呪符・六壬式盤   作:ロールクライ

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輿

 

 

私は占部渚(うらべなぎさ)一部を除けば一般人だ。

なぜ一部違うのか。

それは私が不思議な力をもつことに由来する。

怨霊、悪霊そして呪い。そういったものを祓う力。

霊能力者といえばそうだし呪術師や祓い屋と言われればそうだ。

この世界には悪霊が多い。

人々は死ぬことによって霊となる。その全てが人に牙をむくわけではないものの未練や執念を持って死んだ人たちは悪霊になることが多い。

私がひそかについて行っているのもその例にもれない。

自殺者サークル。それにつれていく霊。

ここら一帯では長山とかそんな感じで恐れられてるらしい。

「ん?」

人の気配がした。

いや、もちろんここには自殺サークル・・・犠牲者の人たちはいるはずだろう。

だがそれ以外にもう二人。

民間人なら危ない。

一般人がこんな夜の団地に来るのだろうか?

ならば協力者か?

いずれにしても情報がない以上はなんともいうことはできない。

「面倒ごとになる前に・・・」

「ただちに!」

二人の声がした。

おそらくこの事件の被害者ではない人だろう。

他にも男性の声が聞こえるもこれは被害者のうちの一人が助かったということだ。

そして推定被害者の男性と二人の一般人が階段から降りてきた。

「・・・とまれ。そこの三人。少し悪いが情報提供をお願いしたい。」

そう声をかけた。

 

 

 

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螢多朗視点

 

 

始めてみた時は性別がどっちかわからなかった。

ただ、この人からは幽霊みたいないやな感じはしないけどなぜか怖く感じた。

「・・・誰?」

夜宵ちゃんが質問する。

僕たちが言うのもなんだけど、こんな時間に出歩いているのは普通じゃない。

「・・・君たちこそ、ここで何をしていたんだい?霊に操られているわけではなさそうだしね。」

目のまえの相手はそう言った。

「長山の霊を知っていたの?」

「うん。そりゃ、今祓うつもりだったからね。」

「霊能力者ってこと?」

「その通りだよ。」

霊能力者・・・おそらくだけど夜宵ちゃんみたいな感じで霊を捕まえるのではなく、霊を祓う本職の人だ。

もしそんな人に夜宵ちゃんのやっていることが見つかったらどうなるか・・・。

見た目は僕や詠子みたいに華奢だけど、その実力はわからない。

「・・・随分と恐ろしいことをするんだね。君。霊を蟲毒させるなんて。」

「・・・ッ!」

僕は驚いた。

この人は何もしていないのにも関わらず夜宵ちゃんがしていることを見抜いたのだ。

夜宵ちゃんの家からも距離があるのにどうやっているのだろうか。

「なんで知ってる?みたいな顔をするんだね。まあ、それが霊能力者ってものかな。」

その言葉に夜宵ちゃんが反応する。

「・・・霊能力者で祓うのが仕事ならなぜここに霊を残していた?」

「そんなに暇じゃないってことと、私たちは完全な善人ではないからかな。もちろん、助けられる範囲なら助けるよ。今回だってそこの男の人は助けようと思ってた。」

この人は僕に対して指を向けていた。

 

「まあ、でも放置していたの事実。君も引き下がれない理由があるっぽいし今回は引き下がるよ。・・・なんなら手伝ってあげようか?」

「その提案はありがたいけど、もし提案を受けてもあなたが信用できると判断してからだ。」

夜宵ちゃんがそう言うとこの人は落ち込むように引き下がった。

「ありゃりゃ、嫌われたかな?一応聞くけど、あの霊私が祓おうか?」

「いいや、私が処理しておく。だからあなたはさっさと帰った方がいい。」

「・・・面白い子供だね。最近の子はこんな子が多いなかなー?」

と言いながら帰って行った。

「なんだったんだあの人。」

「わからない。でも、こっちの情報を持っていたのもたしか。今まだ判断しかねるけど誰であろうとあれが私の邪魔はさせない。」

「あれって・・・言い方。」

 

 

 

 

 

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占部渚視点

 

 

 

夜の暗闇の中で一つの光が照らされる。

「面白い子供だったな。」

頭も切れる。

霊と主従関係を結んでいる。いや、上下関係か?

なんにせよあの子供を相手どりたくはないね。

「でも、復讐は足元をすくわれるんじゃないかな。まあ、その時がくれば助けてあげてもいいけど。」

そうつぶやきながら私は自身の目の前にある光る方陣。六壬式盤(りくじんしきばん)を見る。

すると、そこには人のような者が出てくる。

「ねえ、蘇民将来(そみんしょうらい)

そこには神と同じく信仰される存在である蘇民将来の分霊がそこにいた。

 

 

 

 

 

 

 

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