ファントムスイープ隊が襲撃を受けている戦場に乱入したゼロ・ジ・アールの頭部メガ粒子砲は、リックドム、あるいはリックドムⅡ2機を一瞬にして消滅させる。
頭部メガ粒子砲は、ゼロ・ジ・アールが持つメガ粒子砲の中で一番威力の高い武器だ。
MSが2機程度で、どうにかなる筈もない。
戦いの中でそのような事が起きれば、戦場が混乱するのもおかしくはない。
とはいえ、ファントムスイープ隊の面々はマオからの通信で俺が戦いに参加するのは知っていただろうから、そこまで混乱はない。
だが……ジオン軍残党にしてみれば、俺の存在は完全に予想外のものだっただろう。
それを示すかのように、MSの動きが数秒だが鈍くなり……
「食らえ」
3機のザクに対し、メガ粒子砲を一斉に発射する。
その一撃は、動きが鈍った3機全てに命中し、消滅させる。
うん。一番威力が高い頭部ではなく、砲台型のメガ粒子砲も、内蔵されたメガ粒子砲も十分に威力は高いな。
MSが使うビームライフルの威力を超えている。
そんな風に満足をしていたが、ジオン軍残党は仲間が撃破された事によって明確にこっちを敵と認識したのか、次々とこちらに向かって攻撃をしてくる。
ああ、なるほど。もしかしたらだが、ジオン軍残党がゼロ・ジ・アールの存在に戸惑ったのは、モノアイとかを使っているのを見れば分かるように、ジオン系のMAだから味方かもしれないと判断したのかもしれないな。
そんな風に思いながら、俺はゼロ・ジ・アールのスラスターを全開にして敵の攻撃を回避する。
ジオン軍残党のMSである以上、当然ながらその武器は当時の物となる。
そして当時のジオン軍が使っていたMSで、ビーム兵器を使っていた機種はかなり少ない。
ジオンのMS関係の技術は連邦の10年先をいっているという表現はそれなりに聞いた言葉だが、ビーム兵器に関しては連邦の方がジオンよりも先行していた。
その結果として、ジオン軍残党においてビーム兵器を使うMSは少なく、実弾を使う敵の方が多いのは当然の流れだろう。
つまり、ゼロ・ジ・アールの特徴であるIフィールドは意味がない……訳ではないか。
敵の中にはビグロもおり、そのビグロはかなり高威力のメガ粒子砲を使えるのだから。
ともあれ、実弾を相手にした場合はゼロ・ジ・アールにとっても決して余裕な訳ではないので、放たれる攻撃を回避する。
ただしメギロートとの模擬戦でもそうだったように、全高70mのゼロ・ジ・アールは幾ら俺の操縦技術があっても、その全てを回避することは出来ない。
そんな訳で敵の攻撃は可能な限り回避し、それでも命中する攻撃は、バズーカの砲弾を最優先にメガ粒子砲で撃ち落としていく。
バズーカは砲弾の速度は遅いものの、純粋な威力は高い。
それこそルナ・チタニウム合金の装甲であっても破壊出来る威力を持つのだ。
超硬スチール合金が装甲となっているゼロ・ジ・アールなら、バズーカを食らえば大きな被害となってもおかしくはない。
それが分かっている以上、迂闊に攻撃を食らう筈もない。
また、同時に複数のメガ粒子砲を持つゼロ・ジ・アールを操縦している以上、実弾の迎撃だけで終わる筈もない。
普通のパイロットならそれは無理かもしれないが、エース級ともなれば敵の攻撃を回避しつつ、命中しそうな実弾を迎撃し、それ以外のメガ粒子砲で敵を攻撃する……そんな事も可能だった
「1機、2機、3機、4機……纏めて消し飛べ!」
ゼロ・ジ・アールを素早く動かしながら、素早く4機のMSにロックオンし、トリガーを引く。
次の瞬間、その4機のMSはメガ粒子砲で一瞬にして消滅した。
これで7機だな。……まぁ、最初に不意を打った時の数を合わせれば9機だが。
そんな風に思っていると、ジオン軍残党もゼロ・ジ・アールが非常な脅威だと判断したのだろう。
その判断は正しい。
だが問題なのは、冷静にそう判断したのではなく、反射的にゼロ・ジ・アールが危険だと判断した事だろう。
結果として、ゼロ・ジ・アールに注意を向けた瞬間、ファントムスイープ隊がその隙を突いて攻撃し、撃破していく。
……ジオン軍残党の中には、何を思ったのかジーラインとビームサーベルで斬り合いをしていたにも関わらず、ゼロ・ジ・アールに攻撃しようとした者がいて、その隙を突かれてビームサーベルで攻撃されて撃破された機体もいた。
だが……そうしてジオン軍残党が不利になった為だろう。
ユーグのジーラインと戦っていた……というか、ビグロの持つ高機動性を使って半ば一方的に攻撃をしていたビグロが、こっちに向かってくる。
ジオン軍残党にとって、このビグロが最強の兵器であるのは間違いない。
当然ながら、乗っているパイロットも腕の立つ者なのだろう。
実際、ユーグとの戦闘では機体性能の差もあるのだろうが、かなり有利に戦いを勧めていた。
それでも仲間が次々と撃破されるのを放ってはおけなかったという事か。
こっちに向かって近付いてくるビグロ。
ユーグのジーラインがビームライフルで追撃をしているが、ビグロの速度からその狙いは外れる。
ビグロのパイロットの意識は既に俺……というか、ゼロ・ジ・アールにしかないのだろう。
一撃でこちらを撃破しようと、ビグロの特徴的なクチバシの部分が展開し、メガ粒子砲の砲口が露わになる。
なるほど、ビグロのパイロットにしてみれば、ゼロ・ジ・アールの巨大さから、高速移動しながらのメガ粒子砲でも狙いは外さないと判断したのか。
それは間違っていない。
間違っていないし、メガ粒子砲の数の差を考えると悪くない選択ではあるのだが……甘い。
そう思いながら回避しようとして、その動きを止める。
回避しようと思えば出来るだろう。
ゼロ・ジ・アールはその巨体とは裏腹に高い加速性能を持っている。
それこそ純粋な加速性能はビグロを上回っているだろう。
しかし……この場合、相手の心をへし折るという事を考えると、ビグロ最強の攻撃力を持つメガ粒子砲を正面から受けた方が手っ取り早いだろう。
それに収集データ的にも悪くない筈だ。
そんな訳で、俺は敢えてゼロ・ジ・アールをその場から動かさずに停止させる。
そんなゼロ・ジ・アールの姿を見たビグロのパイロットは、恐らく必勝を確信したのだろう。
次の瞬間、ビグロのメガ粒子砲が放たれる。
ビグロのメガ粒子砲がどれだけの威力を持っているのかは、そのメガ粒子砲を流用してスキウレという移動砲台が開発されたのを見れば明らかだろう。
その威力は非常に強力で、それこそ普通のMSなら命中したらその時点で撃破されるのは確実だろう。
だが……それはあくまでも普通ならではの話だ。
ビグロから放たれたメガ粒子砲は、ゼロ・ジ・アールに向かって飛んだものの、次の瞬間弾かれる。
高速移動しながらである以上、その光景に驚いてもビグロの動きが止まったりはしない。
真っ直ぐこちらに向かって突っ込んで来て……そのタイミングで、頭部メガ粒子砲を撃つ。
本来なら、確保した方がいいのだろうが、ビグロだしな。
これがビグロではなく、全く別のMAであったら鹵獲するという事も考えたのだが、ビグロはルナ・ジオンで普通に運用しているMAだから、わざわざ鹵獲する必要もない。
なので、遠慮なく正面から頭部メガ粒子砲を撃ち、そのビームに飲み込まれたビグロはゼロ・ジ・アールとすれ違った後で爆散する。
ビグロが撃破された事により、この戦いは無事に終わるのだった。
『ムウ特務少佐、助かりました』
戦闘終了後、ユーグがそう通信を送ってくる。
以前と話し方が違うのは、単純に俺の事を知らない者がいるからだろう。
あのホワイトベース級の艦長とか、俺がアクセルだとは分かっていない筈だし。
であれば、この通信もどこから聞いてるかは分からない以上、アクセルではなくムウとして……それも大尉のユーグより階級が上の少佐として扱う必要があった。
「こっちも顔見知りが死ぬのはあまり好ましくないしな。それにこの機体の実戦データも取りたかったし」
『なんというか……凄いMAですね』
それしか言葉に出来ないらしい。
それも当然か。
MSの3倍以上の大きさを持つのだから。
ゼロ・ジ・アールを前にすれば、それこそ普通のMSは玩具のような存在だ。
「ああ、ルナ・ジオン製の新型機だ」
アクシズからの献上品である以上、正確にはアクシズ製のMAなのだが。
だが、アクシズについて向こうがどれだけの事を知ってるのか分からない以上、ここでわざわざアクシズの名前を出す必要もないだろう。
それにルナ・ジオンにもディアナという兵器メーカーがあり、そこにはジオン公国から多数の技術者を引き抜き、それ以外にも亡命してきた者達も含めると多くの者達がいる。
そうである以上、ルナ・ジオンで新型MAを開発してもおかしくはない。
……実際、SEED世界の兵器メーカーと協力して新型MAを開発するという流れになってるのは事実だし。
そういう訳で、俺の言葉が完全に嘘という訳ではない。
『ルナ・ジオンはMAの運用に積極的だという話を聞きましたけど、それは間違いないようですね』
「だろうな。MIP社の出身はそれなりに多いし。……とにかくこっちの事はともかくとして、ファントムスイープ隊はこれからどうするんだ? 俺達はペズンに向かうつもりだったが」
『……ルナツーに向かう予定になっています』
数秒沈黙があったのは、ファントムスイープ隊がこれからどこに向かうのかを話してもいいのかどうか、マオに確認したからだろう。
にしても、ルナツー?
いやまぁ、ルナツーは連邦軍が有する小惑星基地だ。
そういう意味では、ユーグ達がルナツーに行くのは自然な事だろう。
だが、インビジブル・ナイツが狙っているのはフィフス・ルナ……それもそこにあるマスドライバーの筈だ。
フィフス・ルナにもそれなりに軍事施設があるのなら、ルナツーに行かなくてもフィフス・ルナに行った方が、いざという時の対処がしやすいんじゃないか?
あるいは俺に言えない何か……連邦軍だけの機密として、ファントムスイープ隊がルナツーに行く必要があるのか。
取りあえずこれ以上詳しく話を聞こうとしても無駄だな。
「分かった。なら、また会う事もあるかもしれないから、その時はよろしくな」
インビジブル・ナイツを追ってここまで来たのなら、会う事があるかもしれないではなく、間違いなく会うだろう。
とはいえ、既に俺はファントムスイープ隊と一緒に行動している訳でもない。
なら、こういう感じで適当に言っておいた方がいいだろう。
『あ、待って下さい。その……ムウ特務少佐、彼女は元気ですか?』
彼女?
ユーグの言葉に一瞬誰の事を言ってるのか分からなかったが、映像モニタに表示されているユーグの顔……目を見れば、ユーグが誰の事を聞いているのかは分かった。
シェリーはユーグにとっても部下だった。
実際にはスパイだった訳だが、それでもユーグにとって色々と思うところがあったのは間違いないだろう。
そしてシェリーは、アデン基地で兄のクリスト共々俺が転移魔法を使って連れ去った。
それ以来ユーグはシェリーに会っていないのだから、元部下としてどうなっているのか気になってもおかしくはない。
とはいえ、ユーグはマオと良い関係だった筈だ。
この状況でシェリーの事を聞けば、間違いなく嫉妬すると思うんだが。
その辺には気が付いていないのか、それとも気が付いた上で今しかシェリーの事について聞けないと思ったのか。
その辺は俺にもちょっと分からなかったが、今の状況を思えばこの辺について教えても別に構わないだろうと判断する。
「ああ、元気だ。兄とも上手くやってるよ。今は農業を楽しんでいる」
『……え? 農業、ですか?』
最初、俺が何を言ったのか理解出来ないといった様子で沈黙した後、念の為といった様子で聞き返してくる。
ユーグにしてみれば。シェリーが農業をするというのは想像出来なかったのだろう。
「ああ、農業だ。色々と忙しかったから、少しゆっくりする方がいいと思ってな」
実際には、元インビジブル・ナイツの2人が目立たないよう、念の為に罪人達が暮らす農場に送ったという方が正しい。
報告によるとクリストとシェリーも結構楽しんでいるらしいし。
クリストは片足が動かないので農作業には向いていないかと思ったが……寧ろかなり積極的にやってるらしい。
しかも筋がいいとか何とか。
農業の筋がいいってのは、どういう事を言うんだろうな。
無農薬野菜だけに、雑草を抜いたり虫の対処をしたりとかか?
ともあれ、クリストは実力を伸ばして農場でも既に1人前の戦力として数えられているらしい。
シェリーの方も、クリスト程の才能はないようだが、初めて行う農作業を珍しくも、楽しんでいるとか。
食事については少し不満もあるようだったが、それでも兄妹揃って充実した毎日なのは間違いないらしい。
『そう……ですか』
唖然とした様子でユーグが呟くのを、俺は笑みを浮かべて眺めるのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2500
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1861