ジーラインの動きが止まったのを見て、周囲に潜んでいた歩兵達は自分達の存在に気が付かれたと悟ったのか、即座にバズーカを発射する。
頭部バルカンでバズーカの砲弾を迎撃しつつ、ジーラインを後ろに下げ、近くにあった通りに入る。
結果として、ジーラインに命中する軌道にあった砲弾は頭部バルカンで迎撃され、残りの砲弾は俺が隠れたビルに命中し……
「死ね」
周囲のビルに歩兵が隠れていたという事は、当然ながら俺が盾代わりにしたビルにも数人の歩兵がいて、その歩兵のうちの1人は丁度ジーラインの頭部と同じ高さにいて、代わりのバズーカを持ち上げつつ、こちらに狙いを定めようとしているところだった。
どうやら歩兵の使っているバズーカは使い捨ての物なのだろう。
あるいは次の砲弾を込めるのに時間が掛かるので、既に砲弾を詰めておいた別のバズーカを使おうとしたのか。
その辺りは俺にもちょっと分からなかったが、それでも結局死ねば同じだ。
頭部バルカンから発射された弾丸は、あっさりとジオン軍残党の兵士を砕いて肉片にする。
MSとかを相手にした場合はあまり効果がない頭部バルカンだが、人間を相手に使った場合、その威力は致命的だ。
これで1人。
続いて他の場所をと思ったが、兵士達にしてみれば自分達の存在が知られた以上は即座に退避しているだろう。
あるいは別の場所に隠れるか。
ともあれ、厄介なのは間違いないので、スラスターを全開にして高く跳躍する。
同時に、地上に見えるザクタンクをビームライフルで貫く。
あのザクタンクは戦力としては決して高くはないものの、それでも機銃があるので、壊しておくに越した事はない。
これで2機……いや、2人か。
そのまま地面に着地する。
ザクタンクを囮にした攻撃はこれで防いだ。
さて、次はどんな攻撃をしてくる?
そう思って相手の動きを待つものの、相手が新たに攻撃してくるようには見えない。
ん? 撤退したか?
あるいは今の攻撃が最後だったのか。
その辺はちょっと分からないが、それでもジオン軍残党の攻撃が一時的にしろ止まったという事は、先に進むチャンスだ。
そう判断し、俺はジーラインを目的地に向けて進める。
進めるが……
「本気で敵の攻撃が止まったな」
ジーラインで進むこと、10分程。
広めの道路を移動しているにも関わらず、ジオン軍残党の攻撃は一切ない。
それを不思議に思い、呟く。
一応レーダーとかを使って周辺の状況を確認してみるも、特に敵の姿がある訳でもない。
ただ、遠くから爆発音を始めとした戦闘音が聞こえてくるのを考えると、恐らくユーグ達が戦っているのだろう。
それはつまり、こっちの戦闘音も向こうには聞こえていたというところか。
向こうでも派手に戦っている以上、こっちもゆっくりはしていられない。
ジーラインの速度を少し上げる。
ただし、敵の罠や待ち伏せがあった場合に備えて、ある程度の余裕をもっての行動なのは間違いないが。
だが……そんな俺の予想とは裏腹に、結局ザクタンクの一件以降は特に襲撃もないまま、ジオン軍残党が占拠している場所の一ヶ所に近い場所まで移動していた。
取りあえずここまで何もないと疑問なので、一度ジーラインから降りると同時に空間倉庫に収納する。
この光景、もしジオン軍残党が見ていたらどう思っただろうな。
とはいえジーラインをこの場に置いておく訳にもいかないし。
誰か偵察能力に秀でている者……それこそシャドウミラーの実働班の1人でもいれば、偵察を任せる事も出来るんだが。
今ここにいるのは俺だけである以上、そんな事を考えても仕方がない。
そんな訳で、一応気配遮断を使って目的地の偵察に向かう。
……とはいえ、気配遮断は直接自分の目で見る場合にだけ効果がある。
双眼鏡とかそういうので見ているだけで、気配遮断は役に立たない。
そういう意味では、UC世界のように科学技術の進んでいる世界ではあまり使い勝手はよくないスキルなんだよな。
とはいえ、今のところ使えるスキルは使った方がいいだろう。
いっそ影のゲートやスライムを使っての偵察もいいんだが、何となく今回は普通に偵察をするつもりになった。
そんな訳で、気配遮断を使い、混沌精霊としての身体能力も使って進み……
「あ、やっぱり」
目的の場所をとあるビルの屋上から見て、そう呟く。
俺の視線の先には、ザクが3機、グフが1機、ザクキャノンが1機の合計5機のMSがいた。
……ここに来るまでに結構な数を撃破したし、ユーグ達の方にも戦力は分散されている訳で……それでもこの数が残っているのは、ちょっとした驚きだ。
いや、でも考えてみればそんなにおかしな話じゃないのか。
何しろこのジオン軍残党は大都市のニューヤークを占拠するという行動に出たのだ。
当然ながら、それを行えるだけの戦力を用意していたからこその行動だろう。
勿論1つのジオン軍残党だけでは戦力が足りず、他のジオン軍残党と合流して戦力を増やしたのかもしれないが。
占拠した場所が2ヶ所というのも、その辺が関係していると言われれば納得出来ないでもない。
にしても、グフか。
このニューヤークの真ん中……コンクリートジャングルとでも呼ぶべき場所でグフの相手をするのは少し厄介だ。
グフのパイロットの技量次第というところはあるのだが。
それとは違い、ザクキャノンはそこまで警戒する必要はない。
ザクキャノンのキャノン砲は威力は高いものの、至近距離ではその本領を発揮出来ない。
MSである以上、ある程度は近接攻撃も出来るのだろうが、それでもやはりザクキャノンの本領はやはり遠距離からの支援攻撃だ。
だからこそ、こうして拠点となる場所にザクキャノンを置いておくのは……ああ、MSへの対抗手段というよりも、航空機に対する攻撃手段だったりするのか?
連邦軍は1年戦争の時もそうだったが、航空機を多種多様に保有している。
その中には上空から一方的に地上に攻撃する爆撃機もあり、それはジオン軍残党にとっては厄介な相手だろう。
特にジオン軍残党は数が少ないので、戦闘機や爆撃機の集中運用とかされると、受ける被害が洒落にならない。
だからこそ、ザクキャノンを対空用に待機させている可能性は十分にあった。
……というか、そもそもザクキャノンは元々対空用に開発されたらしいし。
実際には遠距離からの射撃による援護が有効だった事もあり、そちらの方を重視されたらしいが。
ともあれ、残りの敵の数はMSが5機。
マゼラ・アタックのような戦車は……どうだろうな。
こうして見ている限りでは、どこにもいるようには思えない。
だとすれば、俺が倒した奴だけなのか。
……まぁ、分からないでもない。
MSを主力とするジオン軍残党において、戦車の類はどうしても機動力に欠ける。
地上用のMSの移動速度とかが遅くてドムが開発されたが、そういうMSでも戦車とかと比べると高い機動力を持つ。
いや、実際には速度そのものはそこまで問題ないのか?
ただ、MSの場合は人型機動兵器だ。
つまり2足歩行で、それが山の中とかでも普通に移動しやすく、戦車とは違う。
ジオン軍残党がどこに隠れているのかは分からないが、その多くは当然だが山の中や林、森といったように周囲から見つかりにくい場所の筈だ。
……あ、でもノリスからちょっと聞いた話によると、アフリカだと連邦に反抗する部族とかも未だにいるらしく、その部族と合流しているジオン軍残党とかもいるらしいな。
実際にそれがどのくらいいるのか、そして連邦に対してどれくらい有効なのかはちょっと分からないが。
アフリカの熱帯とか砂漠とかそういう場所での戦いとなると、局地専用MSを有しているだろうジオン軍残党の方が有利なのは間違いない。
一応連邦軍もジムとかのバリエーション機として、熱帯とか砂漠とか、それ以外にも対応出来るようにはしてあるものの、それはあくまでも臨時というか、応急的なものだ。
熱帯とか砂漠で活動は出来るものの、そこでの活動に特化している局地専用MSには勝てない。
ただ、これはあくまでも今だけだ。
この先、連邦軍がMSの開発を進めれば、局地専用MSを開発するかもしれないし、あるいはバリエーション機であってももっと性能が上がる可能性もある。
……もっとも、コーウェンから話を聞いた限りだと、現在の連邦軍にはMSよりも戦艦を重視する大艦巨砲主義の連中が多いらしい。
コーウェンが必死になって何とか連邦軍再編計画にガンダム開発計画を組み込めたものの、この先どうなるのかは微妙なところだろう。
ガンダム開発計画が上手くいき、その結果としてMSが見直されればいいんだが。
そんな風に思いつつ、偵察を終了する。
こうして見た感じでは、やはり残っている敵の数はそう多くはない。
なら、とっとと敵を倒して占領されている場所を解放するとしよう。
ヒューとの賭けもあるし。
そんな訳で、俺は偵察をしていた場所から離れると、ある程度の広さのある場所に移動する。
周囲にジオン軍残党の見張りがいるかどうかはちょっと分からなかったが、いたとしても、それはそれで特に問題はない。
ここまで来れば、あとはやるだけなのだから。
空間倉庫からジーラインを出すと、すぐコックピットに乗り込んで機体を起動させる。
ジオン軍残党が混乱しているのが、映像モニタからでも理解出来た。
無理もないか。ジオン軍残党にしてみれば、いきなり警戒区域内の内部にジーラインが姿を現したのだから。
普通に……このUC世界の一般的な常識で考えれば、こんな事は絶対に有り得ない。
だからこそ、ジオン軍残党にしてみれば予想外の一手。
ただし、これは空間倉庫について……他にも色々とある俺の能力について、ジオン軍残党が全く知らないからこその混乱だろう。
ゴップとかなら、俺がそういう能力を持っているというのは理解しているので、こういう手段があると知れば納得するかもしれない。
ともあれ、ジオン軍残党が混乱している今がチャンスなのは間違いないので、即座に行動に移る。
ジーラインのスラスターを全開にし、跳躍する。
その数秒後、ジーラインのいた場所がザクキャノンの砲撃によって爆発した。
ある程度の広さのある場所だったが、それでも今の爆発によってジーラインがいた場所の近くにあった建物は相応の被害を受けている。
しかもその建物は新しい。
つまり、1年戦争終了後のニューヤークの復興事業で建てられた建物だろう。
その建物が破壊されたのはちょっと悪いと思うが、ニューヤークが戦場になっている以上は仕方がないと諦めて貰うしかない。
跳躍し、地上に見える複数のMSのうち、ザクキャノンに狙いを定める。
後方から援護をするザクキャノンは、出来るだけ早く倒しておきたい相手だ。
……今のように、その火力で周辺の建物に被害を与えたりとかする可能性もあったし。
そんな訳で、空中から落下しつつビームライフルでザクキャノンを狙う。
ザクキャノンは自分の攻撃が失敗したと判断した瞬間、素早くジーラインを狙って上空にキャノン砲を向けようとしていたが……
「遅い」
その言葉と共にトリガーを引き、ザクキャノンのコックピットが貫かれる。
爆発しているのを見ながら、ジーラインで次の標的を狙う。
残っている敵のMSは、ザクが3機にグフが1機。
この状況で狙うべきなのは……
「死ね」
その呟きと共に、グフもビームライフルから放たれたビームによってコックピットを貫かれる。
この状況でグフに乗っている以上、恐らくあのグフのパイロットは相応の技量の持ち主だ。
であれば、グフを使っての近接戦闘はグフのパイロットにとっては得意分野だろう。
わざわざ敵の有利な場所で戦ってやる必要はない。
……フィンガーバルカンを使って牽制をしなかったのは、ザクキャノンが俺を倒せると思ったからか、それとも自分が狙われるとは思っていなかったのか。あるいは他に何か俺が分からない理由があるのか。
まさかこの状況でパイロットがMSに乗っていなかったという事はないだろう。
ジーラインが地面に着地するのと同時にステータスを確認すると、予想通り撃墜数がザクキャノンの分と合わせて2増えている。
先程のビームライフルの一撃で倒したのは間違いない。
地面に着地した俺の前には、3機のザク。
ジーラインがジャンプをしている隙に、攻撃する準備は終わっていたのだろう。
1機がザクマシンガンを撃ちつつ、残り2機は左右からヒートホークで襲ってくる。
シールドを使ってザクマシンガンの攻撃を防ぎつつ、間合いを詰める。
右のザクは頭部バルカンで牽制し、左のザクには蹴りを放ちつつ、ザクマシンガンを撃っていたザクにシールドを投擲する。
そうして相手の動きが一瞬止まったところで、Gを無視した動きで強引にジーラインを一回転させる。
その手にはビームサーベルがあり……3機のザクは、コックピットを綺麗に切断されるのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2410
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1843