〜弾薬のない鎮守府〜 執筆 ヤマメ 投稿 晴朗波   作:晴朗 波

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第十三章

『この鎮守府は…このままいくと………時間の問題だな…』

 

どこかの提督「いつになったらボーキを我々に分けてくれるんだ!』

 

栗原「『ですから!弾薬を定期的に提供してくれればボーキもこちらから提供します!』

 

どこかの提督B『黙れ!弾薬の無い鎮守府!所詮お前らの艦娘は役にも立たない』

 

栗原『っく…戦果しか考えない脳筋共め…』

 

『なんだと〜?!』

 

ボコッ

 

栗原『うっ…バタッ」

 

栗原『また、なにも出来なかった…ん?なんだろう』

 

どこからか声が聞こえてきた聞き覚えのある女性の声が、

 

「く…ん!くり…ん!くりは…さん!」

 

古鷹「栗原さん!」

 

栗原「はっ!」

 

目を覚ました栗原は辺りを見渡した、光がパッと目に入ってきて眩しく感じ一瞬目を閉じた。

 

たが、だんだん目が慣れてきてゆっくりと目を開けた。

 

目を開け、目の前には少し顔をムッとしている天使が居た。

 

古鷹「栗原さん!いつまで寝てるんですか!遅すぎです!」

 

そう言われ寝起きでフラフラしてる体を起こし時計を見る、時計の長針は12時を指そうとしていた

 

栗原「あ!うそ!もうこんな時間!」

 

栗原は時計を見た瞬間にさっきまでのフワフワしていた体がいきなりピシッとなり飛び起きた、

 

古鷹「もう……栗原さん…それで良く提督業が務まってますね…」

 

栗原「う……」

 

ヤマメ「栗原の心にクリティカルヒット!」

 

栗原「ヤマメ…古鷹になんてこと,言わせるんだ…」

 

ヤマメ「あ、やべ!退散しまーす!」

 

栗原「おい待て!」

 

ヤマメは魚となり、キラキラと光りながら消えていった

 

古鷹「誰に喋ってるんですか?」

 

栗原「あ、いや、なんでも無いよ。さ、準備も終わったしさっさと戻ろっか!」

 

古鷹「はい!」

 

栗原も荷物をまとめて病室を出た

 

振り返って見るとなんだか、懐かしさを感じた

 

栗原「たった数週間しか居なかったのに…古鷹がお世話になりました。」

 

栗原は小さく部屋に向かって頭を下げた

 

古鷹「栗原さーん!何してるんですか?早く行きましょう!」

 

栗原「うん、今行くよ」

 

栗原は部屋を出て古鷹の方へ駆け寄る

 

古鷹「栗原さん!廊下を走らないでください!危ないですよ!」

 

栗原「ごめん、ごめんってば」

 

古鷹「もう…何回言えば分かるんですか…」

 

古鷹は歩きながら腕を組み軽くムッとする

 

栗原「でも…古鷹、廊下では大声出して良いんだっけ?」

 

古鷹「それは、ダメに決まってるじゃない……あ…」

 

栗原はニヤニヤして、古鷹の肩にポンっと手を置く

 

栗原「お互い様だね?」

 

古鷹「うぅ…」

 

こんな、会話をしつつ病院を出る

 

入り口を見ると1人の人影が見えた

 

白衣に優しい顔

 

群勢だ

 

群勢は2人に駆け寄り、話かける

 

群勢「古鷹さん、退院おめでとう御座います、お大事にしてください。あ、これ、一年分のお薬です。」

 

群勢は少し大きな袋を古鷹に受け渡した

 

古鷹「ありがとうございます。そしてお世話になりました」

 

古鷹は群勢に深く礼をした

 

栗原「あ、こちらからも!古鷹がお世話になりました!」

 

栗原も釣られるように群勢に礼をした

 

群勢「医者として出来ることを私はやっただけですよ、これからはここに来ないようにしてくださいね」

 

群勢は笑顔で笑いながら答えた

 

栗原「はい、気をつけて生活していきます!それでは、そろそろ、行かせていただきます。」

 

栗原は回れ右をすると、帰り道の方へ足を進めた

 

古鷹もそれに釣られるように歩き始めた

 

歩いて行くにつれ病院も群勢も小さくなっていった

 

栗原「古鷹…少しの間だったがひとりぼっちにさせて、ごめんね…」

 

古鷹「いやいや、全然大丈夫ですよ!たまにお見舞いに来てくれる、栗原さん…私、とても嬉しかったですし」

 

栗原「そっか…じゃあ帰って…色々手続きが終わったら間宮行こっか!」

 

古鷹「え?はい」

 

 

〜数十分後〜

 

遠くに見覚えのある建物が見えてきた

 

鎮守府だ

 

栗原と古鷹は歩くペースを上げた

 

やがて、入り口の前まで来た

 

栗原「やけに静かだな…」

 

栗原は少し怪しみながらもドアを開けた

 

その瞬間だった

 

パァンパァン!

 

艦娘のみんな「古鷹さん!退院おめでとう!」

 

ドアの前ではクラッカー鳴らし、笑顔でニコニコとするみんなが居た

 

栗原はなんだなんだと混乱した

 

栗原「祝ってくれるのは嬉しいんだが…俺、みんなに古鷹のこと話したっけ?」

 

その瞬間全員が1人の人物に視線や指を差す

 

不知火「青葉さんです」

 

ヒュー!グシャ!

 

その瞬間突風が吹きつけて栗原の足に、灰色で文字がびっしり書いてある紙が足に当たった

 

栗原「ん?なんだろう…これ…」

 

栗原は足に当たった紙を持ち上げ内容を読み上げる

 

古鷹も気になり栗原に密接するように近づき一緒に見た

 

2人の顔色が一気変わった

 

栗・古「どういうことなのこれは?!」

 

2人は顔を真っ赤にして青葉に新聞記事を見せる

 

そこには

 

『『遂に古鷹退院か?!』』

 

っと大きな黒文字で書いてあった

 

更には栗原と古鷹が話してる写真や一緒に寝ている姿の写真などが貼ってあった

 

栗原「青葉…お前ぇ…」

 

栗原の怒りは1番上まで達していた

 

栗原「おい!お前!ちょっとこっち来い!」

 

青葉「提督の怒り顔いただきぃ!」 カシャ

 

栗原の拳は完全にギュッと強く握っており、青葉にゆっくり近づいていた

 

まずいと気付いたのか古鷹は栗原を抑えた

 

古鷹「栗原さん!落ち着いてください!こんな所で憲兵送りになるつもりですか?!一旦ここは落ち着きましょ?もう、執務室行きましょ?ね?」

 

栗原「ふぅ…そうだな…みんなごめん、」

 

栗原は冷静さを取り戻し執務室へ歩き出した

 

〜執務室にて〜

 

栗原「ふぅ…自分は部下になんてことを…」

 

古鷹「大丈夫ですよ、あんなに怒っても青葉は懲りませんから、はい提督」 コトン…

 

古鷹は栗原の机の上にコーヒーを置く

 

栗原「ありがとう…ゴクン…(う…甘い…)」

 

古鷹「どうかしましたか?」

 

栗原「いや、なんでもないよ、古鷹の淹れるコーヒーはかなり美味いなぁって思ってさ」

 

栗原は笑顔で味の感想を答えなんとか誤魔化す

 

栗原「よし…そろそろ…始めるか…」

 

そう言い栗原は執務机の引き出しを漁り出した、やがて、動きが止まり、机の中から2枚の紙を取り出し机の上に並べる

 

栗原「左は艦娘除籍簿,片方は秘書としての手続きだ」

 

古鷹は一つの紙を眺め、動きを止める

 

古鷹『これを…書いたら…私は…もう…みんなとは…』

 

古鷹は手を強く握っていた

 

栗原も古鷹の様子を見て察したのか古鷹の背中を軽くさする

 

栗原「大丈夫だよ、ただ艦娘としては活動できないが、これからも皆んなとは一緒に居られるよ…」

 

古鷹「そう…ですか…」

 

古鷹は手を震わせ、涙を流しながらペンを持ちその筆先を紙に近づける

 

だが、古鷹は全ての重巡の姉こんな所で泣いてしまっては…

 

っと思い我慢する

 

その時だった

 

ギュッ…

 

古鷹の左手を優しく握り、優しい顔でこちらを見る栗原がいた

 

栗原「泣く時は泣いて良いんだよ…重巡の先駆けとして良く頑張ったね…」

 

栗原は古鷹の手を更に強く握った

 

その瞬間今までの気持ちが吹っ切れたのか体から崩れ

 

古鷹「うわぁぁぁん!」

 

大粒の涙が古鷹の目からは溢れた。

 

古鷹は泣いた、今までの、責任から解放され…

 

〜数分後〜

 

栗原「落ち着いた?」

 

古鷹「はい、大丈夫です。すいません…」

 

栗原「なんで、古鷹が謝るの?」

 

古鷹は予想外の返答に少し戸惑った

 

古鷹「え?だって…いきなり泣いたりして…」

 

栗原「それは…とても良いことじゃないかな?」

 

古鷹「え?」

 

栗原「だって…みんなのことを思って泣く、それは古鷹の良いことだと思うし、古鷹が大事にしていく場所だと思うよ」

 

古鷹「そう…ですね」

 

古鷹は静かに頷きゆっくりとペンを進める

 

そして…古鷹は静かにペンを置いた

 

そこには古鷹っと名前が書いてある紙が2枚あった

 

栗原「え?本当にいいのかい?」

 

古鷹「はい、このような案を出したのは栗原さんの方ですよね?」

 

栗原「そう…だけど…もう思い残すことはないの?」

 

古鷹「はい、もう思い残すことは…ありません!」

 

栗原「そう…か…じゃあ…古鷹これからよろしくお願いします」

 

古鷹「はい、こちらこそ」

 

栗原「じゃあ…君の新しい名前を…発表するよ」

 

古鷹「名前?」

 

栗原「あぁ…だって君はもうこの時点で艦娘ではなく人間だからね、だから艦娘の名前ではなく、人の名前に変えるんだよ」

 

古鷹「なるほど…」

 

栗原「早速、君の名前を言うね……君の名前はーー」

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