ブルアカ×銀魂   作:ursus

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今回は前編・後編で分けます


第二訓:どんな場所でも友好関係にいられる奴を作れ(前編)

 僕の名前は志村新八。万事屋銀ちゃんの従業員で今はシャーレの主要スタッフの一人だ。僕たちは何時かぶき町に帰れるかどうか分からないのでリンさんが依頼と言う形でシャーレのスタッフになった。サンクトゥタワーが機能した事によりユウカさんが坂口さんの存在はSNSですぐにキヴォトス全域に広がるって言っていたけどその前にSNSって何だろう……

 目を覚まして最初に行ったのは体育館の掃除と日課の素振り。

 

「体育館があって助かった。トレーニングルームだと違和感があったから」

 

 このビルにはトレーニングルームがあるけどあの床はどうも肌に合わない感じがして実家である剣道場に近い体育館で素振りをする事にした。

 百回くらい数えているとYシャツとズボンに白衣を着た銀さんがやって来た。

 

「おーい、新八。ちょっくら坂口と出かけて来るわ」

 

 何故銀さんがこのような恰好をしているのか、答えは簡単だ。

どうも僕達の恰好は悪目立ちしかねないのでビルの外に出る際には銀さんはスーツを、僕と神楽ちゃんは制服を着る事になった。郷に入っては郷に従えって言うしね。

 

「書類仕事の仕分けは夜のうちにやったから俺と坂口は世話になった学校へ挨拶回り行く予定だ」

 

「仕分けお疲れ様です」

 

 サンクトゥムタワーに入って事務室に通された僕たちが最初に見たのはサラリーマンが毎日残業しても全然終わらない量の紙の山。銀さんと坂口さんはその量を夜遅くまで仕分けしていたのだ。

 

「一緒に行くのは銀さんがシャーレの副顧問になったんだっけ?」

 

「立場的にそうなっただけだがな」

 

 銀さんが副顧問なのは僕と神楽ちゃんでは幼く、指揮能力もない。その点銀さんは実戦経験が僕達より多いから坂口さんの補佐と言う形で副顧問に納まった。尤も銀さんの場合、指揮するよりも自分が前に出て戦った方が手っ取り早く済む考えに落ち着くだろうけど。

 

「そういう訳だから書類仕事はお前と神楽でやってくれ。二人でもやれそうなのを見繕って机の上に置いたから………死ぬなよ」

 

何せ仕分けしても書類の量があまりにも多いのだ。僕と神楽ちゃんで終わるかな?

 

「分かりました……頑張ります」

 

 さてと、神楽ちゃんを起こして事務作業しないと………。

 

 

 

 

 坂口(先生)を後ろに乗せた銀時は愛車の原付をミレニアムサイエンススクールへと走らせる。

 移動する事数十分後、二人はユウカのいるミレニアムサイエンススクールに到着した。

 

「すげぇな…サンクトゥタワーの周囲も十分凄かったが此処は別格だな」

 

「まさに未来の世界って感じですね」

 

 ミレニアムサイエンススクールは先生の言うように未来の世界と評しても可笑しくない程、最先端の技術を扱っていたのだから。

 

「まずは誰かしらに会わねぇと広いからな。ユウカが何処にいるから知らねぇし」

 

「おい、アンタらは誰だ?」

 

 ミレニアムは広い。目的の人物に会えないためまずは何処にいるのか訊きにいくしかない。そう思っていたらメイド服の上にスカジャンを着た小柄な少女が声をかけて来たのだ。

 

「私達はシャーレの先生達だ。私は顧問の坂口」

 

「副顧問の坂田銀時だ。気軽に銀さんや銀ちゃんでも良いぞ」

 

「あぁ!ユウカの言っていた先生達か。私はメイド部ことCleaning&Clearing(クリーニングアンドクリアリング)の部長の美甘(みかも)ネルだ」

 

「メイド部?誰かに奉仕活動でもするのか」

 

「近いっちゃ近いな。それで二人は此処へ来た理由は何だ?」

 

「私達はこのキヴォトスへ来たばかりでね。ユウカにミレニアムの案内を頼もうかと思ってさ。彼女は今どこに?」

 

「ユウカなら本校舎にいるぞ。案内してやるよ」

 

 ネルの案内によって案内されてやって来た本校舎には丁度ユウカが外へ出るタイミングと重なった。

 

「先生!坂田さん!」

 

「やぁ、ユウ……」

 

「昨日ぶりだな。イ●ヘ●ジン」

 

「ブッ!」

 

 先生がユウカの名前を言うより先に銀時が別の名前を言った。それを隣で聞いたネルは思わず吹き出し、その本人は青筋立てて銀時に向かって走り出した。

 

「誰が・100・125・135・20・20・70の種族値ポケ●ンですか!!?」

 

「ヘビボッ!?」

 

 案の定、ユウカのドロップキックが銀時の腹部に刺さり、大きく吹き飛ばされたのだ。

 

「何てこと言うんですか!?」

 

「いやだって、この話終わったらパヴァーヌまで出番が……」

 

「銀時さんそれ以上はメタ発言!?」

 

「ぎ、銀時先生……こ、これ以上は……止めてくれ………は、腹が……い、痛いから……」

 

 銀時等のやり取りを見たネルはお腹を抑えて笑いを我慢していた。

 

「はぁ…はぁ……ん、んん!それで、今回はどのようなご用件でミレニアムに来たのですか?」

 

「私達はキヴォトスの事をよく知らないからね。今日はミレニアム、トリニティ、ゲヘナを見て回ろうと思ったんだ。坂田さんは私の補佐で彼がいればある程度の荒事は対処できるしね」

 

「成程、確かに言われてみれば納得できます」

 

 昨日見せた銀時の大立回りを思い出したユウカは納得する。大勢を相手に単独で斬り込んでも勝てる銀時が傍にいれば大抵の荒事なら問題ないと判断したからだ。

 

「分かりました。ミレニアムをご案内しますね」

 

 そうしてミレニアムの見学ツアーが開始された。ネルも面白そうだからと言う理由で三人に付いて行く事になった。

 

 

 

 

 ミレニアムサイエンススクール。

通称はミレニアムで三大学園と呼ばれている学園の一つで残りの二校のゲヘナやトリニティと比べて歴史は浅い物のキヴォトスにおいて『最先端』、『最新鋭』と呼称される物の多くはここで開発されたものであり、その多くがキヴォトスに普及している。そのため他のゲヘナやトリニティに負けない影響力を持っている。

 

「源外の爺さんが見たら驚くだろうな…」

 

「そう言えば銀時先生が元いた場所では銃を使わないのですか?昨日だって木刀一本で不良達を薙ぎ払っていましたし」

 

 ユウカが気になったのは銀時の世界に銃火器が普及しているのか。何故木刀一本で戦っているのか二つ。その問いに銀時は頭をかきながらこう答えた。

 

「銃火器の類はあるが単純に使う気が無いだけだ。俺の世界でも銃を扱える奴がいない訳じゃないし俺自身使える物は何でも使う戦い方だからある程度は使える。けど、俺が生きている世界は銃より(こいつ)で戦った連中が多かったし期間が長かったからな。必然的にこっちの方が手に馴染むんだよ」

 

 銀時がいた世界とて銃を扱う人物はいるが相対的に見れば少ない。それは銃よりも刀を使用している期間が長いからだ。

 

「ユウカだって新しいメーカーのペンよりも長年使ってきたメーカーのペンの方が使いやすいと思うだろう?それと一緒だ」

 

「何とも分かりやすい例え…」

 

 銀時の言葉にユウカは何となくではあるが理解できる。いきなり新しい物を使うよりも今まで使っていた道具の方が手に馴染むため効率が良く作業が出来る。

 

「因みに俺の木刀、辺境の星に生えている金剛樹って呼ばれる樹齢一万年の大木で作られていて下手な金属や隕石だって切れる。しかも通販で買える」

 

「マジか!?スゲェ!」

 

「いや、下手な金属より硬い代物が通販で買える時点で可笑しいわよ…」

 

「成程、木刀の素の耐久力と銀時さんの技量が合わさってあれだけの威力が出せると言う訳ですね」

 

 銀時の説明にネルは目を輝かせているがユウカはドン引きし、先生は洞爺湖の威力に納得している。

 

「木刀だけって訳にも行かないし何か道具が必要になったらお前達に頼むかもな」

 

「それは構わないのですが問題が一つ。爆弾くらいなら何とかなりますが刀となると百鬼夜行に問い合わせするかないかもしれません…」

 

「百鬼夜行?」

 

「正式名称は『百鬼夜行連合学院』と言ってキヴォトス内にある学園の一つで温泉やグルメ、お祭り等に力を入れている場所で雰囲気としては和の要素が強いので銀時先生なら馴染むかと思います」

 

「へぇ~今度行ってみるのも良いかもな」

 

 和やかな会話をしながらユウカによるミレニアム見学は終了した。

 

「今日は案内してくれてありがとう」

 

「いえ、こちらこそ本日はお越しくださってありがとうございました。銀時先生、二度と私の事をイ●ヘ●ジンなんて呼ばないでください」

 

「へいへい。次はトリニティ総合学園だったよな」

 

「そうですよ。またね」

 

 二人は次の目的地へ向かうため原付を走らせた。その背中を見えなくなるまで見つめていたネルは一息ついた。

 

「しっかし、銀時先生か……あの人と戦うのはちょっと勘弁だな」

 

「えっ?ミレニアム最強と言われているネル先輩がそう言うなんて…」

 

 ゲヘナの風紀委員長やトリニティの正義実現委員会長と並んで語られる程の武闘派な彼女が勘弁願いたいと言う姿にユウカは目を丸くした。

 

「アタシは近接戦なら負けない自負はある。けど、銀時先生が相手だと逆に不利になる感じがしたんだ。多分、単純な経験の差だと思う」

 

 経験の差。

 言葉にすると易いがそれが意味する物がネルにはとても重く感じられた。

 

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