破壊神ゴジラvs守護神コング   作:井上ああああ

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第四話 タイタンの戦い

コングがこの地で怪獣を迎撃してから数日がたった。

 

コングが怪獣を撃退したことを受け、アメリカ政府は急ピッチでことを勧めた。

彼を運搬する専用の飛行機・戦艦の開発などの計画が徐々に進んでいった。

いずれは、アメリカの各都市に怪獣が来た場合派遣するように勧められている。

そんなことを知らないコングは自然公園で今日も動植物を食べていた。

 

 

もう夏だ。

ジェームズはその日、訓練はなくホテルの一室にいた。

ベンチからコングを見つめるのが日課になっている。

シャワーを浴びて、外に出てきたジェームズはコングを見つめ朝の挨拶をした。

 

 

 

「おはようコング。…ってもう午後だった。」

 

 

 

朝の挨拶をした。

昨日は少し飲み過ぎた。

 

 

 

「ああ、彼女は‥学校か。」

 

 

アナは最近近くの軍が経営している学校に行き始めた。

そこは民間人の子供も入ってくる学校だ。

ジェームズとしては外の世界を楽しみたいなら学校しかないと考えていた。

ふと、彼の部屋をノックする音がした。

 

 

「ああ,なんだい今行くよ。」

 

 

ふと、そこにはメアリー・パク。

アナの専門カウンセラーがいた。

 

 

「やあ、先生。どうしたの。」

 

 

メアリーはラフなファッションのジェームズを見て驚いていた。

 

 

「あ、あら…どうもジェームズ…あの何というか…。」

 

彼はタオル一枚を羽織っただけの姿だ。

その肉体美に思わず見とれてしまった彼女は用事を思い出した。

 

 

「あの、アナに会いたくてきたんだけど。仕事とかそんなのじゃなくて‥。」

「そりゃよかった、もうそそろ『迎えに行こう』と思ってたんだ。」

「あ、あのお邪魔だったかしら。」

「そんなことはないさ、一緒にお迎えに行こう。」

 

 

メアリーは胸の高鳴りが止まらなかった。

以前からずっとセクシーだと思っていたけど、いざとなるとこうなんて。

しかも恐らく彼は意識をしていない。

 

 

「いや、きっとお邪魔よ。」

「その前に…服を着てよ!!!」

「ハハハ、ウブだね。まあいいや。」

 

 

ジェームズはタンクトップとショートのジーパンに履き替えた。

メアリーはむしろ逆にもっとセクシーだと感じてしまった。

 

 

「あ、あの…あなたって…その…。」

「あ、そろそろお迎えの時間だ。一緒に行こう。」

「あ、ええ‥はい!」

 

 

 

彼の案内でジェームズの車に乗った。

そのさなか、メアリーはジェームズとキスをする夢想をしては胸を勝手に高鳴らせていた。

 

 

 

「あのさ、先生」

「え?カレシですか?いませんけど」

「ごめん、そんなのは聞いてないって。」

 

 

メアリーは少し落ち込んだ。

 

 

「そうそうアナの事。彼女に会いに来たってことはさ、何かあるんじゃないの彼女に言いたいこと。」

 

 

メアリーは思い出した。

 

 

「ええ、そう‥アナ。彼女、コングと意識がシンクロしているんです。」

 

 

ジェームズには思い当たる節があった。

そうだ、彼はなんどもみた。

アナとコングの意識が交わっている。

コングが苦しむと、彼女が苦しむこともあった。

 

 

 

「知っているよ…。」

「だから、少し心配で私‥。」

「…僕も心配だ。」

 

 

車が止まった。

ジェームズは真剣な顔をしている。

 

 

 

「キミは彼女がコングと戦うことには反対か」

 

 

 

メアリーの目が少し震えた。

軍人の前で言う事ではないと彼女は考えていたのだろう。

だが、言った。

 

 

「正直に言うと、反対です。私は彼女が心配ですから、でも彼女しかコングを操れないとしたら仕方ありませんよね。」

 

 

 

ジェームズは黙って聞いていた。

やがて、ハイスクールにたどり着いた。

複数の生徒が出てきている。

 

 

「いいな、ハイスクール」

「いったことがないの?」

「俺は10代はずーっと児童養護施設にいた。こんな親のちゃんといる子供のハイスクールなんかに行った覚えはないね。ガキのころゴジラのせいでお袋も親父も死んじまった。」

「まあ…お気の毒に」

「気にしないでくれ。」

 

 

 

生徒の中にアナがいた。

彼女は友人ができたのか、少年が近くにいた。

ナード風の顔をしている。

それ以外にもアジア系の少女たちがいる。

 

 

 

「おやおや、さっそくカレシができたか。成長が早いな女の子ってのは…。」

 

 

 

ジェームズは車から出ると、彼女を迎えに来た。

 

 

 

「アナ、一応お迎えに来たよ。それとも、お迎えはいらないかい?お嬢さん。」

「いいの、ジェームズ。」

 

 

 

アナはふとメアリーとジェームズをみた。

すると、後ろにいた女子が冷やかした。

 

 

 

「あら、アレあなたのお兄さん?」

「ちょっとハンサムじゃない。」

「あんな人と暮らしてるなんて…私の兄貴と交換してよ!」

 

 

ジェームズは少女たちにも手を振りウィンクした。

すると恥ずかしそうにアナは車のドアを開けて中に入った。

 

 

「キミにも恥じらいがあったなんて驚きだね。」

「いいから出して。」

 

 

ふとアナは横にいるメアリーの存在に気が付いた。

 

 

 

「アナ!」

「先生、どうされたんですか」

「うん、カウンセリングを行いたくてあなたの部屋に来たけど、いなくて…。」

 

 

 

ジェームズはふと、アナの友人たちの中での男をみつめた。

メガネをかけたナード風の少年だ。

彼はアナを目で追っている。

彼女に気があるな。

 

 

 

 

「‥‥キミ、基地の近くに住んでるよな。」

「え?!」

「知ってる、顔をみたことがあるよ。キミも乗っていくか?」

「えええっと・・・それは。」

 

 

 

ジェームズは少年の肩に手を当て、耳元で話した。

 

 

「アナもついてくるぞ、どうする?」

「え、ああ‥ええーっとはい!」

「じゃあ決まりだ。あ、そうだ名前は何だ?」

「ピーターです!」

 

 

ピーター?

そういえばスパイダーマンに似てるなコイツ。

 

 

「よし、スパイディ」

「スパイディじゃないです…。」

 

 

ジェームズは無視した。

そして、後部座席にいるメアリーに話しかけた。

 

 

「先生、助手席にうつってくれないか。」

「え!?あ、はい…。」

 

 

 

二組のカップルを乗せた車は出発した。

社内には気まずい沈黙が張り詰めた。

 

 

「・・・・・・・」

「・・・・・・・」

 

 

ジェームズは運転席から微笑んだ。

 

 

「学校は楽しいかアナ」

「楽しい‥友達いるし」

 

 

彼はバックミラーこしにアナをみた。

彼女は笑顔だ。

ジェームズはそんな彼女をみて羨ましくも、微笑ましく感じた。

 

 

「そうか、で…キミはどうだ。スパイディ。」

「スパイディではないです…学校は楽しいです。」

「ピーターは図書館でいつも本を読んでる。好きな本も紹介してくれるの。私、本好きだから。」

 

 

本が好きか。

 

 

「どんな本が彼女は好きなんだ」

「動物の本です、動物が好きなんです」

 

 

アナは幸せそうだ。

友人とも仲良くしている。

外の世界に連れ出したことは間違っていないんだ。

 

 

「フフ、ジェームズさん、もうすっかり父親の顔でしたよ。」

 

 

メアリーはほくそ笑んで言った。

 

 

「ああ、そうだ‥。」

 

 

そんな時だった。

基地の近くについた。

兵士の一人がジェームズの近くによってきた。

 

 

「中尉殿!」

「何だ。」

「ここでは、少し」

 

 

兵士は運転席からジェームズを出てくるようにお願いした。

ジェームズは運転席から出ると兵士に会話を再開した。

 

 

「…怪獣です。」

「怪獣!?」

「コング出動の要請がきています。」

「‥‥なんだって!?」

 

 

ジェームズの顔がこわばった。

そんな時だった、後部座席にいるアナが何かを感じ取っていた。

彼女の小さな産毛が逆立っていた。

 

 

「どうしたの」

 

 

ピーターがアナに話しかける。

 

 

 

「なんでもない。」

 

 

アナは外にいるジェームズをみた。

彼は察すると後部座席を開けた。

 

 

「すまない、これから用事があるんだ。」

 

 

ピーターはキョトンとした顔でみつめた。

この無邪気な少年は全てを知るには早い。

それだけじゃない。

 

 

「先生…悪いが、カウンセリングはまたにしてほしい。」

 

 

メアリーは察すると、ピーターの腕をたたいた。

 

 

「じゃあ、私が家まで送ってあげる。」

「え!?でも…」

「いいからいくわよ!」

 

 

メアリーはピーターを連れた。

彼女はジェームズに何かうなづき、合図していた。

それは「もう彼は私に任せても大丈夫」という物だった。

 

 

 

ジェームズは後部座席に残されたアナを迎えに行った。

ドアを開けると、ジェームズはアナの様子を見つめた。

 

 

 

「アナ…すまない。」

「わかっている、コングでしょ。知っているわ。」

「俺にできることがあれば…。」

「いいの、やるしかない。それが私たちの運命だから。」

 

 

 

アナはそう言い、自然公園の中へ入っていった。

そこではコングがすでに待機していた。

300mの猿人は人のように直立不動の二足歩行で立っていた。

 

 

 

「アナ…!」

 

 

ジェームズが後を追いかけていた。

アナは何も言わなかった。

 

 

「…コングは準備はできてるみたい。」

 

 

そうすると、コングはてのひらを差し出しアナを迎え入れた。

 

 

「キミもいくのか!?」

「ええ、そうじゃないと彼は…人間を認識できなくなってしまうから。」

 

 

 

アナはコングの掌の中に納まった。

 

 

 

「おい、待て!僕もいく!」

「え?」

「お前を守る、そういう約束だ!敵国がそこにいたら、もうそれでおしまいなんだよ!」

 

 

 

 

アナはジェームズに微笑んだ。

 

 

「じゃあ、乗って。」

 

 

 

二人はコングの掌の上に乗った。

コングはそれを優しく抱き寄せた。

そして、コングは地面にしゃがむと、大きくジャンプした。

その時起きた振動と地鳴りで、自然公園内で軽い地震が起きていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アメリカ、ネバダ州モハーベ砂漠ラスベガス

 

 

そこでは3体の怪獣が暴れていた。

サイのような岩肌をした人間型の怪獣トロール。

300mある巨体の3兄弟は本能のまま暴れ狂い高層ビルを破壊していた。

 

 

そして、彼らは避難所に押し寄せていた人々をみつけるとまるでスナックを食べるように手でつかみバリボリと口の中へと運んでいった。

 

 

 

ゴガアアアアああああッ!!!!!

 

 

 

咆哮をあげ興奮しながら肉食を楽しむ巨人怪獣。

 

 

 

しかし、そんな彼らの前に天空から邪魔者がふってきた。

 

 

 

 

ドシぃいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!

 

 

 

 

コングはフロリダ州からたった一つのジャンプでネバダ州までとんできた。

両脚を地面につけ、片腕を地面に降ろした。

そして、片腕を下すと、その中にいたアナとジェームズをこっそりと砂漠の中に隠した。

 

 

 

ジェームズは呆然としていた。

コングとアナには、人がわからない世界がある。

その世界と人類は繋がってしまった。

それは幸運なのか不幸なのか、彼にはわからないでいた。

 

 

アナとジェームズは素早く、安全な場所へと逃げていった。

コングはそれを目で追った。

 

 

 

 

 

 

トロール三兄弟は、コングをギロリと睨んだ。

自分たちの食事を邪魔する謎の怪獣。

コングは立ち上がると、胸をドラミング状で叩きながら獅子のような咆哮をあげた。

 

 

 

 

 

ゴアあああああああああああああああああああッ!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

トロールは怒りながら大きく息を吸った。

そして、大きく息を拭いた。

それは砂嵐のようになるとコングの前に襲い掛かった。

コングの目の前を砂嵐が覆うとその勢いにコングは吹き飛ばされ、思わず尻もちをついた。

 

 

 

 

グうう‥‥!!!

 

 

 

想像以上に強い。

おまけに視界が遮られてしまう。

目の前に入った砂を払おうとコングがしていると、脇からトロール二体がやってきた。

 

 

 

ゴン!!!

 

 

 

 

トロールは巨大な拳を使いコングの顔を殴りつけた。

別のトロールもそれに続く。

 

 

ゴン!!!!

 

 

 

コングの頭に衝撃が走る。

そして、二体はコングを捕えた。

 

 

 

ゴガアアアアあああああああッ!!!!!!

 

 

 

長男と思われる一番大きな個体が近づいた。

トドメをさそうとしていた。

そして、近づいたその瞬間だった。

 

 

 

にやっ…!!!

 

 

 

コングは笑顔で顔をゆがめた。

これは作戦だった。

コングは大きく頭を振り上げると、トロールの長男の頭めがけて頭突きを食らわせた。

 

 

 

 

グギャああああああああッ!!!!

 

 

 

トロールの脳味噌は揺れると頭を押さえ地面に倒れた。

そしてコングは自身を押さえつけていた二体をみつめると、目を赤く輝かせた。

すると、コングの全身から大電流が放たれた。

コングの両腕をつかんでいた二体は電撃に襲われた。

 

 

 

ガガガガ…!!!

 

 

 

二体のトロールは悲鳴を上げると、そのまま放たれた放電で苦しみそのまま絶命をした。

地面に倒れていた長男トロールは起き上がるとコングに対して憤怒の声をあげた。

 

 

があああああああああッ!!!!

 

 

コングは、それをみるとかかってこいと胸を叩き挑発した。

やがて300mの巨体同士はお互いに取っ組み合うとラスベガスの市街地に向かい直進した。

ルクソールを踏み荒らし、カジノを踏みつぶしながらトロールとコングはレスラーのようにつかみ合い力比べをした。

 

 

 

 

グルぅううううう!!!

 

 

コングは唸り声をあげ放電した。

だが、この長男トロールは弟たちと違い、電気が通じないようだ。

サイのような岩肌は電気を吸収し、剛力のみでコングと渡り合おうとした。

高層ビルを破壊し、お互いが互角の腕力のまま硬直した状態が続いた。

 

 

 

避難民は思わずコングとトロールの戦いをみつめていた。

 

 

 

すると、コングは以前ロシア軍の兵士がやっていた技を思い出した。

片腕をつかみ背中越しで持ち上げ地面に叩き落とす。

その映像を頭で思い出すとコングはトロールを同じような形で投げ飛ばした。

トロールは超高層ビルの真ん中に倒れた。

 

 

 

これをみた、ジェームズは呆然とした。

 

 

 

「これは柔道の一本背負いだ」

 

 

 

コングは人間の技を研究し、学んでいる。

腕力では互角、自分の特殊能力が通じない。

であれば、技で戦う。

こいつは天才だ。

戦闘の天才だ。

 

 

 

トロールは自身が投げ飛ばされたことに気が付くと、悔しそうに吠えた。

そして、コングに向かいパンチを繰り出した。

コングはそれを避けることができず、パンチを受けてしまった。

 

 

 

ゴンッ!!!!!

 

 

 

コングの口から歯が飛び出した。

そして、鼻から血が流れた。

コングは地面に横たわりそうになった。

 

 

 

「…まずいな。」

 

 

アナも苦しそうにしている。

その時、ジェームズは思いついた。

訓練所にいた時の教官のアドバイス。

 

 

『相手の腹めがけて殴ってやれ。どんな奴も腹に弱点がある。』

 

 

「そうだ!」

 

 

コングもあの巨人の怪物も人間と変わらない骨格と体系をしている。

そして体格もほぼ同格だ。

ということは…。

 

 

 

「ボディブローだよ!!」

「?」

「あいつの腹を殴ってやれ!そうコングに言うんだ!!」

 

 

 

アナはいわれたままコングに命令を出した。

コングは立ち上がった。

すると、まるでボクサーのファイティングポーズのように両腕を前に出し構えた。

かつてロシア軍基地で捕縛されている時に、似たような動きをみたことがある。

兵士たちの戯れで行っていた動き。

 

 

 

 

グるぅっ!!!!!!

 

 

 

 

 

コングは赤い目を輝かせると、腕の筋肉を膨らませた。

そして、トロールの腹部にめがけて拳を突き刺した。

 

 

 

 

ドゴンッ!!!

 

 

 

 

衝撃波が発生しビルが崩れていった。

トロ―ルの腹の肉が衝撃で膨れ上がっていくのがみえた。

トロールは腹を抑えると、地面に片膝をついた。

 

 

 

「いいぞ!勝てるッ!!!そのまま次の攻撃を出すんだ!!!今度は顔を殴ってやれっ!!!!ストレートだ!!!」

 

 

 

 

アナはそのままコングに伝えた。

巨大な猿人は全身の力を拳にこめると、トロールの顔めがけて二発目を食らわせた。。

 

 

 

ドゴンッ!!!!!

 

 

 

 

トロ―ルはふたたびのけぞった。

彼はフラついている。

 

 

 

「いいぞッ!!!今度はジャンプして拳を相手の顔面に突き出す。スーパーマンパンチだッ!!!!」

 

 

アナはジェームズの言葉をコングに伝えた。

そして、コングは指示通り大きくジャンプすると拳を突き出すパンチを繰り出した。

トロールの顔面にコングの拳は突き出した。

 

 

 

ズパあああああああああああああああン!!!!!

 

 

凄まじい音が広がった。

 

 

ゴキ、バリっ‥‥。

 

 

鈍い音がした。

トロールの頭蓋骨は砕けた。

脳味噌は震え、意識が吹き飛んだ。

そして、トロールの顔面は砕け、トロール三兄弟の生き残りはダウンした。

 

 

 

 

 

コングは勝利した。

 

 

 

生き残った人々はコングへ恐怖の目線を向けた。

突如やってきた怪獣に人々は恐れていた。

コングは人々をみつめた。

すると、ビルから落ちそうになっている若い女性をみつけた。

 

 

どうやらビルに残って避難できなかった人のようだ。

彼女はコングとトロールの戦いの影響で崩れ、むき出しになった鉄骨にぶらがさり、100m先に落下しそうになっていた。

もはや、手の力もなくなったのだろう。

 

 

安全な場所にいたアナはそれに気が付いた。

 

 

「コング助けてあげて」

 

 

両手を重ね合わせ念じた。

 

 

 

 

女性が助けを求めた瞬間だった。

コングは掌をのばし、女性を受け止めた。

そして、優しく地面におろしていった。

女性は助けられたことに困惑していた。

 

 

「ありがとう」

 

 

感謝はしていたようだ。

人々はコングをみると歓声とともにむかえていった。

それをジェームズとアナは誇らしげにみつめている。

 

 

ここに新しいアメリカンヒーローが誕生した。

それはコングであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その一方、太平洋の先にあるマリアナ海溝。

その奥底には次元の裂け目があった。

裂けめの先には、もう一つの地球があった。

 

 

 

 

 

そこは、ジェームズたちが生きる地球とは違い大きな怪獣たちが生きている世界だった。

 

 

 

そこは酸の海と毒の山が広がる死の魔境。

近づく生命体は死に絶え、住み着くものは狂暴凶悪に進化する場所であった。

そんな中、赤い甲殻類型怪獣の王デストロイアは翼を伸ばし、歯ぎしりをしながらある怪獣を待ち受けていた。

 

 

 

 

 

ズシィイン‥‥。

 

 

 

 

地鳴りが響く。

そこには黒い岩肌の竜王がいた。

彼はデストロイアと変わらない体格をしていた。

デストロイアは、愚かにもこの黒い竜王の住む世界に足を踏み入れてしまった。

それは縄張りを侵したということだった。

 

 

 

デストロイアは雄たけびをあげ口から自身の死の物質がこもった光線を放った。

 

 

 

 

ゴガアアアアあああああッ!!!!!!!!!!

 

 

 

 

竜王の体は押されている。

3000mある岩山を砕き、押し戻された竜王は酸の海の中へと押し戻されて行った。

酸の海の中にいたへドラは急な来客の襲来に驚くが、すぐに来訪者を硫酸ヘドロで包まれたからだで覆うと殺害を始めようとした。

 

 

 

これでいい。

全ては策通り。

あの竜王はまんまとハメられた。

 

 

 

あそこにいるへドラは、デストロイアですらてこずる相手。

彼は若い黒竜の個体がアレに倒されたのを覚えている。

 

 

勝利。

 

 

 

デストロイアの頭の中で、それが浮かんだはずだった。

 

 

 

 

 

 

ギシャアあああああああッ!!!!!

 

 

 

 

 

声が上がった。

それはデストロイアの宿敵の物ではなかった。

へドラの物・・・。

 

 

 

 

 

巨大な衝撃波が酸の海を干上がらせた。

凄まじい熱をデストロイアは感じた。

そこにはいた。

 

 

 

 

黒竜の王が。

白い瞳孔の無い二つの目がぎょろりと浮かんだ。

その手には赤いへドラの目が掴まれていた。

 

 

 

 

デストロイアは死を覚悟した。

巨大な悪魔の翼を伸ばし、デストロイアはゴジラのその身に特攻を食らわせた。

素早く動いたことが功を奏した。

黒い竜の王はデストロイアの体にぶつかると、地面に転がった。

その隙に、デストロイアは尾の先についたハサミを使い、竜王の首をつかむと地面にひきずった。

 

 

 

 

勝てるかもしれない。

 

 

 

 

デストロイアにそんな気持ちが生まれたその時だった。

身長500m体重90万トン以上全長1900mの赤い邪神デストロイアの体が止まった。

彼は尾の先にいる宿敵をみた。

 

 

 

 

竜王の息は上がっていなかった。

彼は万力の腕を伸ばすとデストロイアのハサミを軽々と掴んだ。

 

 

 

 

 

バシュッ‥‥。

 

 

 

 

音がした。

デストロイアの尾は引き千切れ、蛍光色の血を吹き出した。

そして、黒龍は口から軽く青白い光を放った。

 

 

 

 

ドごオオオおおおおおおオオン!!!!!!

 

 

 

 

凄まじい衝撃波があたりを包んだ。

死の魔境は汚染物質すらも無に変えた。

そこにいた無数の魔物たちは一気に死滅した。

 

 

 

 

デストロイアの翼に大きな穴があくと全身を炎で包まれた。

熱を吸収するデストロイアの体も勝てないほどの熱が全身を包んだ。

しかし、デストロイアは狡猾であった。

地面に倒れて、死ぬ間際自身の体を複数の個体に分裂にした。

 

 

 

 

そして赤い無数の小型はゴジラの体を覆いつくした。

甲殻類のような小型の群れは黒い竜王を包むとその皮膚を牙や爪で突き刺そうとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、その時だった。

彼らは怒らせてはいけないものを怒らせてしまった。

黒い竜王の背びれは青白い物から赤く光りあがると、全身周囲を包み巨大な衝撃波と炎、そして絶望と苦痛と憎悪と憤怒の精神エネルギーを解き放った。

 

 

 

 

ゴガアアアアああああああああああああッ!!!!!!

 

 

 

 

無数のデストロイアたちはそのエネルギーに耐えきれることはできず、一瞬で消されて行った。

やがて大きなキノコ雲が上がった。

そこにはかつて、大陸であったものがあった。

無数の生命体の死と無念の魂があがった。

竜王はそんな魂すらも吸収すると、自身の糧と変えていった。

 

 

 

 

デストロイアは偶然生きていた。

最後の一体だった。

黒竜王は白く濁った眼でみつめた。

その虚無の瞳にデストロイアは絶望を感じた。

 

 

 

 

不死身になっても何度やっても殺される。

敵わない。

降参の声をあげ、魔物たちの王であるデストロイアは竜の王に忠誠を誓った。

 

 

 

彼は、ふと先を見つめた。

次元の裂け目がある。

彼は向こうの地球にもう一度行くのは悪くない考えだと、思った。

 

 

黒い竜の王。

破壊の神。

怪獣の王。

 

 

 

その者は彼らの住む世界とは別の地球ではこういわれた。

 

 

そして、彼は向っていった。

ジェームズたちの住む次元へ。

彼こそが、20年前にアメリカを襲撃したゴジラそのものだったからだ。

 

 

 

コングとゴジラの争いは、徐々に始まりを迎えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




12~15話で完結を目指そうとしてます
しばらくゴジラは出てきません
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