〜弾薬のない鎮守府〜 執筆 ヤマメ 投稿 晴朗波 作:晴朗 波
その宛名には…『夕立』っと記されていた
栗原「古鷹…お前はどこまでお人好しなんだ…
まぁ…頼まられたことだし仕方ない…
届けに行くしかないか…」
栗原はまた鎮守府の方に歩みを進めた
〜〜〜〜〜〜〜
栗原「さて…どうしたものか…」
栗原は鎮守府の門の前で立ち止まりもう一度手元の封筒を見た。
栗原「はぁぁぁ…どうすれば良いんだよ…もう、絶対顔を見せないとか言っちゃってるしなぁ…はぁぁぁ…」
吹雪「あれ?提督さんどうしましたか?」
栗原「お!吹雪!良い所に!」
提督は吹雪にことの経緯を詳しく話した
吹雪「なるほど…それじゃあ…私が届けましょうか?」
栗原「良いのか?!」
吹雪「はい!是非やらせてください!夕立ちゃんにも会いたいですし!っていうか聞く前から会った瞬間に頼もうとしてましたよね?でも、何か理由をつけて頼みたかったんですね?」
栗原は頭を軽く掻いた
栗原「あはは、実はそうなんだよ、まだ来て数週間しか経ってないのに吹雪にまで特徴を分かられたか…」
それを聞き吹雪は少しニヤッとイタズラ顔になった
吹雪「提督の心は全てお見通しなんですよ〜」
栗原「お?それなら今何考えてるか教えてみろよ〜?」
吹雪「う〜ん…………」
栗原「分からないな」
吹雪「はい…」
吹雪は顔を赤くして下を向きながら笑いながら答えた
栗原「正解は…夏の大規模作戦の書類作りが面倒くさい!!」
吹雪「大規模作戦?」
栗原「そうか、吹雪はまだ聞いたことなかったな、まぁ、詳しい説明は直前になったら説明するよ」
吹雪「なるほど…」
栗原「それじゃあ、吹雪頼むよ、」
吹雪は栗原から封筒を受け取った
吹雪「確かにいただきました、それではこの手紙責任を持ってお届けします!」
栗原「おう!頼むぞ!」
栗原はまた、元来た道へ戻ろうと向きを変えた
吹雪「あれ?どこへ行かれるのですか?」
栗原「工廠に行くんだよ、」
吹雪「工廠…」
栗原「一緒に来るかい?」
吹雪「いえ、私は手紙を届けなきゃ行けないので大丈夫です」
栗原「そうか、じゃあ時間があったらおいで、一応今日は一日中工廠に居るからさ」
吹雪「じゃあ時間があれば行きますね」
栗原「おう!」
栗原は手をあげ返事をしそれぞれが違う方向に歩いた
〜〜〜〜吹雪〜〜〜〜
吹雪「じゃあ届けに行こうかな」
その時だった
「どこ行くの〜?」
遠くから聞き覚えのある声が聞こえてきた
どうやらその声は上から聞こえてくるようだ
吹雪は鎮守府の2階の窓の方を見上げた
そこには窓から顔を出している睦月が居た
吹雪「提督に頼まれてね、ちょっと憲兵さんの所行くんだ」
睦月「憲兵…もしかして夕立ちゃんの所?」
吹雪「う、うん、」
睦月「待って!私も行く!」
睦月は窓から離れた。
すると、階段をものすごい勢いで降りてるのであろう、足音が吹雪の居る外まで響いた
睦月「お待たせ〜ごめんね、いきなり、連れてってなんて言ってさ」
睦月の謝罪に対して、吹雪は顔を横に振った
吹雪「大丈夫だよ、久々に会いたいよね,分かるよその気持ち、」
睦月は下を向く
睦月「絶対に…夕立ちゃんを…解放する…提督さんにも説得し続けるつもりだし……」
ガシッ
睦月「え?」
その瞬間吹雪は睦月の手を強く握った
そして、吹雪は一度俯き、また顔を上げ睦月に満面の笑みを浮かべた
吹雪「絶対に…絶対に!夕立ちゃんを解放しよう!」
睦月「うん!」
吹雪「それじゃあ行こ!」
睦月と吹雪は歩みを進めた
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
憲兵「ごめんね、入れないんだよ」
二人「え?どうして?!どうしてですか?!」
二人は憲兵に涙を浮かべながら、大きな声で問い詰める
憲兵「提督さんとか軍関係者のトップしか自由に出入り出来ないんだよね、本当にごめんよ、」
二人は下を向きながら、
憲兵「ごめんね…自分も…会わせたい気持ちは山々なんだよ…ごめn…「どうした!?」
突然大きな声が事務所内に響いた
そして、中から、また憲兵が何人出てきた、その中でも真ん中を歩く人だけは周りとは違う雰囲気が溢れ出ていた
雰囲気の違う憲兵「中野ぉ!」
中野「は、はい!」
雰囲気の違う憲兵「お前!女の子を落ち込ませるとはどういうことだ!男として恥を知れ!」
中野「も、申し訳ありません!」
どうやら、この隊員の名は中野と言うようだ
中野は深く頭を下げた
雰囲気の違う憲兵は二人の方に顔をやり近づき膝を着いてしゃがみ手を差し伸ばした
雰囲気の違う憲兵「うちの隊員がすまなかったお二人さん、大丈夫かい?」
憲兵は二人に差し伸べた
だが、二人は警戒してか、手を握ろうとしない、
雰囲気の違う憲兵「おっと、すまない、まだ名前を名乗ってなかったね,私はここの憲兵団の隊長をしている、北川だ、先ほどはウチの隊員がすまなかった、改めて謝罪を申し上げる」
北川は二人に深く頭を下げた
吹雪「大丈夫ですよ!頭を上げてください!」
睦月「そ、そうですよ!憲兵さんは誰も悪くありません!私達のただのわがままなんですよ!」
二人は焦りすぐさま顔を上げさせる、
だが、北川は顔をあげようとしない
北川「いや、そういう訳にはいかん!女子を落ち込ませた時点で男として失格です!どんな、罰でも、快く受けます!どうか、私達に何かしらの助罰を!」
二人は戸惑い、一旦集まった
吹雪「どうする?」ヒソヒソ
睦月「あの人絶対頭固いよ…多分、普通に言ったら多分、聞いてくれない」
『そうだ』
その時吹雪が何かを閃いた
吹雪「睦月ちゃん」
睦月「ん?何?」
吹雪「あのね………」
睦月「良いね、それ!」
二人は北川の方をまた向き話しかける
吹雪「貴方に罰を与える前に、一つ言いたいことがあります」
北川「はい、なんなりと!」
吹雪「北川さん、貴方は私達を2回も困らせました」
北川「な、なぜですか?!」
吹雪「一度は中野さんに、2度目は北川さんです、何度も頭を上げるよう促したにも関わらず、ずっと、その、命令を拒否それが貴方の罪状です」
北川「そんなことが…本当に申し訳ありません!」
睦月「それでは、北川さんと憲兵の皆さんに処罰内容を発表します」
憲兵一同「ゴクリ…」
睦月「内容は、まず、夕立ちゃんに、会わせること、これからはもう少し親しく接し、大きなことがない限り、謝罪はしなくて良いことそして、私達と男を平等に接すること」
北川「そ、そんなことで良いのですか?」
吹雪「それだけ、承諾してくれれば、後は何も求めません、」
北川「しょ、承知しました、私達憲兵団、肝に命じます。お前達!今のお言葉聞いたか!?しっかり、守れよ!」
北川は大きな声で全員に伝える
憲兵達「はい!」
北川「よし、ってことで…お二人は夕立さんに会いたいんですねどうぞお入りください」
吹雪「え?良いんですか?!」
北川「勿論、今回の私の処罰ですし」
北川は吹雪を中へ招き入れた
二人は少し戸惑いながらもゆっくりと中へと入った
〜〜どんな感じかは前と同じ〜〜
二人は一つの檻の前に立った
北川「夕立!面会だ!」
夕立「あぁ…何?面会?提督とは縁を切ってるは、ず…っぽい……えぇ?!」
夕立と二人は目が合った
吹雪「ひ、久しぶり」
睦月「げ、元気だった?」
夕立「ど、どうしたの?!ってかどうやって入ったの?!」
吹雪「それは……」
〜〜〜〜〜〜
夕立「あは、あはは!それはフフッそんなことがあったっぽい」
夕立は大笑いをし、本当にここが拘置所なのかすら怪しい雰囲気になるくらい、和んだ雰囲気になった
北川「お楽しみの所申し訳ありませんが、ここが拘置所だと言うことをお忘れではないでしょうか」
吹雪「あ、すいません」
北川「いえいえ、幸いここに居るのは貴方方だけです、ですが、声量の方はお気をつけて下さい」
吹雪「はい、気をつけます」
夕立「そういえば、私に何の用っぽい?」
睦月「今日はこれを渡そうと思ってさ」
睦月は夕立に例の封筒を渡した
夕立「これは、何?」
吹雪「提督から渡されたんだ」
夕立「提督?どうして?」
吹雪「さ、さぁ?」
夕立「ふ〜ん…1人にしてもらっていいかな?」
睦月「え?どうして?」
吹雪「睦月ちゃん、ここは一人にさせてあげよう」
睦月「え?」
睦月は戸惑った様子でいたが、吹雪の真剣な顔を見てどういうことか察し
吹雪と共に外に出た
ガチャ…
また、牢屋にドアの音が響いた
夕立「…」
ゴソゴソ
夕立は黙って封筒を開け中身を取り出した
中には1枚の紙が入っていた
夕立「手紙?」
夕立はその内容を読んだ
だが…ある違和感に気付いた
夕立「これ…提督の文字には見えない…」
夕立は不審に感じながらも書かれている文字を読み始めたが…それも一瞬で終わった
夕立「え?」
「夕立へ
私は…貴方を許します。そして…ここから出るか出ないかは貴方に託します」
手紙には、その、十数文字だけしか描かれていなかった
夕立「これは…どういうこと…そして、誰だろう…これを描いたのは…ん?」
夕立の持っていた封筒からもう一枚の紙が出てきた、
夕立「え?!これって…」
その紙には提督の印が入っており、その紙には「釈放命令」(実際そんなの無いと思う知らんけど)
っと書かれていた。
夕立「なに…これ…初めて見た…ん?でも…さっきの文字が提督のやつでは無いと考えると…」
夕立はもう一度文章を読んだ
何度か見直してみると、一つの答えに繋がった
夕立「提督の書いた文章ではないと考えると……」
夕立は今までの出来事を振り返り深く考えた
夕立「?!」
夕立は一つの考えに辿り着いた
夕立「古鷹…さん………?ふふ…古鷹さん…貴方…お人好しすぎるよ…」
夕立は笑った、ただ目から涙を溢しながら…
〜〜〜〜〜〜〜