破壊神ゴジラvs守護神コング   作:井上ああああ

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第六話 コングの暴走

自然公園近くのホテル。

早朝だ。

 

ジェームズはアイスコーヒーを飲みながら、テラスから外の光景を見た。

コングはたたずんでいる。

近頃ずっとこうだ、何かを恐れているようだ。

彼に何が起きたのだろうかと科学者の間では議論になっていた。

 

 

科学者か。

ジェームズはふと思い出した。

そして、アナの部屋に向かっていった。

彼女はドアに鍵をかけていない。

 

 

ガチャ…。

 

 

彼がドアを開けると、そこにはコングや友人たち撮った写真が壁中に張られていた。

ジェームズと撮った写真は真ん中にあり、ハートマークが書かれていた。

思わずジェームズは苦笑した。

 

 

ふと、机を見るとそこには何かがあった。

「ジェームズへ」というメモがあった。

何かのプレゼントだろうか。

ジェームズは手に取りかけた。

 

 

 

 

 

「やめよう」

 

 

 

 

ジェームズは小声で、言った。

だが、彼は好奇心が抑えられなかった。

 

 

 

「はあ」

 

 

 

ジェームズはメモを取った。

そこには書いてあった。

 

 

 

『ジェームズ、大好き。いつもお世話してくれてありがとう。』

 

 

 

ジェームズはメモをしまった。

そして、部屋の外に出た。

 

 

 

「はあ…」

 

 

 

ジェームズは頭を抱えた。

そして無邪気に寝ているアナをみつめた。

彼女をみると、ジェームズは自分の不甲斐なさと情けなさで胸がいっぱいになった。

 

 

「君を守ると約束したのに、キミからは守られてばかりだな…。」

 

 

彼は戦場で生きる男だった。

それがいつしか、まるで彼女のために生きていくようになった。

娘だろうか、妹だろうか。

ジェームズには娘とはどういう感情なのか、妹がどういう感情なのかわからない。

彼はコーヒーを飲もうとした。

その時だった。

 

 

 

「ジェームズ」

 

 

 

声がした。

振り向くと、そこにはアナがいた。

 

 

 

「アナ…」

「あの、ジェームズ。アタシ…。」

「なあ、アナ…遊園地って知ってるか。」

「遊園地???」

「できたらしいんだ、いってみようよ。」

 

 

アナは嬉しそうに微笑んだ。

遊園地…。

 

 

 

「うん、行きたい!!!」

 

 

自然に言った。

アナは顔が赤くなっていった。

 

 

 

「顔が赤いな。風邪か?どうしたんだ?しんどいのかな?別の日にする?」

 

 

 

ジェームズは顔を近づけてきた。

さらにアナの顔は赤くなっていった。

この感情がアナにはわからなかった。

彼女は思わず言ってしまった。

 

 

「何か、二人っきりで遊園地ってデートみたいだね。」

「デートだって!?」

 

 

ジェームズは困惑した。

デート!?

まさか、そんな単語が出てくるとは思わなかった。

彼は恥ずかしそうに頭をかくと言った。

 

 

「キミがガールフレンドだったら最高のガールフレンドだと思うけど、違うよ。」

 

 

アナは嬉しそうに笑顔を向けた。

二人はお互いに抱擁した。

 

 

「それにキミを恋人にするには少し年齢が離れすぎてるな。」

「フフ、それもそうね。じゃあ家族ってことでいいんじゃないの?親子間で何かをするのも『デート』らしいわ。」

「親子、それにしちゃ年齢が近すぎるけどな。」

 

 

二人はすぐさま駐車場へと向かっていった。

ジェームズとアナは二人で車に乗りこんだ。

すると、メアリー博士が近くにやってきた。

ジェームズは彼女を睨んだ。

過去にこの女はアナを監禁してしまおうといいだしたことがあった。

 

 

「何の用だ、先生」

「…ジェームズ、私は…」

「ああ、そうだ…今忙しい、またあとでな。」

 

 

ジェームズは彼女を無視して、車に戻った。

一人残されたメアリーは口をモゴモゴと動かしていた。

 

 

助手席にいたアナは話しかけた。

 

 

「どうしたの先生が何か用があったみたいだけど」

「気にしなくていいよ」

 

 

アナは首を傾げた。

ジェームズは黙った。

やがて自然公園を抜けたジェームズとアナは、高速道路に入っていった。

 

 

「…ねえ、ジェームズ」

「何だ?」

「あなた、子供の頃どんな子供だった」

 

 

ジェームズは車を運転しながら考え込んだ。

数分間の沈黙の後、話し始めた。

 

 

「俺は子供の頃、恐竜が好きだったんだ。両親が生きてた頃よく博物館につれていってもらってた。そこで大きなティラノサウルスの頭蓋骨の化石があってね、本当に大きくてこんなのが生きているのかと感激したよ。」

「へえ…」

「でも…今は嫌いになったんだ。」

 

 

ジェームズは息をのんだ。

 

 

「20年前のある日、俺がまだ8歳だったころ…全てが変わった。」

「…。」

 

 

アナは黙った。

車はピタリと止まった。

 

 

「来たんだ、ヤツが。黒い恐竜の怪獣。あらゆる怪獣の王様、ゴジラがな。黒い岩山のよう肌がぎっしりと並んでいた。頭の上には白い瞳の無い目だけがギョロリと動いていて、ゾッとした。あいつはまるで子供が砂場の上で暴れるみたいに、全部破壊したんだ。全部…俺の家族も、友達も…。住んでた家や街も。炎に包まれた町の上をアイツは歩いていたんだ。」

 

 

ジェームズは20年前に起きた全てを語った。

 

 

 

「信じられるか…俺はロサンゼルス大虐殺の数少ない生き残りだったんだ。俺以外のやつはみんな放射能で体の毛やらが全部はげ落ちて、皮膚はボロボロのケロイドになっていたんだ。5歳ぐらいの子供が病室にいた時に、ガイガーカウンターが反応してビービー隣喚くんだ…あの光景は二度とみたくない。」

 

 

ジェームズはハンドルをつかむ腕が強くなっていった。

 

 

 

「俺はあのゴジラに復讐をしたいんだ。どうしても…俺のこの手でだから軍隊に入った。それなのに、回ってくる仕事はほとんど中国やロシアの物ばかり。俺はこの手でゴジラを葬りたい。俺は、俺は…」

 

 

アナは助手席から身を乗り出すとジェームズの腕に自身の手を重ねた。

その時、ジェームズは正気を取り戻したように我に返った。

そして、助手席にいる少女に話し始めた。

 

 

「アナ…?ああ、申し訳ない、俺は…。取り乱しちゃったな。」

「ジェームズ、それがあなたの願いなのね。」

 

 

ジェームズは少女の目を見た。

アナは優しく笑っていた。

母親のように、ジェームズの全てを受け止めていた。

 

 

「ああ、そうだ…」

「いいのよ、私とコングがあなたの夢をかなえてあげる。この世から全ての怪獣を抹殺するまで私、あなたのそばにいるから。心配しないで。」

 

 

アナは身を乗り出しジェームズと抱擁した。

青年は、少女の優しさを全身を通して感じた。

こんな優しい少女を復讐の道具にするなんて…、やはり自分はどうしようもない。

ジェームズはそう感じた。

 

 

「ありがとう、アナ…でも、俺は。」

「…?」

「俺の幸せは君が生きていることだ、だから無理だけはしないでくれ…。」

「…ジェームズ。」

 

 

彼女の優しさを抱きながら、改めてジェームズは決意した。

決して、彼女は科学者たちに手放さないと。

そして、二人は遊園地に向かって車を走らせていた。

 

 

彼らを追う車の存在に気が付かないままに…。

 

 

 

二人は、高速道路からも降りた。

ジェームズは眉をひそめた。

警備員と思われる複数の人間が交通整理をやっていた。

辺りは廃墟ばかりだ。

 

 

「おかしいな、地図だとこっちからなんだけど…」

 

 

ジェームズは首を傾げた。

思えばこの周辺はあまり探索していない。

彼は運転席から顔を出し警備員に話しかけた。

 

 

「何かあったんですか。」

 

 

ジェームズは運転席から、黄色いベストを着た警備員に話しかけた。

アジア系だった。

警備員は、ジェームズにうやうやしく言った。

 

 

「すみませんね、どうやら下水管が破裂したみたいで」

「参ったな…遊園地に行きたいんだが」

「…それなら、あちらの道を通ってください。」

 

 

 

警備員は指をさした。

それは明らかに遠回りだった。

 

 

 

「…親切にどうも。」

 

 

ジェームズは一礼をしてその場を去った。

彼らの車を見送った警備員は無線を使って連絡した。

 

 

「標的はそちらに誘導しました。」

 

 

罠にかかったことも知らない二人は車の中でジョークを言い合った。

廃墟ばかりの家屋が目立っていた。

そんな矢先、二人の通ろうとする前を大きなトレーラーが道をふさいでるのがみえた。

 

 

「・・・・・なんだ?」

 

 

 

ジェームズはその場に車を止めた。

 

 

「どうかしたの」

「いや、わからない・・様子を見てくる」

 

ジェームズは車のドアを開け、様子をみようと外に出た。

彼はふと後方をみた。

アナは心配そうにみている。

 

 

なぜだろうか。

嫌な予感がする。

ジェームズは銃を忍ばせながら様子をみた。

 

 

その時だった。

 

 

ガしゃっ‥‥

 

 

機械音とともに、トレーラーの荷台が開きはじめた。

するとその中から複数の男たちがやってきた。

男たちの手には銃火器があった。

 

 

「・・・・・!!!」

 

 

ジェームズは車に戻ろうとしたその矢先だった。

背後を振り向くと、廃墟の中から同様の男たちがやってくるのがわかった。

彼らは手早くアナの乗った助手席の近くにくると、彼女に銃を向けていた。

 

 

 

「畜生!!」

 

 

 

 

ジェームズは男たちに銃をすぐさま放とうと思ったが、控えた。

今この場で銃を撃てばアナもそして自分も無駄死にだ。

彼は頭を冷やして相手を確認した。

 

 

そのどれもがアジア系だった。

 

 

「何なんだ、お前ら!」

 

 

ジェームズは気が付くと男たちに囲まれていた。

 

 

その真ん中に女が立っていた。

 

 

 

「‥‥‥‥フフフ!!」

 

 

 

女は、身長が高く白銀の長髪をはやしていた。

アジア系特有の細くえらの張った顔立ちをしているが、肌は白人のように白かった。

そして、目は赤く輝いていた。

彼にはこの女がこの連中のリーダーであることが一瞬でわかった。

 

 

 

 

「これは何のマネだ」

 

 

 

ジェームズは女に銃を向けた。

 

 

 

「銃はおやめなさい、坊や。そんな物に頼るのは小物のやることよ。」

 

 

女は自身たっぷりにそう言った。

 

 

 

「何が目的なんだ」

「そんなこといわずともわかるんじゃないの?」

 

 

女はアナをみつめていた。

間違いなく彼女の誘拐だ。

 

 

 

「…させないぞ。」

「?」

「彼女にてだしは、させないぞ。」

 

 

 

女は大袈裟に笑った。

まるで芝居の悪役のように高笑いをした。

 

 

 

「アハハハハハ!!!かわいいねえ、まるで青春の1ページみたいじゃないか。若い男と少女の逃避行!愛を紡ぎ合う二人の小旅行じゃあないか!!それとも親子か兄弟のマネっ子かな??まあ、小手調べといこうじゃないか。今から私が差し出す刺客を相手にして勝てば…見逃してあげる?優しいでしょ。」

 

 

 

ジェームズは周囲を睨んだ。

すると後方からひときわ大きなスキンヘッドの大男がやってきた。

 

 

 

「ハン!そいつの相手をしてやんな!」

 

 

 

ハンと呼ばれた男は、まるで相撲取りのように筋肉質な太り方をしていた。

その男は上着を脱いだ。

装甲のような筋肉があった。

それだけではなくそこには、入れ墨が大きく貼ってあった。

 

 

 

ハンは粗い息を吐くと、ジェームズに向かってショルダータックルを食らわしてきた。

ジェームズは、さっそくかと呆れたように溜息をついた。

すると、ハンのショルダータックルを寸前で横っ飛びでよけた。

 

 

 

「!?」

 

 

ハンは驚いた様子だった。

ジェームズは、素早く横に避けると、その足に力を込めてハンの腹部に蹴りを入れた。

 

 

 

「・・・・・・・ッ!!!!!???」

 

 

 

ハンと呼ばれた男は大きく吹き飛ぶと、地面に倒れそうになった。

それでも耐えているようだったが、ジェームズは大きなグーパンチをハンの顔面に突き刺した。

 

 

 

「!!!!!」

 

 

 

ハンの歯が数本抜けるのがジェームズにはみえた。

そして、ハンは地面に倒れると痙攣し動かなくなっていった。

 

 

 

「‥‥‥‥さあ、これで通してくれるよな。」

 

 

 

ジェームズは女をみた。

男たちは想像以上に強いジェームズをみて青ざめていた。

 

 

 

 

「フフフ、ハンはアタシの部下の中でも一番強い方なんだけどね。どうやら強いようだね…坊や。気に入ったよ。アタシの部下にならないか?そうしたらその娘もかわいがってあげるよ。」

 

 

 

女は喜んでいた。

いい加減苛立っていたジェームズは女を観て言った。

 

 

「断るね、さっさとどいてくれ。」

「条件は変わったよ。」

 

 

 

女は部下に命令をした。

すると、彼女は上着をとりノースリーブの服装に変わっていった。

 

 

 

 

「・・・・・・・あたしが坊やの相手をしてあげる。」

 

 

 

すると、女はジェームズの近くによってきた。

 

 

 

「あら、近くで観ても遠くで観てもいい男♪こんなのボコボコにできるなんて、ゾクゾクしちゃーう」

 

 

 

女はふざけていた。

ジェームズは苛立ち、先ほどのハンにしたパンチと同等の物を女にぶつけようとした。

だが、女は素早かった。

 

 

しゅっ

 

 

空気を切る音が聞こえた。

ジェームズは女を見失った。

と思ったら、次の瞬間だった。

女の脚がジェームズの腹部を突き刺した。

 

 

 

「っ!!!!」

 

 

 

ジェームズは腹部を抑え地面に倒れた。

彼の腹部には凄まじい痛撃が響いている。

 

 

 

「…う、うぐ‥‥」

 

 

こんなに痛い蹴りは食らったことがない。

しかも相手は女なのに。

彼が思わず地面にのけぞりそうになっている瞬間だった。

鞭のようにしなる、別の蹴りが、ジェームズの頬めがけてぶち当たった。

 

 

 

「ウっ!!!」

 

 

彼の頭蓋骨と脳が揺れる音がした。

彼はその時きがついた。

この女は素早い。

ジェームズは、地面に膝をついた。

 

 

 

「どうしたのかなー???坊や痛かったのかな????もっと楽しみたいんだけどォ―できますかね???」

 

 

 

女はふざけたような口調でジェームズを煽った。

と同時に素早く彼女はジェームズの背中に飛び乗るとその太腿で首を絞めあげていった。

 

 

 

 

「‥‥‥‥‥!!!!!!!」

 

 

 

鞭のような長い太腿はジェームズの首を絞めあげた。

彼は何もできなかった。

次第に息がつまっていった。

声が出ない。

 

 

 

「あと、そうそう言い忘れてたけどォ‥‥!!!人質リストにはあなたも入ってるの♪ゆっくりお愉しみしましょうボーヤ。」

 

 

 

ジェームズは息ができなくなっていた。

彼は一瞬アナをみた。

彼女は何かをさけんでいる。

次第に感覚が薄れていったジェームズは地面に倒れた。

女の両脚はヘビのようにからまると、そのまま徐々に彼の意識を奪っていった。

やがて、ジェームズはそのまま気を失っていった。

 

 

アナも男に口に手を突っ込まされ何かを飲まされた。

次第に彼女の意識は消え果ていき、目をつぶり気を失っていった。

 

 

 

 

 

 

10時間後

深夜1時

 

 

 

コングは眠っていたが、起き上がった。

否起きざる負えなかった。

 

 

 

だが、その時だった。

別の方角に凄まじいエネルギーを感じた。

そのエネルギーの持ち主にコングは覚えていた。

それは徐々に強くなっていった。

 

 

 

彼は頭を抱え地面に倒れた。

 

 

 

ゴあああああああああああ!!!!!!

 

 

 

コングは悶絶し地面に倒れた。

そのエネルギーは、一族の仇の物。

それは、父を殺した物。

コングの記憶の影にしまい込んだ光景が徐々に浮かび上がっていった。

 

 

 

 

一頭の黒い竜が、コングの父であったエルダーコングの死骸を踏みにじっているのを。

コングを抱いた母親は必死に逃げ惑っているのを。

その黒い竜が迫りつつある。

 

 

 

コングは巫女であるアナを探した。

彼女の心に呼びかけたが、反応がない。

いない。

まさか、捨てられた…。

 

 

コングの心に孤独感が押し上げた。

虚無感が押し上げた。

寒気が走り、苛立ちとストレスが心の中を覆った。

 

 

 

コングは赤い目を輝かせた。

 

 

 

『巫女がいないのであれば、自分で探し生み出せばいい。』

 

 

 

何者かの声がした。

それは、遠い古来より隠していたコング族の狂暴な本性を望む声。

コングは赤い目を輝かせると立ち上がり、ドラミングを激しく行った。

コングはその跳躍力を生かし、地面から高く飛び上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

マイアミ

 

 

 

10年前のカニ型怪獣襲撃の際に、大被害を受けつつも米軍の働きにより怪獣を殲滅することに成功したその街は再開発を受けていた。

 

 

 

その日、ハリウッドの大女優であったジェシカ・パーカーはマイアミ一高さを誇るマイアミ・ハイタワーの最上階のテラスにいた。

マイアミ・ハイタワーはかつて中東に現れたゴジラにより破壊されたブルジャ・ハリファ並みの800mほどの高さをしていた。

 

 

 

彼女は街を見下ろした。

 

 

 

 

「フン、庶民どもが働いているわ。」

 

 

 

 

ジェシカは嫌味をいった。

そのわきには、イギリスから来た俳優のリチャード・エルグマン三世がいた。

リチャードはイギリス貴族のエルグマン家の跡取りでもあり、その金髪蒼眼の美貌でモデルもしていた。

 

 

リチャードには年上の妻がいたが、裏ではジェシカと浮気をしていた。

今日は映画の撮影とうそぶき、マイアミで逢引きをするためにきていた。

 

 

 

「なあ、ジェシカ…連中にシャンパンをかけてやろう」

「あらきっといいわね、この蛆虫どもはきっと喜ぶわよ」

「いい考えだろ!」

 

 

 

リチャードはシャンパンを持つと、テラスにたちマイアミの庶民に向けて垂れ流した。

 

 

 

 

「フォー!!!!最高だぜ!!!!!」

 

 

 

 

 

ジェシカは大笑いした。

その時だった。

 

 

 

 

 

 

「おい、何か降ってくるぞ」

 

 

 

 

 

リチャードは気が付いた。

ジェシカは見上げた。

すると、そこから黒い毛むくじゃらの何かがふってきた。

それは、マイアミビーチにふってきた。

 

 

 

 

 

ドゴォオオオオオオおおおおおおオオン!!!!!

 

 

 

 

轟音と共に地鳴りがおこった。

リチャードは持っていたシャンパンを落としてしまった。

 

 

 

 

「おいなんだよ・・・」

 

 

 

 

泥酔していたリチャードはビーチの方をみると、そこにはいた。

300m大の巨大な猿人が。

彼はそれに見覚えがあった。

 

 

 

 

「こ、コング!?」

 

 

 

 

巨大な猿人はドラミングをして、マイアミの住民たちに吠え掛かった。

リチャードは怯えると、すぐさま真っ先に逃げていった。

 

 

 

 

「え?リチャード・・・!?」

 

 

 

ジェシカは驚くと、彼女はテラスをみた。

そこにはコングがいた。

ビーチの上にコングが立っている。

 

 

 

「え!?なんで・・・!!!」

 

 

 

ジェシカは絶句した。

するとコングはジェシカに目線を向けた。

 

 

 

「え、いや・・・え!?いやなんで・・・!?ええええ!?」

 

 

彼女は状況が理解できていないようだ。

思わず腰が抜けてしまい動けなくなった。

 

 

 

コングは女を見つめていた。

遠い記憶が呼び覚ました。

かつて、巫女ではない巫女を求めていた時期、髑髏島の住民が女を送ってきた。

あれにちょうど似ている。

あれは恐らく処刑か見せしめだったのだろう。

あの時のやつはいなくなったが、今回は逃がさない。

 

 

 

コングはナックルウォークで素早く動き、マイアミ・ハイタワーに飛びついた。

そして、ガシャガシャとのしあがりながら、ジェシカを求めた。

軍が派遣した戦闘機がきている。

 

 

 

アメリカの味方であるはずのコングは一転、アメリカの敵となった。

戦闘機のミサイルをコングは無視した。

ジェシカを求めタワーをのぼりつめると、たどり着いた。

 

 

 

 

「いやあああああああああああっ!!!!!いやああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

 

 

 

 

素早く頂上にたどり着いたコングはジェシカをつかんだ。

その時だった。

 

 

 

 

ミサイルを軍隊はまだしている。

コングの皮膚はミサイル攻撃を受けても止まらなかった。

苛立ったコングは全身から巨大な放電を行った。

 

 

 

 

マイアミの街は一瞬で巨大な電気と電磁パルスに襲われ停電をした。

戦闘機も墜落し、海に落ちていった。

コングは邪魔者が消えたことに気が付くと、掌でつかんだはずの戦利品をみつめた。

残念なことに戦利品であるはずのジェシカ、ハリウッドの大女優は黒い焦げとなり散っていった。

 

 

 

 

その時、コングは正気に戻った。

 

 

 

 

 

『まずい、アナがいないとダメだ』

 

 

 

 

コングは自分がやってしまったことに驚いた。

巫女がいなければコングは暴走しただの獣になってしまう。

彼はやってくる戦闘機の数に驚いた。

これ以上ここにいると、今度こそヤバいことになる。

 

 

 

コングはその両足でタワーを蹴ると、大きく飛び上がりいったん姿を隠すことにした。

 

 

 

 

 

中国の地下

 

 

 

 

巨猿の暴君は嘲笑っていた。

 

 

 

 

彼が放った電波は、コングの脳神経に作用した。

コングは見事に本性をさらけ出した。

巫女がいないコングの精神状態はもはやバランスを欠いている。

彼の英雄としての評判は崩れた。

 

 

 

暴君は人を熟知していた。

人の心が読める猿の暴君は、人間が見栄と世間体何よりも恐怖に弱い事を知っていた。

今やコングは世界の敵。

評判は地に崩れた。

 

 

 

最後は暴君自身の手でコングの命を葬るのみ。

スカーキング、猿の暴君は邪悪に笑い決戦を待っていた。

 

 

 

 

 

 

 

そんな猿の暴君にも予想外のことがあった。

 

 

 

太平洋マリアナ海溝の奥底。

そこに黒い巨体をうねらせながら、白い目を輝かせた格上の『王』がいた。

それは、ゆっくりと陸上に上がろうとしていた。

破壊の神ゴジラは間違いなくこの地に戻ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

ここも彼の『縄張り』なのだから…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回はコングvsスカーキングです
来週更新します
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