「唐揚げが食いたい」
「突然なんですか。皐月さん」
唐突に飯テロみたいなことを言う皐月に、テトラが突っ込みを入れる。
「いや、さっきギャザで材料揃ったから、カフェで料理作成してたのよ。で、その中に唐揚げがあったので何となく」
「いいですね。でしたら近くのコンビニで買ってくるとか?」
ドルチェが同調しながら、提案を出す。
「いつも自分ちで作って食べてるんで、コンビニのは食べませんね」
「へえ、皐月さんリアルで料理できるんですね」
「自分好みに味付けできるから、美味しく食べられるよ? テトラちゃんもやってみたら?」
仲良くなってきたのか、皐月はテトラに対して結構くだけた話し方もしてくるようになっている。
「ええ、料理って難しそうじゃないですか」
「そんなことないですよ。構えてしまうから難しく感じるだけで、シンプルな料理を作ればいいんです。卵焼きなんて特に簡単です」
「そこに追加で縮緬雑魚や刻んだホウレン草入れるのもいいよー。そのままだと食いにくい野菜や魚も食いやすくなるから」
テトラ・ドルチェ・皐月の順に、流れていくチャット。
「一番簡単なのは、カレーだね。市販のルー買ってきて、後は具材を適当な大きさに切って煮込んで柔らかくなったらルー投入すれば完成」
「そうですね。うちは甘口か中辛です」
「こっちは辛口でルーをご飯にたっぷりかけてる」
口の中で涎が出てきて、味を想像するテトラ。
「……お腹空いてきました」
「飯テロ成功w」
「はめましたね! 皐月さん」
「うむ。こういうのは夜のゲーム中における定番の会話ネタよ♪」
現実でいい顔してるだろうなと、テトラは想像する。
「でも夜食は美味しいですが、寝る前に食べるのはちょっと気になってしまいますね」
「ドルチェさんだとそうでしょうね。まあ、おっさんとしては問題ないので」
「……え。皐月さんさらっとリアル情報流してますけど」
「私は女性キャラ使ってるだけで中身は男性だよ。別に性別まで隠す必要は無い」
ネカマしているテトラにとっては、結構大ごとである。
「まあ、他人にまでそれを押し付けないから、普通に扱ってくれればいいさ」
「皐月さん、男性キャラが女性キャラ使うのって」
ドルチェがそのまま疑問になったのか聞いてみるが、
「男の尻見るより、女性キャラ扱うほうが楽しいから」
ぶっちゃけていた。
「みたらしさんと同類だったんですね。皐月さん」
「? みたらしさんは普通にいいひとだけど?」
「えちえちなスクショ大好きですよ。みたらしさんは」
「その話kwsk」
最初の会話からどんどんずれていくのは、ネトゲチャットの定番でした。