「よ、万事屋…」
「便利屋68と同じと考え方がいいのでしょうか?」
万事屋と聞いてベージュ色に近い色の髪の少女は自分の学校のある生徒達を思い浮かべて似た組織だと考えている。
「俺は万事屋銀ちゃんの店主の坂田銀時だ。んで、その従業員の…」
「神楽アル」
「僕は志村新八で……」
「「と言う名のツッコミ機能搭載型眼鏡かけ器」」
「誰が眼鏡かけ器だ、この野郎!?ってか、ツッコミ機能って何!?」
銀時と神楽にツッコミする新八を見て女子達は弄られているなと苦笑している。
「そしてペット兼マスコットの定春だ」
「わん!」
「い、犬!?いや犬にしては大き過ぎるような…」
白髪で髪の毛の一部が翼のようになっている少女が定春の大きさに驚愕している。
「ってか、お前ら誰よ?そして此処は何処だ?」
そう言えば自分達の自己紹介がまだだった事を思い出した。
「私は連邦捜査部『
「私はミレニアムサイエンススクール・生徒会セミナー所属の早瀬ユウカです」
「私はゲヘナ学園風紀委員会所属の火宮チナツです」
「二人は通っている学校が違うアルか?」
「そうです。ただ、残りの同じ学校です」
「私はトリニティ総合学園・正義実現委員会副会長の羽川ハスミです」
「流石にその身なりで高校生は無理があるだろう」
「何故ですか?」
「だってお前色々とデカ…………」
銀時は何故ハスミが高校生に見えない理由を述べようとするが、ハスミが遮るように銀時の肩を強く掴み、無表情かつ目にハイライトが無い状態で睨んだ。
「私……そんなに肥えているように見えているのですか?仕方ないじゃないですか?世の中には美味しい物がごまんとあるのですから」
「す、すみません……」
あまりの圧に銀時は素直に謝った。
「あははは……私は同じくトリニティ総合学園、自警団の守月スズミです」
「自警団……月詠が率いている百華と同じか」
スズミの言う自警団と聞いて知り合いが引き連れている組織と同じ物だと理解する銀時達。三人はユウカ達から此処がキヴォトスと呼ばれる超巨大学園都市であり現在銀時等がいるのはD.U.区内の外郭地区である。
「どうやら坂田さん達は私とは別の場所から来たようですね。でもどうやって此処へ?」
「それは……まぁ、詳しい話はあれを片付けてからにしようや」
銀時が後ろを振り返ると戦車と機関銃やグレネードランチャーを携えた生徒がやって来た。
「あれは正義実現委員会が正式に採用しているクルセイダー巡航戦車。坂田さん達はヘイローがないので危ないから下がっ……何で前に出ているのですか!?」
ハスミが銀時等を下がらせようとする前に彼らは既に前を走っていた。
「これが俺らの戦い方だ。ついでに弾の避け方を教えてやるよ、簡単だ。走れ!敵の弾より早く!!」
銀時が更に速度を上げて間合いを詰める。
「走れ!!背中に追いすがる………死神より早くな!」
そう言って銀時は弾丸の雨を回避し敵の銃を切断した。自分の武器が破壊された事に呆気に取られた不良達は銀時の横薙ぎの一撃で吹っ飛んだ。神楽も殴る蹴る以外にも番傘に内蔵された機関銃で牽制し、その傘で殴る。新八も二人の影に隠れがちではあるが粛々と倒していく。
「木刀で銃を切断した!?いやいや、数学的に不可能よ!!?」
「神楽さんの傘、仕込み武器が内蔵されていたのですね」
「新八さんも新八さんで強いですね」
ユウカは木刀でマシンガンを切断した銀時に有り得ないと叫ぶ。彼女は知らない、その木刀が『妖刀・星砕』と呼ばれる下手な真剣よりも頑丈な代物である事を。チナツは神楽の番傘にはマシンガンが内蔵されている事に感心し、スズミもスズミで新八の実力を認めていた。
「私達は坂田さん達の援護をしよう」
銃撃戦しか知らないキヴォトスの人達にとって銀時等との連携は困難と判断し、最前線で戦う三人の援護と言う形で銃撃戦を開始する。
「(不良共と違って統率の取れた良い動きだな。坂口って奴、指揮能力に関してはヅラや高杉といい勝負しそうだな)」
不良達を倒しながら銀時は
この中で一番強いであろう銀時や生徒を指示を出している先生よりも明らかに倒せそうな神楽を狙ったのだ。
「あ、危ない!」
チナツの言葉で漸く神楽であったが既に狙われている事に気付くのだが、それは戦車の攻撃と同時であった。回避する時間がないと判断した神楽は手に持った番傘で放たれた砲弾を打とうする。
「ふんぬぅ……うらぁ!!」
砲弾が傘の真ん中に当たり一瞬だけ押されそうになったが神楽はその持ち前の怪力で打ち返し、戦車の右のキャタピラを破壊した。
「番傘で砲弾を返した!?」
「傘の耐久性も可笑しいけど神楽ちゃんの膂力も大概可笑しいでしょ!?」
またまた有り得ない光景を見る事になったユウカは驚きの声を上げる。機動力を失った戦車の操縦者はあたふたしている間に銀時は戦車の前に躍り出て木刀で戦車を一刀両断した。その一撃によって戦車は爆発し、破壊された。
「これで終了~っと」
爆発によって炎が上がる戦車を背景に気だるげな様子で木刀に腰に納刀する銀時にユウカ達は戦慄を覚えてしまう。このキヴォトスで積極的に白兵戦をしかける者はまずいない上にそのスペシャリストと呼べる者はいない。
「一件落着って事で話の続きといこうや」
銀時等の活躍によって想定した時間よりも早くサンクトゥムタワーに到着した先生達。サンクトゥムタワーには先生と後からやって来た連邦生徒会の幹部である七神リンが入り、他は銀時等と自分達の世界について話していた。
「惑星間を簡単に移動できるなんて凄いですね……」
「いやいや、そちらもヘイローがあるおかげで銃に撃たれても平気なんですから」
ユウカ達は銀時等の世界がまるでSFのようだと感嘆し新八はヘイローの存在に目を丸くしていた。
「だからっていきなり銃ぶっ放す奴がいるかよ。喧嘩するならてめぇの拳骨でやれってんだ」
銀時だけはキヴォトス内で所構わず銃を持って暴れる生徒等に呆れている。
それから神楽が天人である事に驚いたり定春がユウカにのしかかる等和気藹々としている最中、新八は銀時にある事を訊ねる。
「銀さん僕達これからどうします?」
「そうアル。何時かぶき町に帰れるか分からないヨ」
「まずは雨風防げる所を探さないとな。資金は……まぁ、追々か」
「それなら私にいい考えがあります」
銀時達が振り返るとサンクトゥムタワーから先生と連邦生徒会の幹部である七神リンが出て来た。
「先生からある程度の事情を聴きました。坂田銀時さん達、シャーレに身を置くのはどうでしょうか?」
「つまり、お前らの下に付けって事か?」
若干棘のある物言いをする銀時にリンは説明を続ける。
「はい。ですが、それに関しては理由があります。シャーレはキヴォトス内で強い権限を持っているが故に取り扱う業務が広範囲のため先生一人だけでは厳しい。ですので形式としましては『シャーレの人手不足を解消したいので万事屋銀ちゃんの手を貸して欲しい』と言う依頼を貴方達にします。報酬内容は『貴方達が帰還するまで衣食住の保証』と言うのはどうでしょう?」
「そういう事か………」
シャーレの特性を鑑みると事務処理だけでも膨大な物となるため主要スタッフである先生が一人のため過労死しかねない。人手が足りないならば、キヴォトスで居場所が無い銀時達で賄おうとリンは考えたのだ。
互いに利のある話であったためこれには銀時も納得するしかなかった。
「それならその依頼を引き受ける。お前らもそれで良いな?」
「問題ありませんよ」
「私もアル」
「ありがとうございます」
こうして三人と一匹はキヴォトス内で行動出来る基盤を得たのであった。
書いていて思ったのが銀さんの戦い方に驚くのがユウカだろうと思いました。
先生の名前である坂口は坂田だと銀さんと被るための配慮です。
因みに私の推しはハスミです。