか。」

 

理事は、僕の言葉に何か心当たりがあるように言い、誰かに電話を掛ける。

それもそのはず、カイザーにはカグラギが潜入しているのだ。電話の掛け先も彼だろう。

……まあ、あたかも僕とカグラギに関係があるのを知っているような口ぶりなのが気になるが。

 

「……おい、一体どうなっている?あの情報を何故、シャーレの先生が知っている?

貴様が教えたのか?……何?『先生と会いたいから、今そこに向かってる』だと?……。」

 

理事は、電話の相手と思われるカグラギ話し終える(というか理事が通話を切った)と、再び僕らに向き直る。

……一体、どんな話なんだろう。少なくとも、あんま会話になって無さそうだったけど……

 

「……まあいい、これで分かっただろう。ただ宝を探しに来ただけだと。

そもそも、貴様らが信頼出来る "先生"が言っていたならわざわざ我々に聞く必要も無かったのではないか?

それとも、まだ信用していないのか?まあ、今まで貴様らが大人共にされた事的にも、無理もないだろうな。フハハハ!」

 

(!こいつ…………!)

 

理事は高笑いしながら続ける。

……ここまで来ると、僕はこいつに1発くらい拳を浴びせたくなるが、そんなことをしたら状況を悪化させてしまうのは目に見えている。

今はとにかく、我慢しなければ……

 

「……先生の言うことは、もちろん信用しているわ。

でも、それでもあんたたちの言ってることはでまかせにしか聞こえないわ!

だって、本当に目的がそれだけなら、ここまでの兵力は必要ないはずよ!

つまり、真の目的は私たちの自治区を武力で占拠すること!違う!?」

 

「!」

 

……確かに!と僕は思いもよらないセリカの意見にハッとする。

今までは、『何を探しているのか』とか、『なんでアビドスなのか』とかに気を取られていて、目的に対して兵士の数が多すぎることにはあまり気づかなかった。

彼女の言う通り、ただ宝探しをするだけならせいぜい、多くても数小隊くらいだろう。

 

だが、現実として目の前のカイザーコーポレーションの兵士の量は、パッと見た感じでも3桁は軽く超えていて、挙句の果てには戦車やヘリまでいる始末。

宝探しが本当だとしても、ここまで多いと何か他に企んでいるようにしか思えない。

だが…………

 

「……。」

 

「な、何よ。いきなり黙り込んで。図星だったわけっ?」

 

「……数百両もの戦車、数百名もの選ばれし兵士たち、数百トンもの火薬に弾薬。

たかが5人しかいない学校の為に、これほどの用意をするとでも思ったのか?

……冗談じゃあないッ!あくまでこれは、どこかの集団に宝探しを妨害された時の為のもの!

たったそれだけの単純明快な事ッ!砂に塗れた小娘どもが、自惚れてるんじゃあないッ!

君たち程度、いつでも、どうとでも出来るのだよ……!

例えばそう、こういう風にな!」

 

理事がそう、激しく言い放つと、奴は再び電話を掛ける。

……何がしたいんだ、こいつは?

「……私だ……ああ、そうだ。進めろ。」

 

「……なんだ?何もしてこないぞ?ただの脅し文句か?」

 

理事は電話相手にそう告げて、電話を切った。

だがしかし、未だに何かが起きる気配はない。

……そう、思っていたのは束の間。次の瞬間───

 

『!?アビドスの信用評価が最低ランクに下がって……利子が9130万円!?』

 

「9000万円っ!?」

 

通信越しのアヤネの叫びに、僕も思わずそう言ってしまう。

何が起きているんだ、一体……?

 

「くっくっくっ。どうやら、君たちの学校の信用が落ちてしまったそうだよ。

これで分かったかな。君たちの首にかけられた紐が今、誰の手にあるのか。」

 

「ちょっ、嘘でしょ!?本気で言って──」

「ああ、本気だとも!しかし、これでは面白みに欠けるか……ふむ、そうだな。

9億円の借金に対する保釈金でも貰っておくとしよう。

1週間以内に、我がカイザーローンに3億円を預託してもらおうか。

この利率でも借金返済ができると、証明してもらわねばな。」

 

『そんなお金、用意出来る筈が……今、利息だけでも精一杯なのに……。』

「そうか……それならば、学校を辞めて去ったらどうだ?」

 

『「「「「「!!!」」」」」』

 

理事は、アビドス学園にかけられた利子の額を聞き、絶望するアヤネに対し、更に追い打ちをかけるように告げる。

その様子からも、この男は本気で3億円を要求しているのでは無く、アビドスを、そして僕らをからかって楽しんでいるようにしか思えない。

 

「自主退学をして、転校でもしてしまえば、それでオールオッケーだろう。

そもそも、この借金自体、君たち個人のものでは無い。学校が責任を取るべきものだ。

何も、君たちが背負う必要なんて無いのではないか?」

 

まさしくアビドスの皆には禁句。だが、理事の言っていることも一理ある。

この借金は、アビドスの借金ではある。

しかし、それは学校が責任を背負うべきもので、決して彼女らが背負う必要は無い。

……でも、それは違う。

皆、覚悟の上でこの学校を守ろうとしているんだ。

だからこそ、皆で力を合わせてこの問題を解決し、アビドスを、大切な学校を守ろうとしているんだ!

「そんなこと、出来る訳ないじゃないですか!」

 

「そうよ、私たちの学校なんだから!!見捨てられるわけないでしょ!」

 

「アビドスは私たちの学校で、私たちの街。」

 

「あなたにとってはそれで良いのかもしれない、でも皆は、僕は、それを守るために戦うって決めたんだ!

だから……人の意思を無視して手中に収めようとするお前たちに、僕らは絶対に負けない!」

 

皆は、理事に反抗する。もちろん、僕もだ。

こいつから、アビドスを守りきる……絶対に!

 

「……ならばどうする?他に何か、良い手でも?貴様らは、何の考えも無しにそのような事を言っている訳では無いのだろう?

それとも、ただ感情のままに言っているだけか? そこまでしてアビドスを守ろうとする理由はなんだ?」

 

「それは───」

「皆、帰ろう。」

 

「……!?」

 

それは──と、言葉を遮るように。

突然の、ホシノのその一言に僕らは驚愕する。

彼女は僕の服の裾を引っ張って、帰るよう促している。

 

「これ以上ここで言い争っても意味が無い、弄ばれるだけ。」

 

「でも───」

「ほう。副生徒会長と言うだけあって、さすがに君は賢そうだな。

この、何時までも幼稚な事しか言えない先生とはまるで違う。」

 

(…………。)

 

「……ああ、先生と君の姿を見て思い出したよ。かつて、君と一緒にいた、あの全くもってバカな生徒会長の事もな。名は確か、”ユメ”だったかな?

その時の君は、とても好戦的で、尖っていて……いい性格をしていた。

だが、いつからか今のようなとぼけた性格になって……失望したよ。」

 

「!」

 

「それって……あの前生徒会長!?」

 

(!こいつ……どこまで知っているんだ……!?)

 

「クク、そうか。この男と生徒会長、同じタイプのバカだ。

君は、そんな先生の姿を、彼女と重ねているのか。哀れだな。」

 

「……黙れ。」

 

「ほう?」

 

理事のその言葉に、ホシノが怒りを露わにする。

 

(……そういえば。)

 

僕の脳内に、ノノミの言っていた『昔は常に何かに追い込まれているようだった』という話と『1年生の頃は今と見違えるほどに性格が違った』というヒナから聞かされた話がよぎる。

そして、先程の理事の発言。

 

……やはり、元々のホシノの性格は今のように、荒々しく、言っちゃ悪いが攻撃的で鋭い性格をしていた、というのは間違っていなかったみたいだ。

 

「……ホシノ、一旦落ち着いて。」

 

「……」

 

ホシノは、怒りに身を任せている……という訳では無いらしいが、それでも僕の声が聞こえないほど怒っているみたいだった。

 

……と、その時。

 

「……フン、良いタイミングなのか、そうでないのかは知らんが……」

 

「この音は……ヘリ?」

 

空から、1機のヘリが新たにやって来る。

そして、そのヘリはすぐに着陸すると、中から1人の男が。

……あの姿はまさか。

 

「……おやおや、何やら修羅場の真っ最中に来てしまったようですが………。」




本ッ当に申し訳ありませんでした。

いや、本来はもっと早く出す予定だったんスよ。ただ、ちょっと最近リアルが忙しすぎてね……
それが影響して、今週も更新できるかわからん……

ちなみにこの第7話2部作(2部作って言って良いんかこれ)はかなりお気に入りの話です。
特にジョジョにハマりたての中学生みてえな理事の台詞がお気に入り。

それと今話は大分オリジナル展開が多いですね、いやそれでこそのクロスオーバーなんだけどね……

あっそれとウルトラマンアークついに始まりましたね!更新しない間に2話まで行きましたがクッッソ面白いですねえ!僕は防衛隊よりタイガのE.G.I.S.みたいな組織の方が好きなんで、今回のアークくんは結構好み!

そしてガッチャード&ブンブンジャーの映画も来週の金曜に公開!ともう楽しみだらけですね……まあ初日には行けないだろうけど

キングオもクモノスレイヤーのメモリアルエディション出ますし、もう供給が多すぎるぜ……

……と、久々に内容とそんな関係ない後書きを書いたところで、次回、王様戦隊×ブルアカ!

ギラたちの前に現れるたは、カグラギ・ディボウスキ。奴は潜入したと思いきや、カイザー寝返っていたのだ!

それだけでなく、チキューでの相棒との最悪な再開まで果たしてしまう。

挙句の果てには………ホシノが、アビドスを守るために、対策委員会を去ってしまった。

……だが、そんな事をして、大切な先輩を犠牲にして得る平和なんて、誰も望んでいない。
ギラは皆と共に、ホシノを取り返すため、カイザーコーポレーションとの戦いに赴く。

アビドス編 第8話(第11話)「さらば、我が愛しの地よ」

すげえ長くなりそうですが 今月中には出せるよう頑張ります……
それとXアカウント作ったんで リンク張っときます→https://x.com/ugfYeYStLx11771
今ん所別ゲーと特撮の事しかポストしてねえですがよろしくお願いします……
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