~つまり会話とは己の世界観である~
「しかし、新NPCのキョクヤ君、面白すぎるなあ」
中二病台詞満載のオートワード作ってる皐月が言う。
テトラとしては、同類みたいなものじゃないのかと思ってるので、ちょっと首をかしげる。
ぷそ煮メモ~キョクヤ~
EP6から追加された新クラスの登場人物。
自分の事を黒き狼とか影だとか自称していて、漫画でよくある謎のキャラクターを演じてるよ。でもストラトスの幼馴染。……10代は中身は無くてもかっこつけたい年頃。
「ええ、皐月さんがそれ言いますか?」
「何を言っているのかね? テトラちゃん。本気で自分をカッコいいと思いながら言う台詞と、わざとそういう台詞を作って楽しむ私では、意識が違うのだよワトソン君」
テトラとしてはキョクヤを見る度に、自分の中二病時代を思い出す。
「しかも現実と違って、フォトンという力があるから余計に拗らせてるからね。ストーリーで煽るほうの選択肢選ぶと尚笑えてくる」
「た、楽しみ方がねじ曲がっている」
「ははははは、おじさんになれば今迄読んだり見てきた漫画やアニメが多すぎて、どれもこれも見たことある物語みたいなものになってしまうのだよ。
であるからして、同じ物語を見たとしても若い時とおじさんの時では受け止め方も視点も変わってしまうのさ。
っふ、これが年を取るという事なのだよ。ワトソン君」
「何故にホームズが出てくるんですか? まるで私の役どころが読者へ教えるためのキャラクターにされてるんですけどー!?
「何を仰るウサギさん。ロールプレイはネトゲにおいての華と称すこともあるのだぞ。NPCキャラを作成してなりきりをやっているキャラを見たまえ。
見てる分には物凄く笑わせてくれる。ある時はルーサーを演じ、ある時はマトイを演じ、ある時は下ネタキャラと化す。
しかしてその実態は」
「あ~、皐月さんがとりあえずボケまくってくれていることは理解できました。
しかし、それに対してどう突っ込みを入れたらわかりません」
「(´・ω・`)」
「何故に皐月さんが悲しくなるのか私にはわかりません」
テトラ。段々皐月の相手をするのに頭が痛くなってきた。
「やっほー。皐月さんテトちゃん。今日も今日とてクエスト一緒にいこうぜい」
ログインしてきたみたらしがブロック移動してきて、チャットに加わってくる。
「了解。さて久しぶりに軍服衣装以外を着て、クエいくかなー」
「え? 皐月さん他の衣装着るの? なら足と肩と胸の谷間出そうよ。スクショ取りまくるべ」
「私の肌はお安くないわよ?」
「へっへっへ、この前マスカレーダで高額因子入手して売れたから、数千万メセタなら持ってるぜ」
「っく、こうやって世の人々は心無い金持ちに自分の身を売るしかないのね」
「そう、世の中なぞ金があれば大体の物事は片付くのさ。さあ皐月さん。私が用意したこの衣装を着るのだー。えちえち衣装はネトゲの華」
なんだろう。この二人だとあっという間にチャットログが流れる阿保みたいなチャット内容を見ていると、自分のコミュニケーション能力が低いのかと思ってしまうテトラ。
頑張れテトラ。このPTの平穏は君にかかっている。