シーマとデートをした日の翌日……俺はゼロ・ジ・アールのコックピットにいた。
そしてゼロ・ジ・アールを牽引するのは、カトンボ。
……うん。月で実際に操縦してみた時に分かっていたが、全高70mのゼロ・ジ・アールは普通の軍艦には搭載出来ないのだ。
ドロス級なら何とかなる……か?
いや、格納庫的な意味では何とかなるとは思う。
ドロスの全高は120m以上ある筈だし。
だが、全高が120mであってもMSが出撃する時の射出口をゼロ・ジ・アールが移動出来るかと言われれば、微妙なところだろう。
しっかりと確認した訳ではないが、恐らく無理だと思う。
そんな訳で、ゼロ・ジ・アールは軍艦の格納庫に入れるのは無理なので、現在カトンボに牽引されてペズンに向かっているところだった。
フィフス・ルナが襲撃された時、そこに駆けつける時間を考えると、やはり月よりも地球に近いペズンの方が圧倒的に有利だ。
そんな訳で、現在ゼロ・ジ・アールを運搬中だった。
……ちなみに、一応空間倉庫に収納するのはどうかといった事も聞いたのだが、出来れば普通に宇宙空間を移動する際のデータが欲しいと言われれば、それを断ったりは出来ない。
ゼロ・ジ・アールがこれからルナ・ジオン軍におけるMA隊で運用されるのかどうか、その辺にも関係してくるだろうし。
ちなみにゼロ・ジ・アールの操縦に特化したシミュレータが用意されており、現在ケリィを始めとするMA隊はそれに集中してるらしい。
そんな訳で、ゼロ・ジ・アールは何気にルナ・ジオンの中でも重要な存在となりそうなんだよな。
だからこそ、少しでもデータを取る為に空間倉庫に収納せずにこうしてゼロ・ジ・アールは宇宙空間を牽引されていた。
牽引されてるだけなら、別に俺がコックピットに乗ってる必要はない。
しかし、万が一にも何かあった時の事を考えると、やはりコックピットに俺が乗っていた方がいいのも事実だろう。
何しろいつ敵が攻撃してくるのか分からないのだから。
シーマから聞いたように、ギレン派とキシリア派が渋々……本当に渋々ながらも手を組んでいるいる場合、このカトンボを襲わないとも限らない。
ルナ・ジオンにちょっかいを出せば、徹底的な報復が行われるのは知ってるだろうが、それを考えた上でもゼロ・ジ・アールというMAは戦力的に欲しいと思ってもおかしくはない。
とはいえ、もし……本当に万が一にもこのゼロ・ジ・アールを手に入れたとして、ジオン軍残党に出来るのは何度か襲撃に使った後、そのまま捨てるといったところだろう。
全高70m程の大きさという事もあり、それこそ本格的な格納庫の類でもなければゼロ・ジ・アールを収納は出来ない。
また、ゼロ・ジ・アールそのものが試作機である以上、使われている部品も既存のMSやMAと共通してる部分は……ない訳ではないだろうが、それでもやはり独自の部品が使われている場所が多い。
つまり、ジオン軍残党ではゼロ・ジ・アールの部品が摩耗してきたからといって、それを新品に取り替えるといった事は出来ないのだ。
ああ、でも万全の状態で使える数回で、フィフス・ルナのマスドライバーを占拠するとかのように決定的な場面で投入するのなら、ありではあるのか?
そんな風に考えていると、不意に通信が入る。
『アクセル代表、少し……いえ、大分離れた場所ですが、爆発光を確認しました。どうやら戦闘が行われている模様です』
「戦闘? ……映像を寄越せ」
そう言うと、カトンボからの映像がゼロ・ジ・アールの映像モニタに表示される。
そこには通信をしてきた男が言っていたように、爆発光が幾つか映されていた。
それはつまり、そこで戦闘が行われているという事を意味している。
もっとも、宇宙空間で戦闘が行われるのはそこまで珍しくはない。
それこそジオン軍残党が民間の船……特に貨物船とかを襲ったり、あるいは軍の補給艦を襲ったりとかするだろうし。
しかし、そういう場合はそこまで派手な戦闘にはならない。
当然だろう。民間の貨物船は基本的に護衛とかはいない。
あるいは護衛がいても、少数だ。
ジオン軍残党にしてみれば、余程の事がない限り容易に制圧出来る。
軍の補給艦はそれなりに護衛がいる可能性はあるが、それでも数は限られている。
その辺の状況を考えれば、これだけ長時間爆発の光やビームの光が見えるというのはちょっとおかしい。
だとすれば、補給艦とかではなく普通に軍艦に対して攻撃が行われたという事になり……なるほど、そう言えばそろそろファントムスイープ隊が上がってくるって話だったな。もしかして、それか?
「戦闘宙域に向かってくれ。もしかしたらそれは俺が地球で一緒に行動したファントムスイープ隊かもしれない。もしファントムスイープ隊がジオン軍残党に襲われているのなら、ゼロ・ジ・アールの性能を試す絶好の機会だ」
機体を操縦したり、メガ粒子砲を撃ったり、敵の攻撃を回避するようなことはしたし、一応模擬戦もやった。
だが、それはあくまで模擬戦でしかなく、実戦ではない。
そして模擬戦では分からなくても、実戦でようやく分かるというような事は新兵器を使う上でそんなに珍しい事ではなかった。
普通なら、ペズンに向かっている途中で戦いに乱入するというのは反対するだろうが……
『分かりました、すぐに行きましょう!』
即座に俺の言葉に賛成する。
これはカトンボに乗り込んでいるのが、ルナ・ジオン軍の兵士ではなくディアナの技術者だからだろう。
戦闘になった時にどうするのかという突っ込みをする者もいるが、量産型Wがいるので戦闘の指揮は問題ない。
他にもメギロートやバッタが大量に詰め込まれているので、戦力的にも問題はない。
相手の規模にもよるが、海賊程度ならどうとでも対処出来る。
そしてディアナの面々は、それこそゼロ・ジ・アールのデータ収集が大きな目的だ。
それに今のゼロ・ジ・アールは、設定の数値を俺に合わせて変更している。
その辺についての情報も欲しいのだろう。
そんな訳で、カトンボは戦闘が行われている方に向かって進み……
「よし、お前達はこの辺りで待っていろ。ここからは俺が出る」
ある程度戦場に近付いたところで、そう言う。
そんな俺の言葉に何人かが若干不満そうな様子を見せていたものの、それでも量産型Wは俺の命令が最優先なので、俺がそう指示した以上はそれに逆らう事はない。
余程の何か大きな出来事が起きたりしたら、また話は別だろうが。
『データの方、よろしくお願いします』
せめてもの言葉として、そう言ってくる。
「任せろ。しっかりとデータは取った上で、機体も出来るだけ破壊されないようにして戻ってくるから。……ゼロ・ジ・アール、アクセル・アルマー、出るぞ!」
その言葉と共に、ゼロ・ジ・アールを牽引していたワイヤーが解除される。
そして一気にスラスターを全開にする。
ゼロ・ジ・アール最大の特徴の高い機動力を存分に活かし、見る間に戦場に近付く。
「マジか」
驚きの声を発したのは、予想通り襲撃されていたのだがファントムスイープ隊だったから……ではない。
それは予想していた以上、驚くつもりはない。
そうではなく、俺が驚きの声を発したのはファントムスイープ隊を襲撃している敵……ジオン軍残党の中にビグロの姿があったからだ。
ビグロはMAの中では少数であっても量産された機体ではある。
だが、それでもジオン軍残党が有するというのは少し……いや、大分予想外だった。
ゼロ・ジ・アール程ではないにしろ、補充パーツとかどうしてるんだろうな。
というか、ビグロは今となってはルナ・ジオンのMA隊で使われている機体だ。
そのビグロがファントムスイープ隊を襲っているというのは、外聞が悪すぎる。
ビグロと戦っているのは、見覚えのあるジーラインのライトアーマー。
これは間違いなくユーグの機体だろう。
他にもシェリーが乗っていたと思しきジーラインが、スタンドアーマーではくアサルトアーマーで……いや、違うな。MSは全てジーラインになっている。
ジーラインは急遽量産したのか、それともどこかから持ってきたのか。
それは分からないが、そういう風にした理由は分かる。
何しろ連邦軍にしてみれば、フィフス・ルナのマスドライバーをインビジブル・ナイツに占拠され、水天の涙を実行されれば壊滅的な被害を受ける。
特にオーガスタ基地は、連邦軍にとってもかなり大規模な基地だ。
ましてやオーガスタ基地にはニュータイプ研究所が隣接している。
現在の連邦軍……いや、連邦政府にとって、ニュータイプというのは大きな意味を持つ。
ただジオン・ズム・ダイクンが口にした人の進化系というものであったり、MSやMAの操縦に特化した一騎当千に近い実力を発揮する兵士というだけではない。
……いや、ジオン・ズム・ダイクンについてはちょっと関係あるか。
何しろニュータイプの存在を予言したジオン・ズム・ダイクンの娘がニュータイプとして1年戦争中のドサクサ紛れではあるが国を興したのだ。
ましてや、その国はこのUC世界において決して侮る事が出来ないだけの影響力を持っている。
それだけに、恐らくだがこの世界の原作よりも連邦はニュータイプについて強い関心を持っている筈だった。
そのニュータイプの研究をしている研究所が破壊されるという事になれば、連邦にとって被害は非常に大きいだろう。
だからこそ、そうならないようにする為にファントムスイープ隊全員分のジーラインを用意したと言われても、特に驚きはしない。
もっとも、それなら戦力をファントムスイープ隊以外にも用意しないのは何故なのかといった疑問もあるのだが。
ともあれ、このゼロ・ジ・アールは見るからにジオン系のMAだ。
ジオン系の特徴であるモノアイを使っているのも、その判断を後押ししている。
そんな訳で、このまま進めばゼロ・ジ・アールはジオン軍残党の援軍と認識されるかもしれないので、それを止めておく。
一瞬だけゼロ・ジ・アールのコックピットの中が白炎に包まれる。
すると次の瞬間、俺は15歳程の年齢になっていた。
ムウ・ラ・フラガ特務少佐の姿に。
「ファントムスイープ隊、聞こえるか? こちらはムウ・ラ・フラガ特務少佐だ。ジオン軍残党に襲われているのを確認した。すぐに援軍に向かう」
こうして近付いたところ、ホワイトベース級の軍艦の姿がある。
サラミスとかじゃなくてホワイトベース級なのは、ゴドウィンがそれだけ今回の一件を重要視している証だろう。
『ムウ特務少佐ですか!?』
俺からの通信に応答したのは、マオだった。
とはいえ、マオはファントムスイープ隊の隊長ではあるが、あのホワイトベース級の艦長という訳ではないらしい。
「久しぶりだな。色々と話したいところもあるが、とにかくそっちでも確認出来ていると思うが、このMAには俺が乗っている。ルナ・ジオン軍の機体だ。間違っても攻撃はしないようにしてくれ」
ホワイトベース級という事は、メガ粒子砲以外に実弾の武器もあると見て間違いないだろう。
これがメガ粒子砲だけなら、Iフィールドを装備しているのでもし誤射されても問題はないんだが。
『了解しました。……スチュアート艦長、構いませんね?』
『だが……信頼出来るのかね? ルナ・ジオンの人間なのだろう?』
『ムウ特務少佐は、ファントムスイープ隊と行動を共にした事もある人物です。それに、ゴップ大将とも関係があります』
『分かった。では許可しよう』
会話が映像モニタを通して聞こえてきたが……これ、本当に大丈夫か?
マオと話していたスチュアートとかいう人物の言葉を聞く限り、あまり信用は出来ないように思える。
というか、事なかれ主義っぽい何かか?
……ゴドウィンがこの艦長を選んだのだろうが、本当に大丈夫か?
そんな風に思わせる会話だった。
『ムウ特務少佐、戦闘に参加するのが認められました。……うちの隊員をよろしくお願いします』
「ああ、俺も顔馴染みをこんな場所で死なせたくないしな」
懇願するかのような表情を浮かべるマオにそう返す。
マオにしてみれば、ここで俺のような戦力が援軍で来るというのは予想外の幸運だったのだろう。
にしても、この事件の原作の流れを考えると、今まで地上だった戦場が宇宙に変わったのだから、恐らく主人公だろうユーグはジーラインから新型機に乗り換えていたりしてもいいと思うんだが。
あるいは、ジム・コマンドからジーラインに乗り換えたのが俗に言う後継機イベントだったのか?
とはいえ、他の面々もジーラインに乗っているのを考えると、やっぱりユーグが何らかの新型機に乗り換えていてもおかしくはないと思うのだが。
そんな風に考えながら、俺の操縦するゼロ・ジ・アールは戦場に突入し……
「まずはこれでも食らえ」
その言葉と共に、頭部のメガ粒子砲を放つ。
その一撃は、リックドム、あるいはリックドムⅡかもしれないが、とにかく2機を纏めて消滅させるのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2460
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1853