自称神のパチモンが行く!!キヴォトス珍道中!!【凍結】 作:私こそが神だァ
できてしまった
視界が次第に明るくなり、眩しい光の中に何かの姿が現れた。疲労で憔悴しきった私の顔は、酷使された体とともに指先一本残らず震えていた。ここはどこなのか、私は混乱していた。
「ようこそ、私の世界へ」
突如、雄々しい声が私の意識を呼び覚ました。光の中から現れたのは、逞しい老人......いや“神”の姿だった。
「あなたは辛く長い労働に身を捧げ、この世での役目を果たした」
「だが、まだ自らの可能性を十分に発揮しきれていない」
神様は言葉を続けた。
「そして、ワシは新たな世界であなたの活躍を望んでいる。今こそ、自由な心で新しい人生を歩め」
戸惑いながらも、神様の言葉に感銘を受け、疲労で蓄えてきた重荷が、少しずつ離れていくのを感じるはずだった......その神様がコタツに入りみかんを食べていなければ......。
見た目と声の圧とやっていることのギャップに戸惑っていると、神様が何か思い出したかのようにこたつの中からボタンを取り出して押した。
すると、神様の後ろの神々しい光が消えた。
......消えたァ!?
「え!?それって消えるんですか!?」
「うん、消えるよ。眩しいし、邪魔だからね」
何とでもないように神様は言う、先程までの威圧感は嘘みたいに消えている。威圧感も光と連動しているのだろうか......
「ほれ、そこで突っ立ってないでこっちに座りなさい」
神様がコタツに手招きしてくる。まだ頭の中がごちゃごちゃしているが、神様に言われる通りにコタツに入る。
「さっきまでのワシの話は聞いておったかのう?」
「はい……。新たな世界でどうのこうのって」
「そうそう、まぁ簡単に言えば異世界転生って奴よ」
先程までの雰囲気とはガラリと変わってフランクな感じで話しかけてくる神様。今度は、どこからともなく紙とペンを取り出した。
「じゃあ、諸々を絞り込むためにアンケートしてくから答えてね!」
「あ、はい」
「じゃあまずは、転生先に希望とかある?」
「希望ですか......。強いて言うなら可愛い子に囲まれたいですね」
「ん〜。じゃあ、『教師か医者』で選ぶとしたらどっち?」
「教師か医者ですか......。血とか見るの苦手なんで『教師』ですかね」
「おっけい。教師ね……」
神様がさっき取り出した紙に何かを書いている。
「じゃあ次に転生特典ね」
「転生特典ってなんですかね?」
「おぉ〜知らないか〜。いや、別に全然知らなくても大丈夫なんだけど。簡単に説明すると、転生先で楽できるようなお助けパワーかな」
「そうですか......」
「よくわかってないみたいだね〜。じゃあさ、小さい頃なりたかったものとかあるかな?」
「小さい頃ですか...……。あ、本人の目の前で言うのも恥ずかしいんですけど、神になりたかったですね」
「おけおけ〜神ね〜。神か〜、神って言われても色々あるからね……」
目の前の神様がペン回しをしながら考えている。困らせてしまっただろうか。
「そうだ!え〜っと、『フルーツ、ゲーム、キツネ』の中でどれが一番好き?」
「フルーツにゲームにキツネ?何の共通点があるんですか?」
「まぁ、いいからいいから。この3つの中から選んでよ〜」
「強いて言うなら『ゲーム』ですかね。小さい頃よく遊んでましたし」
「了解〜。ゲームね......」
また神様が紙に何かを書いている。一通り書き終わったのか、書いたであろう部分を見直している。
「これで良し。転生特典は向こうについたら色々と頭に流れ込むからよろしくね〜。」
「あ、そうそう、転生先には棚くらいのサイズのコンピューターが一緒に行くから壊れないように気をつけてね」
その後は神様と自分の死因とか色々と話した。死因は過労死だった。ほとんどが私の愚痴だったが神様はきちんと聞いてくれた。そんなことはここ数年で一度もなかったので少し泣いてしまった。パワハラ上層部はみんな地獄に落とすそうだ。ざまぁみろ、へっ!
「お、そろそろ時間じゃ、転生先でも頑張るんじゃぞ〜」
「はい!頑張ってきます!」
こうして私の教師としての新たな生活が幕を開けた。