『アクセルさん、すいません』
アストンがそう通信を送ってくる。
既に俺はガンダム・グシオンに乗っており、アストンと共に目的地に向かっていた。
アストンにしてみれば、自分のせいで俺を戦場に引っ張り出す事になってしまい、申し訳なく思ってるのだろう。
「気にするな。いや、寧ろよくやったと言ってもいい」
『え?』
何故褒められたのか分からないといった様子のアストン。
普通に考えれば、この高密度デブリ帯において強い影響力を持つ夜明けの地平線団と揉めた……あるいはそこまでいかなくても睨み合いになっているのだ。
怒られることはあっても、褒められるとは思っていなかったのだろう。
「もし上手くいけば、夜明けの地平線団のMSを確保出来る。あるいはMSは壊れてしまっても、エイハブ・リアクターやフレームは入手出来るだろう」
『は?』
理解出来ないといった様子のアストン。
アストンにしてみれば、この状況は決して自分達に有利ではないのだろう。
だからこそ、俺の言葉が意外だったらしい。
「いいか、アストン。ピンチはチャンス。もっとも例外は多々あるけど。ただ、今回はその例外じゃない。夜明けの地平線団の大きさからすると、恐らく本隊には連絡をしていない可能性が高い。実際には現場に行って話を聞く必要があるが、もしそうなら事態の流れは決して悪くない筈だ」
『そう、なんですか?』
「ああ。間違いなくな。……そんな訳で、お前達は褒められはしても、叱られることはない。いや、見つけたエイハブ・リアクターを既に向こうに渡していれば叱るかもしれないが」
『それはないと思います。アクセルさんが欲しがってるエイハブ・リアクターですから』
アストンのその言葉は、普通に考えれば非常に嬉しいものだ。
だが……少し、本当に少しだけ、行きすぎているように思えるのは俺の気のせいか?
とはいえ、その気持ちは分からないでもない。
アストン達はヒューマンデブリとしてブルワーズに使い捨ての消耗品のような扱いを受けていた。
その境遇から俺が救ったのだ。
そう思えば、俺を命の恩人と思って強い恩を感じてもおかしくはない。
「そうか。まぁ、それならそれで構わない。とにかく急ぐぞ」
そう言い、ガンダム・グシオンのスラスターを強める。
全開にしないのは、夜明けの地平線団と戦いになった時の事を考えてだ。
ガンダム・グシオンは重装甲と高機動を両立した機体だが、それだけに推進剤の消耗が激しい。
ましてや、グシオンハンマーという巨大な武器を持っているのも影響している。
ハルバードのような形状のグシオンアックスというのもあったから、あっちを最初に使い慣れておけばよかったな。
あっちならまだそれなりに使いやすそうだったし。
まぁ、主武器のグシオンハンマー以外にもサブ武装はそれなりにある。
グシオンチョッパーと呼ばれている鉈とか、他にも手榴弾や90mmサブマシンガン、胸部に内蔵されているバスターアンカーとか。
特に最後のバスターアンカーは対艦用の武装で、それはつまりMSに対してもそれなりに効果があるという事を意味している。
ガンダム・フレームだけあって、エイハブ・リアクターが2基ある事によって出力も他のフレームを使ったMSよりも強いし。
そんな事を考えつつも、ガンダム・グシオンを操縦していく。
高密度デブリ帯だけに、周辺には結構な数のデブリが浮いている。
しかもこの辺は俺達がエイハブ・リアクターを探したりしていたので、その影響もあってか以前よりもデブリの数が増していた。
『見えてきました!』
デブリの中を移動していると、アストンの声が聞こえる。
その言葉に映像モニタを確認すると……確かにそこにはマン・ロディが数機いた。
幸い……かどうかは分からないが、夜明けの地平線団のMS隊とはまだ戦いになっていないらしい。
とはいえ、マン・ロディはそれぞれガンダム・グシオンが使っているのと同じ武器である90mmサブマシンガンの銃口を夜明けの地平線団のMSに向けていた。
向こうのMSはマン・ロディと違って装甲重視という訳ではない形態だ。
機動力や運動性ではマン・ロディに勝っているだろう。
これが人間であれば、銃口を向けた時点で戦いになっていてもおかしくはない。
ましてや、元海賊と現海賊の面々だ。
だが、これはMSだ。
ナノラミネートアーマーは高い防御力を持つので、90mmサブマシンガン程度の攻撃では命中しても意味がない。
いや、全く意味がない訳ではないのだが。
攻撃が何発も当たれば、ナノラミネートアーマーは剥離してしまい、そこに追加の攻撃があればダメージは与えられるし。
……ともあれ、こうして見るところ今はまだ戦いが始まってないの事実。
そこに俺はグシオンハンマーを手にしたガンダム・グシオンで、その場に割り込む。
「そこまでだ!」
オープンチャンネルで叫ぶ。
もっとも、エイハブ・リアクターが多数存在するここでは、オープンチャンネルを使ってもここにいる面々にしか通信は届かないだろうが。
『何だ、てめえ』
そう言ってきたのは、相手のMSパイロットなのだろう男。
ただし、昌弘達と違って子供ではなく、大人の男だ。
これは……ヒューマンデブリじゃない? つまり、阿頼耶識を使ってないパイロットか?
クダルの件もあるし、そう考えれば大人が……ヒューマンデブリではないMSのパイロットがいてもおかしくはないのだが、それでも疑問もある。
大人よりも、ヒューマンデブリの方が戦力的にも経済的にも優秀なのではないか、と。
ちなみに経済的にはともかく戦力的にもというのは阿頼耶識的な意味でだ。
MSを自分の思うように操縦出来る阿頼耶識だが、それを取り付ける手術は子供のうちでないと出来ない。
だからこそ、ブルワーズでは安値で買えるヒューマンデブリを大量に購入し、そして阿頼耶識の手術をしていたのだ。
ただ、この男の様子を見る限りでは夜明けの地平線団はブルワーズとは違い、大人のパイロットを使っているらしい。
あるいはヒューマンデブリもいるが、偶然この来た連中が大人なだけだったのか。
「俺か? 俺はこの連中の上司だ」
正確にはシャドウミラーの代表なのだが、その辺については取りあえず言わなくてもいいだろう。
そう思ったのだが……
『へぇ……そのMSに乗っていたのはクダルって奴だったと思うんだが、お前は明らかに違うよな?』
「……何?」
してやったりといった様子で笑みを浮かべる男。
いやまぁ、ガンダム・グシオンはガンダム・フレームだけに他の機体とは違ってかなり目立つ機体だし、クダルも外見はかなり奇抜だったし、昌弘達から話を聞く限りだとMSの操縦の腕もかなり良かったらしい。
少なくても、阿頼耶識を使う昌弘達よりも上だというのは本人達から聞いている。
つまりこのオルフェンズ世界において、阿頼耶識というのは大きな力なのは間違いないものの、それは決して絶対の力という訳でもないのだろう。
『クダルがいなくなったって話はどうやら本当だったようだな。へっ、あの野郎共の話が本当なら、ここまで戦力を連れてくる事はなかったか。そうは思わねえか?』
「あの野郎共?」
独り言を口にしているようでいながら、明らかに俺に聞かせる様子の男。
実際最後の言葉は、俺に聞いているのだからそれは間違いないだろう。
にしても、あの野郎共? ……ああ、なるほど。
あの野郎共というのが何を意味しているのか。そして何故この連中がここにいるのか。
それについてはすぐに予想出来てしまう。
「つまり、お前達はブルワーズを抜けた連中を拾った訳か」
そう言うと、男はニヤリとした笑みを浮かべる。
考えてみれば、すぐに分かる事だ。
海賊を止めたブルワーズから抜けた者達がどこに行くのか。
海賊を止めるつもりなら、シャドウミラーとなった新たな組織に残るだろう。
だが、それが無理だからこそ、そして俺の存在が気にくわないからこそ、あの連中はブルワーズを抜けたのだ。
そんな連中が頼る相手として、この高密度デブリ帯において強い影響力を持つ夜明けの地平線団というのはおかしな話ではない。
寧ろ抜けた連中にしてみれば、ステップアップしてるとすら言えるだろう。
あるいは同じ海賊同士という事で知り合いがいて、それで頼ったのかもしれないが。
ともあれ、この連中が俺達の……元ブルワーズ、現シャドウミラーの情報を前もって知っており、その上でここに来たのは間違いないらしい。
『勿論だ。独断専行は結果を残せば他の連中を黙らせられるからな』
ピクリ、と。
得意げな男の言葉に反応する。
これは、本当にもしかしたらもしかするか?
「つまりお前達は俺達が見つけたエイハブ・リアクターを奪うのを誰にも知らせずに行動に移したという事か?」
『決まってるだろ。せっかく手柄を挙げられるんだぜ? なのに、何でわざわざ他の連中に手柄を分ける必要がある?』
よし。
俺が予想していた中では最高の結果だ。
いや、本当の意味で最高なのは、このまま大人しく撤退してくれる事だったんだが。
向こうは最初からこっちを倒すつもりでいる以上、それは期待出来ないだろう。
そうなると戦う必要があるが、夜明けの地平線団の本隊に連絡を入れていないとなると、ここで倒してしまうのが手っ取り早い。
あのMSはガンダム・グシオンやマン・ロディと違い、俺の所持していないMSだし。
にしても、この連中に俺達の情報を教えた奴は、何を思って俺達が弱いと決めつけたんだろうな。
まぁ、こっちにとっては悪い事じゃないし、何よりここでエイハブ・リアクターを多数入手出来れば、それを売る伝手を作る為に火星に向かう。
そうなると、夜明けの地平線団と揉める事もないだろう。
まぁ、揉めたら揉めたでこっちとしてもそれなりにやる気ではあるのだが。
「そうか、分かった」
『ほう、素直だな。なら、そのMSを寄越せば……そしてブルワーズの全てを寄越せば命だけは助けてやるよ。何でも聞いた話だと、いい女がいるそうじゃねえか。それを味見した後で上に献上すれば、俺達ももっと……』
「何か勘違いをしていないか?」
下種な妄想を口にする男に対し、俺はそう言う。
自分の妄想を途中で中断された男は、それが面白くなかったのだろう。
あるいは、俺がへりくだった態度を取らないのが面白くないのか。
ともあれ、それはこの連中の勝手だ。
俺がそれに従う理由はない。
『俺達が何を勘違いしてるってんだ?』
「それはな……こういう事だ!」
その言葉と共に、ガンダム・グシオンのスラスターを全開にして敵との間合いを詰める。
十分に近付いたところで、スラスターを操って機体を回転させ、同時にグシオンハンマーのスラスターも全開にしつつ、大きく振るう。
『へ?』
向こうにしてみれば、まさか俺が攻撃してくるというのは予想外だったのだろう。
間の抜けた声を発し……次の瞬間、コックピットがハンマーに潰される。
「続け! 1機も逃がすな!」
そう叫び、次の敵に向かう。
ガンダム・グシオンが間近に迫り、それでようやく動き出す敵。
向こうにしてみれば、まさかここで俺達が反撃に出るとは思っていなかったのだろう。
ブルワーズを抜けた者が、具体的にどのような説明をしたのかは分からない。
あるいはクダルが精神障害を負ったのも、ブルックが死んだのも、生身での戦いであったからこそで、MS戦でなら勝てると思ったのかもしれない。
そういう意味では、こっちにとって利益になる行動ではあるが……だからといって、かつての仲間を売るという行為は決して許容出来ない。
『く……来るな!』
そう叫びつつ、妙な形の……何だあれは? 打撃武器なんだろうが、それを振り回す。
だが、混乱した咄嗟の状況で、そんな攻撃が命中する筈もない。
グシオンハンマーのスラスターを使って機体の軌道を変更しつつ、そのまま振るう。
グシャリ、と。
そんな音を立てて、MSのコックピットが装甲諸共に潰される。
よし、これで2機。
残りは……
そう思って周囲の様子を見ると、そこでは複数のマン・ロディによって夜明けの地平線団のMSが次々と撃破されているところだった。
『て、てめえら……夜明けの地平線団に手を出してただですむと思ってるのか!? 今なら許してやるから……おい、ちょっ……聞けよ! クソがぁっ!』
必死になって叫ぶ男もいるが、そんな言葉を聞く者はいない。
このままここにいると不味いと悟り、逃げようとするが……グシオンハンマーを手放し、90mmサブマシンガンを手に取り、トリガーを引く。
ナノラミネートアーマーを相手にこんな射撃武器でダメージを与える事は出来ないが、動きの妨害をすることは可能だ。
移動しようとするのを銃撃で邪魔をすると……
「あ」
それでも何とかこの場から離脱しようとしたMSがスラスターを全開にしたが、ここは高密度デブリ帯だ。
そんな場所でそのような事をすれば……
「ご愁傷様って奴だな」
デブリにぶつかり、その衝撃でパイロットは気絶したのか、そのまま動きを止めるのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:2520
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1865