僕は彼女の食用肉   作:李さん

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気を付けているけど減らない。

あと、今は週一で更新してますが、基本不定期更新と考えていただければと思います。


第10話 愛成+αの成長

 

肉襦袢をカロリーを50%消費して、体格を強化する。

普段、僕は肉襦袢を脂肪60筋肉40の割合で纏っており、身長は120センチ体重は35キロで結構ぽっちゃり(デブって言うな)だが、強化をすると筋肉80脂肪20で身長は130センチになり、ガチマッチョになる。(脂肪を残しておかないと衝撃に弱くなる。)体格も変わってしまうので、常日頃ブカブカの服を着ている。(オールマイトの様に)今日は半袖Tシャツに上下のジャージを着ている。

 

戦闘態勢を整えながら、なぜこんな事に、なってるのだろうと、遠い目をしながら思った。

 

時は12月20日。

学校帰りに えっちゃん が

 

「じゅうくん!私たちはもっと解りあう必要があると思うの!」

 

と誘われてここにいる。

なぜ、そんな事を言い出したのかは不明だ。

どうやって解り合うの?と聞いたら

 

「拳で語り合うの!」

 

どこの少年漫画(あ、少年漫画の世界だった)ですかとツッコミをいれたかったが、えっちゃんの真面目な目にあきらめた。

 

 

 

 

閑話休題(やらないか)

 

 

 

 

 

 

「みゅみゅみゅみゅ~!」

 

意味不明な唸り声を上げているのは、両手をファイティングポーズにして眼尻(まなじり)を上げている えっちゃんだ。

威嚇していても恐くはなく、むしろかわいい。

今は肉丸家の地下にある訓練場(広さは四十畳)にて、個性を使った戦闘訓練の真っ最中だ。お互いに個性を発動して対峙している。

僕の勝手なイメージで言えば、ケ○○ロウ(えっちゃん)ラ○ウ(ぼく)(ハ○ト様でも可)の構図だ。

 

因みに えっちゃん は腰にポーチを付けていて、そこに僕の肉襦袢(グミ)を入れて、何時でも食べられるようにしている。

軽いフットワークで、体を左右に細かく動かすえっちゃん。その度に背中に生えている赫い蝶の羽(かぐね)から、赫い粒子が広がっていく。

 

こないだの 愛支 との会話から思念による会話が可能な事を踏まえて、マジでG○粒子なんじゃないかと疑ったが

 

(それは違うよ~、もっと高性能だよ~)

 

と言われた。高性能ってなんだよと返したら

 

(教えな~い、今度の訓練で愛成にボコボコにでもされれば?)

 

と、冷たく返された。こないだの自分の名前事件の後で、恐らく自分の赫子を確認して来たのだろう。それからずっと不貞腐れているのだ。

まぁ考えた通りの結果だったのだろう。

 

さて、僕の回りにも赫い粒子が舞っていて、半径7~8メートル位はキラキラと辺りを充満している。これまでに えっちゃん の赫子で解ったことは

 

1、捕食の器官なのに羽や粒子自体に攻撃力は無い。

 

2、この粒子はえっちゃんと感覚を共有している。

コレにより赫子の粒子がある空間は、えっちゃんが見えないところでも、詳細を把握することができる。

 

3、この粒子を介して精神感応ができる。

ただしコレは愛支が使っていた能力なので、えっちゃんはまだ使えない。

ここで疑問が1つ、愛支は夜中に赫子の粒子が無いのになんで精神感応が出来るのか?

詳細は不明だが、次の

 

4、粒子が空間に光って漂えるのは約5分。それ以降は赫い光が消えて無くなる。

 

に関連しているのか?

実は光って無いだけで、5分以上経って光が消えても、粒子が空間に残っている?要検証だ。

 

なお、この粒子は加速性能は皆無。

つまり、えっちゃん の速さは えっちゃん 自身の身体能力である。

 

もう一度言う、素の身体能力である。

 

残像が残るほどのスピードは、素の身体能力なのである。

 

マジでト○○ザムしてるのかと思えば、そうではなく、素の身体能力なのである。

 

もうね、笑う他無いよ。攻撃力はそれほど無い(と言っても、一般人よりは強い)とは言え、スピードはマジで目にも見えない。Rc細胞が有るとはいえスピードスター過ぎません?

これ今後成長したらどうなるの?

 

そら恐ろしい未来を考えつつ、えっちゃんの初動を見逃すまいと臨戦態勢を整えつつ、目の前を見据える。

 

「みょ~………」

 

えっちゃんの唸り声が変わった。

この妙な唸り声を出さないとスピードに乗れないらしく、見てるこっちは可愛いのと、行動バレバレなのと可愛いので(重要なので二回言いました。)助かっている。

 

密かに肉襦袢を厚くして備えると、目の前から えっちゃん が消えた。

マズイと咄嗟に背面の脂肪(にくじゅばん)を厚くすると、(くび)の後ろから衝撃がきた。(※急所です、真似しないでください。)

衝撃を脂肪で吸収しつつ後頭部に目を造り確認すると、えっちゃんが空中で左足を右に振り切った姿が確認できた。

そのまま右方向に回転して右の踵で追撃しようとする。

空中ではスピードは普通だが、流石に体重が乗ってる一撃はくらいたくないので、背中から成人男性位の大きさの左手(にくじゅばん)を、1本手を生やして受け止める。

 

「うにゅ?!」

 

そのままガッチリと えっちゃん の右足を掴み、放り投げようとすると、えっちゃんは右手で掴んでいる手の親指を掴み、へし折った。

痛みは無いが、親指を失ったせいで掴む力が弱まったのか、えっちゃんは簡単に脱出して間合いをとる。

 

逃げられたかと、背中の左手(にくじゅばん)を切り離し、塵に成っていくのを確認すると、再び えっちゃん を見据える。

 

しかし、えっちゃん 容赦ないな。

(くび)に延髄切りや躊躇(ちゅうちょ)なく指を折る等、下手したら大怪我してしまう攻撃ばっかだ。

えらく殺意が高いな、これは叱らないと。

 

「えっちゃん」

 

「なーに?」

 

「殺す気かな?」

 

「ふみぃ?なんで?」

 

案の定、理解してなかった。

 

「くびの後ろは急所だよ」

 

「きゅうしょ?」

 

「人の弱点、ここを攻撃されると人は死んじゃうよ。」

 

「死んじゃうの?」

 

「そうだよ、そうなると僕は灰になって えっちゃんと は、二度と会えなくなっちゃうんだよ。」

 

僕の言葉に えっちゃん は涙目になり「会えなくなるの?」と呟いた。

 

「うん、きゅうしょは攻撃しない。」

 

「急所の場所はわかる?」

 

と聞くと、わからないと言うので、急所の場所を教えた。

 

「うん、わかった!次からはそこ以外を攻撃するね。」

 

「よろしくね」

 

再び距離をとり、互いに構える。

いくら急所を教えたとは言え、えっちゃんはまだ7歳なので間違いも有るだろうと、全身に肉襦袢を纏い防御力を高める。

び、ビビってはない。えっちゃんのスピードに付いていけなく、避けられないので受けることが前提の苦肉の策だ。

 

「みゅみゅみゅ~………」

 

えっちゃんの唸り声が力を貯める声になる。

来るか?と、身構える。

すると、先程と同じく えっちゃん の姿が消えた。

いや、少し見えた。左か?と、思ったら後ろからトンと足音が聞こえた。上からトン、右からトンと音がする。そのうちトトトトトと前後左右上下から走る靴音が聞こえてくる。

 

マジかよ、えっちゃんひょっとして壁走りしてる?というか、天井も走ってるの?!

平面では無くて立体的に機動して来たか。

 

えっちゃんの姿を確認しようと、頭の前後左右に片目を増やして見るが、赫い線が走るだけでえっちゃんの姿は見えない。

ズキンと頭痛がする。

流石に視界を増やして確認しすぎたか。

目を増やして視界を増やすと、脳の処理能力に負担がかかる。今回の様に頭痛に襲われてしまうのだ。

だが、今現状ではこれ以上目を増やすことは出来ないが、少なくする事も難しい。

 

(いやもう、結構辛い。)

 

等と辟易していたら、右手の表面(にくじゅばん)が切り裂かれた。

 

(スピードに乗って引っ掻かれた?こ、コレは!)

 

そこからは一方的だった。左手、背中、右肩、右股と、赫い線が走るごとに表面の肉襦袢が削られ行き、反撃が出来ない。

 

(えっちゃ~ん !洋服ボロボロにしないで、後でママンに怒られる。てか、このままだとスッポンポンに成ってしまう。)

 

直ぐ様、対応の為に皮膚を部厚くして、更に角質を固くして即席の斬撃用の鎧にする。即席の鱗の鎧(ドラゴンスケイル)だ。

後ろは右腿に来た斬撃が、硬質な『ギャリン!』と言う音を出して弾かれる。

 

「うにゅ!?」

 

想像していた感触と違ったのだろう。

えっちゃんが思わずと言う風に声を出したのを確認すると、腰の部分から両手(にくじゅばん)を造りだし、えっちゃん の捕縛しようと手を伸ばす。

捕まえた!と思ったら、その両手(にくじゅばん)は、『スカッ』と空を切った。

 

「ちょ!?残像?!」

 

どこだ?!と えっちゃん を探すと、正面の道場の端っこにいた。速いよ えっちゃん 。僕の左から道場の端まで一瞬じゃん。

えっちゃんはクラウチングスタートの体勢を取っている。正面から来るのか?と、えっちゃんの唸り声を確認しようとすると、音もなくえっちゃん が赫い流星になる。

 

「ちょ?!フェイク?!」

 

これまで変な唸り声を出していたのに、この瞬間は音もなく動き出した。つまり、これまでの可愛い唸り声は、この一撃を決めるためのフェイクだったのか!

 

(マジかよ えっちゃん!)

 

既に えっちゃん は僕の懐に入っていて、腰だめに正拳突きを構えている。

狙いはお腹か?!

一瞬の逡巡

 

 

 

肉襦袢を厚くする?

 

 

 

皮膚を厚くする?

 

 

 

だめだ、生成が間に合わない。

 

 

 

どうする?!

 

 

 

えっちゃんの、渾身の正拳突きが僕のお腹に突き刺さる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボォォン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

巨大な太鼓の様な爆音が室内に鳴り響いた。

思ったより大きい音がしたが、それが幸いしたのか えっちゃん は目を大きく見開き、その動きは止まっていた。

チャンスと思い、腰から出していた両手(にくじゅばん)に加え両肩からも両手(にくじゅばん)を出し、えっちゃんの四肢を捕縛した。

あの瞬間、僕がやったことは皮膚を柔らかくし(変化なら一瞬)お腹の皮膚と脂肪との間に空気を入れて空洞を作りクッションにしたのだ。

結果として えっちゃん の正拳突きの衝撃を分散して受け止め、その柔らかい皮膚が振動し人間太鼓………むしろ腹太鼓が完成して、凄い音が鳴ったのだ。事前に皮膚を厚くしておいて本当によかった。もう本当に賭けだった。最悪お腹が『パン!』と破裂してもおかしくなかった。

 

思い付きで、初めての個性の使い方だったから僕自身どうなるか不明だったが、こうして えっちゃん を捕縛できたのだから、全て良しとしよう。

 

「つかまえた」

 

「えへへへ、捕まっちゃった♪」

 

か・わ・い・い・!

 

だが!捕縛されたのであれば、世間は非情だと教えなければなるまい。お腹の腹太鼓を破棄して塵にし、変わりに少し指の長い両手(にくじゅばん)を造り出す。

 

「さあ、さんざん攻撃してくれたお返しだー!」

 

「ふにゃ!?アハハハハ!キャー!アハハハハハハハ!くしゅぐっアハハハハハハハハハハ!やー♪」

 

この後メチャクチャくすぐった。

この後直ぐに えっちゃん は降参して、僕の勝利となった。

僕たちは道場を後にして、一階に行く階段の前に有る休憩室に入る。

ソコには愛守(えり)さんが【あんていく】の給仕服で、濡れタオルを片手に待っていた。

 

「二人とも終わった?はい襦袢くん濡れタオル。愛成も汗だくね、お顔を拭きましょうね。」

 

「はーい!ママ」

 

愛守さんから濡れタオルを受け取り、顔やシャツの内側を拭う。流石に7歳とは言え、人前で全裸で身体を拭くのは抵抗があった。後で風呂入ろう。

 

「二人とも水分も取ってね。」

 

更にボトルに入ったスポーツドリンクもくれた。

僕には普通のを。えっちゃんには特別製のモノだ。

よく冷えていて美味しかった。

 

「それにしても」

 

「うん、どうしたの愛守さん」

 

「襦袢くんの本当の姿を初めて見たわ。」

 

そっか、普段は肉襦袢を纏っていてぽっちゃり体型だから、カロリーを使い果たした僕の姿は初めてなのか。

 

「そうなのママ、普段のじゅうくんは可愛いけど、こっちのじゅうくんはカッコいいのよ!」

 

おうふ、過去に僕の事をカワイイと言ったのは、ぽっちゃり姿の事で、本体の僕はカッコイイと、言ってくれるのか。

過去のトラウマを修復され少し元気に成った気がした。

 

「そうね、カッコイイわね。普段もその格好にしないの?」

 

「何時、何処で何が有るか解りませんから。」

 

ファットガムも似たような事を言っていた気がする。

 

「襦袢くんはいったい何に警戒しているのかしら。」

 

「まあ、こんな個性の様な超常現象が日常の世界ですから。」

 

警戒し過ぎても足りないくらいだ。

 

 

 

閑話休題(クールダウン中)

 

 

 

 

さて、そろそろ汗も引いてきたので、そろそろ風呂入ろうかなと立ち上がったが、ふと気になったのでえっちゃんに聞いてみた。

 

「ねえ、えっちゃん」

 

「なーに?」

 

「なんで今日は戦闘訓練をしようと思ったのかな?」

 

そう聞くと、えっちゃんは「んぅ~?」と人差し指を(おとがい)に当てて、首を傾げて考えていた。

少しすると小さく「うん」と納得して

 

「えっとね、じゅうくんと一回白黒付けないといけないと思ったの。一度ボッコボコにしないと気が済まなかったの。」

 

その言葉に僕も愛守さんも少し引いていた。

 

「え、えっちゃん?白黒つけるの意味わかる?」

 

「え?えっと、………あれ?」

 

その様子を見て愛守さんは「ストレスかしら?ヒステリー?あの人相談しないと………」と小さく呟いていた。

 

だが、僕は えっちゃん の「ボッコボコにしないと」の下りでこないだの 愛支 の

 

(今度の訓練で愛成にボコボコにでもされれば?)

 

の言葉を思い出していた。

 

 

 

あ・い・つ・か・!

 

 

 

 

 

 

アイツ、えっちゃんの無意識に自分の意思を介入させたのかよ!

日に日に芸が多彩になっていくな、ホントに迷惑です!僕には悪意があっても家族に害意がないと信じたいが………

 

(君だけだよ、愛成 のヒーローならば受け止めてほしいね。)

 

頭のなかで 愛支 の声が響く。

バッ!と隣を見ると運動して疲れたのか、えっちゃんが船を漕いでいた。時刻は夕方の7時。思いの外時間がたっていた。

 

「あらあら、愛成、このまま寝ると風邪引くわよ~起きて~」

 

「愛守さん、お店は大丈夫ですか?このまま えっちゃん を泊めて行っても大丈夫ですよ?」

 

「そうね、後で愛成をお風呂にも入れてもらっても良いかしら?」

 

「ママンがもう帰ってきてるはずなので、ママンに頼みます。」

 

「そう、ならば後はお願いね。」

 

愛守さんがそう残すと、いそいそと階段を上がり【あんていく】に帰っていくのだった。

僕は、なけなしのカロリーを使い両手を生やすと えっちゃん を抱え階段を上がりママンの居そうなリビングに向けて歩き始める。

起こさないように抱えている えっちゃん の顔を見て、その中に居る 愛支 の姿を想像し

 

「てめぇ、いつか覚えてろよ………」

 

と怒りを滲ませて呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(フフッ愉悦wでござるよ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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