私は諸事情により京都に来ていた。
「相変わらずというべきか・・・魔境だねー。京都。ね?神主さん。」
他人から見ればただ中二病をこじらせた人のように誰もいない場所で誰かと話しているようだった。
私の目線の先にはとある神社の神主がいた。
・・・正確には元神主かな?
まあ、そんなことはどうでもいいのだ。
占星術などの占いに関することは彼の方が私よりも数段上だ。
とはいえ、戦闘に関しては式神を交えた戦闘はともかく、本人同士の戦闘では負ける気はないが。
「・・・君がここにいるってことは何かあったのかい?」
おちゃらけた雰囲気の私とはうって変わって真剣な表情をする彼。
それもそうだろう。私と彼はいわば不仲だ。
人としての好き嫌いではないがあまり好んでまで一緒にいるわけではない。
「そういう神主さんも思ったより深刻でしょ?」
「・・・まぁね。首塚大明神でそろそろ奴が出てきそうだから。」
「ああ、なるほど。まあでも今のあなたなら大丈夫でしょ?」
昔の式神を私は知らないが今、彼が手にしている式神は想像以上の化け物だ。
いや、化け物と言ってはいけないかな?
彼は隠しているようだが、その神性は隠せない。
予言大好きのこの神主が好みそうなことだろう。
「大丈夫とはいいがたいかなー?」
少し自身なさげに神主は言った。
私はその言葉に違和感を覚える。
神性に溢れる式神をもちながら、大丈夫とはいいがたいということは。
「・・・神とでも戦う気?それも強力なやつ。」
「そうなるね。少なくとも僕が把握する限りでは。」
こいつが戦う神と言えば、それこそあの"凶神"くらいだが。
「君が想像している通りさ。近々霊を集める少女とともにあの神を討つ。」
「霊を集める少女・・・ね。」
それは私がこの神主に伝えようとした人だ。
「そいつの顔はわかるの?」
「いいや?僕の占いは人の顔までわかるものじゃないさ。」
「そう、なら私の方が上手だね。」
「・・・知り合いなのかい?」
友といえば違うだろう。あきらか警戒をされている。
「うん。ただの顔見知りかな。まあでもそっか。あれとの"因縁"を絶つくらい強力だったのか。あの子。」
正直驚きだ。ある程度は私の占いで理解していた。
そのつもりだったがあの凶神を倒せるとなると・・・
「今のうちに仲良くなっておこうかな?」
「・・・くれぐれも邪魔はしないでほしいけどね。」と神主が言う。
「もちろん。邪魔はしないよ。こっちにも利益があるのに邪魔をする理由があると思うかい?」
「ないね。だけど念のため。これは僕の一族に関わる話だから。」
「・・・そっか。まあいいよ。神主さん。今回はあなたとあの子の手伝いをしてあげる。」
「すまないね。」
「貸し一つね。」
「・・・いい空気が台無しだよ。そういうとこだよ。渚。」
「下の名前で呼んでほしくはないかな。」
「いいじゃないか。」
私たちはなんだかんだ言いながらその対凶神の話をしていった。
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「うっわ。すごいね。幼女と神のレスバってやつ?もう字面だけでも面白いよ。」
私が東京に戻ってきたときその凶神の気配を感じたためすぐさま向かったのだ。
ついた場所を覗けば例の少女と例の凶神。
「・・・神主さん。久々に占いが外れたんじゃない?ここは京都じゃなくて東京だよ。」
とつぶやきながら術を用いて声を聴く。
『神さまには一同総出で奴隷の位を用意奉る。』
と聞こえてきた。
うん。さすがの私もドン引きだよ。神主さんがこの子を巻き込むじゃなくて幼女と凶神の喧嘩に入るってことだったとはね。
私とて馬鹿ではない。勝てない存在に喧嘩を売るほど愚かでもない。
この幼女も卒業生などが控えているとか言っているものの今、この神が喧嘩を売ってきたらどうするというのだ。
・・・でも
「信じてみる価値はあるよね。」
『ところでさっきから覗いている奴は誰だ?目障りだぞ。』
と神が呟いた。
気づかれたか。まあ、見るだけでなく聴くもしていたので当然といえば当然だが。
本来神と対話するためには身を清めそれ相応の服を用意する必要があるのだが私にそんな時間はない。
この神に見つかった時点でさっさとこの神の前に現れるの最善だろうと思い、仕方なく自身の霊体を作り出し幼女と神の間に割って入った。
「ほう?誰かと思えばあいつの手の者か?」
「あの時の霊能力者。」
「うん。覗いていたことは謝るよ。」
私は幼女の方を向きそう言った。
「随分と愉快な会話をしていたからね。少々覗かせてもらっていたよ。あああと一ついうけど蘇民将来の手の者と言われれば違うよ。」
「・・・なんでもいいが貴様もこの幼女と同じ口か?」
「その通り。便乗させてもらおうか。私もあなたに喧嘩を売る。というよりこの幼女に協力する。死なれたら困るからね。」
「いいだろう。もし卒業生とやらが弱かったらどうしようかと思っていたところだ。貴様がいれば最低限は保証されるというものだ。」
「相変わらず変わらないね。・・・えっと。ロリコン神様?」
「・・・その口が近いうちになくなるということを理解しておけよ?お前も僕の収集物の一つにしてやるからな。」
「そりゃ楽しみだ。」
私がそういうと神は今は満足したのか帰っていった。
私が幼女の方を向けば、警戒心MAXの目を向けられていた。