ブルアカ×銀魂   作:ursus

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後編です。
エデン条約に入ったのですがベアトリーチェって何気に銀さんの地雷踏み抜いてない?


第二訓:どんな場所でも友好関係にいられる奴を作れ(後編)

 ミレニアムサイエンススクールを後にした銀時と坂口(先生)は次の目的地であるトリニティ総合学園へ向かった。

 

『銀時さん、次を右に曲がってください』

 

「あいよ。にしても『アロナ(・・・)』だっけか?道案内してくれるのは便利だな」

 

『ふふ~ん、これくらいの事なら簡単です』

 

「私のために保護フィールドを張ってくれますからね……坂田さん達にも適応でれば良かったのですが」

 

「俺達は弾を避けられるから何とかなるがアンタは違うんだろ?あんま気にすんな」

 

『私としては当たり前のように弾丸を避ける銀時さん達が凄いです』

 

 その場にいるのは銀時と先生だけなのに少女の声が聞こえる。その声の出処は先生のスーツの内ポケットにある。『シッテムの箱』と呼ばれるタブレット型デバイスのメインOSの『A.R.O.N.A』だ。

 

『そろそろトリニティ総合学園へ着きますよ』

 

 アロナに促される形で銀時は原付を走らせた。

 

 

 

 

 トリニティ総合学園はミッション系のお嬢様学校と言う感じで礼拝堂や古書館等と言った施設が有し、校舎は宮殿みたいな佇まいをしている。

 

「ミレニアムもそうだったが此処もかなり広いな」

 

「とりあえず、ハスミかスズミを探さないと……あれはハスミだよね?」

 

「あの大きさはあいつくらいしかいねぇから間違いねぇよ。やっぱ、タッパがデカイと分かりやすいな」

 

 ハスミかスズミを探していると先生が他の生徒と話しているハスミを早く見つけた。

 

「おや、先生に銀時さんではないですか?今日はどのような要件で?」

 

「今日は昨日お世話になった生徒の学園を回ってキヴォトスの事を知ろうと挨拶回りをしようって事になったんだ」

 

「因みに俺はシャーレの副顧問になったからよろしく。後、堅苦しいのは嫌いだから銀さんや銀ちゃんでも良いぞ」

 

「そうなのですか……では銀時先生とお呼びしますね」

 

「硬いな…」

 

「へぇ~貴方が噂の人物っすか。そんな風には見えないっすね」

 

 先程までハスミと会話していた糸目の生徒が銀時達の会話に入り込んできた。

 

「噂だぁ?って言うかお前は誰だよ?」

 

「あっ、申し遅れました。私は正義実現委員会の仲正(なかまさ)イチカっす」

 

「ハスミと同じ組織の奴か。俺はシャーレの副顧問の坂田銀時だ。それで噂って何?」

 

「銀時先生には銃社会のキヴォトスにおいて木刀一本で不良生徒を叩きのめした狂人って言う噂が立っています」

 

「間違っちゃいねぇけど狂人はねえだろ!?」

 

 ハスミが口にした噂の内容に銀時は思わず声を荒げる。確かに自分達の戦い方はキヴォトス内では珍しい部類だろうが狂人扱いされるのはお門違いにも程がある。

 

「恐らく銀時先生の武器が武器なだけに色々と脚色されたのかと」

 

「にしてもたった一日で噂になるなんて凄い勢いで広まっているね」

 

「それだけ先生と銀時先生達の存在が大きいのでしょう。噂に関しては銀時先生の方が広がる速度が速いです」

 

 銃撃戦が横行しているキヴォトスで白兵戦をする者はいないのだから目立つのは仕方がない事なのだ。

 

「ハスミ、今日は予定空いているかな?トリニティを案内して欲しいのだけど…」

 

「すみません。今日は予定があるので……私の代わりに非番であるイチカに案内をさせます」

 

「こっちこそ急な訪問でごめんね。イチカ、今日はよろしく頼むね」

 

「任せて下さいっす」

 

 イチカにトリニティの案内を任せたハスミは次の仕事へ向かった。

 

 

 

 

 イチカを筆頭にトリニティ総合学園の案内が始まった。

 

「改めて思ったが何でこの学園はトリニティって呼ばれているんだ?」

 

「そう言えば、先生も銀時先生もキヴォトスの外から来た人達だったっすね。これは私が産まれるよりも遥か昔の事っす。元々この学園は学園ではなくトリニティ自治区と呼ばれていたっす。トリニティ自治区は元々幾つもの学園が存在していましたが散発しているため学校間での紛争を避けるべく各校の代表が会談を行うために設けられた場を『ティーパーティー』と呼んでいたっす」

 

 銀時はトリニティ総合学園がどのように産まれた経緯が気になったのでイチカは説明する。

 

「各学園は『第一回公会議』における合意の元で『パテル』、『フィリウス』、『サンクトゥス』と呼ばれる三つの主要な学園を中心とした連合が結成されたっす。やがて、三つの連合が一つ統合されて三位一体と言う意味合いでトリニティ総合学園と一つの学園になったっす。まぁ、その弊害として違う派閥同士の生徒で時々喧嘩が起きているっす」

 

「派閥争いか。どこの世界でもやっているんだな」

 

「銀時先生の所でもあったんすか?」

 

「幕府の官僚共がやっているよ。失脚で命があるだけならまだ良いが中には自殺や事故に見せかけた暗殺なんて起こっているんだよ。尤も今は大丈夫だがな」

 

「うわぁ……それは何と言うか……ある意味私達より悲惨っすね」

 

 ヘイローのおかげで死ぬ事はないが陰湿な虐めがある話よく聞くが銀時の世界では血で血を洗う事になっている事にイチカは顔を引きつらせている。

 

「その派閥争いを取り締まるのが正義実現委員会って事で合っているかな?」

 

「より正確に言えば学園や校外等での違反行為を取り締まる自治活動が主な活動内容っすね」

 

「簡単に言えばこの学園の治安維持組織って所か」

 

「そんな感じっすね。後、似たような組織があるっす」

 

「先生!坂田さん!」

 

「やぁ、スズミ」

 

 聞き慣れた声がする方向へ向くと昨日出会った守月スズミがこちらにやって来た。

 

「そう言えば、自己紹介で自警団って言っていたな。似た組織ってのがその自警団って訳だな」

 

「そうっす。まぁ、非公認っすけど」

 

「同じ学園を守ろうと立ち上がったんだ。そこは大目に見てくれ」

 

 スズミを交え、イチカ主導の元、トリニティの学区内を案内される銀時と先生。あるカフェに差し掛かると先生はある集団に目に入った。

 

「あのカフェにいる四人組は友人関係かな?」

 

「彼女達は『放課後スイーツ部』と言って名前の通り、放課後になったらカフェやスイーツ店に寄って共にスイーツを嗜む部活っす」

 

「学生らしいね、ぎ………あれ?銀時さん?」

 

「いつの間に……」

 

「あっ、あそこにいます」

 

 いつの間にか銀時の姿がいなくなった事に気付いた先生とイチカは辺りを探してみたがいなかった。しかし、スズミがある方向を向くとある団体と一緒にいた。

 

「俺はパフェ全般的に好きだけど個人的に推しているストロベリーパフェだがお前らは?」

 

「私はチョコレートパフェかな?王道だしチョコの苦みとのバランスが良いんだよね」

 

「わ、私も銀時先生と同じストロベリーパフェが好きです。苺の酸味がいい具合にマッチして好きなんです」

 

「私はフルーツパフェ。色とりどりのフルーツが宝石みたいで綺麗だからね。それが旬の果物を使った物ならもう最強よ」

 

「なら私はプリンパフェを推すわ。プリンアラモードとは違う楽しみがあるから好きなのよ」

 

「「「す、既に馴染んでいる!!?」」」

 

 銀時は放課後スイーツ部全員と和気藹々と話している様子に先生達が驚きの声を上げてしまった。

 

「銀時先生の噂を聞いていたからどんな人かと思ったけどスイーツ好きには悪い人はいないからね。これからもっとお話がしたい」

 

「そうだな。お前らとも仲良く出来そうだし放課後スイーツ部の顧問を兼任できねぇかな?」

 

「銀時先生!今回はトリニティの案内であってスイーツ巡りじゃないっすよ!」

 

「おー悪い、悪い。また会おうな」

 

「まったね~」

 

 危うくスイーツ巡りになる所をイチカが強引に軌道修正して学園の案内を再開させた。

 

「銀時さん、甘党なんですね」

 

「まぁな。甘い物食べないとなんかイライラするんだよな、俺…」

 

「それは甘党を超えてもう中毒の域では?」

 

 よくそれで生きているなと思ったスズミであった。その後もトリニティの案内は粛々と進み、道中で派閥争いをしている場面に出くわしたが銀時が割って入ると小さな悲鳴を上げてそそくさと逃げて行った。それは噂の効果と銃撃戦が始まる前に銀時が木刀で両陣営の銃を三等分に斬ったからだ。

 

「サブマシンガンや戦車を斬った話は本当だったんすね。………と言うか何で出来ているんすかその木刀?」

 

「いつ抜いたのでしょうか?全く見えませんでした」

 

 その様子を目の当たりにしたイチカはドン引きし、スズミはスズミで銀時の抜刀速度に驚いている。そうした一悶着はあったものの無事にトリニティの案内を終えた。

 

「イチカ、スズミ、今日は助かったよ」

 

「こちらこそ有意義な時間を過ごせたっす」

 

「また、トリニティへ来てくださいね」

 

「お前らも気を付けろよ」

 

 先生と銀時は最後の目的地であるゲヘナ学園へ向かった。

 

「坂田銀時。噂通りのとんでもない人だったっすね。ツルギ先輩と同類……いや、別の意味でヤバいっすね。間合いに入られたら最後って思ったっす」

 

「この事でティーパーティーも銀時先生の存在を無視はしないでしょう。何らかの接触はあるでしょうけど、当の本人は全く興味がない感じですし自由奔放な性格のようですからどの派閥に入れても混乱必須でしょうね」

 

「放課後スイーツ部と話が合うみたいだしそう言った派閥間の話がなければ友好的と捉えればいいっすね」

 

 ティーパーティーはどのように行動するか分からないが銀時に関しては派閥に入れない方が良いと思ったイチカとスズミは予想していなかった。トリニティ総合学園にある意味銀時以上に混乱をもたらす人物が来ることに。

 

 

 

 

 銀時と先生は今日の最終目的地であるゲヘナ学園へ向かった。

 

「此処がゲヘナか。見た限り平和そうですね」

 

「自由と混沌が校訓だっけか?俺からすればかぶき町とあんま変わらないと思うがな」

 

 かぶき町が欲望の町と呼ばれているだけあって喧嘩が絶えないので驚く様子はなかった。先生はゲヘナの学園地区に入ると思いのほか平穏だった事に驚いている。学園へ向かっている最中に校門前にチナツがいた。

チナツもこちらに向かって来る二人の存在に気付いた。

 

「先生に銀時さん……」

 

「よぉ、元気そうで何よりだ」

 

「お二人はどうして此処へ?」

 

「キヴォトスへ来てまだ日が浅いからね。この場所を理解するためにミレニアム、トリニティ、ゲヘナに挨拶回りをしていたんだ」

 

「俺はその付き添いだ。後、シャーレの副顧問になった」

 

 先生が銀時を付き添いに選んだのは万事屋の三人の中で腕っ節が強いのでそれを見込んでの事だとチナツは理解する。

 

「そうですか。今見回りを終えた所なので問題ありません」

 

「助かるよ」

 

「あっ、悪いんだけどこの辺に土産になりそうな店知っているか?新八はともかく、神楽が癇癪を起こしそうだからな」

 

「それなら近くのケーキ屋がおススメですよ。ほら、あそこで――――」

 

 オススメのケーキ屋をチナツが指さそうとしたら突如爆発した。

 

「ば、爆撃!?」

 

「はぁ……」

 

 いきなりの騒動に驚く先生に対してチナツは呆れたようにため息を吐く。

 

「また温泉開発部の仕業ですか」

 

「温泉開発部?」

 

「公認の部活ではありますがゲヘナ学園内で一二を争う程の危険な部活の一つです」

 

「危険だなんて失礼だな」

 

 チナツから語られる温泉開発部の説目を否定するかのように臙脂色のシャツに黒の短パンの上にぶかぶかな状態で白衣を羽織っている女子と火炎放射器を手にした女子が現れた。更にその後ろにはツルハシやシャベルを持った生徒が多数いた。

 

「私は温泉開発部の部長の鬼怒川カスミだ」

 

「そして副部長兼現場班長の下倉メグ」

 

「私は各地の温泉を求めて――――」

 

「おい、クソガキ」

 

 カスミが自分達の部活の説明を遮った銀時は口を開くと同時にカスミの頭を鷲掴みにした。

 

「痛ダダダダ!?」

 

「何、ケーキ屋を爆破してんだ?テロ屋か?テロ屋なのかてめぇ?」

 

 蟀谷に青筋立てている所を見るにご立腹なのは見て分かる。アイアンクローの痛みを耐えながらカスミは銀時の説得を試みた。

 

「わ、私達は……情熱的に温泉を開拓していて……は、発掘したらそのお、温泉の……景観的にそぐわないからそれで……」

 

「そうか、そうか……」

 

 納得してくれたのか銀時はカスミの頭から手を放した。

 

「やっぱ、ただのテロ屋じゃねぇかぁぁぁぁぁ!!」

 

「ギャァァァァァァァ!?」

 

 カスミが安心したのは瞬き一回の時間で怒声と共に放った彼の拳骨がカスミの脳天に振り下ろされた。相当な怒りが込められていたのかカスミはその一撃で気絶した。

 

「ぶ、部長―――――!!?」

 

 気絶したカスミを見て絶叫を上げるメグを始めとした温泉開発部の一同。しかし、それだけで銀時の怒りが収まる事は無かった。

 

「温泉開発部だったか?お前らに教えねぇといけねぇな。『食い物の恨みの恐ろしさ』って奴を」

 

 顔は笑顔なのに目が全然笑っていない表情で腰に差している木刀を抜く銀時の姿を見た温泉開発部の運命は決まった。

 

 

 

 

 温泉開発部の騒動の後、チナツは後始末を部下に任せ、先生と銀時を引き連れてゲヘナ学園の案内をした。そして時が流れた現在は風紀委員の会議に出席していた。

 

「――――と言う事がありました。私からの報告は以上です」

 

「チナツ……その話は本当?」

 

「はい。帰宅部の生徒が目撃していますし温泉開発部の重機や武器は全部破壊されています」

 

 チナツの報告に他のメンバーは信じられない顔をしていた。

 結論から言うと温泉開発部の全員は銀時によって鎮圧された。木刀の斬撃で破壊される銃火器に重機に吹き飛ばされる温泉開発部の部員。銀時の戦闘を間近で見ていた帰宅部の生徒は『暴風みたいでヤッバ』と言っていた。

 破壊された銃火器と開発するための機材を証拠にし、更には別生徒の証言もある事から本当だと信じざるを得なかった。

 

「武器も重機も全部破壊されていますから温泉開発部も少しは大人しくなるでしょう。私からすれば仕事が減って嬉しいのですがね」

 

「シャーレの副顧問……坂田銀時ですか」

 

 風紀委員のある人物は銀時の名を呟き、ある事を思い付いた。

 

 

 

 

 挨拶回りを終えた銀時先生がサンクトゥタワーに戻った頃には既に日が暮れていた。

 

「新八、神楽、大丈夫………なわけ無かったな」

 

 事務室に顔を出した銀時が見たのは生気の抜けた表情で書類仕事をしている新八と机に突っ伏している神楽。二人に取ってかなりの重労働であったと銀時は察した。

 

「お帰りなさい。銀さん、坂口さん」

 

「今日は本当にお疲れ様です。あっ、お土産にケーキを買ってきたから神楽さんと一緒に食べてね」

 

「あ、ありがとうございます」

 

 こうしてキヴォトスでの一日は過ぎて行った。

 

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