「え? あれ……壊れてないか?」
『壊れてますね』
映像モニタに表示された俺の言葉に、ガトーがそう言う。
オーガスタ基地でマオから指示をされたA-3地区にやって来たのだが、そこに設置されていたレーダー施設は明らかに壊れていた。
それを誰がやったのかは、考えるまでもない。
レーダー施設の側には数機のMSが……それもザクがいたからだ。
この状況でザクを使っているのは、当然ながらジオン軍残党だ。
そしてレーダー施設を破壊しているのもジオン軍残党。
つまり、あのザク達がレーダー施設を破壊したのは間違いなかった。
『アクセル、どうする?』
ヴィッシュがいつでもビームランスを使えるようにしながら、そう聞いてくる。
幸い……というのもどうかと思うが、ザクの群れはこっちを見て戸惑っており、攻撃はまだ仕掛けられていない。
倉庫から出た時にその場にいたMS小隊の1機が、ジオン系MSのギャン・クリーガーに向けてビームライフルの銃口を向けたのを見れば分かるように、このオーガスタ基地にジオン系MSがいるというのが、そもそもおかしい。
ここを襲っているジオン軍残党にしてみれば、ここにいるジオン系MSは仲間と認識してもおかしくはなかった。
まさかこのオーガスタ基地にルナ・ジオンの者達がいるとは思ってもいないのだろう。
とはいえ、これでゲルググならともかく、俺が乗っているのはギャン・クリーガーだ。
コンペで負けたギャンについては、果たして知ってる者がどれだけいるのやら。
そんな風に思いながら、俺はギャン・クリーガーで相手に近付いていく。
『だ……誰だ! こっちの設定した周波数の通信に応じないって事は、インビジブル・ナイツから情報を受け取ってないのか!?』
その通信から、インビジブル・ナイツという存在が明らかになる。
どうやらその集団が今回の作戦……水天の涙の実行役らしい。
多分だけど、あのイフリートのパイロットが所属している部隊といったところか。
「悪いが、お前達に用はない。……行くぞ!」
そう言い、ギャン・クリーガーを前に進める。
俺のギャン・クリーガーから少し遅れてガトーのギャン・クリーガーも追う。
ヴィッシュは後方でシールドのビーム砲を撃って援護する。
ギャン・クリーガーのビーム砲はそこまで射程が長い訳ではない。
しかし、この距離なら十分に相手を破壊出来るだけの威力を持っていた。
特に相手はザク……それも見た感じJ型だ。
命中すれば撃破するのは難しくなく……実際、ヴィッシュのビーム砲が1機のザクの身体を複数貫き、そのまま地面に倒れ込む。
こっちの攻撃に動揺したのか、一瞬動きが鈍ったジオン軍残党だったが、それでも1年戦争から戦い続けている事はあり、ヒートホークを手に攻撃してくるが……
「間合いが甘い」
ヒートホークは斧という形状である以上、どうしても攻撃可能範囲は狭い。
ギャン・クリーガーの持つビームランスと比べると、その違いは圧倒的だ。
ヒートホークを持ったザクがそれを振り下ろすよりも前に、素早くビームランスを突く。
ギャン・クリーガーのベースとなった機体、ギャンから引き続き使われている、流体パルスアクセラレーター。これは単純に言えば駆動装置のブースターとでも呼ぶべき効果を持ち、脚部の反応速度と駆動力を上昇させる効果を持つ。
つまり……短時間だが普通よりも俊敏な動きが可能という事になる。
ヒートホークよりも攻撃範囲の広いビームランスと、ザクよりも俊敏に動ける機体。
その2つが揃っていて、ザクに勝ち目がある筈もなく……ビームランスは何の手応えもないまま、その圧倒的な威力でコックピットを貫く。
これで1機。
次の敵はと視線を向けながら、素早い動きでその場を退避する。
ギャン・クリーガーのいた場所を通りすぎていくザクマシンガンの弾丸が、離れた場所に着弾しているのが確認出来た。
それを見ながらも、俺は操縦する手を止めない。
ギャン・クリーガーの右足で素早く地面を蹴って左足を軸とする事によって瞬時に方向を変える。
その動きのまま、ビームランスを振るう。
ビームランスという名称で、実際にその形状の馬上槍だが、その刀身がビームで出来ているのは変わらない。
つまりそれは、ビームランスであると同時にビームサーベルとしても使える事を意味していた。
結果として、至近距離でザクマシンガンを撃ったザクは、横薙ぎに振るわれたビームランスによって胴体をコックピットのある場所で切断される。
これで2機。
残りは……と周囲を見ると、既に他のザクも撃墜されている。
ガトーとヴィッシュの行動によって、素早く残りの敵も倒したのだろう。
なし崩し的に戦闘が始まってから、数分も経っていない。
それだけの時間で、俺が倒した2機とガトーとヴィッシュが倒した3機で合計5機のザクが撃破された。
にしても、基本的にMSというのは3機1個小隊なんだが……5機?
ジオン軍残党として、6機を集める事が出来なかったのか?
いやまぁ、オーガスタ基地にあるレーダーと対空施設を分散して破壊しているという話だし、寧ろこのA-3地区に5機もいた方がおかしいのかもしれないな。
もっともここはオーガスタ基地からそんなに離れていない。
つまり、オーガスタ基地から多数のMSがやって来る可能性が高い訳で……そう考えれば、ザクとはいえMSを5機も派遣するのはおかしくないのか。
実際に俺達が来た時には既に対空施設はともかく、レーダーは破壊されていたしな。
『アクセル代表、これからどうします?』
「ちょっと待ってくれ。マオに聞いてみる」
俺達が守る筈だった場所は、到着したら既に壊れていた。
これは恐らくマオにとってもかなり予想外の事態の筈だ。
そんな訳でマオに連絡をしてみたのだが……
『何ですか!』
鋭い舌鋒。
マオは俺がムウではなくアクセルだと知ってる筈だが、その上でこういう態度ということは、ファントムスイープ隊の方で何かあったんだろう。
「予定通りA-3地区に到着したが、既にザクが入り込んでいてレーダーは破壊されていた。対空施設の方は無事だが、どうする?」
『そこで護衛を続けて下さい! 敵が何の為にこのような行動をしているのかは分かりませんが、それでも狙われている以上はそのままに出来ません!』
そう言われる。
向こうの援軍に行った方がいいのではないかとも思ったが、もし援軍が必要ならマオがそれを頼んでくるだろう。
だが、そのように言わないという事は、援軍はいらないと思っているのだろう。
焦っている様子からして、危ないようには思えたが。
とはいえ、援軍を求められてないのに自分から援軍に行く必要もない。
いや、寧ろここで俺達が援軍に行ったら、強硬派とかに妙な因縁をつけられそうな気がする。
それにまだ無事な対空施設を守る必要があるのも事実。
ジオン軍残党が何を狙っているのか分からないが、場合によってはここに残った対空施設の有無がオーガスタ基地の存続の有無に関わってくる可能性もあるのだから。
「分かった。じゃあ、ここで対空施設を守る。何かあったら連絡をしてくれ。すぐに援軍に向かうから」
そう言うとマオは短く感謝の言葉を口にし、通信を切る。
ちなみに今の言葉は別にリップサービスとかじゃない。
ファントムスイープ隊の面々にはそれなりに仲間意識もあるし、それ以上にインビジブル・ナイツだったか。あのイフリートを使っている部隊とぶつかる可能性があった為だ。
ここまでの流れからして、現在起きている一連の出来事……水天の涙に関係する話の主人公は、恐らくユーグだ。
あるいはジオン側の話で、インビジブル・ナイツのイフリートのパイロットが主人公という可能性もあるが。
ともあれ、あのイフリートを入手するのならファントムスイープ隊の側にいた方がいいのは間違いない。
いいのだが、マオからはここで守って欲しいと言われている訳で……
『アクセル代表、敵の増援です!』
ヴィッシュからの報告に、考えを止める。
ここに残った対空施設を守る必要があると、そう示されてしまったのだから。
ここで俺達がファントムスイープ隊の応援に行けば、ここにある対空施設は間違いなく破壊される。
それは不味い。
「分かった。迎撃するぞ。敵の数は何機だ?」
『4機ですが……この移動速度は、ドムと思われます!』
追加の報告に、面倒な思いを抱く。
このオーガスタ基地のように平地にある場所でホバー移動をするドムというのは、非常に相性が悪い。
これで林とかそういうのがある場所なら、ドムにも相応の技量が要求されるのだが。
いやまぁ、ドムのパイロットである以上はそのくらいの技量はあると思った方がいい。
ギャン・クリーガーに乗っている俺達にとって、一瞬の瞬発力……加速性能とかなら、こちらの方が勝っているが、長時間の移動力となるとドムの方が勝っているのも事実。
「ドムはここで全機撃墜するぞ! ドムのような高い機動力を持つMSを放置しておくのは、連邦軍にとっても嬉しくないだろうし」
『了解』
ガトーとヴィッシュ、それぞれが短く言う。
そうして3機のギャン・クリーガーがいつでも攻撃出来る準備が完了し、そこにヴィッシュからの報告通りに4機のドムが姿を現す。
まさかツィマット社のMS同士がこんな場所で遭遇するとはな。
一瞬そうも思ったが、考えてみればそうおかしな話じゃないか。
ジオン軍のMSは基本的にジオニック社とツィマット社が開発していたのだから。
ズゴックやアッガイのように例外もあるが、それでも大半のMSはジオニック社とツィマット社だ。
そうなるとジオン軍残党がツィマット社のMSを使ってるのは、そうおかしな話ではない。
ただ、ドムを4機も持っているというのはちょっと予想外だったが。
ドム系は一応主力量産MSという扱いではあるが、どうしてもザクに比べれば製造された数は多くないんだが。
とはいえ、ドムの特徴の機動力は厄介だが、厚い装甲はビーム兵器には役に立たないし、高い火力のジャイアントバズも武器の性質上砲弾を撃ち落とすのは難しくなかったりする。
『来ました』
ヴィッシュの報告に映像モニタを見ると、その言葉通り4機のドムがホバー移動でこちらに向かって突っ込んでくる。
「ドワッジとかじゃなくて、ただのドムだったのがせめてもの救いか」
ハワイで俺が乗ったドワッジは、正式には熱帯で運用出来るようにしたドムのバリエーション機という扱いだ。
だが、実質的にはドムの性能向上型……総合性能が上がっている上位互換のような機体だった。
それなりに量産されたので、ジオン軍残党の中にもドワッジとかを運用している者達もいるかもしれないが、幸いな事に今回オーガスタ基地を襲撃してきた者達は違うらしい。
とはいえ、ただのドムでも慣れていない連邦軍の兵士にしてみれば厄介な相手なのは間違いない。
そういう意味では、こっちに来てくれたのはラッキーといったところか。
「俺が先に出る。俺を狙ってきた相手の隙を突くか、あるいは俺を回避して対空施設を破壊しようとした敵がいたらそっちを優先して撃破してくれ」
『アクセル代表!? 危険です、囮なら私が!』
「気にするな。一番腕のいい奴が囮をした方がいい」
ガトーにそう言うと、それ以上の反論は聞かずに敵に向かって突っ込む。
まだ通信でガトーやヴィッシュが色々と言っていたが、行動に移してしまえばもう手遅れだ。
4機のドムは、自分達に向かって近付いてくるギャン・クリーガーの存在に気が付いたのだろう。
即座にジャイアントバズを構え、連続して撃つ。
へぇ、さっきのザクのパイロット達とは違い、ギャン・クリーガーという、見るからにジオン系のMSに乗っているにも関わらず、向こうは容赦なくこちらを敵として認識したらしい。
あるいはさっきのザクのパイロット達が、戦いの中で専用回線を使って仲間に俺達の事を報告していたのか。
多分、そっちの可能性が高いな。
そんな風に思いつつ、ギャン・クリーガーの速度を上げる。
一瞬、本当に一瞬4機のドムのうちの2機の行動が乱れる。
向こうにしてみれば、まさか自分からジャイアントバズの砲弾に向かって来るとは思わなかったのだろう。
だが、ジャイアントバズは威力こそ高いものの、撃ちっぱなしでホーミング機能とかそういうのはない。
もしホーミング機能があっても、ミノフスキー粒子によって殆ど使い物にならないだろうが。
そんな訳で、俺はギャン・クリーガーの性能を十分に使って4発の砲弾の中を潜り抜ける。
そしてドムのうち、2機はまだ動揺から戻っていないらしく、動きがおかしい。
これがホバー移動ではない普通のMSなら、多少動揺してもそこまで機体の操縦に影響はない。
だが、ホバー移動をしているドムの場合はちょっとした操作ミスが機体の大きな動きとなり……
「遅い」
ビームランスの一撃が、1機のドムのコックピットを貫くのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2425
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1846