「やっぱりな」
シャトルの窓から見えたのは、こちらに近付いてくる数機のMS。
そのMSが出撃してきたのは、オルクス商会の船だ。
だが……予想外だったのは、マン・ロディやガルム・ロディ、ユーゴーといった傭兵や海賊が使うようなMSではなく、グレイズだった事だ。
現在このオルフェンズ世界において、グレイズを使っているのはギャラルホルンのみ。
いやまぁ、俺達がグレイズを持っているのを見れば分かるように、何らかの理由でグレイズを使っている者達もいるかもしれないが、そのような者は本当に少数でしかない。
何しろ、グレイズはギャラルホルンにとって非常に大きな意味を持つ。
最新鋭の主力MSという事もあり、ある意味ではギャラルホルンの象徴と呼ぶべき存在ですらある。
だからこそ、そのMSをギャラルホルン以外が……それもギャラルホルンと敵対している者達が使っていたりする場合、容赦なく潰しにきてもおかしくはなかった。
まぁ、俺達は……うん。色々と特殊だから置いておくとして。
ともあれ、これだけ大々的にグレイズを使ってきたとなると、これはオルクス商会ではなくギャラルホルンの襲撃なのは間違いない。
俺達にとって、非常に厄介なことになってしまった形だ。
トドという、獅子身中の虫を追い出す為の作戦の筈が、どうやらオルクスはトドとは別のところで何かを企んでいたらしい。
最初からトドを使ってこういう状況を作り上げようとしたのか、それともトドと話を進めている中で何らかの理由からこういう事になったのか。
何となく……本当に何となくだが、後者のような気がするな。
俺がそう思うのは、鉄華団の拠点でオルクスと話した時の印象からだろう。
『アクセル、どうするの? すぐに出る?』
通信でマーベルが聞いてくる。
この件については、シャトルに乗ってから全員に事情を説明しておいた。
特に驚くような者がいなかったのは、元ブルワーズであったり、俺と一緒にバイストン・ウェルや地上での戦いを戦い抜いたマーベルやシーラであったり、ギャラルホルンにいた経験のあるクランクだったりするから。
「そうだな。……いや、ちょっと待て。どうやら向こうの方に食いついたみたいだ」
俺達が乗っているシャトルの前を、鉄華団のシャトルが移動している。
オルガにしてみれば、露払い的なつもりだったのだろうが、それが見事に当たった形だ。
ギャラルホルンのMSパイロットが、何を思って鉄華団のシャトルに接触したのかは、俺には分からない。
分からないが、こちらとしては相手の隙を突けるという意味で問題はなかった。
「ハッチを開け。俺達よりも先を進んでいる為か、ギャラルホルンのMSは向こうを本命だと思っている。あるいは、鉄華団が向こうのシャトルに乗ってるから向こうを狙ったのかもしれないが」
クーデリアを地球に送っていく依頼については、実際にはシャドウミラーが受けたものだ。
それはつまり、このシャトルにクーデリアやフミタンが乗っている事を意味している。
だが、ギャラルホルンにとっては、鉄華団……当時CGSだった連中の拠点にクーデリアがいる時に襲撃をしている。
それを考えれば、実際には違うものの、鉄華団がクーデリアの依頼を受けていると考えてもおかしくはない。
そう言えば、結局どうやってギャラルホルンがあの時CGSにクーデリアがいると判断したのかまだ分かっていないんだよな。
トドの件もあって、もしかしたらトドが情報を流したのかとも思ったが、もしそうならとっととトドはCGSから抜け出しているだろうし。
となると、ハエダとか?
実際、ハエダの性格を考えれば、そのくらいの事は普通にやりそうだとは思う。
思うのだが、ハエダはあの時かなり狼狽していたという情報もある。
もし襲撃してくるのを知っていれば、それこそトドの時も思ったように、とっとと逃げ出しているだろう。
それがないという事は、また別の……そこまで目立たない奴が裏にいたのかもしれないな。
そんな風に思いながら、俺はハッチが開くのを見ている。
シャトルの上の部分にはMS1機分を搭載するだけの空間的な余裕がある。
本来ならMSではなく、何らかの物資を搭載したりするのだろうが……ともあれ、MSを搭載出来るというのは、俺にとっては悪い話ではない。
そんな訳でシャトルの上部分が展開し……
「アクセル・アルマー、グレイズ、出る」
戦艦とかそういうのではなく、これはあくまでもシャトルだ。
そうである以上、本来なら別にわざわざそのように宣言をする必要もない。
ないのだが、これはある意味で癖だ。
そうして口する事により、戦いの気分に切り替える。
わざわざそういう事をしなくても、実際にはそこまで問題ないのだが。
とはいえ、今はこの状況を潜り抜ける事を考えておく必要があった。
オルガとの打ち合わせ通りに話が進んでいれば、ある程度の時間を持ち堪えればそれでいい。
それでいいのだが……これからギャラルホルンとの戦いが行われる事を考えれば、やはりここは可能な限りギャラルホルンの戦力を減らしておいた方がいい。
俺が襲撃した基地や、俺が襲撃出来なかった……クランク達が拠点としていた基地にもまだ戦力は残っているだろうが、それを考えた上でもここでギャラルホルンの戦力は可能な限り減らしておいた方がよかった
何しろ、ここで行動すればそれだけ地上に残してきた者達の安全が高まるという事を意味しているのだから。
それでもギャラルホルンの規模を考えると、他の基地から戦力を呼び寄せるとか出来るので、そういう意味では決して安心は出来ないのか?
そんな風に思いながら、鉄華団のシャトルに向かう。
当然ながら、鉄華団のシャトルの周囲にいたギャラルホルンのグレイズ達も俺の存在には気が付く。
気が付くのだが、それがグレイズであるという事から、敵味方識別信号とかそういうのを確認するでもなく、味方だと判断したのか、攻撃をしてきたり、警戒してくる様子はない。
グレイズはギャラルホルンしか使っておらず、だからこそ味方だと判断したのかもしれないが……
「甘い」
その言葉と共に、120mmライフルを撃つ。
放たれた弾丸が、鉄華団のシャトルの近くにいたグレイズの右肘に着弾し、破壊する。
ナノラミネートアーマーも、関節部分は無力なんだよな。
そうして関節部分を破壊されたグレイズは、そこでようやく俺が敵だと判断したらしい。
慌てた様子でこちらに武器を向けようとするが……
「あーあ」
そう言う俺の言葉は、鉄華団のシャトルの上部が開き、そこから現れたバルバトスの攻撃を食らって吹っ飛ぶ。
何だ、あの武器。
バルバトスの持っている砲身の長い射撃武器を見て、そう思う。
あの武器は一体どこから手に入れたんだ?
まぁ、バルバトスの武器としては悪くない……のか?
実際にグレイズを吹き飛ばすという結果を見せているんだし。
「三日月、俺の機体は分かるな? 同じグレイズだからといって、間違って攻撃するなよ」
『分かってるよ』
通信で返ってきたのは、面倒臭そうな三日月の声。
場合によってはそんな三日月の声に不満を持ってもおかしくはないだろう。
だが、それなりに三日月の性格を知っている俺にしてみれば、この言葉は三日月が本当に嫌そうにしている訳でもないのが分かる。
態度はともかく、言われた事はきちんとやる。
それが三日月なのだ。
……あ、けどそうだな。三日月が不満そうなのは、オルガが俺に攻撃しないように言い聞かせたからというのもあるのかもしれないな。
三日月にしてみれば、オルガは昔からの仲間だ。
そんなオルガが、俺に1歩譲るような態度を見せているのは、面白くないのだろう。
ある意味、嫉妬だったりするのか?
そうも思ったが、その辺については慣れて貰うしかないのも事実。
何しろこの先は暫くの間……それが具体的にどのくらいの間かは分からないが、行動を共にすることになるのだから。
まさか、クーデリアを地球まで送っていって、それで終わりという事はないだろう。
地球に行った後で、ギャラルホルンに対する抵抗運動をする連中と接触するか、あるいはもっと別の……そう、ギャラルホルン同士の内乱とか、そういうのに巻き込まれてもおかしくはない。
もしくは、いっそマクロス世界のバジュラのように、宇宙生物の襲撃があったりする可能性もある。……あるか? ガンダム系の世界とそういう宇宙生物とはあまり合わない気がするが。
とはいえ、SEED世界の羽根クジラの件もある。
絶対にないとは言えない。
「っと」
そんな事を考えていると、その隙を狙ったのか……あるいは単純にガンダム・フレームのバルバトスと戦うよりは、グレイズの方が自分達の使っているMSなので、対処をしやすいと考えたのだろう。
だが……
「甘いんだよ」
こちらに攻撃してきた120mmライフルの攻撃を回避しつつ、同じ120mmライフルで反撃する。
向こうの攻撃は回避し、こちらの攻撃は膝の関節部分を貫き、破壊する。
そうしてバランスが崩したところで、バトルアックスを手に、一気に敵との間合いを詰め……
ぐしゃり、と。
俺が振るったバトルアックスは、ギャラルホルンのグレイズのコックピットを破壊する。
これで1機。
そう思いながら、コックピットにめり込んだバトルアックスを動かす。
すると当然ながら、グレイズの機体もバトルアックスの動きに追従し……
がん、がん、がんと。
他のグレイズが撃ったのだろう120mmライフルが機体に命中する衝撃が伝わってくる。
しかし、その衝撃はすぐに終わる。
撃った者も、自分の仲間の機体に攻撃をしていると気が付いた為だろう。
コックピットを潰した以上、パイロットは死んでいる。
だが、もしかしたら……本当にもしかしたらだが、生きている可能性もあるのだ。
だからこそ、その万が一の可能性を信じて撃つのを止めたという点もあるだろう。
甘いと言うべきか、仲間思いと言うべきか。
どのみち俺にとって有利な状況なのは間違いない。
そのままグレイズの残骸を盾に、先程攻撃してきた相手に向かって突っ込んでいく。
向こうからの攻撃はない。
仲間の機体に向かって攻撃するのを避けている以上、当然だろうが。
ただ……
「そっちからも攻撃してくるのは当然か」
俺が向かっていたグレイズはこちらに向かって攻撃出来なかったものの、他のグレイズは別だ。
バルバトスと戦っているグレイズもいるが、俺に向かって攻撃をしてくるグレイズも多い。
普通に戦っているバルバトスと違い、俺は敵の死体を盾にしているようなものだ。
ギャラルホルンにしてみれば、仲間の死体をそのように扱われるのは絶対に許せないのだろう。
……だからといって、こっちの手が緩む訳ではないのだが。
右手でバトルアックスを……コックピットに突き刺さったグレイズの残骸を盾とし、左手に持つ120mmライフルで回り込もうとするグレイズを撃つ。
だが、オルフェンズ世界のMSの厄介なところは、関節部分にはナノラミネートアーマーがないので容易に撃ち抜けて破壊出来るのだが、それだと結局四肢を破壊するだけに留まるという事だろう。
コックピットを貫くのは……無理とは言わないが、何度も同じ部分に命中させる必要がある。
そうしてナノラミネートアーマーを剥がせば、コックピットを撃ち抜く事も出来るんだが……面倒だな。
「直撃」
精神コマンドの直撃を使い、回り込もうとしたグレイズのコックピットを狙う。
放たれた弾丸は、そのままコックピットに命中し、精神コマンドの直撃の効果によってナノラミネートアーマーの効果を発揮させず、あっさりと貫く。
これで2機。
そのままこっちを攻撃してくるグレイズのコックピットに向かい、精神コマンドの直撃を使って撃破していく。
3機、4機、5機、6機。
そこまで撃破したところで、俺を包囲していた他のグレイズが距離を取る。
俺が何らかの手段を使ってナノラミネートアーマーを無効化し、次々とコックピットを撃破していったのに気が付いたのだろう。
それによって、俺を攻撃するのが危険だと判断したらしい。
とはいえ、だからといってこのまま撤退するという事まではせず、こちらから距離を取った状態で俺を警戒している。
また、バルバトスとの戦いの援軍に向かったグレイズもいる。
さて、どうしたものか。このまま方舟に入るのはちょっと不味いだろうし。
そうなると、どうにかして包囲を突破するなり、ギャラルホルンを諦めさせるなりする必要があるんだが。
かといって、この様子だと俺が近付けばそれだけで逃げるだろうし、場合によっては俺がシャトルから離れすぎると、そちらを狙われる可能性が高い。
そうなると……うん。やっぱりこの状況を維持するしかないのか?
そんな風に思っていると、グレイズ……いや、何だあのトサカは?
何だかW世界のトールギスに似たトサカを持つ、青と黄色に塗られた機体がこちらに向かってくるのを見つけるのだった。
アクセル・アルマー
LV:45
PP:60
格闘:313
射撃:333
技量:323
防御:323
回避:353
命中:373
SP:3003
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1872