水陸両用MSとしての適性を活かして地上に上がってきたMSは全て倒した。
正確には俺達のいる場所に上がってきた水陸両用MSはというだけでの話で、他の場所からも爆発音が聞こえているのを考えると、敵がいるのはここだけではないのだろうが。
『アクセル代表、どうされますか? この場の敵は倒しましたが』
グフ・カスタムに乗ったノリスがそう言ってくる。
その言葉に少し考え……
「そうだな。他の場所を……回避しろ!」
他の場所にいる敵を倒しにいく。
そう言おうとしたのだが、最後まで言わず素早く指示する。
これがもしノリスのような古強者ではなく、戦場に慣れていないような者達だったりすれば、俺の言葉を聞いても即座にそれに従う事はなかっただろう。
だが、ノリスは違う。
即座に俺の指示に従い、海から発射されたミサイルを回避する。
海中から地上に向かって撃つミサイル? それもブーメラン状の整流板がついている……その瞬間、思い浮かんだのはグラブロだ。
マオからグラブロがいるという話は聞いていた。
そしてグラブロにはブーメラン状の整流板がついている、特徴的なミサイルを装備している筈だった。
ただ、そのミサイルは対空ミサイルだったと思うが。
いやまぁ、対空ミサイルであっても調整次第や使い方次第では海中から地上を狙う用途に使えない訳でもないと思うが。
「ノリス、俺は海中の敵を片付ける。お前は他の場所の援軍に回れ!」
『アクセル代表!?』
俺の護衛としてここにいるノリスにしてみれば、俺の指示を素直に聞けないのだろう。
それは分かる。
ノリスは律儀というか、ギニアスから命令されたという事もあり、現在の状況においてはベルファスト基地の無事よりも俺の安全の方が大事だと思っているのだろうから。
だが、それを分かった上で、俺は言葉を続ける。
「グフ・カスタムは海中での戦いは出来ない訳じゃないだろうが、苦手だろう」
『ですが、それはジーラインも!』
「ジーラインは地上用ではなく汎用機だ。勿論、だからといって海中でも自由自在に戦える訳じゃなくて、地上よりも大分性能は落ちるが……それでも戦えるのは間違いない。なら、ここで海中用のデータを取っておくのも悪くはないだろう?」
グラブロを止めるというのが目的なのは間違いないが、ぶっちゃけどっちが大事かと言われればやっぱり海中用のデータだ。
ハワイに戻れば海中用のデータを取れない訳ではないんだろうが、実戦における海中戦のデータとなると、少し話は違ってくる。
これも俺が混沌精霊だからこそ出来る事なんだろうが。
『分かりました。ですが、お気を付けて』
これ以上は言っても無駄と判断したのか、ノリスは短くそう言ってくる。
悪いとは思うが、実際戦力的な事を考えればこれは悪くない流れだと思う。
そうして俺は海中に入ると……
「予想以上に多かったな」
グラブロがいるのは、あのミサイルで予想出来ていた。
だがそれ以外にもアッガイやゴッグがそれぞれ数機ずついる。
ズゴックがいないのは、せめてもの幸運といったところか。
まぁ、ズゴックがいても恐らく倒せるだろうとは思うが。
そんな事を考えている間に、アッガイとゴッグがそれぞれ俺の方に向かってくる。
アッガイは海中にいる為か全機がメガ粒子砲ではなくミサイル……いや、ロケット砲を放ってくる。
ゴッグは腹部から魚雷を発射する機体もいれば、そのまま真っ直ぐジーラインに近付いてくる機体もいる。
グラブロは魚雷を発射してアッガイやゴッグの援護をしつつ、大きく回り込むように移動している。
ジーラインを逃がさないようにしつつ、隙があればその巨大なクローアームで攻撃しようというのだろう。
たった1機に向かってちょっと攻撃が集中しすぎじゃないかと思ったが、もしかしてジーラインが新型機だというのを理解しての行動だったりするのか?
それなら警戒して集中攻撃してくるのも分からないではない。
とはいえ、だからといって素直にその攻撃を受けてやるつもりはないが。
スラスターを使い、海中を移動する。
前もってジーラインについてはそれなりに情報収集をしておいたので、ノリスに言ったように一応海中でも行動出来るのは知っている。
だが、それでもやはり陸上で行動するのに比べると、かなり機動性は落ちるな。
海水の抵抗とかもあるんだろうが。
それでも機体制御をする事によって、無数にこちらに向かってくる魚雷を回避する。
海中で使える武器は、それこそゼロ距離射撃のショートビームライフルとビームサーベル、後はシールドを使った打撃くらいか。
頭部バルカンのペイント弾は、至近距離でなら命中させられるかもしれないが、それならペイント弾を使ったりせず、普通にシールドの打突部分で殴るなり、至近距離でショートビームライフルを撃ったりして撃破すればいいだけだ。
そんな訳で、魚雷の類を装備していないジーラインを操縦する俺は、まずはこっちに向かって来たアッガイとの間合いを詰める。
こういう事なら海中でも使えるバズーカ系の武装を持ってくればよかったと一瞬思ったが、倉庫になかったように思う。
わざわざ他の場所から持ってこさせると……うーん、それはそれで結構時間が掛かっただろうし、バズーカを使えないのは仕方がないか。
そう思いつつ、アッガイとの間合いを詰め、シールドを振るおうとするも……アッガイはそれを察したのか素早く後退する。
アッガイは水陸両用MSの中でもかなり古い機体だ。
しかもザクのパーツを流用しているという意味でも、ゴッグやズゴックとは違う。
だが、それでも海中での機動力は高い。
こっちがシールドで殴りつけようとするのを察した瞬間に回避したのだから。
これが例えば、カウンターの一撃を放ってくるとか、命中寸前のところで回避をするのなら、操縦の仕方である程度対処も出来る。
しかし、その一撃を放つ前にこっちの行動を察して攻撃可能範囲外に出られると、さすがにどうしようもない。
……いや、そうでもないか?
ジーラインのデータを取るという意味ではちょっと邪道というか、参考にはならないが。
それでも対処が可能なのは間違いない。
そう判断し、先程のアッガイが放ったロケット砲の一撃を回避して間合いを詰める。
アッガイのパイロットにしてみれば、またこっちが攻撃をするよりも前に回避すればいいと考えたろう。
成功体験というのは、それが成功したからこそ同じ行動を繰り返してしまう。
アッガイのパイロットもそれは同様だったようで、こっちが間合いを詰めてシールドを構えた瞬間、先程よりもあっさりとこちらとの距離を取るが……
「加速」
その瞬間、俺は精神コマンドを使う。
精神コマンドの加速は、移動力を上げるという効果を持つ。
そしてそれは、宇宙だろうが空中だろうが地上だろうが……そして海中であっても変わらない。
精神コマンドの加速は、どのような場所でもその効果を発揮するのだから。
それを示すかのように、ジーラインは不自然なまでの加速によって海中を進む。
本来なら海中でジーラインがこのような速度を出せば機体強度的に危険であったりもするのだが、それも精神コマンドの加速を使った事により、一時的に機体は不思議な力によって守られる。
アッガイのパイロットにしてみれば、これは完全に予想外の展開だろう。
いきなり爆発的な加速によって、ジーラインが瞬く間に間合いを詰めてきたのだから。
ジオン軍残党だけあって、それなりにベテランなのだろうが……それでも一瞬唖然としたのか、次の動きに出るのが遅くなる。
それを見た俺の口に笑みが浮かぶのを自分でも理解し……そしてアッガイのコックピット目掛けて、シールドを振るう。
このシールドはルナ・チタニウム製だ。
その頑丈さによって振るわれた一撃は、アッガイのコックピットを容易に潰す。
『ぐう……おの……れ……』
接触回線によって、アッガイのパイロットの断末魔が聞こえてくる。
コックピットを潰されながらも、そんな声を残す辺りジオン軍残党の執念深さがよく分かる。
とはいえ、だからといってそれを気にする必要はないのだが。
そんな訳でコックピットが潰れたアッガイを蹴り飛ばす。
これで海に入ってからは1機。
そんな風に思いつつ、こちらに向かってくるゴッグを確認する。
魚雷とかではなく、水陸両用MS特有の鋭い爪を使って攻撃してくるつもりなのだろう。
一斉に魚雷とかで攻撃をしても、その全てを回避したのだからこれ以上撃っても無駄と考えたのか。
実際、その判断は決して間違ってはいない。
海中ではジーラインの性能を最大限発揮させる事は出来ないものの、それでもこっちに向かってくるミサイルを回避するのはそう難しい話ではないのだから。
当たらない魚雷を撃つ……しかもジオン軍残党ともなれば、弾薬とかもそこまで豊富にある訳ではない。
だからこそ、魚雷ではなくアイアンネイルで直接倒そうと考えた者がいてもおかしくはない。
特にアイアンネイルはルナ・チタニウム合金であっても容易に破壊出来る威力を持つ。
そういう意味では悪くない選択肢だったのだろうが……
アイアンネイルを突き出す一撃がゴッグから放たれる。
振りかぶって勢いを付けるつもりで無駄な動きをしないのはさすがと言うべきだろう。
そうしてアイアンネイルの威力やMSの構造、海水の抵抗といったものを考えれば、振りかぶってもそれはあまり意味のない事なのだから。
だが魚雷の集中攻撃を回避するジーラインに、真っ正面から攻撃してきても命中する筈がない。
「甘いな」
そう呟き、スラスターを使ってアイアンネイルの一撃を回避する。
同時にショートビームライフルの銃口をゴッグのコックピットに接触させ、ゼロ距離射撃を行う。
その一撃で、あっさりとゴッグのパイロットは死ぬ。
海中だったからか、狙った場所によるものか、ゴッグはコックピットを破壊されながらも爆散することなく海底に向かって落ちていく。
これで2機。
続けて他の敵も……そう思ったのだが、残りのアッガイとゴッグが急速にジーラインから離れていくのが見えた。
俺に勝ち目がないと判断して撤退したのか、あるいは単純にここで死ぬまで戦うのは意味がないと判断したのか。
そう思っていたが、それでもジオン軍残党はこっちを完全に無視するという訳でもないらしく、回り込んできたグラブロが魚雷を発射しながら接近してくる。
グラブロの巨大なクローアームだが、巨大だからこそ弱点……というか欠点もある。
巨大な分、どうしても動きが普通の……ゴッグやズゴックのようなクローアームと比べると、遅くなるのだ。
攻撃をする時の瞬発力が劣るという表現でもいい。
潜水艦や海上艦を攻撃するのなら、それでも特に問題はないだろう。
だが、MSを相手に……それも一定以上の技量を持つ相手に対してとなると、どうしてもその攻撃は命中しにくい。
もっとも、こうしうて急接近してくるグラブロの巨体……それも地上や宇宙ではなく海中という場所での行動と考えれば、その異様に畏怖して動けなくなるといった者もいるかもしれないが。
幸いにも、俺はそういうので恐怖して動けなくなったりとか、そういう事はないので、あっさりと攻撃を回避しながら、クローアームにショートビームライフルの銃口を接触させ、トリガーを引く。
「って、おい!?」
ビームを撃った瞬間、ジーラインのコックピットにショートビームライフルの異常を知らせる表示が出る。
グラブロの右のクローアームがビームによって破壊されたと同時に俺はショートビームライフルを手放し、次の瞬間ショートビームライフルが海中で爆発したのを映像モニタで確認された。
やっぱり海中でショートビームライフルを使うのは難しかったか?
これが海ではなく川や湖といった淡水なら、あるいはもう少しショートビームライフルも使えたのかもしれない。
いや、そもそもUC世界の海でビーム兵器を使うのが間違いだったのか?
とはいえ、実際には海中や水中で使うビーム兵器も開発はされているらしいのだが。
ただ、それはあくまでも専門に開発された武器であって、ジーラインのショートビームライフルはそういうのではない以上、仕方がないのかもしれないが。
一旦距離を取ったグラブロを見つつ、そんな風に思う。
すると右のクローアームを破壊した事で、この場から撤退すると思われたグラブロだったが、大きく弧を描くように再びこちらに向かってくる。
なるほど、ショートビームライフルを失ったから、勝てると思った訳か。
なら丁度いい。
俺はそんなグラブロを待ち構え……左のクローアームの一撃を回避したところで、シールドの先端部分を叩き付ける。
その一撃は致命的という程ではないにしろ、大きくダメージを与え……
『くそっ、水天の涙の為にここで死ぬ訳にはいかん! 覚えてろ!』
接触回線で叫ぶと同時に機体を急旋回させ、グラブロの機体に突き刺さっていたシールドが抜け……そのままグラブロは逃げていく。
にしても、水天の涙? どこかで聞いた覚えがある言葉だな。
そんな風に思いつつ、俺は逃げ出したグラブロを見送るのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2315
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1824