「キヴォトス」それは"彼にとっての"実験場。 作:永外 観時
午後6時丁度
ゴシック様式の宮殿が目を引く広場に所狭しと生徒達が立っている。
その生徒達の視線の先には演説台に乗った1人の男が居る、ケンジである。
ざわざわ「これよりアナトリア福祉高校代表、佐藤 ユウセイ氏の演説を初めます。」
女性の声でそう告げられ生徒達は、より強く視線の先の男に注目する。
ざわざわ「………」
演説開始の宣言から3分経ったが演説は始まらない。
ざわ「………」
シーン「………」
「諸君…私は元々諸君らと同じだった…」
「私は元々トリニティ総合学園の生徒だった…」
「しかしその学生生活にサイアクの転機が訪れたのだ…」
「他の生徒たちが虐めて来たのだ、何「存在が気に入らない」だの「貴方が居るとトリニティの品が下がりますの」だのイチャモンを付けてネチネチネチネチ虐めて来たのだ!」
「言葉で言われるだけならまだ良かった…
だが奴らは!私を殴り蹴り!私の大切な物たちを壊し、挙げ句の果てには燃やしたのだ!」
「私は遂に我慢の限界となり奴らに反抗の意思を込めて殴ってやった………とてもとても爽快だったよ…だが奴らはそれを逆手に取り自分達は被害者だと正義実現委員会に泣きついたのだ!」
「奴らが先に手を出したと言う証拠もなかった…正実は碌に調査もせず、私を悪人と決めつけたのだ!」
「そしてまた虐めが始まった…ティーパーティにも抗議したよ…だが奴らは無視を決め込み、真の被害者の訴えを無視したのだ!」
「私の精神はもう崩壊寸前だった…もうあんな目には会いたくないと私はトリニティを退学した…」
「そこからが地獄だった…今日を生きるためにやりたくもない犯罪を幾つも犯した、大人に騙され無賃労働もさせられた…」
「しかし、ある時気づいたのだ「このブラックマーケットに居る子供達は俺と同じ様な思いした挙げ句ここに居るのだ」と。」
「俺はこのキヴォトスに…連邦生徒会に…各学園に復讐を誓った。」
「だが俺は決して強くはなかった…だからこうして仲間を募り、保護し、団結することで訴えるのだ。」
「マトモに機能していない連邦生徒会!腐り切ったトリニティ!堕落したゲヘナ!このキヴォトスに存在するありと凡ゆる組織を叩き直すのだ!」
「ふぅ…以上で演説を終わる、清聴ありがとう。」ワアーー!
身振り手振りを使った力強い演説が終わり、演説台を降りる。
「ふぅ…今回の演説はまあまあだったな、兎に角、1つの目標は達成した、最後は彼女らを囮にして暴れてやるか。」
「にしても大声を出して疲れたな、家に帰るか。」
演説の内容は全て嘘です、ケンジくんが作った偽物の経験談です。
ケンジくんがやる演説は、どこかの那智•独逸で、独裁者やってそうな美大落ちチョビ髭おじさんがやってそうな演説の仕方にそっくりです。
救い(大嘘)