「キヴォトス」それは"彼にとっての"実験場。 作:永外 観時
砂漠の帝国は見る影もなく…
先生がキヴォトスに来てから約1週間、先生はやってもやっても減っている気がしない書類に悩殺されていた。
"し、仕事が終わらない………でも生徒のみんなのために頑張んなくちゃ…"
「先生、貴女4日前から寝てないんでしょう?そりゃ効率も落ちますよ、1時間でも良いから仮眠してください。」
"ダメだよ………先生である私が頑張らないと……"
「ダメです、仮眠してください、そしたらまだマシになりますから。」
"まだ…できる……"zzz
「寝たか、仕方ない、仮眠室に運んでやろう………あの手紙を渡すのは先生が起きてからにしてあげよう。」
彼は先生を仮眠室へ運びながら、まもなく始まると思われるアビドス編のことを考える。
(3日前の朝に手紙ボックスを見てみたらアビドス高等学校からシャーレ宛ての手紙が入っていた*1、あれを先生に渡したらアビドス編が始まるんだろうが………先生をどう止めるか。)
彼はシャーレの手紙ボックスに入っていたアビドスからの支援要請の手紙と、先生の猪突猛進なところに悩んでいた、先生はもう少し準備してほしいもんである。
彼は仮眠室内の時間の流れを8分の1倍速にして、先生を無理矢理8時間寝させる、そのうちにケンジは、先生の筆跡を学ばせたAIを組み込んだ機械に書類を仕分けながら入れて行き仕事を素早く終わらせる。
1時間後
"ん……いつのまにか寝ちゃってたんだろ?あ、書類仕事頑張らないと…"
カチャ "私を仮眠室に運んでくれたのケンジくん?ありがとね、私はいっぱい寝て元気モリモリだから心配しないでね。"
「起きましたか、起きて早々ですが大仕事が来ましたよ、読んでください。」スッ
"えぇっと、何々?"
"………"
「アビドス高等学校と言うかところからの支援要請のようです、暴力組織、おそらくはヘルメット団かと。」
"……こうしちゃいられない…ケンジ!今すぐ出発するよ!"
「出発って、アビドスにですか!?絶対に辞めてください!最悪の場合遭難して死にかねませんよ!?」
"そんなのどうだって良いよ!今こうしてる間にもアビドスの子たちが苦しんでるんだから!」
シャーレを今すぐにでも飛び出しそうな先生の前に彼が立ち塞がり、どうにかして先生を止めさせる。
「行かせません!昔アビドスにちょっとした用事があって行ったことがありますが、最近のアビドスは砂漠化が激しくて、地図なんてほぼ役に立ちません、実際遭難して死にかけました、アビドスは一切の装備なしに、いや、ある程度の装備があっても遭難して死んでしまう可能性が高いんです、それに先生はアビドスに徒歩で向かおうとしましたよね?アビドスはシャーレから約2800kmは離れてるんです、ヘリならまだしも、徒歩で行こうとするのには約3週間はかかります、だからどうか落ち着いて。」
"う、確かにそれは不味そうだね、分かった、しっかり準備してから行くね。"
「まぁ、それなら良いでしょう、しかしかなり離れてますからねぇ………そうだ、とっておきの乗り物があります、それに乗って行きましょう、文字通りアビドスへひとっ飛びですよ。」
"ひとっ飛び………ヘリとか?"
「それは現地に着いてからのお楽しみです。」
彼らは水や携行食料や、もし仮に遭難した時のグッズなどを一通り揃えて
2時間後 D.U第2空港
「予定通りならアイツが来てるはず、何処だ?」
"ケンジくぅ〜ん、荷物いっぱいで疲れたぁ。"
「もう少しです、頑張ってください、えっと「12番搭乗口にお越しください。」か。」
"まだぁ〜?空港の中広くて歩き疲れちゃった。"
「12番搭乗口…あれは9番、えぇ………あった!12番搭乗口!あそこまで歩けばもう大丈夫です。」
"やった!あとちょっ………あと何百メートルあるの?この廊下?"
「アビドスに歩いて行くよりかはマシでしょう?分かったら歩いてください。」
"まぁ、確かに……頑張りまーす。"
彼らは、空港あるあるのメチャクチャ長い廊下に苦戦しながら何とか12番搭乗口まで辿り着く。
「先生、窓をみてください、あの
"戦闘機!?ケンジ、戦闘機なんて持ってるんだね!お金持ちだなぁ…私の財布は常にすっからかんだよ…"
「それは先生が趣味にお金を使いすぎなんですよ、趣味は程よくお金をかけて楽しむものであって、生活が圧迫されてしまうほどお金をかけるのは間違いだと私は思いますが?」
"ゔ、大人である私が生徒に正論を言われてぐうの音も出ないなんて…先生失格だよ。"
「なに、先生も人間です、間違いはありますよ、あと生徒じゃない。」
「あとあの戦闘機は自作です、半分くらいはオリジナルの設計です。」
"え?あの戦闘機が自作?ケンジっていったい……あとケンジは私が生徒だと思えば生徒なの。"
「もう生徒と言える年齢じゃないんだけど、大学生くらいか、まぁ……あまり気にしないでください、あれも趣味の1つでしかないので。」
"戦闘機を自作するのが1つの趣味………凄すぎて私にはよく分からないよ…"
「あとかなり荒い操縦をするつもりなので気をつけてください。」
"優しく操縦してほしいなぁ〜………ダメ?"
「別にしてあげても良いですが、楽しくないので嫌です。」
"そんなぁ…でも、ちょっとは優しくしてね?"
「分かりました、善処します…」
彼らは他愛ない会話をしながら戦闘機へと近づき、荷物を積み込みながらまた会話をする。
「先生、この服は耐Gスーツ*2です、着てください。」
"戦闘機とかと言えばこの服だよねー!カッコイイ!"
先生はスーツを着るの少し手間取るが、10分ほどで着終わり、複座の後部座席に座る。*3
「キズはなし…異常も無さそうだな、よし、先生!準備は出来ましたか?シートベルトもしっかり締めましたか?」
"締めたよ!多分問題なし!"
「じゃあ良いですね、よいしょ………ベルトを締めてと、エンジンスタート………各種計器異常なし、ヨシ。」キイィィィィン!
"わあぁぁ!凄い……これからあの滑走路から離陸するのかな?待っててね、アビドスのみんな、今助けに行くから。"
ウィィィィン*4「あぁ………この戦闘機は滑走路でも離陸できるんですけど、今回はVTOL…垂直離着陸方式で離陸しようと思ってます。」ガチャ
"ぶいとーる………軍事は詳しくないからよく分かんないけど、上にまっすぐ飛んで離陸するんだね、と言うか真っ暗…"
「そうですね、でもここで離陸するのは危ないので、少し移動してから離陸します、あと真っ暗なのはすぐに直りますよ。」ブォン
"わ!凄い!プラネタリウムみたい。"
「密閉型全周囲モニター式コックピット、通称
"なるほど、頭良いね!ケンジくん!"
「そんなことないですよ、さぁ、そろそろ離陸しますよ、衝撃に備えて。」キイィィィン!
"分かった!いつでも来て!"
「中央エンジン推力上昇!離陸開始!」
真下に向いた中央エンジンの推力を上げ、機体を上昇させて行く、およそ15mほど上昇した頃、ケンジが思いもよらぬ行動をする。
「前下部ブースター、後上部ブースター点火!中央エンジン推進モードへ変更!アフターバーナー起動!」
彼が機体に備え付けられているブースターを一瞬点火し、機体を地面と垂直の状態にする、さらに中央エンジンを機体に対して水平に戻し、全エンジンの推力を最大、それを超えてアフターバーナーを起動し出力を100%にする。
"キャア!ちょっとケンジくん!?墜落しちゃうよ!?"
「大丈夫、落ちない、高度、速度共になおも上昇!マッハ1突破ァ!」(ヤバイ、楽しすぎる!先生がいるから最大機動はできないけど楽しすぎる!)
「先生!このまま高度20kmまで上昇しますよ!耐えてくださいね!マッハ2!」
"うぐぐぅ……凄まじいGだあぁ……"
「高度5km突破、良い感じです、マッハ3!」
凄まじいGに耐えながら、高度20kmを目指し上昇して行く。
「先生!あと少しで高度20kmです!また少し荒い操縦をしますよ!耐えてください!」
"うん、分かった。"
「高機動戦闘モード起動、前進翼展開!」
彼がそう言うと同時に翼の中からもう一枚の翼が勢いよく飛び出し、固定され前進翼になる。*5
"すごい!こんな機能もあるんだ!"
「気をつけてください先生、前転しますよ。」グウォン!
彼が大きく翼を動かし*6、機体を前に450度、1回転してから水平飛行に移る。
「フゥ!最高ォ!先生、もう安心してください、これ以上無茶な機動はしないつもりです。」
"ホッ…よかった…
「これからゆっくりと降下しながらアビドスへ向かいます、数十分間しかありませんが、リラックスしていてください。」
彼は前進翼を収納しながらそう言い、マッハ7から少しずつ高度と速度を下げ、アビドスへ近づいて行く。
約20分後、マッハ1で巡航する彼らの目下500mには、砂に塗れた廃墟群が広がっていた。
「やっぱりかなり砂漠化と過疎化が進んでますね……どうです?歩きで来なくて良かったでしょう?」
"そうだね…もし歩きで行こうとしてたら…"
「遭難して食料が尽き人知れずに死んでいく……ですかね。」
「まぁその心配は、もう必要ないんですけどね………そろそろアビドスに着きそうです、荷物の準備しといてください。」
"うん、分かった。"
「………ん?レーダーに所属不明の軍隊……ヘルメット団か、機銃掃射で殲滅可能だな。」
「先生、レーダーに敵性反応が出ました、どうやら現在進行形でアビドスが襲撃を受けているようです。」
"え!?ケ、ケンジ!私どうすれば良い!?"
「大丈夫です、忘れたんですか?この機体は戦闘機なんですよ?(戦闘機は、本来なら対地攻撃はしないはずなんだけどこの機体は、汎用戦闘機として作ったから……まぁ…良いよね?)ガトリング砲も搭載してます、戦車だって余裕で撃破できますよ。」
"それなら大丈夫だね、よおぉ〜し!イッケ〜!ケンジ!"
「はいよ、イプシロン1、
機体のキャノピーから物陰に隠れながら耐えているアビドスと運動場全体に散開したヘルメット団が戦闘しているのが見える、アビドスの面々は突然の戦闘機に驚き、ヘルメット団員達は、アビドスが仲間を呼んだんだと両者とも大混乱の様子だ。
彼はそのまま戦場の上を飛びすぎるが、そのままアビドスを見殺しにも出来ないので*7、操縦桿を引き倒し、上昇をし続け、円を書くように旋回したあと、ヘルメット団の頭上から機関砲をお見舞いする。
「FOX4!ガトリング砲発射!」brrrrrrrrrrrrrr!
彼がそう告げながら機関砲の発射ボタンを押す、2門の5連装75mmガトリング砲から無数の接近信管付きの榴弾がばら撒かれ、その一つ一つがヘルメット団のすぐそばで起爆し、運動場が爆煙と砂煙に覆われる、その煙たちが晴れた時にはヘルメット団達は全員撤退していた。
「案外呆気ないものだな…当たり前か。」
「それじゃあ先生、着陸しますよ。」
彼は運動場から少し離れた場所の上に戦闘機を持ってきて、ゆっくりと着陸して行く。
キイィィィィン ドスン ウィィィィィン
キャノピーからハシゴが降ろされる、先に先生が降り、その後にケンジが降りる、そして挨拶をしようとしたが、アビドスの全員に銃口を向けられている、どうやら歓迎の雰囲気ではないようだ。
「うへ〜、あなた達どこの人?ヘルメット団の仲間ではなさそうだけど。」
"誤解しないで、私は連邦捜査部「シャーレ」の顧問先生だよ、よろしくね。"
「……え、ええっ!?まさか!?」
「連邦捜査部「シャーレ」の先生!?」
「わあ⭐︎支援要請が受理されたのですね!良かったですね、アヤネちゃん!」
「はい!これで………弾薬や補給品の援助が受けられます」
「うへ〜、そうだったんだ、じゃあ、そのお隣のおっきい子は?」
「俺は、先生の付き人の………いや、ただの友人の好奇ケンジと言うものだ、安心しろ、敵対心はない。」
「ッ!そうなんだ〜、よろしくねぇ〜、ケンジくん。」
「はい☆よろしくお願いしますね、ケンジさん!」
「お願いします、ケンジさん。」
「お願いするわ、ケンジ。」
「ん。お願いする、ケンジ。」
"さ、みんな、こうやって立ち話するのもなんだから教室に入ろっか。"
「俺は機体を隠してから入る、すぐに終わるから入っててくれ。」
「そっかぁ〜、それじゃあみんな、教室に帰ろっか。」
ホシノがケンジの声を聞いた時、やけに聞き覚えがある声だと思った。
そしてその聞き覚えのある声が、誰だったかと考えた時、すぐに思い出した、だがあり得ないと思った。
その男はもう死んだはずだったから、いや、自分の手で殺したはずだった、
そう言えば、気になったんですが、ケンジくんの声ってどんな声で再生されてますか?
例えば、〇〇〇〇(声優)さんがした、〇〇(アニメ)の〇〇(キャラクター)の声で再生してますって言うのがあったら、ぜひ感想で書いて欲しいです。
あと、それに関係なく、何か気になったことがあったり、何かご要望がありましたら、遠慮せず、ドンドン感想に書いて欲しいです。
もし書いてくださったら、モチベーションが上がって投稿頻度が上がるかも知れません。
では、今度ともよろしくお願いします。