嘘の匂い。金の匂い。   作:レルクス

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第26話 初回公演後の反響

 『舞台東京ブレイド・渋谷抗争編』

 

 初回公演からたった数時間で、多くのことがネットで拡散された。

 

 トレンドもそれに応じて更新され、『東ブレ 舞台』『白蘭参戦』『カード完売』『きつねうどん』と……かなり話題やツッコミどころにあふれている。

 

 劇団ララライと、鏑木組が集まって行われた『東京ブレイド』の舞台は、紛れもなく舞台としてトップクラスのクオリティだ。

 

 姫川大輝が演じるブレイド。

 有馬かなが演じるつるぎ。

 鳴嶋メルトが演じるキザミ。

 黒川あかねが演じる鞘姫。

 星野アクアが演じる刀鬼。

 鴨志田朔夜が演じる匁。

 

 しっかり原作を読み込んで、それを『舞台』と言う場に落とし込み、その中で『実力』を示しまくった。

 

 ちなみに、『原作勢』に関しては『刀×つる』が人気ではあるが、『ゲーム勢』だと『刀×鞘』が人気である。

 

 そこに、月影真刃が演じる『白蘭』が舞台に現れたことで、ゲーム勢が大歓喜。

 

 原作だと、鞘姫が奇跡によって目覚めたシーンで、刀鬼が少し表情を柔らかくしてセリフを述べるだけだった。

 ゲーム版でも、白蘭がとてもうれしそうな声だったが……声優は新人を起用していたので上手く伝えられないと、画面の方が抑え気味だった。

 しかし、舞台では、刀鬼と白蘭が大号泣しながら鞘姫に抱き着くというもの。

 

 

 そう、『刀×鞘』推しの『涙腺を大崩壊させた』のだ。

 

 

 公演終了時、確かに拍手も大きかったが、それに匹敵するくらい泣き声もすごかった。

 大人ならともかく、キッズなんて耐えられるわけがないのでギャン泣きである。

 

 その熱量はすさまじく、圧倒的な勢いで『刀×鞘』カップリング。そして鞘姫の養子である白蘭という組み合わせが『最も尊い』と言い切るコメントであふれかえった。

 

 何処の世界にも『筆が早いクリエイター』はいるもので、刀鬼と白蘭が大号泣しながら鞘姫に抱き着いているイラストが、それぞれの投稿サイトにアップされた。

 

 これによって、舞台に見に行けてなかったゲーム勢の心を動かし……まあ、あとは想像に難くない。

 

 

 次にゲーム、イグストだが。

 

 白蘭を演じる真刃は、役の入り方が『上書(うわがき)型』であり、その上書の対象は『ゲームにおける白蘭の動き』である。

 

 もちろん、ゲームキャラ特有のモデリングや動きもあるのだが、それを現実に上手く変換しつつ、ゲーム通りに動いていた。

 

 言い換えれば。

 

 舞台を見た後で、ゲームを買ったり、昔買ったそれを起動し、白蘭を動かした場合、『舞台で見た通りの動き』でプレイできるのだ。

 

 しかも、この『渋谷抗争編』の続きであり、白蘭が大活躍する『百鬼夜行編』もあるので、この舞台を見てゲームをやってみようと思った人が絶対に後悔しない『流れ』になっている。

 

 イグストはゲームシステムがほぼ戦○無双のような無双ゲームなので、舞台で負け続きだった白蘭を操作して『このシロガキ強すぎんだろ!』となる人もいるだろうが、それはそれ。

 

 対応機種が携帯ゲーム機の最新ハードなので、手を出す人間は限られるが、ゲームの売り上げを伸ばすのには十分である。

 

 

 次にカードゲームだが。

 

 物販コーナーに置かれていた大量のパックたちだが、無事に完売した。

 『舞台開幕編』も『舞台白蘭編』も、両方売り切れました。

 

 そして、『開封動画』や『最速対戦』と銘打った動画も投稿されている。

 

 白蘭はともかく、他のカードに関してはリストが既に存在しているので、カードゲーム系Youtuberならば、ある程度のデッキの構想は可能。

 

 白蘭の方だが、なんと、『公式』が、今回の白蘭のカード、3種類の4枚ずつ、12枚フル投入したデッキリストを公開。

 東ブレカードゲームはデッキが40枚固定なので、ほぼ3分の1がこのセットで固定。

 その上、デッキリストの大半のカードは、汎用カードだったり、直近のパックで出た白蘭を強化できるカードが入っていたりと、『白蘭推し』ならまず持っているであろうカードで構成されている。

 

 ネットを見ると、『黒単夜宴(くろたんようたげ)が環境トップだったのに、『白単白蘭(しろたんはくらん)』が強すぎで草』といったコメントが散見されている。

 

 専門用語も多いが、まあ要は、急遽販売された白蘭セットが強すぎたというワケだ。

 

 ちなみに、『ゲーオリ展開の大型アップデートが予定されてて、また強化入るよな。白蘭デッキヤバくね?』というコメントもチラホラ。

 

 その影響もあるだろう。

 

 白蘭セットを購入した場合、真刃が映った3種類の内のどれかの『豪華版』が入っている。

 

 そして、『キャラクターカード』……要するに『普通に場に出して攻撃させるメインのカード』の豪華版は、第二回の舞台が公開されるまでの間に、相場が『45000円』になるという、ヤバい初動となった。

 

 もちろん、白蘭以外のカードを使ったデッキもかなり強く組めるのだが、白蘭に関しては、カードゲーム事業展開とイグスト運営が同じ会社なので気合の入れ方が違う。

 

 というか、しっかりテストプレイを重ねている公式が、『白蘭デッキリスト』をいきなりぶち込んだのだから、『最速対戦動画』において白蘭デッキが他より強いのは当たり前だ。

 

 そんな感じで、カードゲーム関係もかなり盛り上がっている。

 

 原作漫画に関しても、渋谷抗争編までの巻は書店や通販からかなり消えた。

 アニメのDVDに関してもそれは同様。

 

 まあ、そっち系は白蘭がいないので、舞台を見て感激した場合はちょっと物足りなくなるが、それは仕方のないことである。

 

 

 

 そして、きつねうどん。

 

 真刃が販促のためにメイクしなおして貰う前に、『腹ごしらえ』としてカップ麺のきつねうどんを食べていたが、この時の写真を、プロデューサーである雷田が撮影していた。

 

 いただきます。

 麺をすする。

 油揚げを食べる。

 汁を飲む。

 ごちそうさまでした。

 

 全部で五枚の写真が、真刃とカップ麺会社の許可を得て、『イベント運営会社マジックフロー』の公式アカウントでアップされた。

 

 ちなみに、撮影していた時は『白蘭に集中』していたので、その仕草は白蘭そのもの。

 幼く、可憐で神秘的な雰囲気を持つ白蘭。

 

 そんな子供が、美味しそうにきつねうどんを食べているのを見て、いろんな意味でぶっささった中高生の女子が、コンビニやスーパーできつねうどんをかなり買っていったそうだ。

 

 不審に思ったスーパーのおばちゃんがいろいろ確認したら、白蘭の画像に行き着いて、またいろいろぶっささって……といったループが起きている様子。

 

 カップ麺だけではなく、うどんの玉、めんつゆ、油揚げもそれ相応に買っていった主婦も多くなった。

 

 どれくらいの量のきつねうどんが市場で売れたのかは、『トレンドになった』という事実が証明している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最後に、考察勢。

 

 舞台における描写。

 『いなり寿司』と『きつねうどん』に喜ぶ白蘭。

 匁の『白蘭が渋谷に来てから、食べるのに困ることもなくなった』というセリフ。

 

 これらは、ゲームにも、関連する設定資料にも存在しない。

 

 近いうちに行われるゲーオリ展開の大型アップデートでは、これまで盟刀を持たず、正直に言えば『雑魚狩り』に徹していた白蘭が、『大幅強化』されるらしい。

 

 イグストは、ゲームオリジナル盟刀である『夜宴』が、妖怪を叩き起こす力を持っていることもあり、その所持者が白蘭の因縁の相手となることで、『妖怪』がモチーフとなるストーリーが展開される。

 

 

 

 

 いなり寿司やきつねうどんで喜ぶ。

 食べるのに困らない。言い換えれば、『豊穣の証』

 それが、『妖怪モチーフ』で『大幅強化』

 

 フツフツと、勘のいいガキが、ネットで騒ぎ始めている。

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