王様戦隊キングオージャー × ブルーアーカイブ 作:ガッチャ!ヘリオスキング
宇蟲王ダグデドの手によって、また別の世界に送られそうになった王様たち。
しかし、ダグデドの作成したワームホールから突如、裂け目が開く。
王様たちは避けきれそれに突っ込んでしまった。
そして、その中の1人、ギラは電車の車内のような場所で、謎の少女と出会い、彼女から自身の役目について教えられる。
そのことを知ったギラは、己の責務を全うすると決心した… とさ。
「……い。……先生、起きてください。」
誰かが僕に声をかけている。
「ギラ先生!」
と僕に向けて、誰かが叫ぶ。
僕は目をうっすらと開き、声の方を見てみるとそこには、眼鏡をかけた青髪ロングヘアの少女がいた。
彼女の耳は鋭利に尖っていて、更に頭上に輪っかのような何かが浮かんでいて、白い制服を身に纏っている。
(……ああ、そうだ、僕たちはあの時宇宙船ごとワームホールに巻き込まれて、でもそこから裂け目が発生して突っ込んで………その後、何がどうなってここに来たんだっけ?なんか、不思議な夢を見たような気もするけど……)
僕はその不思議な夢の内容を思い出そうとするが、いまいち思い出せない。
僕は少し考えて、とりあえず
「…ハーッハッハッハッハ!俺様は邪悪の王!ギラ!貴様に問おう!ここはどこだ!そして頭上に浮かんでいるその輪っかは何だ!」
そう邪悪の王モードで彼女に問いかけてみる。しかし彼女は
「……ハァ、少し待っていてくださいと言いましたのに、お疲れだったようですね。まさかここまで熟睡されてたとは。どんな夢を見ていたんですかね?」
と軽くあしらう。
「……どうやら混乱されているようなので、もう一度、あらためて今の状況をお伝えします。」
と言うと、続けて
「私は、七神リン。学園都市『キヴォトス』の『連邦生徒会』所属の幹部です。」
と説明をする。
(学園都市キヴォトスに…連邦生徒会?)
「あ…えっと、よろしくね、リンさん?」
とりあえず、挨拶をしてみると、
「…私も一応先生の生徒ですから、リンでいいです。」
そう返される。…しかし、僕はなぜ先生と呼ばれているのか、キヴォトスや連邦生徒会というものがなんなのか、全く理解出来ていない。
僕が困っていると──
「─簡単に言うと、キヴォトスは国、生徒はそこの民。連邦生徒会はそれらを統治する─まあ、チキューで言うところの王様みたいなものかな?」
後ろからそんな声がして、振り返ってみると、僕からしたら見覚えしかない長身の男がそこには立っていた。
僕は思わず、
「そうなんだ…って、ジェラミー!?なんでここに!?」
と大声を上げてしまう。
「というか…その格好は?」
ただ、いつもと違って彼女と同じような白い制服…恐らく連邦生徒会の制服を着用していた。
「ああ、これか。俺たちは連邦生徒会の依頼で、お前さん、ギラ・ハスティー先生の助手を頼まれたとの事だ。
ああ、なんで推測形かと言うと、リンちゃんたちも俺たちがどうやってここに来たのか、経緯がよく分かってないかららしい。
ま、要するに連邦生徒会って組織に所属していて、この制服もそこの一員ってのを示すためのものさ。
…というか、お前さんも今着用している。」
「え?…って、本当だ!一体いつの間に着替えてたんだ……?」
「だいぶざっくりと噛み砕いていますが……だいたいそんな感じです。…それと、リンちゃんって呼ぶのはやめてください。」
リンは若干困りつつも、続ける。
「…まあいいでしょう。とりあえず、今は私に着いてきてください。
どうしても、先生にやっていただかなくてはいけない事があります。
……言うならば、学園都市の命運をかけた大事な事、とでもしておきましょうか。
…カグラギさん、あなたもですよ。」
彼女が言うと、どこにいたのかは分からないがカグラギが出てきた。
そして、彼は
「おお、ギラ殿!お目覚めになられましたか。」
と、僕の方を見て言う。
彼もまた、連邦生徒会の制服を着用している。
「ああ、うん。おはよう、カグラギも連邦生徒会に?」
「ええ。私は、ジェラミー殿と同じく、助手としてここにいるというわけです。私とジェラミー殿以外の皆様方も、最初はここにいたのですが……」
カグラギが言うと、ジェラミーが
「まあそこら辺は後で説明するさ。それじゃ、リンちゃ…リン行政官に着いて行こう。」
そう言って僕たちを先導する。
─────
「はい、こちらです。」
僕たちはリンに着いていくと、エレベーターへ乗り込み、下へ降りていく。
そこからは、キヴォトスの街並みが広がっており、窓から外を見ると、青く透き通った、その景色に圧倒された。
「うわ……すごいね、色んな建物が凄い並んでる……」
僕がそう呟くとリンは
「ええ、キヴォトスは連邦生徒会長が統治する都市で、色んな種族が暮らしています。
先生がいた世界とは何もかもが違うと思いますが……先生程の人ならそれほど心配しなくてもいいですね。
……まあ、他の5人、特に今ここにいない3人はどうか分かりませんが…。」
と説明してくれる。
「まあ、みんなすっごく個性的だしね……。でも大丈夫!みんな、いい人だから!」
僕が言うと彼女は、
「……そうであることを願います。少なくとも、あの方が選びになられた方々なのですから。それについては、また後で説明するとしますが。」
少し呆れたような顔をしながら言う。
そして、エレベーターは目的地に着き、扉が開く──
─────
「さあ、着きました。ここが私たちの……ああ、面倒なお客様方が来訪されていたみたいですね。」
エレベーターから降りると、そこには4人の少女たちがいた。
デザインは違うが、彼女たちも頭上に輪っかが浮かんでいる。
「ちょっと待ちなさい!リン代行!見つけた、待ってたわよ!連邦生徒会長を呼んできなさ……って、隣の大人の方々は?」
そう怒り心頭な様子で言ったのは、暗い青色の髪をツーサイドアップにした少女だ。
彼女は僕らに気づくなり、疑問を浮かべたような表情でこちらを見つめる。
「首席行政官、お待ちしておりました。」
次に口を開いたのは、黒い髪を腰よりもさらに長く伸ばした少女だ。それだけでなく、髪と同色の巨大な羽根を背中から生やしている。
「連邦生徒会長に会いに来ました。こちらの風紀委員長が、今の状況について納得のいく回答を要求されています。」
と最後に口を開いたのは、ベージュ色の髪をセミロングにしており、眼鏡をかけた少女だ。彼女もリンと同じように耳が尖っている。
「こんにちは、各学園からわざわざここまで訪問してくださった生徒会、風紀委員会、その他時間を持て余している皆さん。
こんな暇そ……大事な方々がここを訪ねてきた理由は、よく分かっています。
今、学園都市に起きている混乱の責任を問うため…でしょう?」
リンはかなり恐ろしい形相で4人を睨みながら、言う。
「そこまでわかってるなら何とかしなさいよ!連邦生徒会なんでしょ!
今、数千もの学園が混乱に陥っているのよ!
この前なんか、うちの学校の風力発電所がシャットダウンしたんだから!」
青髪の少女が叫ぶ。
「スケバンのような不良たちが、登校中のうちの生徒たちを襲う頻度も、急激に増加しました。治安の維持が厳しくなってます。」
さっきまでは無言でいた白髪ロングヘアの少女も口を開く。
彼女も髪と同じ色の羽根が生えている。
それから、他の2人も今起きている問題を挙げていく。
問題を起こしまくって捕まった生徒7人が脱走したり、兵器の不法流通の増加などなど。
「連邦生徒会長は、この事態をどう見ているのですか?私たちは、彼女と対面での話し合いを希望しているのですが。」
眼鏡の少女からそう問われ、リンはため息をつき、
「ええ、もちろん、私たちもそれを望んでいます。
……しかし、今現在、連邦生徒会長は不在です。」
そう答えると4人の顔がさらに強ばる。
「不在?どういうこと?」
「まさか……逃げたのですか?」
「いえ、そういうわけではありません。正直に言いますと、行方不明となっています。」
「……え!?」
青髪の少女と眼鏡の少女が目を見開く。
「行方不明…やはりそういう事でしたか……」
「本当に居なくなってるってことですか……?」
黒い羽の少女は冷静に判断するが、白い羽の少女は動揺を隠せない様子だ。
「はい。そして、結論を言ってしまうと、『サンクトゥムタワー』の管理者がいなくなったため、今の連邦生徒会は行政制御権を失った状態です。
認証を迂回出来る方法を探していましたが……先程まで、そのような方法は見つかっていませんでした。」
4人の少女たちが考え込む。だが……
「……ふざけないで!そんなの許せるわけないでしょ!今だって目の前で混乱が起きてい……ちょっと待って、先程まで…ってことは、つまり今は見つかったってこと!?」
青髪の少女が叫ぶと、リンは頷く。
「その通りです。この人、ギラ・ハスティー先生こそがフィクサーとして連邦生徒会長の代わりを務めてくれます。」
……え?
『!?』
4人の少女は再び驚いた表情を浮かべる。
…でも僕の方がよっぽど驚いてると思う。
「えっ!?ちょ、ちょっと待って!先生って、そんな重要な役割だったの!?聞いてないよ!?」
僕が慌ててそう叫ぶと、青髪の少女が
「そっそうだ!この先生は一体どなたなの?なんでここにいるの?それに、後ろにいる2人の大人の人は?」
と質問を投げかける。
「あっ僕は、ギラ・ハスティー。先生とかキヴォトスのこととかは何も知らないんだけど……
こことは別の世界で住んでて、連邦生徒会長?って人に僕が選ばれたみたいで。
こっちの2人は…」
「自己紹介が遅れて申し訳ない。俺はジェラミー・ブラシエリ。
こっちはカグラギ・ディボウスキだ。
俺たちは元々5人、ギラのサポート役として同じく連邦生徒会長さんとやらに呼ばれたそうだが……」
「他の3人方は、今行方知れずとなっています。」
「そ、それじゃあ残りの3人は!?ここにいるんですか?どこにいるか分かりませんか!?」
「まあ、今どこにいるかは分からないが……
行方知らずと言うには、いなくなった理由はハッキリとしてるし、だいたい行先の見当はついてる。これを見たら分かるさ。」
ジェラミーが懐からヴェノミックスシューターを取り出し、それにクモノスキーを差し込むと、そこからホログラムが映し出される。その映像によると──
─────
ホログラム映像が始まると、まずは連邦生徒会室の様子から映される。
その生徒会室には、撮影者のジェラミーを除き、リンにカグラギ、そしてヤンマ、ヒメノ、リタの今ここにいない3人も居た。
皆、連邦生徒会の制服を着ている。
「…で、つまり俺らはギラの部下ってことか?なーんか気に入らねえなぁ。」
最初に口を開いたのは、ヤンマだ。着用している服は違うが、いつものように着崩している。
「……まあ、そんなところです。わかったなら……」
「ハ、別にギラと一緒に戦うのは構わねえ、だが下に着くなんてのは真っ平御免だ。
それに、俺はこの世界のどっかに落ちたであろうシュゴッドを探しに行く。
ずっとここにいるわけにゃいかねえからな。
…まあ、とりあえずこのミレニアムとかいう学校行けばなんか分かんだろ。どことなくンコソパっぽいしな。」
そう言うと、ヤンマは生徒会室の外に出ていこうとする。
「え?シュゴ…何を言って……あ…ちょっと!まだ話は終わってないです!待ってください!」
彼女は叫ぶが、ヤンマの姿はもう見当たらない。
「ギラが起きなければ、自由に動けないの?…そんなの、私は嫌。」
その次に、ヒメノがヤンマに続く。
「ヒメノ!待て!」
それを追うように、『ゴッカン』の国王リタ・カニスカは引き留めようとするが、彼女はもう既にこの部屋から出ていた。
「……ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!!!!」
リタは奇声を上げた後、生徒会室を出る。
「ええ!?あなたもですか……本当に大丈夫なんですか、この人たちは……。
私、少し不安になってきたのですが……連邦生徒会長は、一体何を考えて……。」
と最後にリンが言ったところで、ホログラム映像が終了する。
─────
「… とさ。まあ、要するに方向性の違いってところさ。
この金髪リーゼントの男、ヤンマは手掛かりを探すためミレニアムに行き、茶髪の女、ヒメノはそれに続いてどこかへ向かった。
多分、豪華そうなトリニティ辺りにでも行くんじゃないかな?
黒い髪のリタは……まあ、あの様子じゃ、ヤンマとヒメノの後を追ってるんだろう。」
「な……何ですかそれ!というか、そのヤンマって人がうちの学校に向かってるって……!?」
「君はミレニアムの生徒さんだったの?」
「あっ、も、申し遅れました!こんにちは、先生。私はミレニアムサイエンススクール、『セミナー』所属の早瀬ユウカです!覚えておいてくださいね!先生!」
僕が青髪の少女に問いかけると、彼女は自己紹介を始める。名はユウカと言うらしい。
続けて、黒い羽、白い羽の少女が順に
「私も名乗らせていただきます。トリニティ総合学園の『正義実現委員会』、副委員長の羽川ハスミと申します。」
「同じく、トリニティ総合学園の守月スズミです。」
と、名乗った。
「では最後は私ですね。ゲヘナ学園、『風紀委員会』の火宮チナツです。どうぞよろしくお願い致します、先生。」
「あ、うん……よろしく……。」
「はい!よろしくお願いします!先生!」
(セミナーやら正義実現委員会やらなんやらはまあ……組織的な何かだよね、チキューでの王様戦隊みたいな。)
4人全員の自己紹介が終わったところでリンが口を開く。
「では、本題に入ります。ギラ先生は元々、連邦生徒会長が立ち上げた、ある部活の顧問として、この世界に呼ばれました。」
「その、ある部活って?」
「連邦捜査部『シャーレ』…です。」
「それは、どういう…」
「部活とは言いましたが…これはもはや、1種の超法規的機関と言った方が正しいです。
連邦組織のため、キヴォトスに存在する全ての生徒たちを無制限で加入させることすらも可能で、各学園の自治区で制約なしに戦闘を行うことも可能です。」
「ええっ!?それって……!」
「連邦生徒会長が今ここにいない以上、現在このシャーレは不在という状態です。
ギラ先生、あなたはこれより連邦生徒会に所属し、『連邦捜査部「シャーレ」』の担当顧問として行動してください。」
「え……ええ!?連邦生徒会長はなぜここまでの権限を持つ部活を、連邦生徒会直属の機関として作ったのですか!?」
ユウカが驚きの表情を見せるが、リンは冷静に
「…それは私たちにもさっぱりですが…今はそれ以上に重要なことがあります。
ここから約30km離れた外郭地区に、シャーレの部室があります。
先生には、そこの地下に持ち込まれた、「とある物」を回収するため、そこに連れていかなければならないのですが……」
と言うと、彼女はスマホを取り出し、電話をかける。
「モモカ、シャーレの部室に直行するヘリが必要なんだけど……
え?大騒ぎが起きてる……?
矯正局を脱出した生徒が暴れてるって……あっ!ちょっと……。」
通話が終わったのか、彼女はスマホをしまい、大きなため息をつく。
「…えっと、大丈夫?かなりいい加減な会話に聞こえたけど…」
「…だ、大丈夫です。……少々問題が発生しましたが、大した問題ではありません。」
「そ、そうかなぁ……?」
「………。」
リンは深く考えた後、ハスミたち4人を見つめる。
「な、何ですか。私たちをジロジロと見つめて…」
ハスミが問うと、その言葉を待ってましたと言わんばりに
「いえ……ちょうどここに各学園を代表する、立派で暇そうな方々がいるので。」
と、張り付いたような笑顔で答える。
……あれ、なんか嫌な予感がするぞ。
「ああ…そうか。リンちゃん、ヘリの用意は出来てるのかい?」
ジェラミーが問うと、リンが
「はい、暇を持て余した皆さん、今のキヴォトスを救うためには切実にあなたたちの力が必要です。分かったならさっさと終わらせましょう。」
と答える。その言葉を聞いた皆(ユウカ除く)は、着々と準備を進める。
「え?ちょっと、一体何を…」
「ユウカ、早くしてください。…もしかして、何をするか、まだ理解出来ていないのですか?」
「え?いえ、だ、だから何を……」
あまり察しが良くない僕でも、これから何をするかは容易に分かる。間違いなく……
「……?もしかして、行間が読み取れなかったかい?とっても簡単なことさ。それは…」
「武力行使、だね。」
「…お見事、その通りさ。お前さんも2年前に比べたらちょっとは行間が読めるようになってきたじゃないか。」
「…へ!?つまり……」
─────
ドカアアァァァァン!と街中に轟音が鳴り響く。
「な、なにこれー!?」
ユウカがそう言うと、次はタタタタタタッ!!と銃声が鳴り響く。
「なんで私たちが不良たちと戦わなきゃいけないのよ!!」
ユウカの嘆き声は、戦場と化した街に響き渡る訳も無く、銃声や爆発音にかき消されてしまった。
「ユウカ、愚痴を言っている場合ではありません。」
「ぐっ…わ…分かってるわよ!」
ハスミがそう言うと、彼女は銃を構え、不良たちに向かって発砲し始める。
「うおっ!?なんだ!?」
「誰だ!この弾は!」
「いたぞっ!あいつらだ!」
不良たちはこちらに銃を向けると、弾丸が放たれる。
「いっ、いだだだっ!あいつら、違法JHP弾使ってるじゃない!」
「だ、大丈夫っ!?」
「……おや?これは……どうやら、俺たちとは体の構造が少し違うみたいだ。」
ユウカは己に向けて放たれた弾丸を吸い込むかの如く、全弾が命中する。
しかし、銃弾が当たったとは思えないほどにピンピンしていた。
「ユウカ、伏せてください。それに、ホローポイント弾はまだ合法ですよ。」
「うちの学校だとこれから禁止になるの!…もういいわ!あいつらを全員倒しちゃえばいいんでしょ!」
ユウカは怒りながら、憂さ晴らし言わんばかりに両手に持った銃を不良たちに向けて撃ちまくる。
「え…えっと、みんな、あの子たちをを追える?とりあえず、捕まえるだけでも……」
『いや、それは止めた方がいいと思います。』
僕が指示を出そうとすると、ヘリからの通信越しにチナツがそれを止める。
「え?どうして?」
『確かに、正義実現委員会のハスミさんに、多くの不良から要注意人物としてマークされている自警団のスズミさん程の実力者がいるのならばこの人数にって勝つことだって出来るかもしれませんが、先生たちの命を守る方が優先です。』
「で、でも、このオージャカリバーって剣を使えば、すっごい強い姿になれるんだ!それに僕めっちゃタフだから大丈夫だよ!」
僕は腰から剣を抜き、自分で戦える、だから大丈夫!と伝えるが…
『…ギラ先生のいた世界ではそうだったかもしれませんが、こっちでは別です。
さっきのユウカさんみたいに、私たちは弾丸が当たっても耐えられますが、ギラ先生のようにキヴォトス外から来た人は1発でも致命傷になりかねません。
…なので、先生たちは戦場に出ず、私たちの戦いをどこか、安全なところで見ていてください。』
「そんな……。」
チナツの言葉に、僕は意気消沈してしまう。
…それでも、『先生』ならば少しでも生徒たちの役に立ちたい。
何かしら、いい案はないだろうか……?
「……では、ギラ殿は彼女たちに安全な場所から戦術指揮をなされては?私はそのサポートをします。」
カグラギは僕を見損ねたのか、提案する。
でも、僕は今のところ戦術指揮なんてやった事ない。
と思っていると、顔に出ていたのだろうかカグラギが
「心配ご無用、私が手ほどきをしましょう。」
と言ってくれる。
「まあ、こういう能力も今後、役に立つことだろうさ。王様ならね。」
ジェラミーも続けて言う。
確かに、今後大きな戦いとかになったらそう言う能力は必要になるかもしれない。
「……分かった、やってみよう!みんな、僕が指揮を取るから、任せて!」
「…ギラ先生が指揮を取られるのですか?…まあ、先生なら……了解です!」
「分かりました。これより先生の指揮に従います。」
「了解しました!よろしくお願いしますね、先生!」
『生徒が先生の言葉に従うのは自然なこと、ですね。よろしくお願いします。』
ユウカを初めとした4人が、返事をする。
「じゃあ、始めようか。ギラ、せっかくだ。開戦の合図をお願いしようか。」
「えっ」
ジェラミーは僕にそう振ると、カグラギも
「こういうのは大将が言うからこそ、皆の士気が上がるものです。ギラ殿は今、『先生』でしょう?」
と僕に合図をするように言う。
…確かに、カグラギの言うことは間違っていないかもしれない。ここは僕が引き受けよう!
「……分かった!じゃあ行くよ!邪悪の王流に誓う!」
「へ?邪悪の王流?」
ジェラミーが首をかしげているが、気にしない。
僕は深く息を吸い、そして──
「………ハーッハッハッハッハァッ!そこの雑魚どもよ、聞け!俺様は今、正義実現委員会の羽川ハスミ、トリニティ自警団の守月スズミ、ゲヘナ学園風紀委員会の火宮チナツ、セミナーの早瀬ユウカ!この4人の力を借り、このキヴォトス中を荒らしまわる不届き者…貴様らのよう雑魚どもを制圧する!往くぞ!」
僕は邪悪の王として悪そうに振る舞い、高らかに宣言する。
『…………………』
「え、え、え?ちょっと!みんなどうしたの!?」
僕が邪悪の王的に宣誓をすると、周囲に長い沈黙が流れ、その場にいた全員が僕の方に視線を向ける。
…というか、ハスミに至っては呆れたような目線を送っている。なぜだろう……
「ぎ、ギラ先生、どうしたの急に、大丈夫?頭とか打った?」
「…先生、こういう時にふざけるのは……いや、これはむしろ私たちを鼓舞しようとして真面目に…!?」
『なるほど、そこまで考えていたのですね…!さすが先生です!』
ハスミとチナツがそう僕を褒めちぎる…なんか、すっごいすれ違いが起きてるけど…。
「いや、そんなわけないじゃない!先生!早く蹴散らしますよ!」
ユウカはこの状況に意外にも冷静なツッコミを入れ、不良たちのいる場所へと急接近し、両手の銃を発砲する。
「ハハハッ!こいつは面白い展開になってきた!」
ジェラミーはツボにはまったのか、笑いだす。
そしてハスミとチナツは少し恥ずかしそうな顔で
「…では、指揮をお願いします。」
『そうですね、先生の茶番も済んだことですし。』
とユウカに続き、戦闘を開始する。
「ちょ……!?茶番!?……まあいいだろう!みんな、行くよ!」
僕はそう号令をかけ、3人は戦場へと足を進めて行った。
エタってないよ。生きてるよ。更新が遅れてすまない…
さてさてこの作品の更新を心待ちにしていた方がどれほどいたかはしらんが、やっとの更新です。
というわけで次回!王様戦隊×ブルアカ!
気の赴くくままに破壊行為を行う「災厄の狐」こと「狐坂ワカモ」、そして彼女によって扇動された不良たちと遭遇したギラたち。
ギラは彼女らを止めるため、そして生徒たちを守るために、ついにあの姿へ変身する!
第3話「我こそが王、そして先生である」!
来週の金曜までには更新しますんでどうか見放さないでくれ(泣)