恐らくは強硬派が乗っているのだろうジム・コマンドが放ったビームライフルの一撃は、それを知った瞬間ジャマイカンに最悪の未来を見せたかもしれない。
だが、俺にしてみればそんな敵の攻撃は望むところだった
何しろ、俺が乗っているのはゼロ・ジ・アール……Iフィールド搭載のMAだ。
当然ながらジム・コマンドのビームライフル程度の攻撃でどうにかなる筈もなく、ビームはIフィールドによって弾かれる。
それを見たジム・コマンドは、動きを止めた。
相手の不意を突いた一撃で、何故全くダメージを与えられなかったのか、全く理解出来なかったのだろう。
マスドライバー付近で行われた戦闘のデータを取ってなかったのか。
あるいはファントムスイープ隊を助けた時の戦闘データを貰っていなかったのか。
もしくは……ジャマイカンとかの上層部はその情報を持っていたものの、MS部隊にはその情報を流していなかったのか。
いや、さすがにそれはないか。
場合によっては、このゼロ・ジ・アールと戦うのはMS隊となっていた筈だ。
勿論、それはジャマイカンにとって最悪の結果だが。
そのような状況である以上、情報を何も渡していないということは考えられない。
他に考えられるとすれば、理由もなく自分達が優れていると考えた強硬派のパイロットが、わざわざそのような映像を見る必要はないと考えたのか。
普通ならまず有り得ない事なんだが、強硬派の場合はそれがないとは言えないんだよな。
ともあれ、どう交渉したらいいのかを迷っていたところで、この状況はありがたい。
そしてこうなれば、俺のやる事も決まっている。
ここであのMSパイロットを敵に確保されてしまえば、今回の一件は大きな失態だが、それでも自分達で解決したという事になるのだ。
つまり、ここで俺がやるべきなのは……照準を合わせ、即座にトリガーを引く。
次の瞬間、ゼロ・ジ・アールの頭部から放たれたメガ粒子砲がビームライフルを撃ったジム・コマンドに命中する。
小破や中破、あるいは大破……そんなダメージではなく、ジム・コマンドは爆散して消滅する。
頭部メガ粒子砲は、ゼロ・ジ・アールが持つ武器の中で最も攻撃力が高い。
その上で頭部を動かす事が出来るので、ある程度の射角の調整も可能という、使いやすい武器だ。
……インビジブル・ナイツと戦った時のように、生け捕りにする時とかは使えないが。
仲間が撃破された事で、MS隊はそろってこちらに武器を向けてくる。
ビームライフルを構えている者もいれば、ジムライフルを構えている者もいる。
ジムライフルを構えている敵は、ビームライフルが弾かれたのを見てビームは効かないと思ったのだろう。
そしてビームライフルを構えている敵は……Iフィールドに回数制限か何かがあると思ったのか。
その辺は俺にもちょっと分からないが、それでも連邦軍にしてみればいきなり仲間が撃破されたのだから、このような行動に出てもおかしくはない。……俺の予想通りに。
MS隊からいつ攻撃されるか分からない状況ではあるが、俺は特に動揺せずジャマイカンに通信を送る。
「俺に向かって攻撃をしてきた奴を反撃で殺したが、どうする? この様子を見る限りでは、俺と戦うことを希望してるのか? まぁ、それならそれでいいが……ジャマイカンはゴップやコーウェンといった連邦軍の上層部に連邦とルナ・ジオンが戦争になった事についての釈明を考えておくんだな」
『待って下さい! こちらにそんなつもりはありません! MS隊に武器を下ろさせろ!』
『しかし、仲間が殺されたのですよ!? このまま何もせずに返したとあっては、連邦軍の名誉に関わります!』
映像モニタから聞こえてくるその会話。
どうやら強硬派はMS部隊だけではなく、ブリッジにもいたらしい。
強硬派がどこにでもいるのは、今までの経験から何となく理解していたので特に問題ではないんだけどな。
「どうやら本当に連邦軍はルナ・ジオンと戦いたいみたいだな。なら、俺もこれから本気で相手をするが、構わないな。見て分かるように、俺が乗っているのはMAだ。1年戦争の時の戦いを思い出して貰えば分かると思うが、MAは高い攻撃力を持つ。……言うまでもないが、お前達は間違いなく全滅するぞ? そしてルナ・ジオン軍と戦って敗北した原因となったのは、ジャマイカン。お前だ」
正確にはジャマイカンの部下の暴走といった感じなのだろうが、指揮官である以上は部下のコントロールも必須だろう。
『ま……待って下さい!』
ジャマイカンの、半ば悲鳴のような声が聞こえてくる。
……いや、悲鳴のようなというか、完全に悲鳴だったが。
『アクセル代表のお怒りは分かりますが、どうか……どうか怒りを抑えて下さい。連邦とルナ・ジオンは現在のところ非常に上手くいっている筈です。だというのに、それを台無しにするようなことはどうか……』
上手く、か。
いやまぁ、その言葉が完全に間違っている訳ではない。
連邦の学者は異世界の動物や植物を観察出来るクレイドルに興味があり、そういう意味でルナ・ジオンに好意的だ。……中には、権力欲とかから自分が異世界の動物や植物を管理すべきだと考え、その為に月を奪還するべきと主張している者もいるが、そのような者は少数だ。
また、ゴップのように1年戦争時代からルナ・ジオンと協力関係にあった者であれば、友好的な関係が続いているだろう。
だが、先程ビームライフルを撃ってきたジム・コマンドのパイロットのように、連邦軍で増えてきている強硬派はルナ・ジオンを明らかに敵視している。
それはハワイの周辺で強硬派が色々と動いている件からも想像出来るだろう。
強硬派にしてみれば、独立国のジオン共和国ですら実質的には連邦の属国だ。
なのに、ルナ・ジオンという実質的にも明確な独立国があるのが我慢出来ないのだろう。
ましてや、そのルナ・ジオンは連邦と戦えるだけの戦力を持っている。
そしてジオンの名を継いだ……どころか、ジオン・ズム・ダイクンの娘が建国した国だ。
連邦にとって大きな収入源であった月を奪われたのも、強硬派にとっては我慢出来ないだろう。
それ以外にも様々な理由から、強硬派にとってルナ・ジオンは憎むべき存在なのだ。
その辺を突いてもいいのだが、やりすぎて本当にどうしようもないまで追い詰めて、暴発されても困る。
「そうだな。ゴップとはこれまで良い関係だった。……そして、出来ればこれからも良い関係であって欲しいとは思う」
そう言うと、ジャマイカンは地獄で蜘蛛の糸を見つけたかのように嬉しそうな表情を浮かべる。……蜘蛛の糸は多数の者達が上ろうとすると切れるんだけどな。
『で、では……?』
「マスドライバーを占拠したジオン軍残党のうち、俺達が捕らえた者は全員こちらで確保させて貰う。それでいいのなら、今回の件は流そう」
『そ、それは……』
何も言えなくなるジャマイカン。
無理もないか。
マスドライバーを占拠されただけでも大きな失態なのに、その上で俺が捕らえたインビジブル・ナイツの面々は1人も渡さないと言ってるのだから。
もしジャマイカンがこの件を上に報告すれば、間違いなく大目玉だろう。
出世も遠のくと思って間違いない。
「どうした? それともやはり、ルナ・ジオンと連邦の戦争の引き金を引いた人物として歴史に悪名を残す方がいいか?」
『そのような事は……』
まさに苦悩という表現が相応しい、そんな様子で悩むジャマイカン。
とはいえ、先程と違うのは逃げ道がある以上は、どうしようもなく追い詰められて暴発する可能性はない……訳ではないが、それでも大分減ったという事か。
出来ればファントムスイープ隊がここに到着するよりも前に話を決めてしまいたいんだけどな。
もしここでファントムスイープ隊が到着すれば、ジャマイカンは俺が与えた2つの選択とは違う、第3の道を選ぶ可能性がある。
とはいえ、その第3の道はファントムスイープ隊と共に俺に攻撃を仕掛けるというものである以上、結果としてルナ・ジオンと連邦が戦争になるというのは変わらないのだが。
「悪いが、こっちにも色々とやるべき事がある。早く決めてくれ」
映像モニタの向こう側では、ジャマイカンの部下達がどうするべきかと論争をしている声が聞こえてくる。
ただ、声を聞いた感じでは強硬派はそこまで数が多くないらしい。
このままの調子でいけば、上手く交渉が纏まるか?
そう思っていると……いや、寧ろそう思っていたのがフラグとなってしまったのか、カトンボからの通信が入る。
ジャマイカンとの通信に音が流れないようにして、映像モニタに表示されたカトンボの軍人に尋ねる。
「どうした?」
『インビジブル・ナイツの収容を完了しました。ただ、ファントムスイープ隊が戦場に到着した模様です』
「……そうか。何かあったらすぐにでも移動出来るように準備をしておいてくれ」
そう言い、カトンボとの通信を切る。
そしてジャマイカン達との通信で音声を聞こえるようにすると……
『援軍が来たのだから、戦うべきだろう!』
予想通り向こうでもファントムスイープ隊の接近に気が付いたのか、強硬派のそんな声が聞こえてくる。
不味いな。
先程までは、こちらにとって有利な方向に話が進んでいたんだが……ユーグ達も、タイミング悪く来たな。
とはいえ、せめて来たのがファントムスイープ隊であった事を感謝するべきか?
もし他の……それこそ強硬派とかがやって来ていたら、そこれそ問答無用で戦いになっていてもおかしくはない。
そういう意味では、まだファントムスイープ隊で良かったのだろう。
とはいえ、ファントムスイープ隊を率いているマオは杓子定規な性格をしているし、ホワイトベース級の艦長をしているスチュアートは典型的な小物だ。
このままだと不味いことになるかもしれないな。
「どうやらそっちでも援軍の接近に気が付いたようだが……どうする? 俺と戦うのか?」
ジャマイカンを牽制しておく。
これでジャマイカンがこちらに攻撃してくると判断したら、その時は戦えばいい。
ファントムスイープ隊とはあまり戦いたくないが、ジャマイカン達と戦うのを躊躇するつもりはない。
……ジャマイカンには歴史に汚名を残すのかといったような事を言っておきながら、俺はそれを平気でやろうとしてるんだよな。
とはいえ、ジャマイカンと俺では立場が違う。
俺の場合は、後でどうとでも言い繕う事が出来るのは事実だ。
そんな俺の強気を感じたのか、ジャマイカンは慌てて首を横に振る。
『いえ、そんなつもりはありません。……お前達、いい加減にしないか! ここでアクセル代表を敵に回すような事をして、どうなるかの想像も出来ないのか!』
議論……いや、既に言い争いか?
そんな様子を見せるブリッジの面々に向かい、鋭く叫ぶジャマイカン。
その叱責は俺が予想していた以上に強い効果を発揮したらしく、映像モニタの向こうの騒ぎが一瞬にして静まる。
へぇ、これはちょっと意外だったな。
そう思ったが、改めて考えればそうおかしな話でもないのか?
この状況で連邦軍の指揮をしてるのだから、それなりに能力がある人物なのは間違いないのだろうし。
「なら、最後の確認だ。俺はこのままペズンに戻ってもいいんだな? 勿論、マスドライバーを攻撃していた者達で捕虜にした連中は全員連れて」
そう尋ねると、ジャマイカンは悔しそうにしながらも頷く。
悔しそうにするのは、この一件で間違いなくジャマイカンは上層部から責められるからだろう。
フィフス・ルナにジャマイカンより階級が上の者がいれば、その相手に責められる。
ジャマイカンがフィフス・ルナで一番偉い場合、上層部に今回の件を報告すれば責められる。
……マスドライバーを占拠された時点で既にどうしようもないのだが、それを多少なりともどうにか出来るインビジブル・ナイツの身柄を全てこちらに奪われたのだ。
ジャマイカンの出世に響くのはほぼ間違いないだろう。
その事を悔しく思っているのは間違いないだろうが、だからといってここで戦いを挑むような事をした場合は、歴史に汚名を残す事になる。
ジャマイカンにしてみれば、それは絶対に避けたかったのだろう。
「じゃあ、俺はこの辺で失礼する」
そう言い、ゼロ・ジ・アールをその場で反転させて、カトンボのいる方に向かおうとしたところで……新たに通信が入る。
『ムウ特務少佐』
そう通信を送ってくる……というより、そういう風に呼び掛けるのが誰なのかは、考えるまでもなく明らかだ。
「マオか。……もう、アクセルで構わないぞ」
返事をしつつ確認すると、ファントムスイープ隊の母艦として使われているホワイトベース級の姿が映像モニタにはしっかりと映し出されていた。
出来ればユーグ達が来るよりも前にこの場から脱出したかったんだが……来てしまったものは仕方がない。
もう少し会話に付き合うとするか。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2505
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1862