俺のゲイレールとマーベルのユーゴーが転移したのは、シャドウミラーとCGSの中間……よりは大分CGS側に近い場所だった。
正直なところ、直接CGSに転移するという手段もあったのだが、戦場で影のゲートから出てくるような事になれば、ギャラルホルンに影のゲートを見られてしまう。
そんな訳で、こうしてある程度距離のある場所まで転移したのだ。
「マーベル、MSに異常は?」
『問題ないわ。さっさと行きましょう。CGSは参番組だけで持ち堪えているんでしょう?』
あ、これマーベル怒ってるな。
無理もないか。
一応軽く事情を説明したのだが、その内容は決してマーベルにとって好ましいものではなかった。
まぁ、壱番組と弐番組、それに多分……いや、ほぼ確定で社長のマルバも参番組を囮にして、逃げ出したのだ。
それを聞いて、マーベルに怒るなという方が無理だった。
ましてや、MWしかない参番組に対してギャラルホルンはMSを……それも主力MSのグレイズを複数機用意している。
少しでも早く助けに行きたいと思うのは、おかしな話ではない。
「俺は先に行くから、マーベルもすぐに追ってきてくれ」
純粋な機動性は、恐らくゲイレールよりもユーゴーの方が上だろう。
だが、ゲイレールの場合は地上用の装備としてホバーユニットがある。
これによって、普通よりもかなり速く移動出来るのだ。
先行したい場合、非常に重宝する外部装備だった。
『分かったわ。私もすぐに行くから。アクセルはあの子達を少しでも早く助けてあげて』
「任せろ」
そう言い、俺はホバーユニットを起動させる。
するとゲイレールの足が数mの位置まで浮き上がった。
空を飛ぶよりは遅いが、それでも普通に地上を移動するよりは速度が上がる。
ホバー移動しながらCGSのある方に向かうと、数分もしないうちギャラルホルンのMWを発見する。
どうやら予想通りCGSの周囲を封鎖していたらしい。
マルバ達はCGSから逃げ出したが、恐らく信号弾の件がなくても途中でこうした連中に見つかっていただろう。
もしくは、さすがに全てを完全に封鎖するといった事は難しいので、場合によっては幸運にも封鎖をしている者達から抜け出せたかもしれないが。
「っと」
MWから発射されたミサイルを回避する。
封鎖している連中にしてみれば、戦場となっている場所に向かうMSだけに放っておく事は出来ないと判断したのだろう。
とはいえ、MSのナノラミネートアーマーはミサイル程度が命中してもダメージらしいダメージはないのだが。
そういう意味では別にミサイルに当たっても構わなかったのだが、わざわざ向こうを良い気分にさせてやる必要もない。
手持ち火器の110mmライフルで撃破してやろうかとも思ったが、ライフルだけに残弾数はそんなに多くはない。
それにMWでMSを倒すのは基本的に無理である以上、俺のすぐ後ろからやってくるユーゴーを相手にしても、結局どうしようもないだろう。
この連中にしてみれば、俺達が戦場に入っていくのを見る事しか出来ない。
……それこそ信号弾でも使えば話は別だが、生憎とそんな様子はない。
もしかしたら、実戦慣れしてないのか?
いや、でも一応火星のギャラルホルンも、海賊とかそういう相手とは戦っていてもおかしくはないんだが。
そんな疑問を抱くも、その疑問よりも先に戦場が映像モニタに表示される。
当然だが、戦場に到着すれば敵がMWだからといって見逃す訳にはいかない。
封鎖していた連中なら、移動するのに邪魔さえしなければ問題はない。
だが、ここは戦場だ。
ここでMWを放っておけば、参番組が被害を受けるような事にもなりかねない。
そんな訳で……
「邪魔だ」
110mmライフルの試射という感じで、映像モニタに表示されたMWを撃破する。
これで1機。
そしてMWが破壊されたことで、背後からの攻撃に気が付いたのだろう。
他のMWが振り返るが……すぐに逃げ散る。
……おい?
これは正直なところ予想外だった。
いやまぁ、MWでMSに勝てない以上、逃げるのはそうおかしな話ではない。
そしてCGSと違って自分達の拠点が攻められている訳ではない以上、どうしても逃げられない訳ではない。
ないのだが……それにしても、ギャラルホルンとしてのプライドがあれば、そう簡単に逃げたりは出来ない筈だ。
なのにこうして逃げるのは……もしかして、CGSを襲撃してきた連中はギャラルホルンの中でも弱い部隊なのか?
CGSにはMWしかないと、ギャラルホルンも分かっていた筈だ。
そうなると、腕の悪い部隊を出しても勝利は確実だと判断していた筈……いや、それはないか。
当初はシャドウミラーも襲撃対象になっていた筈だ。
そしてシャドウミラーにMSがあるというのは、ギャラルホルン側でも分かっていただろう。
ギャラルホルンの情報網があれば、元ブルワーズでMSの操縦が得意な者達がいるという情報すら持っていたかもしれない。
そうなると……まぁ、ギャラルホルンだから大丈夫だと、そんな風に思っての行動の可能性もあるが。
そんな風に考えながらMW隊の中を突破していくと、やがてグレイズが1機、俺の前に立ち塞がる。
なるほど、MWが逃げ散っていたが、MSが攻めてきたといった報告はしていたのだろう。
そしてゲイレール……つまりギャラルホルンの1世代前の主力MSである以上、グレイズがあれば対処は出来ると考えたらしい。
『貴様、何者だ!』
通信ではなく、外部スピーカーで尋ねてくるグレイズのパイロット。
ゲイレールに乗っているという時点で誰なのかが分かってもいいだろうが……いや、今は少しでもこっちに注目を集めた方が、CGSの連中の援護になるか。
そう判断し、向こうの茶番に乗ってやる事にする。
「俺はアクセル・アルマー。シャドウミラーの社長だ」
『何? いや、だが……その人物はCGSにいた筈……つまり、最初に逃げ出していたのか?』
驚きからそんな風に呟く敵パイロットだったが、その独り言は普通に聞こえてきてるんだが。
そして俺がCGSにいたのを知っていたとなると、やはり何らかの手段で情報を入手していたのは間違いないらしい。
「どうだろうな。もしかしたら何かもっと信じられない手段があるかもしれないぞ?」
そう言いつつ、俺はシールドアックスを装備する。
今までシールドとして使っていたのを、斧として装備したのだ。
『貴様、ギャラルホルンに逆らう気か?』
こちらが戦闘態勢に入ったのを見たグレイズのパイロットは、信じられない、理解出来ないといった様子を見せる。
何だ? もしかしてこの期に及んで実はギャラルホルンに降伏する為に来たのですとか、そんな風に言うとでも思ったのか?
まぁ、向こうが何を考えていようと、こっちとしてはやるべき事は変わらない。
「逆らうも何も、そっちから攻撃を仕掛けて来たんだ。それで反撃されないとでも、本気で思っていたのか?」
『貴様ぁっ!』
俺の言葉にグレイズのパイロットは苛立ち混じりに叫ぶ。
さっきから貴様しか言ってないような気がするな。
とはいえ、こいつにとってギャラルホルンに逆らうというのは、有り得ないことだと認識していたのだろう。
だというのに、CGSはこうして反撃しているし、そして俺達シャドウミラーはMSすら持ち出してきた。
その上、そのMSはギャラルホルンが以前使っていたゲイレールだ。
これで怒るなという方が無理なのだろう。
取りあえずグレイズを1機、こうして俺に意識を集中させたので、もう十分か。
そろそろ殺す……と思ったが、俺はゲイレールの構えていたシールドアックスを下ろす。
『どうした? もう降伏すると言っても遅いぞ』
シールドアックスを下ろした事で、グレイズのパイロットは俺に嘲りの言葉を口にする。
別にそういうつもりじゃないんだけどな。
俺がシールドアックスを下ろしたのは……
『アクセル、私がやっていいの?』
後ろからやって来たユーゴーが、俺の隣に到着してそう尋ねてくる。
当然ながら、そのユーゴーに乗っているのはマーベルだ。
「ああ、こいつの相手を頼む。今は少しでもギャラルホルンの注目をこっちに集める必要があるから、派手にな」
『そういうのはあまり得意じゃないんだけど……参番組の子達が助かるのなら、仕方がないわね』
「それとグレイズはギャラルホルンの現役の主力MSだ。出来れば潰すのはコックピットだけにして、MSは確保してくれ」
『出来るだけやってみるわ』
そう言うと、マーベルのユーゴーは円月刀を構える。
背中に装備している状態では円月刀の名前の通り丸い刀……刀? ともかく近接用の武装なのだが、手で持つと円の形ではなく半円の形となる。
円月刀ではなく、半月刀という表現の方が相応しいのではないかと思う。
『貴様ぁっ!』
俺とマーベルは通信で会話をしていたので、グレイズのパイロットにその内容は分からなかった筈だ。
だが、ユーゴーが円月刀を両手に構えたのを見れば、グレイズの相手をするのが俺ではなくユーゴーだというのは容易に理解出来るだろう。
だからこそ、グレイズのパイロットはこうして怒っている訳だが……
「じゃあな」
それだけを外部スピーカーで告げると、俺はゲイレールで更に奥に向かう。
そんな俺のゲイレールに向かって攻撃しようとしたグレイズだったが、そうはさせじとマーベルのユーゴーが円月刀で斬りかかる。
それを何とか回避するグレイズだったが、その時は既に俺のゲイレールはホバーユニットを全開にしてその場から離れていた。
背後から外部スピーカーでこちらを罵ってくる声が聞こえてくるが、それは無視する。
……いや、無視をするまでもなく、マーベルのユーゴーの攻撃によって悲鳴になっていた。
そんな声を無視して、俺は戦場を進む。
取りあえずマーベルならグレイズを確保するのはそう難しくはないだろう。
そう思っておく。
……聖戦士としての経験のあるマーベルだ。
ギャラルホルンのMSパイロットを相手にしても、倒すのはそう難しくはないだろう。
まぁ、グレイズの確保はあくまでもついでだ。
最悪、撃破しても構わない。
こうして確実に敵対した以上、もうギャラルホルンに対する遠慮はいらない。
衛星軌道上にある本拠地に忍び込むのは難しいが、地上にある基地なら影のゲートを使えば容易に侵入出来る。
そうなると、グレイズも結構な数入手出来るのは間違いない。
……問題なのは、コックピットをどうするかだな。
子供組が阿頼耶識を使う以上、出来ればMSのコックピットも阿頼耶識に対応した物にしたい。
だが、ギャラルホルンは阿頼耶識を忌むべき物と認識してるので、当然ながらそのコックピットは阿頼耶識ではなく、通常のコックピットだ。
ノブリスに頼むか?
とはいえ、これはかなり危険な事だ。
ノブリスがギャラルホルンに影響力があるのは間違いないが、だからといってそれで何でも出来る訳ではない。
ギャラルホルンの基地から盗んだMSのコックピットを阿頼耶識対応型に換装するなんてことは、もし実際にやった場合、ノブリスがギャラルホルンに捕らえられてもおかしくはない。
実際にやるのはノブリスではなく、ノブリスから指示を受けたメカニックなので、もしかしたらノブリスまでギャラルホルンの捜査の手は届かないかもしれないが、それは運を天に任せるという事になるだろう。
そんな風に考えていると、やがてゲイレールの映像モニタにCGSの建物が見えてきた。
予想通り、複数機のグレイズを相手に参番組はMWだけでやり合っている。
しかし、当然ながらMWでMSに対抗出来る筈もない。
参番組もそれは分かっているのか、MSを相手に攻撃するのではなく回避に専念していた。
そして回避に専念すれば、MWはMSに比べると小型だし、阿頼耶識による操縦の効果もあってか、一方的に攻撃されてはいるものの、撃破されているのは……いや、結構な数のMWが破壊されてるな。
ともあれ、そんな場所に乱入し……MSの1機がライフルでMWを撃破しようとしているのを見て……
「させるか!」
110mmライフルのトリガーを引く。
その瞬間、ライフルを持っている右肘の関節部分に放たれた弾丸が命中する。
ナノラミネートアーマーは物理攻撃をある程度無効化する能力を持つが、関節部分は別だ。
……まぁ、動き回っているMSの、しかも的が小さく狙いにくい関節部分に命中させる事は普通出来ないが。
俺のように、PPによって命中の数値を上げていれば、話は別だが。
グレイズのパイロットは、何故自分の機体の右腕が破壊されたのか、分からなかっただろう。そして……
「そのまま死ね」
その言葉と共に、左手で持ったシールドアックスをグレイズのコックピットに叩き付ける。
『ぎゃあっ!』
接触回線で悲鳴が聞こえてくるが、俺はそれに構わずパイロットの死んだグレイズをその場に蹴り倒し……
『聞こえているな、参番組。俺はシャドウミラーのアクセルだ! MSは俺が相手をするから、今は生き延びる事に集中しろ!』
外部スピーカーで、そう叫ぶのだった。
アクセル・アルマー
LV:45
PP:30
格闘:313
射撃:333
技量:323
防御:323
回避:353
命中:373
SP:3003
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1866