人類が宇宙へと旅立ち太陽系の惑星を開拓してから数世紀後のことである。
人類はある問題を抱えていた。
それは食糧不足である。
その問題の原因は過剰な人口増加にある。
人口増加になったきっかけは単純である。
人は小規模であれば星を作れるようになったからだ。
そして人類は地球の周りや他の惑星の近くに惑星を作りそこをまとめて太陽系の惑星名と名付けたのだ。
そんな技術もあり人類はこの広い太陽系の宇宙であったとしてもそれを埋め尽くす程に増えてしまったのだ。
この問題に対しで人類達はある解決方法を見出した。
全人類が一定人数になるまで殺し合う戦争
口減らし戦争だった━━━
木星 エリア:ウェルタス にて
農業従事を従事している軍人が1人
農具を両手に掴みいつものように土を耕し田植えをしている。
「今日も良い天気だ」
コロニーにある擬似的な太陽光を浴び背伸びをする。
農具軍人の日常だ。
「明日は何人死ぬんだろうなぁ」
「あーここにいた!」
「フェルディナンデ!今日の作戦会議には必ず出てって私言ったわよね!」
「あーあの各陣営の生存争いだろ?どうせ俺達なんて大した権力も持ってねぇんだからまた最前線に送られるのがオチだって」
「まぁそりゃ私の家は没落貴族だから同じ結果になるかもしれないけど・・・でもやってみないと分かんないじゃない!」
「まぁその努力は認めるけどさ。どうせ戦場に出たら安全な所なんてねぇぜ?」
「まぁそりゃそうだけどせめて生存確率をあげるのが私みたいな無能指揮官の最低限の務めでしょ!それにあなたに死なれると私・・・」
「死なれると?」
「色々と困るのよ!」
「貴方は私の部隊のエースパイロットなんだから!貴方が死ぬと全体の士気に関わるのよ!」
「はいはいツンデレご苦労さん」
「誰がツンデレよ!」
「おーす。今日も元気に夫婦漫才かー」
「モース!貴方会議はどうしたのよ!っというかまだ夫婦じゃない!」
「まだ?」
「い、いやこれは。言葉間違いよ!言葉間違い!」
「で、会議はどうなったんだ?」
「会議はいつも通り前線送りに決定したよ。その後の会議は面倒臭いから新人に放り投げたわ。」
「可哀想にいきなり最前線って言われるのですら応えるのに後の武器予算会議を上司に投げつけられるなんてとんだパワハラ野郎だな。」
「まぁこれも良い経験だろ〜あ、そうだフェルディ。例のモビルスーツがやっと配備されたぞ」
「あーエースパイロット専用機体の・・・名前なんだっけ?」
「NT-Jupyter-welltass-RX145式。通称ウェルタスガンダムよ。」
「よく機体の正式名まで覚えてんな。半ば最前線になるの諦めてるんじゃないのかぁ〜?」
「保険よ!保険!」
「最前線になんて所に行かせようとするんだからせめて武器の予算ぐらいはふんだくってやるんだから!」
「ただ開発した武器のテスト実験にされてるんじゃないのか?」
「それは・・・そうかもしれないど」
「まぁ兎に角!他にも最新鋭の設備を設置したから整備士とパイロットは仕様を確認すること!いいわね!」
「了解」
「へいへい了解。オーダメイドの専用機になるとパーツの交換やら特殊な仕様とかで整備が苦労しそうだせぇ。引継ぎとかチョーめんどくさそー!」
「おいおいもう今後の心配か?気が早いな」
「そりゃ極光の魔術師さまがいてくれるわけだし。いや戦争を舐めてるわけじゃないぜ?心強いパイロットに対する厚い信頼さ。」
「期待してるぜ。フェルディ」
「まぁやるだけやってみるさ。」
「じゃあ私は軍の人員整理があるから。新人の研修指導は絶対に忘れないでよね!」
「流石にそれは忘れないよ」
「どうだか!」
「なぁフェルディ。エクレシアの事どう思ってんだ?」
「俺も好きではあるけどね。ただ俺じゃあ幸せにするのは難しいんじゃないかな。」
「やっぱ誕生規制か?」
「それもあるけどやっぱ軍人でかつパイロットやってる奴の伴侶なんてすぐ未亡人になるのがオチだぜ?」
「エクレシアにはさっさと軍人を退役してもらって安全で安定している場所にいる貴族とかとくっついてくれた方が良いよ」
「エクレシアがそれを望まなくてもか?」
「・・・」
「まぁいいや!他人の恋愛にこれ以上茶々入れるもんじゃねぇな。行こうぜ」
「ああ」
エリア:ウェルタス 軍人基地 新人教育場
「フェルディナンデ大尉に敬礼!」
「敬礼!ご指導宜しくお願い致します!」
「はいよろしく」
「ではまず口減らしの戦争の概要から説明する」
「口減らし戦争とは開始と終了が定められている戦争である。戦争終了日付が過ぎれば一時休戦となり次の戦争が始まるまで兵士は農作業業務が義務付けられている。また戦争終了後に攻撃した者は即刻死刑になるので死にたくない者はしないように」
「諸君は不幸にも明日から戦争という訳だが敵前逃亡は拷問及び死刑になるので逃亡しないように」
「次に口減らし戦争が完全に終了する条件を説明する。」
「いま空に浮かんでいるモニターを見て欲しい。このモニターの上部は全人類の総数で下部のパーセンテージが目標人数になる。これが100%になると口減らし戦争は終戦になる」
「100%になるには後何人死ぬ必要があるんでしょうか?」
「100%になるにはあと約70億人死んで貰う必要がある。」
「70億人も・・・」
「それほど人は無計画に増えてしまったという事だ」
「そしてこのモニターを管理しているのが中立団体NNNだ。たまに我々の星にも監査しにいくが敵と勘違いしないように」
「最後に我々木星の戦争方針について教える。」
「我々の方針は戦争貢献度によるポイント制度を導入している。このポイントを使って今後の私生活を送ってもらう。ポイントが無ければ野垂れ死のうが病気になろうが一切助けてもらえないのでそれ相応の覚悟をするように。
まぁ最初は上官の命令さえ遵守すれば二等兵ぐらいの生活は確約されるだろう。また他の者に対してポイントを譲渡する事は禁止されている。発覚次第即刻処刑なのでしないように」
「・・・」
「最後に大規模な農場といった食に大きく関わる場所を攻撃する事や戦略としてさせようと誘導するのは禁止されています。誤って誤射しただけで親族諸共処刑されるのでくれぐれも誤射のないように。」
「これ説明は終了となる。何が質問は?・・・無いようであれば次はモビルスーツの操縦訓練だ。30分後にモビルスーツ訓練場に集まるように」
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「これでモビルスーツの操縦訓練は終了だ。明日からはまた大規模な戦争が始まる。死にたくないのであれば今日の事を忘れるな。日直礼の指示を」
「上官に礼!」
「ご指導ご鞭撻ありがとうございます!」
訓練場から自室に戻ろうとすると
「おーす。もう授業は終わったのかい?」
「いつものように大半は目が死んでたよ」
「まぁパイロット候補なんて良くも悪くも家族に見捨てられた奴ばっかだしなぁ。どう使えそう?」
「まぁ最低限戦場で動けるようにはできたつもり。エンジニア整備班は?」
「てんで使えねぇ明日足パーツ交換ができたら上出来レベルだ。まぁ新人なんて使えねぇのが当たり前だし使える奴はそもそもこんな所にこねぇんだけどな」
「それはそうだね」
モースはいつものようにタバコを加え煙を吹きウイスキーを飲む。
そしてそれに呼応するかのようにフェルディナンデはウォッカをグラスに注いだ。
「また始まるな戦争」
「そうだね」
「何度めだっけ?」
「13回目ぐらいだっけ?覚えてないなぁ」
「いっぱい死んだな。同期は俺とお前だけになっちまった。」
「同期が半数未満になってからだっけ?味がしなくなったのは」
「あーそんなのあったなーあの時は地獄だった。皆泣きながらまずい飯を食って吐きそうになったよな」
「はぁ・・・ほんといつになったら戦争は終わるのかね」
「仕方ないよ。食糧は限られているんだし」
「死にたくねぇなぁ・・・ほんと死にたくねぇよ」
「俺もだよ。そして明日殺す敵もね」
「そうだよなぁ皆殺したくて殺してるわけじゃないよなぁ」
「わりぃ悪酔いしちまった。自室に戻るわ」
「じゃあなお互いくたばって無かったらまたどこか遊びにいこうぜ」
「・・・そうだね」
土星:帝国軍作戦会議室
「まだ起きていたのですがパートリック少佐」
「ああ、明日は長い因縁の木星との戦争だ。気が抜けんさ」
「何やら地球と共同開発した新型のモビルスーツが一騎配備されるという噂もある。あくまで噂だがモビルスーツの対抗策は必須だ」
「モビルスーツ一騎ごときで戦況は変わりませんよ。重要なのは小回りの利く戦艦と耐久力のある戦艦をいかに配備するかです」
「まぁ現状はそれで事足りるがそれが量産化された時が厄介だ。」
「それはそうですけど・・・」
「戦争はいつだってより良い兵器とその量産化の適正で決まる。貴君の時代の流れに追い抜かれないようににするべきだ」
「・・・いらぬ説教をしてしまったな。私も老害になりつつあるという事か」
「パートリック少佐は上層部のようなわが身可愛さだけで星や国民を食い潰す輩とは違います!あまり自分を卑下しないでください!」
「人はある程度成長すれば心に老害を宿すものだよ。あの頃に戻りたいという心情がね」
「少し休憩にするか。ライネリオ少尉何か面白い話題があれば助かる。」
「面白い話題ですが・・・そういえばさっき話題に挙がった新型のモビルスーツ『ガンダム』という名前らしいです」
「ガンダムか・・・その名前は聞き覚えがある。たしか創作物、フィクションに出てくる機械の名前であったな」
「そうなんですかよくご存じで」
「何私も良くは知らんが私の祖先が残したものの中にそういったものがあっただけだ。」
「確か熱血漫画だったかな?」
「モビルスーツという名前もその創作物から引っ張ってきたものらしい」
「フィクションはフィクションであるから良いのにフィクションを現実に持ちだすとは作者もさぞ憤りを感じるだろうよ。私であれば耐えきれん。」
「まさに死人に口なしですね」
「さて、明日からはそんなフィクションを使った殺し合いだ少尉。少尉には一部隊を率いて貰う気を引き締めるように」
そして両者とも眠りにつく。明日から始まる血も涙もない戦争に身を駆り立てるために
また気が向いたら書きます。